著者
高田 宗樹 宮尾 克 大森 正子 渡辺 智之 蛭田 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.653, pp.25-32, 2002-02-15
被引用文献数
4

ジェットコースター乗車時の3次元動画映像を立位姿勢の健常な被験者に対して、音響の有無などいくつかの条件のもとに与え、重心動揺検査を同時に行った。本論では2次元重心動揺時系列を用い、音響付き立体画像の複合現実感に関する評価を行う方法論を提示する。この画像を知覚情報として持つ被験者の動揺図にはカスプ型運動成分の増加が認められたため、加速度ベクトルを解析に用いた。このベクトルの大きさがある閾値より大きい部分列を構成することにより、この運動成分を抽出することができる。この運動パターンの出現頻度が高い時間における被験者の視覚情報となった画像のコマを対応させて、与えた3次元立体画像のリアリティーについて評価を行った。
著者
石郷岡 玄一郎 丸山 陽央 小島 楓 市村 智康 前田 義信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.427, pp.41-44, 2014-01-30

本稿では四肢動物の歩行パターン("歩く","走る"等)を制御する中枢パターン発生器(CPG)の電子回路モデルを提案した.四肢動物の場合,"走る"には,トロット,ペース,キャンター,バウンド(ギャロップ)の4つがあり,今回は,3つの"走る"と"歩く"を1つのパラメータを用いて切り替えが可能となるhard-wiredなCPGネットワークを提案した.
著者
田口 敬教 都倉 信樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.405, pp.23-28, 2006-11-27
参考文献数
5
被引用文献数
1

流通商品コード(単品識別)表示用などに広く利用されるコードにEANコードというものがある.EANコードは白と黒の線で表現されており,バーコードスキャナなどで読み込む.汚れなどの外的要因やスキャンしたデータのディジタルデータへの変換過程での誤りなどの要因により,本来EANコードの表しているデータと異なるデータを読み込んだ場合,それがEANコードの形式に反するなら誤りと判断でき,再読込をする.しかし,形式的には正しいとして誤ったデータを受け取ることもある.これを誤りを見逃し,あるいは誤読といい,その確率を評価する.
著者
高木 基裕 堀 俊和 藤元 美俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.561, pp.41-44, 2007-03-01

本報告では,比誘電率,比透磁率が共に負(Double Negative or DNG)となる媒質がダイアポールアンテナの特性に及ぼす影響をFTDT法によって解析し,DNG媒質がダイポールアンテナの特性に与える影響を明らかにする。検討の結果,比誘電率ε_r=-1,比透磁率μ_r=-1のDNG媒質では,DNG媒質を設置する位置によってDNG媒質中にダイポールアンテナの虚像ができることが確認できた。またDNG媒質の比誘電率,比透磁率によりダイポールアンテナのインピーダンス特性に影響を与え,共振周波数は大きく変化することがわかった。また指向性に影響することがわかった。
著者
太田 篤史 森 健策 末永 康仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.47, pp.31-38, 1999-05-13
被引用文献数
2

本研究では3次元CGにおいて魅力的な映像を作り出すカメラワークを自動生成する手法を提案する。カメラワークは時系列にそったカメラの位置、姿勢によって表現されるものとする。本手法では単一のポリシーに基づきカメラワークの提案および評価を行う演出家と呼ばれる者を定義する。演出家は物体の位置、優先度、境界領域、カメラパラメータなどの様々な情報に基づき、カメラワークを複数提案する。各演出家からの提案を全ての演出家が評価する。最もよい評価の得られたカメラワークを最終的なカメラワークとして決定する。本手法を計算機上に実現し、CGアニメーションの生成を行った結果、ある程度の有効性が確認された。
著者
西尾 信彦 藤井 陽光 安積 卓也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.31, pp.79-84, 2012-05-10

ユーザの細粒度での屋内行動を認識するために,複数のセンサーを用い普段滞在する居場所を自動的に学習し標本化する機構と,それを用い現在の状況を標本から抽出する機構を実装し評価した.その結果,新規の標本を生成すべきか,既存の標本をアップデートすべきかの閾値を獲得する必要があることがわかり,そのための検証実験を実施し,比較的短期間のセンシングでも自動的に標本をアップデートして,ほぼ0.1%未満の誤認識率に押えられる見込みが得られた.
著者
相沢 友勝 花崎 健一 岡川 啓悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.361, pp.17-20, 2006-11-10
被引用文献数
4

フレキシブルプリント配線板の銅箔部分に間隙を設けて重ね,この外側を絶縁された2枚の加圧用アルミニウム薄板で挟み,これらを平板状ワンターンコイルの間に挿入固定し,コンデンサ電源からコイルにインパルス電流を急激に流す.アルミニウム薄板および銅箔には,磁束が交差し,渦電流が流れ,磁気圧力が働く.この圧力と渦電流加熱により,重ねた銅箔は互いに衝突し圧接され得る.コンデンサ電源のエネルギーを1.2kJ以下に選び,銅箔部分を圧接できた.この新しい配線板銅箔圧接法の原理,方法および実験結果について述べる.
著者
前川 喜久雄 北川 智利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.74, pp.9-16, 1999-05-21
被引用文献数
2

筆者らはこれまでにパラ言語情報の伝達にかかわる音声特徴を音饗的に分析してきた. 本稿ではパラ言語情報の知覚に対する検討をおこなう. 6種類のパラ言語情報(疑い, 感心, 落胆, 無関心, 中立, 強調)の同定実験を実施し, そのデータから計算された類似度を多次元尺度構成法(MDS)によって解析したところ, 3次元解が最適との結果を得た. 三つの次元それぞれにおける刺激の座標値を従属変数, これまでに報告してきた音響特徴を独立変数として重回帰分析をおこなったところ, 高い精度で刺激の布置を予測できることが明らかになった.
著者
貝森 晃司 中川 匡弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.458, pp.125-129, 2010-03-02

生体信号のフラクタル性に関する研究は,医療や通信など様々な分野で進められている.脳波や音声信号においては,フラクタル性を用いた手法が,従来の手法よりも深い情報を得られる可能性が示唆されている[1-2]. これより,本研究では,感情が含まれる音声のマルチフラクタル解析を行う.これにより,感情によって音声のフラクタル性に違いが見られるかという比較を行った.解析の結果,通常/怒り/悲しみ/楽しみのそれぞれの感情によって,音声のマルチフラクタル性が異なる様子が確認された.
著者
山口 誠 山本 幹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.670, pp.313-320, 2001-03-09
参考文献数
13
被引用文献数
2

特定多数の受信ノードに対し信頼性を維持しながら同一情報を転送する信頼性マルチキャストでは,一般的にエンド-エンド間での制御によってスループットが最も低い受信ノードに合わせて情報の転送が行われる.最も低い受信ノードにあわせた場合,同一マルチキャストグループに属する他の受信ノードにおいて,自らが受信できる限界よりかなり低いスループットしか得られないという状況が生じる.これは,各受信ノードの輻輳状況が異なることが一般的にみられる,マルチキャスト通信特有の問題である.この観点からみた受信ノード間の公平性は,Intra-session Fairnessと呼ばれる.信頼性マルチキャストにおいて,エンド-エンド間での制御だけでIntra-session Fairnessを実現するのは不可能である.本稿では,Intra-session Fairnessを実現するため,ネットワーク内にサーバを配置しネットワーク支援を通用することによりサーバが独自にダウンリンクに対して輻輳制御を行う方式を提案し,シミュレーションにより評価を行った.
著者
岡本 英樹 小島 摩里子 松井 知子 川波 弘道 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.165, pp.79-84, 2007-07-19

本稿では非可聴つぶやき(Non-Audible Murmur:NAM)を用いた話者照合法について,新たに収集したデータを用いて分析した結果を報告する.NAMとは,外部の騒音に対して頑健な体表接着型マイクロフォンを用いて収録したつぶやき音声を指す.これまでNAMの発声内容が他人に漏れ聞こえることがないという利点を活かし,NAMによるキーワードを利用したテキスト依存型話者照合法を提案してきた.今回は,新たに男性18名,女性9名のNAMを収録し,それらを詐称者セットとして用いて実験を行い,その性能を詳しく調べた.また,学習に使用する発声数,時期数をいろいろと変えて実験することにより,複数時期にわたって収録された音声を使用することの有効性を示す.また,話者照合システムを利用するユーザにとって登録時に必要となる発声数が少ないほど負担は軽減する.そのため,学習データに使用する発声数を減らして実験を行い,その性能の劣化の度合いを調べることにより,どのくらいの音声データが登録時に必要となるかを明らかにする.
著者
北見 広和 大嶋 嘉人 川島 正久 加藤 淳也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.36, pp.57-62, 2007-05-10
被引用文献数
1

次世代ネットワークの中核となるIMSサービスを早期に提供するには,なりすまし対策など必要なセキュリティを実現しつつも,現在市中に出回っているWiFi端末への大幅な機能追加や,現行のネットワーク設備の更改を要求しない方式とする必要がある.本稿では、これらの課題認識の下,ノマディックなサービスをIMS上で早期に実現するための方式について検討した結果を,そのシステム試作による検証結果と共に示す.
著者
平井 佑樹 井上 智雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.190, pp.61-66, 2011-08-19

プログラミングを行う方法の1つとして,2人1組になって行うペアプログラミングがある.ペアプログラミングによるプログラミングは協調作業であるが,これはプログラミング学習の方法としても用いられている.本研究では,プログラミング学習時のペアプログラミングの成功事例と失敗事例を比較分析した.分析では作業中の会話に着目し,失敗事例の方が発話が長いこと,説明の繰り返しが多いこと,一方的な発話が多いことが分かった.この知見は,ペアプログラミングにおいて協調作業がうまく進んでいるかどうかを判断する手がかりを提供し,協調作業の状態推定に有効であると考えられる.
著者
多賀 登喜雄 石田 未央 佐々木 牧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.231, pp.7-12, 2002-07-18
被引用文献数
6

降雨の影響を強く受ける準ミリ波帯以上の無線回線の設計に必要な1分降雨強度分布につき、国内外の回線設計で使用されている標準的な評価法を示し問題点を明らかにする。また既存の22の1分降雨強度分布推定法につき、異積分時間変換によるもの,気候パラメータを用いるもの,統計理論に基づくもの等に分類すると共に、その主な方法につき、東京都区内4地点における2年間の雨滴計数型雨量計による降雨データに基づき比較,検証する。その結果、実測データを最もよく近似できる推定法は条件付M分布に基づく方法であることを示しその有効性を確認する。さらに今後全国的な降雨設計値の見直しにも対応できるよう、長期間のAMeDAS1時間積分雨量データによる条件付M分布を用いた1分降雨強度分布の推定例を示す。
著者
金井 猛志 岡本 龍一 ファリス ヒシャム 桑村 有司 山田 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.51, pp.1-6, 2008-05-16
被引用文献数
2

高屈折率導波路と真空中を走行する電子を利用した新しい光発生法を実験的に検証した.高屈折率導波路を利用して導波モードの位相速度ν_<opt>を光速cの1/3程度まで遅くしておき、電子の群速度ν_eを導波モードの位相速度で走行させると、一種のチェレンコフ放射により導波路から放射光が発生する.実験では、真空/Si薄膜/SiO2から構成されるスラブ導波路を利用した.導波路表面の真空領域には導波モードのエベネッセント電界がしみだしている.この導波路表面に沿って、32KVから42KVに加速した電子を走行させた時、導波路出力端からTM偏光の放射光が観測された.加速電圧の増加と共に、その発光のピーク波長は、1.2μmから1.6μmまで変化した.その発光波長は、ν_e=ν_<opt>から求まる条件と一致し、我々の原理に基づく発光である事が実証された.また、放射スペクトルの形状から真空中の電子波動のコーヒレント長の推定を行った.
著者
松田 昌史 八重樫 海人 大坊 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.457, pp.79-84, 2010-03-01
被引用文献数
3

ビデオ会議システムは,対面状況と同等なコミュニケーション環境を遠隔地間につくり出すことを目標の一つとしている.本稿では,遠隔地と空間共有を目指すt-Roomを取り上げ,同システムがこの目標を満たしているかどうかを評価した.本稿では評価法に関するロジックと,実際に評価を行った結果について報告する.評価の結果,必ずしも対面状況と同等の結果が得られるわけではないが,t-Roomでは対面状況と同様に平等的な選択がなされやすいことがわかった.また,地点間の人数の不均衡によるバイアスは発生せず,その点においては対面状況と同等であるとみなせることがわかった.
著者
松田 昌史 八重樫 海人 大坊 郁夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.383, pp.37-42, 2011-01-14
被引用文献数
1

ビデオ会議システムの究極の目標の一つは,対面状況と同等な環境を遠隔地間に作り出すことにあると言える.本研究は,遠隔地間で利用者の相対位置を共有することのできるビデオコミュニケーションシステムt-Roomを取り上げ,同システムがこの目標を満たしているか確かめることを目標とする.本稿では評価法に関するロジックと,実際の評価について説明し,先行実験の結果を確認するための追加実験のデータを報告する.追加実験の結果,先行実験の結果がおおむね再現され,t-Roomは対面状況と同様な合議結果がもたらされやすいことがわかった.
著者
戸田 智基
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.422, pp.73-78, 2009-01-22

声質変換は,言語情報を保存したまま話者性等の非言語情報を変換する技術である.従来の統計的手法に基づく枠組みでは,入力話者と出力話者が同一内容を発声しているパラレルデータを数十文程度用いて,特定話者対を対象とした変換モデルを事前に学習する必要がある.我々は,この制約を大きく緩和する枠組みとして,任意の話者を対象とした声質変換技術の研究開発に取り組んでいる.多数の異なる話者の音声データを有効利用することで,任意の話者からある特定の話者への変換(多対一声質変換)と,ある特定の話者から任意の話者への変換(一対多声質変換)が可能となる.本報告では,これらの変換を実現する技術について紹介する.
著者
戸田 智基 大谷 大和 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.221, pp.25-30, 2006-08-23
被引用文献数
2

声質変換(Voice Conversion: VC)の新しい枠組みとして,固有声に基づく声質変換法(Eigenvoice Conversion: EVC)を提案する.本報告では,ある特定の話者から任意の話者への変換(一対多VC),および任意の話者からある特定の話者への変換(多対一VC)に対してEVCを適用する.EVCでは,予め収録された多数話者によるパラレルデータを用いて,固有声混合正規分布モデル(Eigenvoice Gaussian Mixture Model: EV-GMM)を事前に学習する.EV-GMMは出力(多対一VCでは入力)音声の声質を制御する少量のフリーパラメータを持つ.所望の話者に対する変換モデルは,その話者の音声データに対してフリーパラメータを最尤推定する事で構築される.この際に,発話内容に関する情報は一切使用しないため,完全な教師なしモデル適応が実現される.さらに,一対多VCにおいては,フリーパラメータを声質制御イコライザーとして用いることで,出力変換音声の声質を手動で制御する事も可能である.一対多VCおよび多対一VCにおいて実験的評価を行った結果,EVCでは所望の話者の音声データが2文程度あれば,高い変換精度が得られる事が分かった.
著者
柴田 寛 行場 次朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.522, pp.31-36, 2003-12-12
被引用文献数
3

本研究では,人どうしが連携動作を行う場面を題材として,手渡された円筒を受け取る動作を分析した.変数として,円筒の長さ,渡す側が円筒を持つ位置,および円筒の渡し方を操作した.観察された受け取り動作を,脳科学で得られた知見を基にしながら,「握る」「摘む」「のせる-そえる」に分類した.また,受け渡し場面に内在する制約として,「円筒を落とさない」「渡す側の手に触れない」「渡す側の動きに合わせる」という3つに焦点をあて,これらの制約の働き方から,渡され方にあった受け取り動作が選択される過程を検討した.さらに,受け側が手を動かすタイミングや,手を動かしてから円筒に接触するまでの時間などが測定された.その結果,それらの値はそれぞれの受け取り動作によって系統的に異なることがわかり,各受け取り動作に異なる運動制御が関与することが示された.