著者
高橋 義浩 小西 公巳 岡田 仙三 井上 慶三 野村 皓夫 上羽 捷之
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.42-48, 1972-01-01 (Released:2011-10-11)
参考文献数
11

免疫学的妊娠反応は産婦人科臨床に日常広く使われているが, 最近HAIRについでlatex粒子にHCG, または抗HCG(γ-グロブリン)をcoatingしたLAIR, LARのスライドテストが, その判定迅速性にすぐれ, 臨床応用されるようになった.われわれは, これらの市販免疫学的妊娠反応の正診率について比較, 検討を加えた.また絨毛性腫瘍の診断, 予後判定に高濃度および低濃度HCGの定量的測定が必要であるが, それぞれの目的にHAIRを用いたmicrotitration法およびvisking tubeによるサンプルの減圧濃縮法を行なったので, その臨床成績について報告した.
著者
高橋 英之 堀井 隆斗
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第31回全国大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.1G2OS21b1, 2017 (Released:2018-07-30)

我々は刹那的な体験を言語などの共有信念にプロジェクションすることで他人と社会的インタラクションを行っている.このようなプロジェクションはコミュニケーションする上で有用であるが,もともとの刹那的体験そのものに含まれていた情報が欠損することで創発の可能性が失われる.今回の発表では刹那的体験から共有信念へのプロジェクションのダイナミクスをモデル化し,インタラクションに宿る創発現象について議論をしたい.
著者
高橋 真弓
出版者
THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.139-148, 1978-09-01 (Released:2017-08-10)

静岡大学コロンビア・アンデス学術調査,1967により,南米コロンビアのサンタ・マルタ山群において採集されたジャノメチョウ科のPronophilini 14種の記録を,前報の2種に続き,第2報として報告する.これらの種はいずれも海抜1,300〜3,470mの雲霧林または上部の灌木を混じえた草原(パラモ)に見られ,このうち10種はこの山群の固有種,2亜種は固有の亜種であり,SierrasteromaとParamoはこの山群固有の属と考えられる.
著者
高橋 一重 伊藤 美和
出版者
日本イオン交換学会
雑誌
日本イオン交換学会誌 (ISSN:0915860X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.26-30, 2014 (Released:2014-05-20)
被引用文献数
1

超純水製造で培ったイオン交換樹脂のクリーン化技術や分析技術の応用展開として,電子材料精製向けイオン交換樹脂の開発に取り組んできた。これまでに開発したイオン交換樹脂として,非水系対応品である乾燥樹脂「アンバーリストTM DRY」シリーズ,また超低溶出品であるクリーン樹脂「オルライトTM DS」シリーズについてその特徴を紹介し,またいくつかの利用例について報告する。
著者
村上 雅仁 加藤 順一 高橋 健太郎 前田 慶明 山本 千恵子 細川 晃代 永田 安雄 古川 宏
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.155-157, 2005 (Released:2005-07-27)
参考文献数
9
被引用文献数
3 2

片麻痺を伴う脳血管障害患者200例(男性146例, 女性54例:61±11歳)を対象に,麻痺側と非麻痺側の脈波伝播速度を測定し,運動麻痺が脈波伝播速度に及ぼす影響をみるとともに,機能的自立度評価法(FIM: functional independence measure)による身体活動量との関連について検討した。麻痺側の上腕-足首間脈波伝播速度は非麻痺側と比較して有意に高値を示したが(p<0.0001),脳出血と脳梗塞による病型別および左右麻痺側別では有意差を認めなかった。麻痺側の上腕-足首間脈波伝播速度は年齢と有意に正相関を示し(r=0.56,p<0.05),FIMと負相関を認めた(r=-0.29)。これらの結果より,片麻痺を伴う脳血管障害患者の麻痺側では,非麻痺側と比較して血管の伸展性が低下しているだけでなく,加齢および運動麻痺により身体活動量が低いほど,動脈スティフネスの低下と関連していることが示唆された。
著者
福森 信隆 小縣 昭夫 安藤 弘 久保 喜一 湯澤 勝廣 長澤 明道 高橋 博 矢野 範男 不破 達 大橋 則雄
出版者
特定非営利活動法人 化学生物総合管理学会
雑誌
化学生物総合管理
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.58-65, 2010

東京都によるいわゆる脱法ドラッグ条例の制定と国による追随の結果、未規制薬物市場においては化学系違法ドラッグが減少する代わりに、植物系ドラッグが増加している。今回、リゼルグ酸アルカロイドの含有が疑われる市販品のハワイアンウッドローズ種子からの抽出液をマウスに経口投与して、行動及び神経症状に対する影響について我々が開発したスクリーニング試験法を用いて調べた。高用量群で、首振り運動や鎮静作用、音に対する外界反応の亢進、痛反応及び払いのけ反射の増強等がみられた。これらの変化には、脳内セロトニンの消長が関与するものと示唆された。
著者
高橋 浩 西村 陽一
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.90, no.2, pp.138-142, 1969
被引用文献数
2

結晶度の低いハロイサイトから合成したA型ゼオライトの吸着特性を容量法およびスプリングパランス法によって調べた。ハロイサイトから合成したA型ゼオライト(ゼオライトA')の吸着特性はモレキュラーシープA(M.S.A)の吸着特性と異なる。すなわち,ナトリウム型において,モレキュラーシーブAはn-パラフィン(>C3)を吸着しないのに対して,ナトリウムーゼオライトA'はかなりの量のn-パラフィンを吸着する。またカルシウム型において,モレキュラーシープAはイソパラフィンを吸着しないことが知られているが,カルシウムーゼオライトA'はイソブタンを吸着する。これらの実験結果はゼオライトA'の平均細孔が対応するモレキュラrシープAの細孔より大きいことを示している。化学分析その他の結果から,原料ハロイサイト中に不純物として含まれていた鉄がゼオライト構造中に残っており,ゼオライトA'とモレキュラ-シ-ブAの吸着特性の相違はアルミノケイ酸塩骨格中の鉄の置換によるものと考えられる.
著者
高橋 礼奈 榎本 愛久美 織田 祐太朗 内山 沙紀 盧山 晨 金森 ゆうな 明橋 冴 田上 温子 髙橋 彬文 則武 加奈子 佐藤 隆明 田上 順次
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.220-226, 2021 (Released:2021-06-30)
参考文献数
19

目的 : 近年, コンポジットレジン修復において, さまざまな被接着体に対して同一のボンディング材が使用できるユニバーサルタイプの接着システムが開発され, 臨床でも多用されるようになってきている. 本研究では, 術者の臨床経験と接着システムが象牙質接着性能に及ぼす影響について評価した. 材料と方法 : 2ステップボンディングシステムであるクリアフィルメガボンド2 (MB2) および1ボトルユニバーサルタイプのボンディングシステムであるクリアフィルユニバーサルボンドクイック (UBQ) の, 2種類の接着システムを使用した. ウシ抜去下顎永久切歯の唇面象牙質平坦面を流水下にて露出させ, #600の耐水研磨紙で研削した. 基礎実習中の歯学部学生 (undergraduates) 5名と臨床経験5年以上 (平均7.4年) の歯科医師 (professionals) 5名が, MB2またはUBQを業者指示どおりに象牙質表面に接着操作を行った後, コンポジットレジンを2mm築盛し, 光照射を20秒行った. 試料を24時間37°Cの水中に保管した後, クロスヘッドスピード1mm/分にて微小引張試験を行った. 得られた値は, 二元配置分散分析とt検定により統計処理を行った (p=0.05). さらに, Weibull分析により解析した. 結果 : MB2-undergraduates, MB2-professionals, UBQ-undergraduates, UBQ-professionalsの平均値±標準偏差 (MPa) は, 33.7±10.1, 36.7±10.1, 26.0±10.7, 28.1±11.1, Weibull係数は3.6, 4.2, 2.0, 2.6であった. 二元配置分散分析により, “臨床経験” は微小引張接着強さに影響せず (p>0.05), “接着システム” は微小引張接着強さに影響した (p<0.05). Weibull係数は, 大きい値からMB2-professionals, MB2-undergraduates, UBQ-professionals, UBQ-undergraduatesの順であった. 傾きの差の検定では, すべての群のmの間に有意差を認めた (p<0.05). 結論 : MB2はUBQより高い象牙質接着強さを示し, 信頼性も高い接着システムであった. 臨床経験の違いは象牙質接着強さに影響を及ぼさなかったが, 信頼性に関してはMB2, UBQともに臨床経験5年以上の歯科医師のほうが歯学部学生に比べて高かった.
著者
高橋 輝 Takahashi Teru
出版者
琉球大学学術リポジトリ事務局
雑誌
琉球大学学術リポジトリ公開記念講演会発表抄録集「貴重資料と機関リポジトリ」
巻号頁・発行日
pp.39-48, 2007-11-16

平成19年(2007年)11月16日に開催された「琉球大学学術リポジトリ公開記念講演会」における講演予稿集。
著者
高橋 正三 武川 恒 高橋 孝志 土井 隆行
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌(Journal of Pesticide Science) (ISSN:1348589X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.501-503, 1988
被引用文献数
2 11

ワモンゴキブリの性フェロモンの一つペリプラノンA (PA) とそのエピマー (EPA) を使って, <i>Periplaneta</i> 属, <i>Blatta</i> 属6種の雄に対する性フェロモン活性を実験室内で生物検定した. PAのワモンゴキブリに対するフェロモン活性はペリプラノンB (PB) の約1/1000で, EPAの活性はPAの約1/1000であった. PA, EPAおよびPAとPBの混合物はワモンゴキブリ以外にヤマトゴキブリ, トビイロゴキブリ, コワモンゴキブリ, トウヨウゴキブリの雄にもフェロモン活性があった.
著者
日比野 英彦 海野 麻未 高島 瑞夫 西川 徹 野田 恭平 高橋 清久
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.341-346, 1992-04-20 (Released:2009-10-16)
参考文献数
26

Although clinical attempts have been made to treat patients with senile dementia using phosphatidylcholine (PC) or acetylcholine (Ach) esterase inhibitors to restore central cholinergic transmission by increasing Ach contents in the brain, definite positive results have yet to be obtained. To investigate further the influence of the systemic administration of PC on brain Ach, we measured choline (Cho) and Ach contents in discrete brain regions of rat by HPLC with an electrochemical detector, following an acute administration of PC. Cho contents increased in the frontal cortex, striatum and substantia innomimata after acute intraperitoneal administration of soybean PC in liposome form. Cho contents were not affected in any region after acute injection of egg PC. Ach contents were not affected significantly in any brain region after acute administration of each PC substance. It thus follows that Cho contents increase by the systemic administration of highly purified PC, and PC may possibly pass the blood brain barrier. However, PC administration is not capable of accelerating Ach synthesis in the brain.
著者
高橋 ゆう子
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.231-240, 2008
被引用文献数
1

本研究では、歩行が安定しない重度の知的障害児2名に動作法を適用し、身体への気づきが促され、過度な緊張の弛緩や適度な緊張が獲得されるプロセスにおいて、日常行為がどのように変容するか、特に母親との関係の中でとらえられる子どもの変容に着目して検討を行った。分析にあたっては、動作法適用の経過、日常生活での様子、さらに発達検査の項目に関する母親の自由記述を資料とした。その結果、日常行為の変容過程における特徴として、(1)日常行為での身体の気づきが高まる、(2)周囲への注意が変化する、(3)試行的な動きが生じる、(4)情緒不安定さが軽減する、というプロセスがとらえられた。そこから身体の操作性と日常行為との関連、日常行為の変容に関する母親の気づきについて考察を行った。
著者
丹 秀也 関根 康人 渋谷 岳造 宮本 千尋 高橋 嘉夫
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

<p>木星の衛星エウロパは、表面を氷地殻に覆われており、内部には内部海を持つことで知られる。近年の望遠鏡観測により、木星の衛星イオ由来の硫酸がエウロパの公転後面を汚染している一方、汚染の少ない公転前面にはナトリウム塩などの内部海由来の物質が存在していることが示された(Ligier et al., 2016)。これは内部海での化学反応により硫酸が消費されている可能性を示すが、その反応や温度・pH 条件はよくわかっていない。本研究は、エウロパ内部での熱水環境における硫酸還元反応が消費過程として働く可能性を室内実験で検証し、温度やpH条件を制約することを目的とする。エウロパ海底条件1300気圧下で溶液のオンライン採取が可能なオートクレーブ装置により硫酸還元反応の速度のpH依存性を調べた。また、硫酸還元の反応率はpHが小さいほど速くなることから、エウロパ内部海では熱水環境が硫酸濃度とpHを安定化させる、負のフィードバック作用が働く可能性がある。</p>