著者
高橋 信明 丹羽 倫平 中野 了輔 冨塚 一磨
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.4, pp.235-240, 2016 (Released:2016-04-09)
参考文献数
33
被引用文献数
1

抗体は,現在では医薬品創出に欠かせないフォーマットとして確立し,幅広く認知されている.だが,一口に抗体医薬といっても,複数の要素技術が採用されており,複合的な技術の蓄積が今日の繁栄を支えている.開発初期には,マウスで取得した抗体の抗原性が問題となっていた.この課題を,マウスなどの異種の動物由来の抗体を部分的にヒト抗体配列に置き換える,キメラ抗体技術や,ヒト化抗体技術,さらには,ファージディスプレイ法やヒト抗体産生遺伝子改変マウスなどによりヒト抗体を取得する方法を開発することにより克服してきた.一方,ADCC活性などの抗体本来の機能をさらに高めるポテリジェント(Potelligent®)技術や,新規機能を付加したバイスペシフィック抗体技術などを搭載した抗体薬品の臨床試験が進んでおり,徐々に上市され始めている.本レビューでは,現在までの抗体技術開発の経緯と将来の技術開発の展望を解説する.
著者
高橋 信之 上原 万里子 室田 佳恵子
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

動脈硬化性疾患発症リスクとして近年、重要と考えられている食後高脂血症が、高脂肪食による腸管炎症で悪化する可能性について検討したところ、1週間の高脂肪食摂取による食後高脂血症の悪化が観察された。また摂取する脂質構成脂肪酸の違いについて検討したところ、不飽和脂肪酸に比べて飽和脂肪酸で食後高脂血症の悪化が認められた。以上の結果より、高脂肪食摂取、特に飽和脂肪酸の摂取により食後高脂血症が悪化する可能性が示唆された。並行して検討した、抗炎症作用を有する新規食品成分のスクリーニングでは、新たに食品成分Xが同定され、動物レベルにおいても、高脂肪食誘導性の食後高脂血症悪化を改善することが明らかとなった。
著者
高橋 信 平山 宙 狩川 大輔 若林 利男 北村 正晴
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.56, 2009

原子力の社会的受容の促進のためには、全国各地で行われている原子力に関するシンポジウム等の場における議論を有意義なものにする必要がある。そのためには、これまで行われてきている議論の内容を分析し、議論の質に関する評価を行うことが重要である。本研究では、これまでに行われた賛成・反対の対立軸を持つ三つの議論の事例をマクロ分析手法を用いて解析した。その結果として議論を制御するファシリテーションの重要性が示された。
著者
高橋 信行 香月 収
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1981, no.4, pp.486-493, 1981-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
37
被引用文献数
4

水処理の観点に立ってオゾンの水溶液中での特性を把握するため,溶解度,自己分解反応および物質移動におよ峰す温度およびpHの影響を温度286.5~298.OK,PH3.1~9.0の問で検討した。送入オゾン濃度と平衡オゾン濃度の問には比例関係が成立し,その比例定数(見かけの分配係数)は温度およびpHが高くなるにつれて減少した。自己分解反応を1.0次から2.0次の間で検討したところ,1.0次反応と仮定した場合にもっとも良好に実験データを説明することができ,その分解速度定数は温度およびpHが高くなるにつれで増大し,中性からアル力リ性にかけてその傾向はとくに顕著であった。総括物質移動係数は温度およびpHのほかに送気量によっても影響を受け,気泡相互の干渉により送気量が増加するほど減少し,拡散係数の増加により温度が高くなるほど増加し,またpHが低くなるにつれ増加した。真の分配係数およびHenry定数はオゾンの自己分解を考慮に入れ見かけの分配係数から計算することができ,これらの値は従来示されてきた値と良好な一致を示すことがわかった。
著者
庄子 仁 Jin Young K. Obzhirov Anatoly SALOMATIN Alexander BARANOV Boris GLADYSH Vyacheslav 八久保 晶弘 南 尚嗣 山下 総 高橋 信夫
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地學雜誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.175-193, 2009-03-25
参考文献数
35
被引用文献数
5 10

Methane hydrates exist beneath the sea bottom near cold seeps NE off the Sakhalin in the Sea of Okhotsk. Multidisciplinary field operations were performed at a study area (approximately 16 × 20 km<sup>2</sup>) to investigate seepage characteristics and understand gas hydrate formation mechanisms. A continuous profiling survey was conducted to obtain a distribution map of seepage structures on the floor by using a deep-tow, side-scan-sonar equipment. The distribution map reveals that the dense area of seepage structures coincides with a sea-floor area of deformed sediments caused possibly by repeated sediment slumping and debris flows in the past. We speculate that this deformation may have created shallow faults that are suitable to conduits for the migration and discharge of gas and fluid.<br> Three seepage structures were selected to study about their fluid-seep conditions around the sea floor level. Hieroglyph seepage structure is located at the northern end of the dense area of the structures. Kitami and Chaos structures are located about 2 and 7 km respectively apart from the Hieroglyph structure within the dense area. Large plumes on echograms and higher methane contents in the water column confirm gas seepage activities at the three structures. There observed at least two and four plumes at the Hieroglyph and Chaos structures, respectively. Each gas chimney image in seismic reflection profiles was traced to connect each BSR and seepage structure. Both pull-up and disturbed structures of BSR around the gas chimney images were interpreted as to be indications of significant heat flows caused by ascending fluid at both Kitami and Chaos structures. On the other hand, almost no pull-up/disturbance of BSR was observed at the Hieroglyph structure, suggesting little water seepage.<br> The seep activity may vary with time off the Sakhalin. The Hieroglyph structure is located at the edge of a dense area of the seepage structures. It might serve as an indicator for the long-term activity of the fluid seepage system off the Sakhalin.
著者
庄子 仁 Young K. JIN Anatoly OBZHIROV Alexander SALOMATIN Boris BARANOV Vyacheslav GLADYSH 八久保 晶弘 南 尚嗣 山下 聡 高橋 信夫
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.118, no.1, pp.175-193, 2009-02-25 (Released:2010-04-05)
参考文献数
35
被引用文献数
10 10

Methane hydrates exist beneath the sea bottom near cold seeps NE off the Sakhalin in the Sea of Okhotsk. Multidisciplinary field operations were performed at a study area (approximately 16 × 20 km2) to investigate seepage characteristics and understand gas hydrate formation mechanisms. A continuous profiling survey was conducted to obtain a distribution map of seepage structures on the floor by using a deep-tow, side-scan-sonar equipment. The distribution map reveals that the dense area of seepage structures coincides with a sea-floor area of deformed sediments caused possibly by repeated sediment slumping and debris flows in the past. We speculate that this deformation may have created shallow faults that are suitable to conduits for the migration and discharge of gas and fluid. Three seepage structures were selected to study about their fluid-seep conditions around the sea floor level. Hieroglyph seepage structure is located at the northern end of the dense area of the structures. Kitami and Chaos structures are located about 2 and 7 km respectively apart from the Hieroglyph structure within the dense area. Large plumes on echograms and higher methane contents in the water column confirm gas seepage activities at the three structures. There observed at least two and four plumes at the Hieroglyph and Chaos structures, respectively. Each gas chimney image in seismic reflection profiles was traced to connect each BSR and seepage structure. Both pull-up and disturbed structures of BSR around the gas chimney images were interpreted as to be indications of significant heat flows caused by ascending fluid at both Kitami and Chaos structures. On the other hand, almost no pull-up/disturbance of BSR was observed at the Hieroglyph structure, suggesting little water seepage. The seep activity may vary with time off the Sakhalin. The Hieroglyph structure is located at the edge of a dense area of the seepage structures. It might serve as an indicator for the long-term activity of the fluid seepage system off the Sakhalin.
著者
高橋 信吾 石川 智士 黒倉 寿
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.185-193, 2005 (Released:2005-04-27)
参考文献数
2

カンボジアの内水面漁業はトンレサップ湖およびその下流のメコン川の氾濫域で特に盛んであり,動物性のタンパク質の供給源として重要である.カンボジアの漁業形態は,大規模漁業・中規模漁業・小規模漁業に大別され,漁獲物の多くは家族漁業等の小規模漁業で捕獲されている.近年,漁業者の増加から漁業者間の軋轢,特に大規模漁業と小規模漁業の間の利害対立が問題となっている.政府は大規模漁業を抑制し,生業的な地域零細漁業を保護する方向で制度の改革を行っているが,地域零細漁業者を主体とする資源管理・環境保護のシステムは十分に普及しておらず,このことが漁業の持続的発展の障害となっている.メコン川の水利用・管理システムの変化は水産資源に大きな影響を与えると考えられるが,資源量推定・変動予測に必要な,漁獲統計等のデーター収集システムも構築されていない.このような現状では,水産資源学的な研究を可能にするための情報収集システムの構築とともに,重要魚種についての生態学的な調査をすすめ,これらの結果を総合して解析を進めることが,資源量の推定,資源変動要因の解明のための現実的な対応と考えられる.
著者
廣重 亮一 曽我部 昭好 山崎 一利 高橋 信夫 井上 章二 金城 一彦
出版者
公益社団法人 日本木材保存協会
雑誌
木材保存 (ISSN:02879255)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.13-27, 2017

木質住宅の基礎構造部における配管貫通部の防蟻を目的として,非加硫ブチルゴム,EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン系ゴム)の2種のゴム基材とそれらに防蟻剤を添加したゴム基材の防蟻性を室内で検討した。また,現場での給水および排水配管2種のさや管工法における利用を想定した形状の試験体を作成し,それらの防蟻性能を野外試験で検討した。<BR>その結果,非加硫ブチルゴムは室内試験でDOT(八ホウ酸二ナトリウム四水和物)無添加で穿孔が見られたが,DOT を添加することで穿孔は抑えられ,ビフェントリン0.175%添加で穿孔はまったくみられなかった。野外試験ではDOT 無添加,添加区とも食害・貫通は見られなかった。<BR>EPDM も室内試験では非加硫ブチルゴムと同様の傾向を示したが,排水系及び給水系EPDM パッキンとも野外試験では食害は全く見られなかった。非加硫ブチルゴム,EPDMパッキン中のDOT の各試験における溶脱は僅かで,長期に有効な防蟻機能を維持可能なことが確認され,これらのゴム基材は,木質住宅の基礎構造部における配管貫通部の防蟻に充分使用できると考えた。
著者
高橋 信策
出版者
土木学会
雑誌
土木学会誌 (ISSN:0021468X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.7-19, 1960-03
著者
鈴木 裕 中里 徹矢 横山 政明 阿部 展次 正木 忠彦 森 俊幸 杉山 政則 土岐 真朗 高橋 信一
出版者
日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.102-105, 2012 (Released:2012-05-15)
参考文献数
12

急性膵炎の重症化と合併症発生に対する肥満の影響について概説した.肥満の影響を考えるに当たり,多くはBMI(Body mass index)を用いているが,近年はCTを用いて内臓脂肪や皮下脂肪をパラメーターとしている報告も散見される.各報告をみると重症化や合併症発生に肥満は何らかの影響があると予想される.BMIでは,欧米では多くの肥満例が重症化と全身合併症に相関し,全身合併症の多くは呼吸不全である.本邦ではBMIは有意な重症化の危険因子とはならず人種差の可能性はある.しかし,日本人でも内臓脂肪の増加は急性膵炎重症化や合併症の発生に影響する可能性があり,肥満のタイプが重要であると思われる.今後は内臓脂肪面積などを画像診断による肥満のタイプをパラメーターとして詳細な検討を行う必要があると思われた.その際は,可能な限り発症早期の画像を用いるべきであり,理想は膵炎発症直前の測定が望まれる.
著者
倉持 基 高橋 信一
出版者
中経出版
雑誌
歴史読本
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.190-199,12-13, 2013-07
著者
高橋信行 (袖浦漁史) 著
出版者
高橋信行
巻号頁・発行日
1895