著者
小西 敏正 茶谷 正洋 青木 義次
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会論文報告集 (ISSN:03871185)
巻号頁・発行日
vol.297, pp.71-77, 1980-11-30 (Released:2017-08-22)

The purpose of this study is to give graphical expression to the building system by symbolized building joints. On the assumption that a building is considered as a thing that is assembled systematically by building members, the organization of building members should be expressed by three kinds of matrix. ie. jointing matrix, building member matrix, joint parts matrix. By this way, not only the whole form but details can be expressed and analysis of organization of building become easy.
著者
青木 聖久
出版者
日本福祉大学福祉社会開発研究所
雑誌
現代と文化 : 日本福祉大学研究紀要 = Journal of Culture in our Time (ISSN:13451758)
巻号頁・発行日
vol.136, pp.75-92, 2017-09-30

本稿は,筆者の精神障害者との30 年間のかかわりや,研究の蓄積を基にした上で,働くことに関する先行研究から,精神障害者が生きづらさを持ちつつも働くことの意義について論じたものである. 精神障害者は,幻覚や妄想等の疾患,思考や対人関係の苦手等の障害,さらには,自らが持っている内なる偏見や周囲から受ける外なる偏見等の生きづらさを抱えている.とはいえ,概して精神障害者の生きづらさはわかりづらい.なぜなら,見た目と経験則によって理解しづらいからである.そこで,本稿ではこれらの生きづらさを可視化しやすいように,具体例等を挙げながら,①精神疾患,②精神障害,③内なる・外なる偏見に分けて論じた. 一方で,人は精神障害の有無に関わらず,働くことによって,物理的,あるいは,精神的に多くのものを得ることができる.本稿では,その働くということについての語源,働くことの価値,働くことにより達成可能な社会的つながりや社会的承認等について,経済学者や労働法学者等の先行研究を通して論じた.働くはwork とlabor に分けることができる.とりわけwork は,活動によって得られる作品を含め,広い意味を持つ.また,働くことの価値としては,経済的な報酬は一つの要素にすぎない.視点を広げることによって,働くことは人間形成をはじめとする多様なものが得られるのである. そして,本稿では精神障害者が生きづらさを持ちつつも,働く意義がどこにあるのかについて述べた.精神障害者は生きづらさにより,働き方に一定の工夫や配慮は求められよう.だが,働くことによって,豊かな人生につながる側面が大いに認められるのである.また,働くことを考えるにあたっては,精神障害を持っているからこそ提供しうる,他者には代えがたい事柄としての活躍の場を創出することも大切となる.加えて,社会は,ストレングス視点で捉えれば,希望と可能性に満ちている.精神障害者は,働くことを通して社会とつながり,自己有用感を得られるといえよう.
著者
青木 佳代 石川 和彦 林 賢一 斉藤 守弘 小西 良子 渡辺 麻衣子 鎌田 洋一
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.28-32, 2013-03-31 (Released:2013-09-07)
参考文献数
15
被引用文献数
4 13

A case of the suspected food poisoning related to deer meat occurred in December, 2011 in Shiga prefecture in Japan. Four of 18 people showed transient diarrhea, abdominal pain, nausea, and vomiting within 5 to 16 hr after eating. No typical food poisonous bacteria and viruses were detected in the food samples. Parasitological tests were performed on the deer meat, and the Ministry of Health, Labour and Welfare of Japan for horsemeat food poisoning were officially notified. A 1,100-bp DNA fragment was amplified by PCR from three slices of the deer meat, suggesting the presence of Sarcocystis sp. Cysts and bradyzoites were detected in the specimens of the deer meat. Immunohistochemical staining of the cysts detected in the deer meat with an antibody against the toxic 15 kDa protein of S. fayeri showed a positive reaction. This indicated that a similar toxic protein originating from Sarcocystis cysts was present in the deer meat. This suggested that the deer meat containing Sarcocystis cysts was the causative food in these cases of food poisoning.
著者
青木 慎一 倉光 修 阪口 敏彦 石井 実
出版者
The Illuminating Engineering Institute of Japan
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.166, 2005 (Released:2007-07-01)

昆虫の誘虫性は松下電工カタログ照明設計資料 照C-31 p208に示されているものである。しかし、これらの方法では、同じ照度での誘虫性評価しか行えない。そこで、本報では実際の照明器具及び壁材等の昆虫の誘虫性を、定量評価する評価手法の研究を行ったので報告する。新しい誘虫性指数を検討し、実際の誘引実験で、検証を行った。その結果からも、今後、新誘虫性指数を用いることによって、昆虫の誘虫性を評価することが可能であると考えられる。
著者
大谷 典生 浅野 直 望月 俊明 椎野 泰和 青木 光広 石松 伸一
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.12, pp.636-640, 2004-12-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
11
被引用文献数
3 3

A case report of histamine (Scombrotoxin) poisoning is presented. Five to ninety minutes after eating cooked swordfish, 30 persons reported feverishness, diarrhea, palpitations, headache, nausea, dyspnea, generalized urticaria, angioedema, and shock. Of these, 13 persons were admitted to Saint Luke's International Hospital. The patients were given intravenous hydration, IV Hl-blocker, and subcutaneous epinephrine as needed. However, 4 patients required continuous administration of epinephrine intravenously for resolution of the anaphylactic shock. These patients required observation in our intensive care unit. On the following day, all the patients were well and ready for discharge from the hospital. There were no symptoms at the time of discharge. Quantitative determination of the plasma concentration of histamine at the time of admission revealed a value of 0.85-43.10ng/ml. Some pieces of the offending tuna were sent for analysis, and 670mg histamine per 100g of the fresh tuna and 750mg histamine per 100g of the cooked tuna were detected. Generally speaking, histamine poisoning is associated with only mild allergic symptoms. However, in this case, some people developed shock and required close observation. This experience suggests that histamine poisoning can be associated with an outbreak of anaphylactic shock and serves as a cautionary example for emergency medical staff.
著者
青木 崇
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.166-174, 2017-06-01 (Released:2017-06-01)
参考文献数
5

ブロックチェーンはビットコインの中核技術として登場した。ビットコインは2008年にサトシ・ナカモトと名乗る人物がインターネット上に掲載した文書を基に考案された電子通貨である。その背景としては,日進月歩で進化するIT技術に取り残された中央集権型システムの非効率性への不満や,プライバシー情報の取り扱いに関する不信感などがあり,中央集権型システムから個人が中心となる分散型システムへの移行が期待された。分散型システムを機能させるネットワーク技術にブロックチェーンを適用すれば,新たな社会が誕生する可能性がある。一方で,ブロックチェーンに関するさまざまな情報がそれぞれの立場で語られている状況であり,必ずしもビジネス実務や金融業務を正確に把握しないまま,過度にブロックチェーンを礼賛している風潮もあるので冷静な議論が必要である。また,技術的な観点だけではなく,社会科学的なアプローチによる議論の必要性にも言及した。
著者
高垣 敬一 村橋 邦康 岸本 圭永子 己野 綾 西野 光一 青木 豊明 曽和 融生
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.199-204, 2010-04-30
参考文献数
26
被引用文献数
3 4

経肛門的直腸異物は,性的嗜好などが原因で肛門から異物が挿入され,抜去不可能となったものである.われわれは平成18年~平成19年の2年間で5例の経肛門的異物を経験した.5例中2例は同一の患者であった.平均年齢は56.2歳(30~67歳),全て男性であった.主訴は5例とも異物摘出困難であった.挿入の動機は不明1例,自慰3例(2名),Sadomasochism(以下SM)行為1例であった.異物はプラスチック製の蓋,電動歯ブラシおよびスプーン,プラスチック製の洗剤容器が2例(同一患者),とうもろこしであった.診断はいずれの症例も腹部単純X線で確認出来た.摘出方法は無麻酔下経肛門的摘出1例,腰椎麻酔下経肛門的摘出3例,全身麻酔開腹下経肛門的摘出術1例であった.術後合併症は特に認められなかった.平均入院期間は5.4日(3~10日)であった.
著者
青木 敏 竹村 彰通
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.283-302, 2007 (Released:2011-05-01)
参考文献数
60
著者
田原 大輔 青木 治男 中村 圭吾
出版者
応用生態工学会
雑誌
応用生態工学 (ISSN:13443755)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-17, 2019-07-28 (Released:2019-09-10)
参考文献数
42
被引用文献数
1

本研究はこれまでに 4 回実施された九頭竜川のカマキリ(アユカケ)(地方名:アラレガコ)の調査データを整理し,本種の保全および再生の方策をまとめた.アラレガコ成魚は 12 月下旬から 3 月(産卵盛期は 1 月中旬から 3 月中旬)に河口内の水深 3 m 程の海水層または沿岸浅海域で確認された.仔稚魚は 2 ~ 4 月まで河口に隣接する砂浜海岸および河口内浅場で採集された.アラレガコ当歳魚は 4 ~ 8 月まで河川水際の浅場を成長しながら遡上していた.九頭竜川における現在の残された生息場は,河口から 23.0 ~ 29.4 km の中流域であった.国天然記念物である"九頭竜川のアラレガコ生息地"は,かつての生息範囲と比べて 1990 年代以降に約 1/3 に縮小化していた.アラレガコの主要な生息場および越冬場は,ともに早瀬および平瀬等の浮き石環境であった. 1990 年以降は全長 250 mm 以上の大型個体がアラレガコ伝統漁法でほとんど漁獲されていないことから,アラレガコの小型化が懸念された.本研究では 2 つの重要なアラレガコ保全策を提案する.一つ目は沿岸浅海域の環境および河川の浮き石環境を維持・創出していくこと,二つ目は鳴鹿大堰上流のかつての生息域には遺伝的多様性を有した稚魚を再導入することである.
著者
青木 聖久 Kiyohisa Aoki
雑誌
日本福祉大学社会福祉論集 = Journal of social welfare, Nihon Fukushi University
巻号頁・発行日
vol.133, pp.47-73, 2015-09-30

精神障害を有する本人(以下,本人)が暮らしを営むにあたって,障害年金を継続して受給するのは大切なことだといえる.ところが,就労したことによって,障害等級の級落ち(以下,級落ち)や支給停止になれば,暮らしに大きな影響を受けることになる.これらの状況をふまえ,本稿では,実際,障害年金が級落ちや支給停止になっている,あるいは,その可能性が高い状況にある本人の実態及びその後の相談体制,さらには,本人や家族が,障害年金や就労をどのように捉えているかを明らかにした.その結果,障害年金が級落ちや支給停止になっている者は6.7%いることがわかった.一方で,殆どの本人や家族が障害年金の意義を認めていた.また,就労についても,多くの本人や家族がその意義を認めていたものの,再発を危惧したり,障害年金の支給停止を気にしていることがわかった.そのため,就労に対して,ためらっているような意見も多く見られた.本稿では,生活支援に携わる者(以下,生活支援者)が,これらの複雑な想いを理解したうえで,本人や家族への直接的支援と共に,障害年金が使いやすい社会資源として位置付くように,社会へ働きかける等の間接的支援の取り組みが重要であるということを示した.
著者
青木 芳朗
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.121-131, 1999-03-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
13

原子力発電所の事故では,放射線障害を引き起こすような人身事故の発生はきわめて稀である。むしろ,放射線発生装置の取り扱い不注意による人身事故が多発している。わが国でも,非破壊検査用のイリジウム線源による被曝事故,X線解析装置の取り扱いミスによる放射線熱傷等が報告されている。外部被曝患者を治療する際には,術者は特別な注意を必要としない。しかし,放射性物質による汚染患者の取り扱いには,術者が二次汚染しないように十分な注意が必要である。汚染患者を治療するときには,(1)鉛エプロンなどで遮蔽,(2)ピンセットなどを用いて距離を確保する,(3)治療時間を短くする,(4)素手で患部を触れない,などの放射線防護の基本を守ることが必要である。放射線による骨髄障害は,成分輸血,rhG-CSFなどのサイトカインやOK-432,アンサーなどの放射線防護剤によって治療可能である。しかし,消化管障害や中枢神経障害には治療法がなく,対症療法にならざるを得ない。放射性物質による内部汚染患者の治療には,汚染した核種を体内より除去するキレート剤(239Puに対してはDTPA, 137Csに対してはプルシアンブルー,131Iに対してはヨウ素剤など)が用いられる。生命が危険な状態の放射能汚染患者の治療では,救命措置が優先され,除染はバイタルサインが安定してから行っても遅くはない。
著者
青木 直史 棚橋 真 岸本 英一 桑野 晃希 安田 星季 岩越 睦郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.747, pp.67-70, 2005-03-18
参考文献数
8
被引用文献数
1

札幌の「YOSAKOIソーラン祭り」で用いられる鳴子を具体的なターゲットとして, 踊り手のパフォーマンスをアシストするIT楽器「サイバー鳴子」を開発した. サイバー鳴子には衝撃センサが組み込まれており, バチの動きに合わせてフルカラーLEDを発光させることで, 踊り手のパフォーマンスに同期したイルミネーションを演出できるようになっている. 本発表では, サイバー鳴子の開発過程について述べた後, YOSAKOIソーラン祭り2004におけるモニター試験について報告する.