著者
青木 孝之
出版者
駿河台大学
雑誌
駿河台法学 (ISSN:09149112)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.392-336, 2010-02
著者
三浦 誠司 西岡 道人 野澤 慶次郎 藤田 正信 青木 久恭 和田 浩明 捨田利 外茂夫 三重野 寛治 小平 進
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.18-23, 1998-01
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

22歳,男性.主訴は入工膣からのガス・便の排出.1年10か月前に海外で膣造設術を含む性転換手術を受けている.造影および内視鏡検査では瘻孔は高位にあり,直腸膣中隔の膣側上皮は広汎に欠損していた.手術は経仙骨的アプローチで施行し,直視下に瘻孔を切除して層々に縫合閉鎖した.術後3年以上経過した現在,再発はない,本症例は腹部や大腿部に創痕が残るような術式を拒んだため,瘻孔を閉鎖できたが,膣を安全に使用できるような術式ではなかった.男性性転換手術者に発生する直腸膣瘻の治療は困難で,その理由として発生原因が人工膣の萎縮防止用ステントを長期間使用したための圧迫壊死であること,および造膣手術時に広範囲に剥離が行われていて周囲組織を瘻孔閉鎖手術時の修復に利用できないことなどがあげられている.欧米の報告では本症の発生率は低いが,観察期間が短いものが多いことから過小評価されている可能性が考えられる.
著者
青木 隆浩
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.197, pp.321-361, 2016-02-29

本稿では,明治時代から1980年代までの長期にわたり,日本における美容観の変遷とその原因をおもに化粧品産業の動向から明らかにしたものである。そのおもな論点は,明治時代以降の美容観が欧米化の影響を受けながらも,実際に変化するには長い時間がかかっており,欧米化が進んだ後でも揺り戻しがあって,日本独自の美容観が形成されたということであった。まず,明治時代といえば,白粉による白塗りと化粧品の工業製品化による一般家庭への普及がイメージされるが,実際には石鹸や化粧水,クリームといった基礎化粧の方がまず発達していったのであり,メイク方法は白粉をさらっと薄く伸ばす程度のシンプルなものだった。口紅やアイメイクに対する抵抗感は,現在から考えられないほど強かったため,欧米の美容観はなかなか受容されなかった。1930年代に入ってから,クリームや歯磨,香油などの出荷額が伸びていくが,第二次世界大戦による節制と物品税の大増税によって,すぐに化粧をしない時代に戻っていった。その後,1960年前後までの日本の女性は,クリームや化粧水による基礎化粧はするものの,メイクはほとんどしなかった。欧米型のメイク方法は,1959(昭和34)年におけるマックスファクターの「ローマンピンク」キャンペーンと1960(昭和35)年におけるカラーテレビの放送開始を契機として,普及し始めたと考えてよい。とくに1966(昭和41)年からそのキャンペーンにハーフモデルを起用して成功を収めたことが,ハーフモデルの日焼けした肌と大きな目に憧れる結果となって,欧米型のメイクが普及する大きな要因となった。ところが,1970年代の初めにハーフモデルを起用した日焼けの提唱がいったん終わり,その後,日本の美が見直されていくことになる。さらに,1980年代に入ると自然派志向やソフト志向が顕著となり,その中でアイドルタレントが化粧品のプロモーションに起用されるようになると,日本独自の自然でソフトな女性像,つまり1980年代の「かわいらしさ」のイメージが形成されていった。
著者
小堀 善友 青木 裕章 西尾 浩二郎 佐藤 両 芦沢 好夫 八木 宏 宋 成浩 新井 学 岡田 弘
出版者
THE JAPANESE UROLOGICAL ASSOCIATION
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.103, no.3, pp.548-551, 2012-05-20

(目的)不妊症の原因が膣内射精障害であるカップルは少なくない.これらの膣内射精障害患者に対し,マスターベーションエイドであるTENGA<sup>®</sup>を用いてリハビリテーションを行った.(対象と方法)男性不妊症患者で膣内射精障害を訴えた男性16人(29~48歳).非用手的マスターベーションや,強すぎるグリップなど,マスターベーション方法に誤りが認められる患者を10名認めた.テストステロン値には異常を認めなかった.外来にてカップルに対してカウンセリングと正しいマスターベーション方法を指導し,マスターベーションエイドを用いた射精リハビリを指導した.併用した薬剤や挙児希望者に対して用いた生殖補助医療についても検討した.(結果)16例中12例(75%)は射精リハビリテーションの結果TENGA<sup>®</sup>を用いてのマスターベーションは可能になり,マスターベーション方法は補正が可能であった.さらにこのうち5例(31%)は膣内で射精が可能になった.(結論)膣内射精障害は,潜在的に多くの患者がいる可能性がある.マスターベーション方法が間違っている患者に対しては,マスターベーションエイドにて補正が可能であり,膣内射精も可能になる事が示された.マスターベーションエイドは,膣内射精障害治療の選択枝の一つとなりうると考えられた.
著者
金城 孝俊 青木 岳史
出版者
公益社団法人 日本設計工学会
雑誌
設計工学 (ISSN:09192948)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.111-122, 2019 (Released:2019-02-05)
参考文献数
16

When using robots to investigate a disaster site after an earthquake, the act of carrying robots into the workplace is dangerous for the rescuer and may result in a second accident. If robots can be thrown into the workplace, operators will be safe and the job made easier. We have been researching and developing our legged robots "QRoSS" series, which are transformable robots with a spherical outer shell to absorb the external shock of landing. The purpose of this study is the development of QRoSS III, which can get over obstacles by jumping. It performs two takeoff postures and two static gaits using three legs and its shell. This paper reports concepts and the design of QRoSS III and discusses experimental results: takeoff postures, gait locomotion and a series of the jumping motions.
著者
青木 靖子
出版者
こども教育宝仙大学
雑誌
こども教育宝仙大学紀要 = Bulletin of Hosen College of Childhood Education
巻号頁・発行日
vol.2, pp.87-96, 2011-03-16

This notes are concerned with musical performance in what is known as the " Galant Style ". In order to show how the performing style of this period evolved, and to show the impact of J. J. Quantz, F. W. Marpurg, D. G. T&uuml;rk, and F.J. Haydn of forgotten period on later generations of musicians, I have had to describe the function of Italian tempo directions (Allegro, Andante, Largo, etc.).This notes attempts to describe some of the rules and conventions which governed musical performance in the times of Galant. The rules mentioned in this notes should be checked by every modern performer.
著者
松本 剛 木村 政昭 仲村 明子 青木 美澄
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.105, no.3, pp.286-296, 1996-06-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
27
被引用文献数
6 11

Precise topographic features at the two major structural boundaries in the Ryukyu Arc, Tokara Gap and Kerama Gap, revealed that there exists a ridge feature of the Ryukyu Arc as a saddle topography. The feature supports the idea recently proposed that a landbridge connecting the Chinese continent, Ryukyu Islands and Japanese Islands, is thought to have been subsided since Late Pleistocene. The saddle is offset by large-scale left-lateral normal faults both of which are related to the opening of the Okinawa Trough. These topographic features and geological structure together with the gravity anomaly and regional tectonics in the Ryukyu area suggest that a north-south tensional stress regime, due to the rolling buck of the Philippine Sea Plate at the Ryukyu Trench, has dominated in this region since last 20, 000 years.
著者
青木 博史
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-15, 2009-04-01 (Released:2017-07-28)

動詞の重複形には,終止形重複と連用形重複がある。本稿では,「語」レベルにとどまらず,「句」レベルを含む「構文」として,歴史的観点から分析を行う。終止形重複は,古くは通常の終止形述語同様,文終止に用いられたが,動詞としての述語性を失う形で副詞化した。連用形重複は,従属節専用の形式であるが,述語性を獲得するために「重複+スル」の形を生み出し,「複合動詞重複+スル」「重複句+スル」の形で現在も用いられている。重複構文は,古今を通じて「結果継続」を表すことはない。変化動詞の重複形においても,「重複+スル」等の形で動的な事態の繰り返しを表す。「踏み踏みする」のような「単純動詞重複+スル」が用いられなくなるのは,「踏み踏み」が「語」と認識され,「重複語+スル」の形が拒否されるようになったためと考えられる。
著者
村田 昌則 小林 淳 青木 かおり 高橋 尚志 西澤 文勝 鈴木 毅彦
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.130, no.3, pp.379-402, 2021-06-25 (Released:2021-07-20)
参考文献数
41
被引用文献数
2

Kozushima is a volcanic island, located in the northern part of the Izu Islands, approximately 170 km SSW of central Tokyo. The volcanism of Kozushima Volcano started at 80-60 ka and formed monogenetic volcanoes. The latest eruption occurred in AD 838, and was associated with the formation of the lava dome and pyroclastic cone of Tenjo-san. In order to contribute to the long-term forecasting of volcanic eruptions on the Izu Islands off Tokyo, the tephrostratigraphy and eruption history of Kozushima Volcano during the last 30,000 years is reconstructed. According to the geological surveys, the widespread Kikai-Akahoya (K-Ah; 7.3 cal ka) and Aira-Tanzawa (AT; 30.0 cal ka) tephras from southern Kyushu, and Niijima-Mukaiyama (Nj-My; AD 886), Niijima-Shikinejima (Nj-Sk; 8 cal ka) and Niijima-Miyatsukayama (Nj-Mt; 12.8 cal ka) tephras from the Niijima Volcano 20 km NNE of Kozushima are recognized. Tephras that also erupted from Kozushima Volcano are Kozushima-Tenjosan (Kz-Tj; AD 838), Kozushima-Ananoyama (Kz-An; 7-9 c), Kozushima-Chichibuyama-A′ (Kz-CbA′; 14-12.8 cal ka), Kozushima-Chichibuyama-A (Kz-CbA; 30-22 cal ka), and Kozushima-Chichibuyama-B (Kz-CbB; ca. 30 ka). Kz-An is formed by the activity of the northern volcanic chains (Kobe-yama–Anano-yama–Hanatate) just before the Tenjo-san eruption. Kz-CbA′ is distributed in southern Kozushima. Source vent and distribution of Kz-CbA′ have not yet been identified. The eruption history of Kozushima volcano over the last 30,000 years is as follows. At ca. 30 ka, Kz-CbB erupted in the central Kozushima, and the Nachi-san dome and Takodo-yama dome formed. At 30-22 ka, the Kz-CbA eruption in the southern Kozushima and the formation of the southern volcanic chain occurred. After the eruption of Kz-CbA′, the formation of the northern volcanic chain was followed by the eruption of Tenjo-san volcano. In addition, the eruption rate of Kozushima volcano is estimated during the last 30,000 years to be approximately 0.06 km3/1000 y in DRE.
著者
児玉 泰光 吉田 謙介 永井 孝宏 西川 敦 後藤 早苗 青木 美栄子 内山 正子 高木 律男
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.48-57, 2020-01-25 (Released:2020-07-22)
参考文献数
28
被引用文献数
1 2

歯科外来における抜歯に関連した経口抗菌薬について,歯科ICTによる抗菌薬適正使用支援プロブラム(ASP)の前後で調査した.2015年1月~2018年12月において,電子カルテを用いた後ろ向き調査から抜歯当日の経口抗菌薬処方(術後投与)を抽出し,経口抗菌薬投与の有無,種類,期間を検討した.対象期間の後半(2017年1月)から,ASPとして抗菌薬適正使用に関する設問を含むe-learningを実施し,同時に関連情報を歯科系全医療スタッフで共有した.対象期間の普通抜歯は12,225件で,前半68.1%(4110/6036),後半50.4%(3120/6189)で経口抗菌薬が処方されていた.下顎埋伏智歯抜歯は4,740件で,前半90.5%(2130/2354),後半60.3%(1419/2354)で経口抗菌薬が処方されていた.ガイドラインによると普通抜歯では抗菌薬投与不要,下顎埋伏智歯抜歯では術前投与が推奨されており,適正使用化傾向が確認された.また,経口抗菌薬の種類は,第三世代セフェム系が激減し,普通抜歯では2015年上半期86.9%であったのが2018年下半期には28.3%に,下顎埋伏智歯抜歯では2015年上半期87.4%であったのが2018年下半期には8.5%となった.歯科ICTが主導するASPが歯科外来での抜歯における経口抗菌薬の適正使用に寄与したと推察された.