著者
田山 雅雄 角村 純一 中川 公彦 高橋 英治 河村 純 森友 猛
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.909-913, 1990

症例は30歳男性で, 右季肋部痛と肝機能障害にて入院.Endoscopic retrograde cholangio-pancreaticography (以下ERCP) にて膵上縁で総胆管に2cmの長さの平滑な圧迫狭窄を認め, この部分に腹部X線やcomputed tomography (以下CT) で石灰化した小腫瘤を認めた.頸部リンパ腺結核の既往があり, ツベルクリン反応が強陽性であることから胆道周囲のリンパ節結核による総胆管狭窄と診断した.開腹所見では径2cm大の腫大したリンパ節を膵上縁の総胆管周囲に2個認め, これを切除した後Hegar拡張器にて総胆管狭窄を解除し, T-tubeを留置した.術後一過性の肝機能障害を認めたが46日目に退院した.結核性リンパ節炎による総胆管狭窄はきわめてまれで, 本邦において8例, 国外でも散発的に数例の手術報告例があるにすぎない.本邦例8例では手術は自験例のようにリンパ節摘出以外に, 3例に総胆管空腸吻合術が施行されており, すべて良好な経過を得ているようである.
著者
王 俊貞 大月 翔平 高橋 智一 鈴木 昌人 青柳 誠司 神崎 務 大野 泰史
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2014年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.611-612, 2014-03-01 (Released:2014-09-01)

蚊の穿刺動作を模倣した低侵襲性の微細針を開発するため,蚊の針の穿刺行動及び吸血行動を観察した.本研究では蚊の口針が皮膚内部へ侵入していく様子と吸血動作をより詳細に観察するため,側面方向から穿刺動作を観察可能な特殊な人工皮膚を開発した.この人工皮膚は食用寒天を主材料とし,内部に人間の血液が仕込まれている.結果,蚊の口針がこの人工皮膚へ侵入し,血液を吸引する様子を観察することに成功した.
著者
高橋 哲也 石井 健嗣 酒井 憲孝 関 学 佐藤 次良 落合 剛 岩城 孝次 小平 進
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.53-59, 1989-01-01
被引用文献数
1

胃癌13例, 大腸癌10例の手術症例を対象に術前あるいは術前・術後にレンチナン (Lentinan 以下LT) を投与し, 術前・術後の免疫能に及ぼす効果を比較検討した. 手術侵襲により術後の NK 活性, PHA 幼若化率, Leu7^+, HLA-DR^+ リンパ球が低下した. 術前 LT 投与では手術日の NK 活性, PHA 幼若化率, Leu7^+, CD8^+ リンパ球が上昇した. 術後は対照群と同様な低下を示したが, LT 投与によりその低下は相対的に軽度であった. 術前・術後 LT 投与では術後7日目の NK 活性, PHA 幼若化率, Leu7^+ リンパ球は LT 投与前のレベルを維持することができた. 術前・術後 LT 投与は有意義と考えられる.
著者
高橋 晃一郎 小川 晴果
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.19, no.43, pp.819-823, 2013-10-20 (Released:2013-10-20)
参考文献数
4

Organic reconstituted stone is often used as flooring of buildings in countries outside of Japan. As organic reconstituted stone contains polymer resin, it may discolor yellow by ultra-violet light and heat. At some construction sites, organic reconstituted stone became yellow. Authors conducted tests to investigate the causes of yellowing, methods of prevention and possibilities of further yellowing by replicating the process and making chemical analysis. They found out that long-term exposure to water and heat changes its chemical component and leads to the formation of chromophore having a conjugated double bond and auxochrome having a hydroxyl radical.
著者
高橋 健夫 広瀬 祐司 米田 博行 増田 辰夫 上野 佳男
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要 人文・社会科学 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.p85-106, 1982-11

This paper deals with teaching methods for beginners' volleyball class. Two models of the methods were selected through analysing various ideas to improve skills and results of our previous experimental lessons. The characteristics of two models were as follows. (1) Model A was a game-center learning. In this model, each skill of underhand pass, overhand pass, service, spike, and team play was separately learned and after every lesson games were played as an actual practice of the learning. (2) Model C was a learning centered on the offensive combination skill. In this model, team plays were mainly learned with focus on the toss-spike skill. The hours alloted for the game were about half of the model A. (3) In both models, lessons were done by "small group learning", and games were played in accordance with a special rule allowing to contact the ball a maximam of 4 times before returning it to the opposite court. Two different classes (of the model A and C), each with 20 school hours, were executed by the same teacher in the first classes of a junior high school. The learning results of both models were evaluated by the skill test, the analysis of team plays during the games, and the investigation on the attitude of students to physical education class-the attitude was substantiated by a questionary (standardized by A. Kobayashi). The major findings are as follows. (1) Personal skills were well developed in both models. But, in the model A underhand pass skill and in the model C overhand pass skill were more developed. (2) The difference of rally times in a game was not observed between two models. However, the times of hiting ball in a game were more frequent in the model C. Especially, frequency of hiting ball 3 or 4 times in the same court was significantly higher in model C. (3) Also the offensive team plays (toss-spike) were observed more frequently in the model C, but the games of the model A were mainly played by underhand pass rallys. (4) As the results of investigation on the attitude to physical education class, model A obtained the evaluation "fairly successful", but could not get good scores concerning the items of human relationship. The evaluation of model C was "very successful".
著者
堀口 文 本谷 聡 高橋 靖彦
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.216_3, 2018

<p> ラート競技は、実施される運動の難しさと、その出来映えを競う評定競技である。直転、斜転、跳躍の3種目が実施され、主に技の難しさを示す「難度点」と、演技の出来映えを示す「実施点」から最終得点が決定される。それらの採点基準にはIRV国際競技規則(IRV Code of Points)が適用されるが、体操競技などの評定競技と同様に、審判団の判断により採点傾向が異なることが報告されている(本谷ら、2011)。そのため、選手は競技規則を理解するだけではなく、国際審判団の採点傾向を把握することが重要と考えられる。本研究では、2018年5月にスイス(Magglingen)で開催された第13回世界ラート競技選手権大会において、決勝進出した女子選手の演技構成と各採点項目の結果を調査及び分析することによって、今後の練習計画に役立つ実践的な示唆を得ることを目的とした。その結果、決勝進出選手の競技動向や国際審判団の採点傾向が明らかになった。これらは国際大会で勝つための練習計画や演技構成の際に有用な基礎資料となる。また、2020年には競技規則の大幅な改訂が予定されているため、今後も継続的な調査が必要である。</p>
著者
高橋 恭子
出版者
北翔大学
雑誌
人間福祉研究 = Human welfare studies (ISSN:13440039)
巻号頁・発行日
no.5, pp.1-17, 2002

本論は,ソーシャルワーク実践における倫理的ディレンマについての研究の端緒とするために,この分野の研究が進んでいる欧米の研究動向を概観,考察するものである。欧米では,1980年代を契機として盛んに研究が行われていることから,本論では,雑誌「social work abstracts」の1980年から現在までの「ethics and values」の項目に掲載された論文,795件を対象として検討を行った。その結果,倫理的ディレンマを扱っているもの68件のうち,領域別では,医療の領域におけるものが24件で4割弱を占め,最も多かった。内容は,生命倫理に関するもの14件,退院計画に関するもの4件,その他のもの6件であった。この中で退院計画は現在の日本の医療ソーシャルワーカーにとっても主要な業務の一つとなっていることから,退院計画に関する倫理的ディレンマについて検討を行った。この分野での倫理的ディレンマはマクロとミクロのレベルが存在していた。倫理的ディレンマへ対処するためには分析モデルの活用が有効であると考えられているが,確立された方法は未だ存在していない。そのほか研究手法も試行錯誤で行われている。価値や倫理に関する教育も不十分であることがわかった。これらの研究を参考に,日本における現状分析をし,どのような手法で対処していくことができるのか研究を重ねていくことが必要である。
著者
高橋 義人
出版者
平安女学院大学
雑誌
平安女学院大学研究年報 = Heian Jogakuin University Journal (ISSN:1346227X)
巻号頁・発行日
no.19, pp.1-10, 2019-03

建国以来の歴史が浅く「新しい国」であったアメリカには、20 世紀に入ってからも「アメリカ音楽文化」と呼べるようなものがまだわずかしか存在していなかった。アメリカを政治的にのみならず文化的にも「大国」にするために、アメリカ独自の音楽文化を育てることは喫緊の課題だった。その契機のひとつをなしたのが、レハールのオペレッタ『メリー・ウィドウ』のアメリカ上演(1906 年)だった。その爆発的人気をもとに、1934 年、『メリー・ウィドウ』はエルンスト・ルビッチ監督によって映画化され、オペレッタのアメリカ化が行われた。本稿は、18 世紀前半のイタリアにおけるオペラ・ブッファから、19 世紀後半~20 世紀初頭のヴィーンにおけるオペレッタを経て、20 世紀半ばに与えられたアメリカでミュージカルが誕生するまでの喜歌劇の歴史をたどりつつ、アメリカン・ミュージカルに与えられた課題を探る。