著者
板屋 民子 飯島 正雄 斉藤 貢一 正木 宏幸 青木 敦子 斎藤 章暢 安藤 佳代子 徳丸 雅一 坂東 正明
出版者
Japanese Society of Food Microbiology
雑誌
食品と微生物 (ISSN:09108637)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.203-212, 1992-03-20 (Released:2010-07-12)
参考文献数
10

A large number of Photobacterium phosphoreum (6-7 log/g) was isolated from “tamagoyaki” (a kind of nigirisushi; Japanese food) that had been lumineferous in the dark. The isolates were smeared on the surfaces of sliced “tamagoyakis”. After the incubation at 10°C for 48 hr or at 25°C for 24 hr, the surfaces became luminous. It was indicated that this abnormality of “tamagoyaki” was caused by contamination with and multiplication by P. phosphoreum.On the surface of “tamagoyaki”, the bacteria in an early growth phase in such a small number as 4 log/g luminesced. Furthermore, the luminescence was observed when pieces of squid, boiled prawn or “yakichikuwa” (a kind of food made of fishes) with the bacteria were incubated, but not observed on pickled Japanese gizzard shad. Nevertheless the the bacteria grew on the surface of tuna, but no luminescence was observed on it.The bacteria produced a small amount of histamine on squid and tuna (less than 250μg/g), and their ability to putrefy food seemed to be low.The opitmum concentration of sodium chloride for growth of the bacteria in a medium was 3%, but they grew in food containing sodium chloride less than 0.5%. When sodium chloride in the medium was replaced by potassium chloride, calcium chloride, magnesium chloride, ammonium chloride or sodium phosphate, the bacteria were still able to grow but unable to grow when replaced by potassium phosphate or sucrose. The bacteria metabolized arginine by arginine decarboxylase but not by arginine dehydrolase.
著者
佐藤 久長 西田 匡志 柏木 悠 櫻井 光昭 青木 隆志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.1-11, 2021 (Released:2021-01-20)
参考文献数
32
被引用文献数
2 1

脳機能データの分析から聴覚情報による認知効果の向上が確認され,トンネル内におけるスピーカーを用いた音声による注意喚起システムが開発された.今回,このシステムを用いて従来視覚情報で行っていた渋滞時の速度回復情報提供を,国内で初めてスピーカーを用いた音声案内で実施した.本研究では,システムの概要と小仏トンネルへの適用方法を示すと共に,車両感知器によるデータとETC2.0プローブデータによる走行履歴データを用いて音声情報の有無による効果を検証した.その結果,例えば音声情報が有ることによりボトルネックの渋滞発生時交通量が約8%増加し,渋滞中の平均速度が約10%高くなることや,渋滞発生確率が低下すること等を明らかにした.また音声案内によるボトルネック付近の速度上昇効果が上流側にも及んでいることが推察された.
著者
高垣 敬一 村橋 邦康 岸本 圭永子 己野 綾 西野 光一 青木 豊明 曽和 融生
出版者
日本外科系連合学会
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.199-204, 2010 (Released:2011-04-25)
参考文献数
26
被引用文献数
4 4

経肛門的直腸異物は,性的嗜好などが原因で肛門から異物が挿入され,抜去不可能となったものである.われわれは平成18年~平成19年の2年間で5例の経肛門的異物を経験した.5例中2例は同一の患者であった.平均年齢は56.2歳(30~67歳),全て男性であった.主訴は5例とも異物摘出困難であった.挿入の動機は不明1例,自慰3例(2名),Sadomasochism(以下SM)行為1例であった.異物はプラスチック製の蓋,電動歯ブラシおよびスプーン,プラスチック製の洗剤容器が2例(同一患者),とうもろこしであった.診断はいずれの症例も腹部単純X線で確認出来た.摘出方法は無麻酔下経肛門的摘出1例,腰椎麻酔下経肛門的摘出3例,全身麻酔開腹下経肛門的摘出術1例であった.術後合併症は特に認められなかった.平均入院期間は5.4日(3~10日)であった.
著者
青木 茂樹 下地 啓五
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

短い拡散時間のOscillating gradient spin-echo(OGSE)を用い 類上皮腫(MRMS2018), 急性期脳梗塞(Neurorad2018)、脈絡叢嚢胞(MRI2019), 脳腫瘍(MRI 2020), 脳梁膨大部病変(MRMS 2021),脳膿瘍(MRMS2022)およびファントム(JJR2018)で拡散時間の影響を調べた。拡散制限の原因として、類上皮腫の層状構造によるものが信号に影響を与えることが示される一方、急性期脳梗塞や腫瘍などでは現在のOGSE信号の低下は一部であった。制限拡散を起こす微細構造が現在のOGSEで観察できる5-10μmよりも小さいと考えられた。
著者
田島 典夫 高橋 博之 畑中 美穂 青木 瑠里 井上 保介
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.656-665, 2013-10-31 (Released:2013-11-25)
参考文献数
12

はじめに:バイスタンダーによるBLS は,実施者に相当な精神的負担がかかると想定されるが,これに関する研究自体が少なく対策も進んでいない。そこで,バイスタンダーのストレス反応を明らかにし,心のケアに関する対策を検討することを目的として調査を行った。対象と方法:2008年8月から2011年10月までの間にバイスタンダーによるBLSが実施されて社会復帰した事案のうち,バイスタンダーの連絡先を把握している事案を抽出し,当該事案の救助に携わった者を対象に面接調査を実施した。結果:多くのバイスタンダーがさまざまなストレス反応を経験していた。また,その体験を他者に話して,自分の気持ちを理解してもらいたいと考える者が多かった。結論:BLS教育において,BLS実施によるストレスとその対処法に関する教育を考慮する必要がある。さらに対策の一環として,相談を受けるシステムを整備することが有用であり,急務であると考えられる。

150 0 0 0 OA 子宮移植の現状

著者
木須 伊織 阪埜 浩司 青木 大輔
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.9-22, 2022 (Released:2022-05-19)
参考文献数
31

A new medical technique called uterus transplantation has been considered as an option for raising children of women with uterine factor infertility. Clinical studies have already begun overseas, and 87 uterus transplantations have been performed so far, and 49 babies have been born. Uterus transplantation, like other assisted reproductive technology, involves many medical, ethical, and social challenges that must be carefully considered for clinical application. However, uterus transplantation is highly expected to bring the gospel to women with uterine factor infertility who were previously unable to raise children.
著者
小堀 善友 青木 裕章 西尾 浩二郎 佐藤 両 芦沢 好夫 八木 宏 宋 成浩 新井 学 岡田 弘
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.103, no.3, pp.548-551, 2012-05-20 (Released:2013-06-13)
参考文献数
10

(目的)不妊症の原因が膣内射精障害であるカップルは少なくない.これらの膣内射精障害患者に対し,マスターベーションエイドであるTENGA®を用いてリハビリテーションを行った.(対象と方法)男性不妊症患者で膣内射精障害を訴えた男性16人(29~48歳).非用手的マスターベーションや,強すぎるグリップなど,マスターベーション方法に誤りが認められる患者を10名認めた.テストステロン値には異常を認めなかった.外来にてカップルに対してカウンセリングと正しいマスターベーション方法を指導し,マスターベーションエイドを用いた射精リハビリを指導した.併用した薬剤や挙児希望者に対して用いた生殖補助医療についても検討した.(結果)16例中12例(75%)は射精リハビリテーションの結果TENGA®を用いてのマスターベーションは可能になり,マスターベーション方法は補正が可能であった.さらにこのうち5例(31%)は膣内で射精が可能になった.(結論)膣内射精障害は,潜在的に多くの患者がいる可能性がある.マスターベーション方法が間違っている患者に対しては,マスターベーションエイドにて補正が可能であり,膣内射精も可能になる事が示された.マスターベーションエイドは,膣内射精障害治療の選択枝の一つとなりうると考えられた.
著者
青木 恵理子
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷大学国際社会文化研究所紀要 (ISSN:18800807)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.269-281, 2005-03-25
被引用文献数
1

'Lifeworld' is a social field in which people have everyday face-to-face communications and interactions, and in which what they say and do inevitably influences it. It is meaningfully autonomous from modern subsystem fields such as the state and capitalist economy in which actions are adjusted by controlling media such as administrative power and money. Lifeworld is 'the horizon within which communicative actions are "always already" moving (Habermas 1987: 119)'. It evades our cognitive grasp. It has a form of knowledge on its own, which comprises assumptions and skills that we make use of almost without awareness (Habermas 1987: 113-197; Nakaoka 1996). Habermas holds that in the late capitalism lifeworld is controlled or 'colonised' by modern system fields and may lose autonomy and liveliness. This article aims at elucidating how gossiping can inspire the embodied imagination shared by participants to prevent 'colonisation' of lifeworld by modern systems, by drawing on data concerning rabies, ninja and vaccination in Flores, Indonesia.
著者
香川(田中) 聡子 大河原 晋 百井 夢子 礒部 隆史 青木 明 植田 康次 岡本 誉士典 越智 定幸 埴岡 伸光 神野 透人
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第45回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.P-118, 2018 (Released:2018-08-10)

【目的】室内環境中の化学物質はシックハウス症候群や喘息等の主要な原因、あるいは増悪因子となることが指摘されているが、そのメカニズムについては不明な点が多く残されている。本研究では、室内空気中から高頻度で検出され、現在、室内濃度指針値策定候補物質として議論が進められている、2-Ethyl-1-hexanolおよびTexanolと、様々な消費者製品に広く用いられており、特にスプレー式家庭用品等の使用時には室内空気中から高濃度に検出されることがこれまでの実態調査から明らかになっている(-)-Mentholの複合曝露による影響をあきらかにする目的で、気道刺激に重要な役割を果たす侵害刺激受容体TRP (Transient Receptor Potential Channel)の活性化を指標に評価した。【方法】ヒト後根神経節Total RNAよりTRPA1 cDNAをクローニングし、TRPA1を安定的に発現するFlp-In 293細胞を樹立し、細胞内カルシウム濃度の増加を指標として対象化合物のイオンチャネルの活性化能を評価した。カルシウム濃度の測定にはFLIPR Calcium 6 Assay Kitを用い、蛍光強度の時間的な変化をFlexStation 3で記録した。【結果および考察】2-Ethyl-1-hexanol、Texanol および(-)-Menthol それぞれの単独処理ではTRPA1の活性化が認められない濃度域において、2-Ethyl-1-hexanolと(-)-Menthol、Texanolと (-)-Mentholの同時処理によって顕著なTRPA1の活性化が認められることが判明した。室内環境中には様々な化学物質が存在するが、本研究結果より、単独曝露時には気道刺激が引き起こされない場合でも、室内環境中に存在する化学物質の複合曝露によってTRPA1を介した感覚神経あるいは気道の刺激が引き起こされる可能性が考えられる。
著者
玉置 直樹 青木 伸俊 青地 英明
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.73, no.9, pp.648-657, 2018-09-05 (Released:2019-04-27)
参考文献数
34

半導体メモリは情報を制御・記憶する電子回路であり,電源を切ると情報が消失する揮発性メモリと電源を切っても情報を保持できる不揮発性メモリに分類できる.代表的な揮発性メモリはDRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)で高速な動作が特徴である.そのため,CPU(Central Processing Unit)に付随するワーキングメモリとして用いられている.一方,不揮発性メモリはデータを保存することに適したメモリであり,ファイルメモリと呼ばれる.中でも大容量化に適したものの1つがNAND型フラッシュメモリであり,近年急速に普及している.従来型の2次元フラッシュメモリの高集積化の手段は,メモリセルサイズとセル間隔を縮小することである.この集積化の様子をボードゲームの「オセロ」で例えてみよう.盤面にびっしりと「石」を並べると,石の色は1ビット,つまり2値のメモリ機能を持ち,石の大きさがセルサイズに,石が納められるマスの大きさはメモリ1ビットが占める面積に相当する.フラッシュメモリの場合にはセルの間に互いに干渉する効果があるため,ある程度のセル間隔も必要である.従って,決められた領域内に多くのセルを詰め込むには,セルサイズとセル間隔を小さくする必要がある.2000年代になり,いずれ微細化は限界に達するだろうと予測され,この2次元フラッシュメモリを2階建てにした3次元フラッシュメモリが考案された.しかし,この構造で階層を増やしていくと各層の2次元フラッシュメモリを順に作って,重ねていかなくてはならないため,製造コストが高くなってしまう.そこで,革新的に発想の異なる新たな3次元フラッシュメモリが登場した.基本構造は次のようなものである:ミルフィーユという菓子を想像してほしい.クリーム層とパイ生地層が幾重にも積層されている.同様に,メモリセルの元となる半導体と,セル間を隔てるための材料の積層構造をまず構成する.この積み重なった層を縦に貫く穴をあける.この穴の側面に,山を貫くトンネルの内側と岩盤を隔てる側壁のように,メモリ機能を持つ絶縁体膜をつくる.穴の中にはまた別の半導体が満たされる.この穴の中心から順に,穴の中の半導体,穴の側壁の絶縁体膜,そして積層構造の半導体層の3つが作る接合構造が,ひとつのメモリセルとして働き,1本の穴はメモリセルが積層の数だけ数珠つなぎにつながったNAND型フラッシュメモリとして機能する.Punch & Plug技術と呼ばれるこの方法では,積層構造に多数の穴が一括で形成され,これを用いた3次元フラッシュメモリをBiCS FLASHTMと呼ぶ.この方法は,従来型の2次元フラッシュメモリを積層した場合に比べ,必要な微細加工工程を大きく削減することができ,低コストで高集積化が可能であり,動作速度や信頼性により優れたメモリを実現する.一方,大容量化のためには積層数を増やす必要がある.このためには細く深いメモリホールを均一に形成する技術が必要になる.深穴の形成には反応性イオンエッチング技術が用いられるが,直径が100 nm程度で深さ数μmの高アスペクトの均一なメモリホールの開口には高度な技術が必要となる.物理と化学と技術の最先端が具現化したもの,それがフラッシュメモリである.
著者
小嶌 慶太 青木 真彦 石井 智 田村 光 小島 正夫
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.625-629, 2013-03-31 (Released:2013-06-07)
参考文献数
18

巨大な直腸異物の2例を経験したので報告する。症例1は65歳,男性。肛門痛,腹痛を主訴に近医を受診し腹部単純X線写真上,約30cmの針金を腹部に認め当院に紹介された。腹膜刺激徴候は認めず,CTでは腹腔内遊離ガス像およびS状結腸内に靴べらとS状結腸壁を貫通する針金を認めた。同日緊急手術を施行したところ,針金はS状結腸壁を貫通しS状結腸間膜内に迷入していた。靴べらはS状結腸内に認めた。靴べらと針金は経肛門的に摘出した。穿孔部位を含め腸管切除を施行した。術後13日目に退院となった。症例2は58歳,男性。主訴は直腸異物の摘出困難。CTで直腸からS状結腸に棒状異物を認めた。穿孔所見もなく,腰椎麻酔下に異物を鉗子で摘出した。術後1日目に退院した。直腸異物では腹部症状も軽度にあらわれる可能性があり,治療方針決定においては詳細な病歴聴取,理学所見,そして画像診断も重要であることが認識された。
著者
青木 栄一
出版者
日本地理教育学会
雑誌
新地理 (ISSN:05598362)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.1-11, 1982-03-25 (Released:2010-04-30)
参考文献数
25
被引用文献数
1

There have been many oral traditions relating to oppositions against railway constructions in the early period of railway development in Japan. The most famous oral traditions have been in Shukubamachis (towns or villages with facilities for relay post-horse), where the inhabitants had There have been many oral traditions relating to oppositions against railway constructions in the early period of railway development in Japan. The most famous oral traditions have been in Shukubamachis (towns or villages with facilities for relay post-horse), where the inhabitants had opposed to railway constructions for fear of losing their travel customers. Curiously, however, in Japan, there have been no reliable historical documents relating to the oppositions, or no historical articles certifying the facts of oppositions, using reliable records. Many stories of railway opposition have remained in vague condition from a view-point of positivism, today. The author insists that it is necessary to prove the fact of railway oppositions, through the following procedures. They are, (1) discovery of reliable documents written contemporaneously, (2) consideration to policies and general opinions about railways on the day, and (3) investigation of ideal rail-routes in relation to topographic feature and railway track gradient (25‰ in maximum gradient in case of Japanese trunk railways).There were two periods of railway mania in Japan, in the closing years of 19th Century, 1885-90 and 1894-99. In those days, inhabitants of rural towns made passionate movement to raise their fund for private railway construction, or to introduce national railways to their towns. It is unreasonable to suppose railway oppositions in those days without showing any reliable documents. As for the Kobu Railway, between Tokyo and Hachioji (opened in 1889), having famous oral traditions of railway opposition by shukubamachis along a traditional trunk road, we have no reliable records to prove the existence of oppositions, and many preserved documents showing the insistence of introduction of railway construction in those days, showed the decision in ideal rail-route in relation to topographic feature and track gradient.There were some categories of railway oppositions, capable to certifying their existence by reliable documents. They were, (1) the oppositions to coastal or riverside railways, which compete with steamship operations, by officers of national railways, (2) the oppositions by military authorities or conservative samurais (feudal warriors) class, insisted the precedence of military expansion or anti-foreign spirit, and (3) the oppositions by farmers, protested the change for worse utilization of water in paddy field, because of the construction of embankment for railways. The first and second categories had lasted by about 1880s and 1870s, respectively, but the third one has continued toward the 20th Century. The author presents some examples belonging to the first and the third categories of oppositions during the Meiji Era (1868-1912) in this article.

54 0 0 0 OA 結核の感染 (I)

著者
青木 正和
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.509-518, 2004-09-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
37

結核感染危険率が0.05%程度に低下した今日では, 結核の感染は感染源との接触者などに限られることが多いし, 新たに感染した者に化学予防を実施することは以前にもまして重要になってきた。しかし, BCG接種が長い間, 広く行われてきたわが国ではツベルクリン反応検査による感染診断がきわめて困難だったため, 感染の診断が難しく, 過剰診断がしばしば見られ, また, 感染についての行き過ぎた恐れが見られる場合もあった。このため, 結核感染に関する内外の文献を紹介しつつ感染に関する考え方を整理することを主目的として総説を試みた。本編では, まず結核感染の考え方の歴史的変遷を述べ, 次いで結核の感染に関与する3要因, つまり, 結核の感染源, 被感染者, 環境要因について総説した。
著者
Naveen CHANDRA Prabir K. PATRA Jagat S. H. BISHT 伊藤 昭彦 梅澤 拓 三枝 信子 森本 真司 青木 周司 Greet JANSSENS-MAENHOUT 藤田 遼 滝川 雅之 渡辺 真吾 齋藤 尚子 Josep G. CANADELL
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.99, no.2, pp.309-337, 2021 (Released:2021-04-15)
参考文献数
92
被引用文献数
6 38

メタン(CH4)は主要な温室効果気体の一つであり、対流圏および成層圏における化学過程にも重要な役割を果たしている。気候変動および大気汚染に関するCH4の影響は非常に大きいが、過去30年間のCH4濃度増加率や経年変動の要因については、未だ科学的な確証が得られていない。本研究は、十分に検証された化学輸送モデルを用いて、1988年から2016年の期間を対象に大気中CH4濃度をシミュレートし、逆解析によって地域別CH4排出量を推定した。まず、標準実験としてOHラジカルの季節変動のみを考慮し、大気中CH4濃度の観測データを用いた逆解法モデル、排出インベントリ、湿地モデル、およびδ13C-CH4のボックスモデルを用いた解析を行ったところ、1988年以降におけるヨーロッパとロシアでのCH4排出量の減少が示された。特に、石油・天然ガス採掘と畜産由来の排出量の減少が1990年代のCH4増加率の減少に寄与していることが明らかとなった。その後、2000年代初頭には大気中CH4濃度が準定常状態になった。 2007年からはCH4濃度は再び増加に転じたが、これは主に中国の炭鉱からの排出量の増加と熱帯域での畜産の拡大によるものと推定された。OHラジカルの年々変動を考慮した感度実験を行ったところ、逆解析による中高緯度域からのCH4排出推定量はOHラジカルの年々変動には影響されないことが示された。さらに,我々は全球的なCH4排出量が低緯度側へシフトしたことと熱帯域でのOHラジカルによるCH4消失の増加が相殺したことによって、南半球熱帯域と北半球高緯度域の間のCH4濃度の勾配は1988-2016年の間にわたってほとんど変化していなかったことを明らかにした。このような排出地域の南北方向のシフトは、衛星によるCH4カラム観測の全球分布からも確認された。今回の解析期間には、北極域を含めて地球温暖化によるCH4排出量の増加は確認できなかった。これらの解析結果は、気候変動の緩和へ向けた効果的な排出削減策を行う上で重要な排出部門を特定することに貢献できると思われる。
著者
青木 光広
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.119, no.9, pp.1194-1200, 2016-09-20 (Released:2016-10-07)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

急性めまいに対するプライマリーケアとして大切なことは患者の訴える症状の鎮静化とともに, 危険な原因が潜んでいないかを鑑別することである. そのためには専門的な知識に基づく理論的な診療が鍵となる. まず, 症状が強い場合は補液, 制吐剤, 抗不安薬で症状の鎮静化を行う. 急性めまい例では詳細な病歴を聴取することは困難なことが多いが, 少なくとも心血管疾患や中枢疾患の既往は聴取する. 名前を言ってもらうことに加えて, パ行 (口唇音), ガ行 (口蓋音), タ行 (舌音) の発音による構音障害やバレー徴候による上肢麻痺の有無をみる. 聴覚の左右差, 顔面温痛覚の左右差, ホルネル徴候, カーテン徴候の有無など平易な診察で脳幹障害のスクリーニングが可能である. 麻痺がなければ, 鼻指鼻試験や回内回外試験で小脳上部障害を観察する. 起立可能な場合, Lateropulsion は脳幹・小脳障害を示唆する所見となる. 開眼が可能なら, 注視眼振検査, 異常眼球運動, 自発眼振の有無を検査する. 垂直方向への注視障害や眼振は高位中枢障害を疑う所見となる. また, 最も発症頻度が高いとされる良性発作性頭位めまい症 (Benign Paroxysmal Positional Vertigo: BPPV) の鑑別診断として, Dix-Hallpike 法は必須である. 検査陽性時の診断率が高いことから, BPPV を疑う病歴がなくても可能な範囲で行うべきである. しかし, ルーチンに診察しても, 前下小脳動脈領域の限定的な梗塞のように末梢性めまいとの鑑別が極めて難しい場合もある. そのため, 中枢性が完全に否定できない場合は脳幹・小脳症状の発現がないか経過観察していくことが重要である. 急性めまいに対するプライマリーケアとして, ルーチンワークを確実に行うことで危険なめまいをスクリーニングすることは可能である. また, 中枢性を疑う所見を認めた場合は必要に応じて速やかに他科あるいは他病院へ紹介できる対応が必要である.
著者
青木 洋
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.331-353, 2006-09-25 (Released:2017-08-09)
参考文献数
55
被引用文献数
1

This article focuses on the activities of the Research Groups (Kenkyu han) promoted by the National Research Council of Japan (NRCJ) during World War II. Research collaboration has recently attracted the attention of many scholars as a factor in the development of Japanese technology. In fact, there were a large number of research collaboration activities during the period, and the Research Groups were one of the largest of such groups. NRCJ, established in 1920 under the supervision of the Ministry of Education, had been mainly involved in the promotion of international academic collaboration until World War II. But when the Board of Technology (Gijutsuin) was established for the mobilization of science and technology and the tide of the Pacific War turned against Japan, the Ministry of Education enforced a reform so that NCRJ could launch widespread research collaboration throughout the country. The Research Groups were organized in 1944, and at its peak had 193 groups and a total of over 1,900 scientists. Typical research issues included electronics, scarce and rare materials, and public health. These were similar to those of the Research Neighborhood Groups (Kenkyu tonarigumi), which were promoted by the Board of Technology, resulting in some duplication of activities between the two groups and leading to inefficiency in the mobilization of science and technology research.
著者
青木 実枝 坂本 祐子 神谷 直由
出版者
山形県立保健医療大学
雑誌
山形保健医療研究 (ISSN:1343876X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.39-46, 2003-03-01

昼夜逆転の生活パターンとなり午前中の講義を欠席しがちな男子学生に対して、睡眠に焦点を当てた行動療法的アプローチを試みた。現状の生活パターンの原因を探索する面接による支持的介入を行った。次に対象者自身が設定した生活改善目標と方法に対して、1週間のセルフモニタリングを行った。さらに、セルフモニタリング前後の睡眠の質をOSA(小栗・白河・阿住)睡眠調査票を用いて評価した。その結果、対象者が目標としていた、二度寝の習慣が消失し昼夜逆転の生活パターンが改善した。対象者の意思を尊重した支持的介入による原因探索と自身で設定した目標に対するセルフモニタリング法は、役割意識を自覚し自律性を生み出したと考えられる。また、セルフモニタリング後のOSA睡眠調査票のスコアが向上しており、睡眠の質も向上していることが明らかとなった。