著者
高橋 修 真山 茂樹 松岡 篤 竹村 明洋 真山 茂樹 松岡 篤 竹村 明洋
出版者
東京学芸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

一般に,生きている放散虫類は共生藻をもっている.それらは黄緑色ないし黄褐色の微小な球状で,そのサイズは3~10マイクロメータの大きさである.共生体を持っている現生の放散虫類の大部分が共生体から光合成によって固定された炭素の供給をうけ,貧栄養環境下でその共生関係を維持している.この研究では、Euchitonia elegans (Ehrenberg), Dictyocoryne truncatum (Ehrenberg),およびSpongaster tetras Ehrenbergの分子系統および超薄切片観察により,Dinoflagellates、chlorophytes、およびhaptophytesなどの藻類がこれらの放散虫に共生していることを特定した.そのうえ,これまで共生藻をもたないとされていたDictyocoryne profunda Ehrenbergの表面に,数多くのシアノバクテリアが共生していることを明らかにした.本研究の結果,異なった種の放散虫は異なった共生体を持ち,それらは強い特異性もつことを示した.もし,仮に同じ放散虫が異なった藻類を複数,共生体として持つならば,それは選択の柔軟性があることを示すかもしれない.しかしながら,現在の結果はこの仮説を否定する.これらの間の柔軟性の欠如は,放散虫に共生体の認識と選別ための一般的なメカニズムがある事を示すものと考える.
著者
浦 雅春 石光 泰夫 小林 康夫 杉橋 陽一 河合 祥一郎 高橋 宗五
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本研究は既存の国や文化の枠を超えてますますクロスオーバー化する現代の演劇の諸相を歴史的淵源にさかのぼって分析するとともに、近年著しい成果をあげているインターディシプリナリーな分析装置を手がかりに多角的に演劇の表象システムを再検討することを目指したものである。年度ごとの研究成果を記せば、以下の通りである。平成9年度においては、まず研究の端緒として広くヨーロッパ近代演劇の成立にかかわる各国の演劇理論を再検討し、個々の演劇理論が具体的にどのような舞台表象とつながりの中で発展してきたかを解明した。平成10年度には、「身体論」と「空間論」の観点から演劇の表象システムを考究した。おのおの文化に固有な身体観や空間意識がいかなる形式を演劇に与えるか、また逆に演劇という表象システムが演劇固有の身体や空間を形作ってきたか、その相互のダイナミズムを理論化した。平成11年度には、精神分析の立場から演劇に分析を加えた。たんに戯曲というテクストを精神分析的に解剖するのではなく、演劇と精神分析がきわめて類似した表象システムであることを分析し、演劇の中でヒステリー的身体がいかに抑圧され、また解放されてきたを歴史的に解明した。最終年の平成12年度には、これまでの研究成果の取りまとめの段階として、演劇という表象システムの歴史的変遷を総括した上で、演劇と他のメディアの相互作用、個別身体論や空間論との交叉から演劇のインター・カルチャー的本質を抽出し、演劇理論の新しいパラダイムを構築した。
著者
事崎 由佳 竹内 光 関口 敦 品田 貴光 山本 悠貴 高橋 慶 荒木 剛 瀧 靖之 荻野 武 木口 雅史 川島 隆太
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

デイリーハッスルズは日常生活上の小さな苛立ちであり、健康に悪い影響を与えることが知られている。我々は、脳血流と心拍数の生体情報を1chNIRSで視覚的にフィードバックし、自身の生理的状態を制御する訓練によってストレス反応が軽減されるか否か検討した。その結果、統制群と比べ介入群において右眼窩前頭前野と左海馬の灰白質量の増加、陰性気分、抑うつ傾向、職業ストレス、唾液中コルチゾール濃度の低下が見られた。
著者
田口 洋美 佐藤 宏之 辻 誠一郎 佐々木 史郎 三浦 慎悟 高橋 満彦 原田 信男 白水 智 佐藤 宏之 辻 誠一郎 佐々木 史郎 原田 信男 白水 智 三浦 慎悟 神崎 伸夫 前中 ひろみ 高橋 満彦 岸本 誠司 中川 重年 梶 光一
出版者
東北芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究が開始された翌年平成18年度においてクマ類の多発出没が発生し、捕殺数は約5000頭、人身事故も多発した。本研究はこのような大型野生動物の大量出没に対する対策を地域住民の歴史社会的コンテクスト上に構築することを主眼とし、東日本豪雪山岳地域のツキノワグマ生息地域における狩猟システムと動物資源利用を「食べて保全」という市民運動へと展開しているドイツ連邦の実情を調査し、持続的資源利用を含む地域個体群保全管理狩猟システムの社会的位置づけとその可能性を追求した。
著者
高橋 美穂
出版者
東京海洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

東京湾と相模湾の海水を採水し、シリカ化学種の変化から、シリカ(ケイ酸)の消費挙動を検討した。一般には春に相模湾で珪藻の栄養となるシリカ化学種が枯渇するが、2003年の冷夏では、春の時点で、東京湾、相模湾ともに、珪藻の栄養となるシリカ化学種が枯渇することなく余っていた。夏季の影響は秋季には通常の暑さの年と同じ、状況に回復していた。このことから、春にその年の夏の暑さについて珪藻のシリカの摂取のされ方から予測できると考えられる。また、淡水では、このシリカ化学種の測定が難しかった。そこで、まず、淡水に存在するシリカの調製を行った。また、この溶液を用いて、質量分析計によるイオン化方法を変え、測定方法によって生じるシリカの検出される化学種の比較を行った。
著者
長野 泰彦 菊澤 律子 西尾 哲夫 武内 紹人 高橋 慶治 立川 武蔵 白井 聡子 池田 巧 武内 紹人 池田 巧 高橋 慶治 立川 武蔵 白井 聡子 本田 伊早夫 桐生 和幸 R. LaPolla M. Prins 戴 慶厦 G. Jacques 才譲 太 S. Karmay M. Turin 鈴木 博之 津曲 真一
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2004

チベット・ビルマ語族は、中国・青海省からパキスタン東北部にわたる広い地域に分布する。この語族の歴史はその大枠がようやく明らかになってきたものの、未解読文献言語や記述のない言語が多数残っている。本計画は(1)未記述言語の調査、(2)未解読古文献(シャンシュン語)の解読、(3)チベット語圏の言語基層動態解明、を目標として研究を行い、幾つかの知られていなかった言語を発見して記述、新シャンシュン語(14 世紀)語彙集集成、古シャンシュン語の文法的特徴の抽出、に成功しただけでなく、歴史言語学方法論に接触・基層という視点を導入することの意義に関して提言を行うことができた。
著者
高橋 進
出版者
龍谷大学
雑誌
龍谷法学 (ISSN:02864258)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.603-623, 2005-12-26
著者
高橋 啓一 北川 博道 添田 雄二 小田 寛貴
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
no.84, pp.74-80, 2008-10-01

The Churui specimen was found in 1969 and 1970 from Bansei, Churui, Makubetus-cho, Nakagawa-gun, Hokkaido, and is one of the most important whole skeletons of Palaeoloxodon naumanni. Herein, we reexamine the molar number and specific identification of this specimen. As a result of our observations, four molars that were previously identified as second molars of one individual are re-identified as third molars of one individual. These molars correspond to the group 25-27 of Laws (1966), and are therefore assumed to represent an age of about 50 years. Observations of the epiphyseal fusion of the postcranial bones in the Churui specimen support the result that the animal used its third molars. A molar that was previously identified as a third molar from the same individual as the four "second molars" of P. naummmni, is re-identified as a second or third molar of the woolly mammoth Mammuthus primigenius, as determined by morphological characters. It gave a radiocarbon date of 42,850+510BP. Woolly mammoths inhabited Hokkaido from 45ka to 16ka, while the horizon of P. naumanni from Churui is estimated to be 120ka. This suggests that the molar of the woolly mammoth fell from the upper part of the cliff at the excavation site of the Churui specimen, instead of being recovered from the excavation plane.
著者
岡村 喜明 高橋 啓一 琵琶湖博物館資料調査協力員
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
no.55, pp.9-15, 1993-11-30

Fossil footprints of a bird referable to the suborder Gruidea were found from the Pliocene Kobiwako formation of Mie Prefecture, central Japan. The footprints are relatively large and show four toes. Toes II to IV direct forwards with a wide splay angles, while toe I points backwards at a low position. Each toe is wide and with a claw impression at the tip. Metatarsal impression is preserved on the sole. A small area of webbing is present between III and IV only. The stride is 320〜500mm. This record provides additional information about the fauna of the Pliocene Kobiwako formation.