著者
近藤 修平 Luis CANETE 高橋 隆行
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2015 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._1P2-G03_1-_1P2-G03_4, 2015-05-17 (Released:2017-06-19)
被引用文献数
1 1

In this paper, a control method for controlling the dual arm manipulator of the inverted pendulum type assistant robot while performing object hand over is presented. To reduce the complexity and increase the robustness, a partitioned control that separates the body and arm control while treating the other as a disturbance is proposed. To estimate the disturbances, the ESO is implemented on both subsystems. The development of the control and results of actual tests are presented.
著者
恒岡 弥生 富田 幸一朗 高橋 勉 篠田 陽 藤原 泰之
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

【目的】メタロチオネイン(MT)はカドミウム(Cd)や亜鉛などの重金属の曝露により肝臓をはじめとする様々な組織で誘導合成されることが知られているが、血管周囲脂肪組織(PVAT)におけるMT誘導合成に関する知見はない。そこで今回、PVATのMT発現誘導に対するCdの影響を検討し、PVATのMT発現誘導における基礎的知見を得ることを目的とした。【方法】8週齢雄性C57BL/6JマウスにCd(1 mg/kg)を腹腔内投与し、3時間後に肝臓およびPVAT付き胸部大動脈を摘出した。さらに胸部大動脈は内膜画分、中膜と外膜画分、PVAT画分の3つの画分に分けた後、それぞれの組織からトータルRNAを抽出し、各遺伝子のmRNA量をリアルタイムRT-PCR法により測定した。【結果・考察】Cd投与3時間後の肝臓におけるMt1 および Mt2 mRNA量は、対照群に比べて約10倍と5倍にそれぞれ有意に増加した。このとき、胸部大動脈から分画した内膜画分ではMt1および Mt2 mRNA量が対照群と比較してそれぞれ約15倍と8倍、中膜と外膜画分ではMt1 mRNA量が約5倍、さらにPVAT画分ではMt1および Mt2 mRNA量がそれぞれ約5倍と4倍に有意に増加していた。以上の結果から、Cdは肝臓と同様に胸部大動脈の内膜組織並びに中膜と外膜組織、加えてPVATにおいても曝露後速やかにMTの発現を誘導することが明らかとなった。MTは有害金属の解毒作用や活性酸素種の消去作用などを示す生体防御因子の一つであることから、PVATをはじめとする血管組織でのMT合成誘導は、Cdによる血管毒性発現の防御に寄与している可能性が考えられる。
著者
高橋 正氣
出版者
日本工業出版株式会社
雑誌
検査技術
巻号頁・発行日
vol.11, no.12, pp.65-78, 2006-12-01

塑性変形が磁気的物理量に大きな影響を与えることは古くから知られている。例えば、Ni3Fe 、Fe3Alや Ni3Mnなどの規則合金に見られる圧延磁気異方性が有名である。圧延磁気異方性の発生メカニズムは1958年に 近角 等が slip-induced directional order モデルで説明した。この考えに辿り着くまでには、多くの議論と実験がなされた。塑性変形により転位が発生し、変形量の増加と共に転位密度が増加する。当時、転位の研究が行われていたが、転位に関する知識は広まっていなかった。その中で、2つのモデルが提案された。どちらのモデルでも結晶中の転位が圧延磁気異方性の発生の原因と考えられた。第1のモデルは転位の周りの応力場が磁気弾性相互作用(磁歪の逆効果)により磁気異方性を発生させるという考えである。この考え方は一旦否定されたが、その後Max-Planck 研究所Stuttgart グループにより誘導磁気異方性の存在がNi, Coや Fe などの金属で理論及び実験的に証明された。一方、Ni3Fe 、Fe3Alや Ni3Mnなどの規則合金中での転位は超転位と呼ばれ、部分転位間に逆位相境界が存在する。この逆位相境界では規則状態とは異なる原子配列が作られ、塑性変形前には存在しなかった原子対が新しくできる。第2のモデルではこの逆位相境界での原子配列が双極子-双極子相互作用によって圧延磁気異方性を誘導させる。もう1つ良く知られている現象がオーステナイトステンレス鋼に見られるマルテンサイト変態である。塑性変形に伴うマルテンサイト変態により、常磁性から強磁性に遷移する現象がある。この遷移メカニズムは簡単であり、磁性を用いた非破壊検査は容易に見えるが、転位とマルテンサイト変態との相関は複雑である。転位はマルテンサイト変態を阻止する役割を果たすからである。マルテンサイト変態に関する話は別の機会にする。
著者
常山 聡 日下 起理子 田村 裕恵 小松 良一 久保田 芳正 櫻井 宏治 赤羽 弘充 高橋 昌宏
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第55回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.268, 2006 (Released:2006-11-06)

<緒言>乳腺粘液癌は、腫瘍性上皮細胞から細胞外へ分泌された粘液巣を特徴とする特殊型の浸潤性乳癌である。発生頻度は全乳癌の1_から_4%であり、比較的まれな腫瘍である。また、予後については他の組織型に比して良好である。今回我々は、17症例の粘液癌における予後因子について、他の組織型との比較を行なった。<対象と方法>1995年から2004年に当院外科にて手術が施行され組織学的に乳腺粘液癌と確認された17症例を対象とした。また、比較対象として2002年_から_2004年の期間に当院で手術施行され、組織学的診断において粘液癌を含む特殊型を除いた166症例を使用した。これらの症例について、予後因子としてのエストロゲンレセプター(ER)、プロゲステロンレセプター(PgR)、p53、Her2/nueとの比較を行なった。<結果>ERにおける陽性率は、粘液癌では17症例中16件が陽性であり94%であった。また他の組織型では、120症例中84件で陽性率は70%であった。 ERは乳癌における予後因子として有用とされており、悪性度と負の相関を示すとされている。今回の結果における粘液癌のER陽性率は、他の組織型に比して高く、予後が良好であることを示していると考えられる。また、粘液癌でER陰性の症例1例は、肺転移をおこしていた。 PgRについては、粘液癌で13例が陽性で陽性率76%、他の組織型では120症例中陽性68例で陽性率51%であった。 PgRも乳癌における予後因子として有用であり、ER同様に悪性度と負の相関を示している。今回の結果における粘液癌のPgR陽性率も、他の組織型に比して高く、予後が良好であることを示していると考えられる。また、肺転移をおこした粘液癌については、PgRも陰性であった。 p53については、粘液癌で1例が陽性で陽性率6%、他の組織型では126症例中45件が陽性で陽性率36%であった。 p53については、ER・PgRとは反対に悪性度と正の相関を示すとされている。今回の粘液癌のp53陽性率は、他の組織型に比し低く、予後が良好であることを示していると考えられる。 Her2/nueについては、粘液癌で1例が陽性で陽性率6%、他の組織型では146症例中30例が陽性で陽性率21%であった。 Her2/nueは、p53同様にER・PgRとは反対に正の相関を示すとされている。今回の粘液癌のHer2/nue陽性率は、他の組織型に比し低く、予後が良好であることを示していると考えられる。また、粘液癌でHer2/nue陽性の症例1例は、ER・PgRともに陰性で肺転移をおこしていた症例であった。<考察>乳腺粘液癌は他の組織型に比較して、予後は良好であるとされている。また今回検討した予後因子からも良好であることが示されている。また、粘液癌17症例中現在までに転移が確認されている1例については、ER・PgRともに陰性、Her2/nue陽性と今回検討した3つの予後因子が、悪性度の高い可能性を示している。乳腺粘液癌においては、予後因子で悪性度が高い可能性を示している場合、将来の転移の可能性も考慮し、経過を観察していく必要があると考えられる。今後、再発の有無を含めた術後経過と予後因子の関係についても更なる検討をしていく必要があると考えられる。
著者
山城 充士 山口 さやか 大嶺 卓也 内海 大介 山本 雄一 高橋 健造
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.127, no.12, pp.2641-2645, 2017

<p>14歳,男性.スキーをした翌日に眼瞼,頬部,手背に疼痛を伴う発赤や腫脹を生じた.血中プロトポルフィリン高値,光溶血現象及び蛍光赤血球陽性,肝障害があり骨髄性プロトポルフィリン症と診断した.フェロケラターゼ遺伝子にナンセンス変異(c.361C>T,p.R121<sup>*</sup>)と低発現アレル(IVS3-48C)の複合ヘテロ接合を同定した.父方の祖母,従姉妹らも同様の複合へテロ接合を有していた.一方,無症候の父親と叔母は,ナンセンス変異をヘテロ接合で保持していたが,対側アレルは正常アレル(IVS3-48T)であった.</p>
著者
川波 祥子 井上 仁郎 高橋 公子 堀江 正知
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.237-245, 2011-09-01 (Released:2017-04-11)

電話交換手がヘッドホンから曝露される音圧を, 人工耳および音響測定用マネキンを用いた2段階の方法で測定した. スクリーニングとして実施した人工耳による測定では, 非通話時間を含む8時間の等価音圧レベル(Leq)が81.5dB, 通話時間のみのLeqが89.3dBと高かった. そこで, より作業者のヘッドホン着用に近い状態で測定でき, 鼓膜付近での測定値を外耳道入口での音圧に換算可能なマネキンによる測定(ISO11904-2)を行ったところ, A特性による日本産業衛生学会の等価騒音レベル(LAeq)の許容基準と比較すると得られた修正LAeqは非通話時間を含む8時間で68.3dB, 通話時間だけでは76.6dBであり許容基準を下回った. 今回のような静かな作業場(51.3dBA)での通信業務では, 80dB未満の音声でも良好な信号雑音(S/N)比が得られ, 聴力への影響は小さいことが確かめられた. また, 通話相手の性別, 電話機の種類による曝露音圧の有意差はなかった.
著者
川﨑 昌 高橋 武則
出版者
目白大学
雑誌
目白大学経営学研究 = The journal of management Mejiro University (ISSN:13485776)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.63-76, 2020

近年、インターネットの普及にともない利便性の高いオンラインアンケート調査を容易に利用できる時代となった。本研究では、事前オンラインアンケートを踏まえて質の高い調査を設計するための方法論とその適用事例を示した。調査法の教育における適用事例では、はじめに調査の準備として4つの図:概念図、特性要因図、パス図、および解析模型図の説明を行った。次に、受講生自身が受講前に回答したオンラインアンケート調査データを用いて、選抜型多群主成分回帰分析による解析方法をナビゲーションマニュアル付きで解説した。その後、最初に準備した4つの図の改善や調査票のレベルアップ、改善前後の調査結果を比較し、考察を行った。これらのことから、利便性の高いオンラインアンケート調査を計画的に活用することで、質の高い調査設計につながることを示した。さらに調査法の教育において、この方法論の活用が有効となり得る可能性が示唆された。今後の課題は、質の高い調査の設計につながる方法論の改善とその実践教育の効果検証である。
著者
三島 鮎美 高橋 裕美 奥 尚枝 松野 純男 十万 佐知子 中林 利克 石黒 京子
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集 47 (ISSN:24331856)
巻号頁・発行日
pp.541-546, 2005-09-15 (Released:2017-08-18)

The petal of Hibiscus mutabilis L. f. versicolor MAKINO shows a white color after the flowering, and it gradually changes in the red. Though it is reported that the color changes are due to the storage of the anthocyanin in the petal vacuole, the mechanism has not been clarified. Thus, the mechanism of the color change was elucidated by expression analysis of mRNA of anthocyanidin synthetase (ANS) in the petal. Extraction and purification of mRNA: petals of white, pink and red organization of freezed fresh H. mutabilis were crushed in the liquid nitrogen and total RNA was extracted using the CTAB method, followed by the refinement of each mRNA by Purification Kit (TaKaRa). The several kinds of primer of actin and ANS were designed from the homology with other plants respectively and then RT-PCR was done using these primers. On cDNA fragment amplified by RT-PCR, the base sequence was analyzed by the conventional mannner. Using the primer which efficiently amplified the cDNA fragment, the expression of mRNA of the ANS with the change of the flower color was examined by RT-PCR. The amplified fragment of about 600bps was assigned to that of actin and the amplified fragment of about 500bps expressed only in the deep red petal was assigned to that of the ANS of H. mutabilis, referring to the sequence of actin and the ANS respectively. The amino acid sequence of mRNA of actin of H. mutabilis showed a homology over 91% with those of the other type plant and that of the ANS showed a homology over 82%. The expression level of mRNA of the ANS was consistent with the increase in the deep red from the white color. Furthermore, the color change was dependent on temperature but not the light.
著者
高橋正雄著
出版者
南雲堂
巻号頁・発行日
1987
著者
高橋 洋平 鈴木 茂
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
真空 (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.97-103, 2006 (Released:2006-10-17)
参考文献数
23
著者
高橋 リサ 川戸 美輝 藤波 香織
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.161-162, 2020-02-20

イラストレーションのメイキング動画は初学者にとって優れた学習教材である一方で,全過程を視聴するために多くの時間を要し.ユーザが自身の視聴目的に沿った映像を探索することが困難である. そこで,動画要約手法の1つであるキーフレーム要約と動画再生プレーヤーを組み合わせたシステムの設計及び開発を行った.イラストレーションのメイキング動画において発生する緩やかなフレーム情報の変化に対応するために,動画の差分と動画時間をクラスタリングに使用する特徴量として採用した. 本システムを用いて既存手法におけるキーフレーム生成方法との性能比較及びメイキング動画の静的要約に適した特徴量の検証実験を実施した.
著者
高橋 リサ 藤波 香織
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.163-164, 2020-02-20

イラストレーションのメイキング動画は初学者にとって優れた学習教材である一方で,全過程を視聴するために多くの時間を要し.ユーザが自身の視聴目的に沿った映像を探索することが困難である. そこで,ユーザが完成イラストの任意の部分を選択すると選択部分が描画されている時間帯のフレームを動画内から幾つか抜粋し,更にいずれかを選択すると対応する時間まで動画を遷移させる処理を行う情報提示システムの開発を行った.提案システムに関して定量的および定性的な評価実験を実施し,システムの有用性および有効な情報提示手法に関しての調査を行った.
著者
高橋 淑子
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2020-07-30

これまでに発生中の胚を用いることで、腸がもつ内在的な蠕動運動ポテンシャルとその遺伝プログラム制御の可能性を見出しつつある。また腸由来細胞を用いた長期培養法を可能にすることで、「腸収縮オーガノイド」の作製に世界で初めて成功した。これらの独自解析系を用いることで、特に蠕動運動のペースメーカーと考えられていたがその実体が謎であった「カハール介在細胞」の理解が一気に進み始めた。カハール介在細胞が腸平滑筋や腸神経系とネットワークを作る機構を明らかにし、蠕動運動を可能にする細胞-組織ー器官の協調的制御の全容に迫りたい。