著者
杉山 敬三 入内嶋 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.20, pp.13-16, 2010-04-19
被引用文献数
1

携帯電話基地局はKDDI全体の消費電力の約6割を占めており、その省電力化は大きな課題である。これまでKDDIでは、基地局の小型化や設備冷却用空調が不要な(エアコンレス)屋外対応基地局の導入など様々な省電力化への取り組みを進めているが、今回、次世代の省電力化を目指すために、太陽光パネルで発電された電力、深夜電力により蓄電池に充電された電力、商用電力の3つの電力を制御するトライブリッド方式の運用を開始した。本技術により、同タイプの基地局と比較し、20〜30%の電力消費量とCO_2排出量の削減を見込んでいる。
著者
陳 曦 高橋 勲 沖田 義光 平田 寿 杉浦 敏文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.423, pp.77-82, 2012-01-20

音刺激(怖い音と快適な音)に対する心理反応を脳波前頭葉非対称性モデル(anterior asymmetry and emotion model, AAE model)と吉田法によって評価,検討し,両方法の信頼性と関連性を検討した.被験者は21〜25歳までの大学院生13名(22.9±1.3歳)であり,実験中はゆったりとした椅子に座って目を閉じてもらった(前安静10分,音呈示5分,後安静10分).AAEモデルによって消極的な反応を示したと判断された被験者は吉田法による評価では不快度が増加しており,積極的な反応を示したと判断された被験者は快適度が変わらないか,少し快な状態へと変化していた.本研究の結果,AAEモデルと吉田法は心理評価法として信頼できる方法であるとともに両者の間に一定の関係があることが分かった.
著者
高橋 博宜 堺 芳信 秋濃 俊郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.645, pp.15-20, 2001-03-01
被引用文献数
10

ソース端子が電圧源及び接地と接続する全てのプルアップ/プルダウン・トランジスタに静的な基板バイアスを印加したSSDCMOS (Statically Substrate-biased Domino CMOS)回路方式を提案した。この方式に基づき、配線RC負荷に応じて駆動インバータや他のトランジスタ寸法を決めるスーパーセルのレイアウト・アーキテクチャを提案している。本論文では、0.35μmプロセスの実測値に合わせたBSIM3v3モデル・パラメータを使った回路シミュレーションにより、高速化と低消費電力のバランスを意図して設計したAO124回路で、同等なスタティックCMOS回路に対して、面積と遅延時間及び消費電力を比較評価した。ソース端子で取り囲まれた長方形のトランジスタ幅がW=66λ(λ=0.175μm)の時、面積で57%、遅延時間で94%、消費電力で79%に削減した。
著者
椎名 毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.45, pp.59-63, 2008-05-15

組織弾性は、病変などによる組織性状の変化を硬さの観点から術者が直感的に捉えることのできる特徴量であり、診断に有益な情報を与える.このため、組織に対して与えられる静的な圧縮や低周波振動、あるいは放射圧など、様々な負荷に対する組織の力学的応答を計測することによって組織の弾性情報を得、それを映像化する組織弾性イメージング技術の開発が進められている.術者が触診的に実時間で診断を行うためには、超音波プローブを用いて静的な圧縮を与えるフリーハンド手技が適しており、そのような観点に基づいて著者らは、高精度かつ高速処理が可能で、安定した組織弾性像が得られる複合自己相関法を開発し、乳癌組織計測を通じてその有用性を確認してきた。さらに企業との共同研究により、実用機を開発した。本稿では、主にこれらの原理と適用例について示し、組織弾性イメージングの有用性について論じる.
著者
小関 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.221, pp.19-27, 2009-10-01

Googleの凄さは、実世界とネットがentangleしていることの発見にある。すなわち、Webページの重要さは個人的な意図、知識に依存するが、それをリンク情報から機械的に推定できることを示し、現在の情報インフラの地位を確立した。ここでは、マルコフ遷移確率をリンク数の平方根に反比例すると、実態に即してGoogleを2-normに修正して、システム分析のツールとして有効性を確立した。さらに、システム評価の客観的測度として、モードエントロピー・ノードエントロピーを定義し、それらの有効性を東京鉄道網で実証した。情報時代の社会インフラとしてのGoogleが、実世界に適合しない1-normで記述されていることによる重要度評価誤差の社会的インパクトなど検討・対策が、情報大航海時代に期待される。
著者
林 合祐 高橋 応明 齊藤 一幸 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.29, pp.81-84, 2011-05-05

近年,RFID (Radio Frequency Identification)システムの急速な普及には目覚しいものがあり,物流管理,生産履歴管理ソリューションなど様々な分野にて有用であると認められている.また,病院での薬品管理や医療分野などにおいても,このシステムが利用可能である.さらに,重要施設における入退室管理への応用も注目されている。本稿では,入退室システム用アンテナの開発を目的として,ISMバンドの一つである2.4 GHz帯で動作し,ICチップと整合する,体内埋め込み型アンテナの設計を行った.また,体内に埋め込んだ際のアンテナのインピーダンスや放射特性などを,数値解析手法の一つである有限要素法によって検討した.
著者
金田 泰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.352, pp.1-6, 2003-09-30
被引用文献数
4

電話にかわるべきコミュニケーション・メディアvoiscapeの概念を提案する.Voiscapeは,3次元オーディオ技術による仮想的な"音の部屋"をユーザ間で共有し,そのなかを自由に移動してさまざまなひとと会ったりわかれたりしながら多者間のコミュニケーションがおこなえるウェアラブルなメディアである.プレゼンスや周縁的情報の伝達を可能にし,電話におけるような1対1の会話から従来のメディアではできなかったさまざまなかたちのコミュニケーションまでをカバーすることによって,つながり感・安心感の共有や暗黙知の共有も実現されるだろう.この論文ではvoiscapeの使用場面や手順についてのべ,PC上に開発したvoiscapeのプロトタイプについてものべる.プロトタイプ上ではユーザは前方の様子を3次元グラフィクスによって確認しながらマウスをつかって部屋内を移動することができる.
著者
小林 大 山口 宗慶 花井 知広 渡邊 明嗣 田口 亮 林 直人 上原 年博 横田 治夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.355, pp.39-44, 2003-10-01
被引用文献数
1

データの格納や提供といったサービスは今やIT基盤の中核であり,例えバグフィックスや機能向上のためのソフトウェア更新であっても,そのためにサービスを中断することは許容され難い,高可用なデータ格納・提供のためのアプローチの一つとして我々は自律ディスクを提案しているが,自律ディスクにおいてもサービスを停止すること無くシステム構成ソフトウェアの更新を行えることが肝要である.本稿では自律ディスクに対して高可用なシステム更新手法を提案する.提案手法では物理ノード内に複数の仮想ノードを構成し,仮想ノード間での論理的なデータ移動を用いることで無停止かつ僅かな性能低下でシステム更新を行うことが可能である.また本手法について実装し実験を行った結果を用いてその有効性を示す.
著者
山田 英一 雨海 正純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.467, pp.83-86, 2007-01-11

本発表はワイヤボンディングプロセスのモデリング手法を開発し、ボールボンディング時のボール形状およびシリコン内部のストレス評価を行い、ワイヤボンド条件およびボンドパッド構造の最適化を検討したものである。シミュレーションはワイヤ、ボール、キャピラリ、ボンドパッドおよびその周辺部をデバイス内部薄膜層を含めてモデル化し、3次元非線形動解析で行った。また、モデリングと同条件で実際のワイヤボンドを行い、モデリング結果から得られたボール形状と比較し、モデルの妥当性について検証した。
著者
張 立 須山 聡 鈴木 博 府川 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.359-364, 2008-02-27

移動通信において周波数利用効率の向上が期待されるインターリーブ多元接続方式(IDMA)に対して,チャネル推定を含むターボ信号検出を適用し,その伝送特性を明らかにする.IDMAとしては,周波数帯域を有効に利用できるOFDMを用いたMC-IDMA,別名OFDM-IDMAを検討する.送信側の誤り訂正符号は,畳み込み符号と繰り返し符号を結合して低符号化率にしたものを用いる.受信側はターボ信号検出を行い,繰り返し処理におけるチャネル推定にはソフト判定指向形チャネル推定(SDCE)を適用する.初回は符号化されたビットの対数尤度比(LLR)が分からないので,パイロット・シンボルを用いてRLSアルゴリズムによりチャネル推定を行う.データ区間ではそのチャネル・インパルス応答の推定値を用いて単純な軟判定を行い,さらにMAP復号器で誤り訂正符号の復号を行う.繰り返し処理では,MAP復号器からのLLRを用いてレプリカを生成し,受信信号との平均2乗誤差が最小になるようにチャネル・インパルス応答をLMSアルゴリズムを用いて推定する.計算機シミュレーションにより,提案したチャネル推定法を備えるMC-IDMAが良好な特性を実現できることを示す.また,MC-CDMAとの比較を行い,時間拡散および周波数拡散のMC-CDMAよりもビット誤り率(BER)が優れているが,チップインターリーブを行う周波数拡散MC-CDMAとBER特性が同等となることを示す.
著者
二反田 直己 長谷山 美紀 北島 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.217, pp.7-12, 2002-07-11

シーンの境界であるシーンカットの検出法として,オーディオ信号の変化部に着眼した手法が提案されている.しかし,オーディオ信号にはしばしば無音部が挿入されるため,オーディオ信号の変化部にはシーンカットのみならず,有音部と無音部の境界が含まれてしまい,全ての変化部がシーンカットとは限らない.従って,オーディオ信号の変化部のみからシーンカットを検出することは困難となる.そこで本文では,オーディオ信号の変化部を検出し,変化部を境界として得られたセグメントを有音部と無音部に分類することで,高精度にシーンカットを検出する手法を提案する.また,提案手法はMPEG Audioで符号化されたデータに対し,復号せずに直接処理を行なうことが可能であり,MPEGで符号化された動画像でのシーンカット検出への適応が期待できる.
著者
Huu Bach Nguyen 篠田 浩一 古井 貞煕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.448, pp.13-18, 2004-11-12
被引用文献数
9

本論文では,野球放送からハイライトシーンを抽出することを目的として,ビデオデータをインデクシングするための統計的なフレームワークを提案する.マルチストリームの隠れマルコフモデルを用い,主成分分析による特徴量,フラクタル特徴量,差分特徴量の3つの特徴量間の重み最適化を行う.また,カメラショットの認識結果をシーン境界の検出に利用した.4.5時間の野球放送のダイジェストデータを用い,このフレームワークの有効性を確認した.8種類のシーンの認識率は76.8%となり,シーン境界検出のない単一ストリームHMMの場合に比べ,11.6ポイントの改善を得た.
著者
竹永 勝宏 松尾 昌一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.69, pp.33-36, 2011-05-19

2011年3月6日から10日まで米国ロサンゼルスで開催されたOFC/NFOEC 2011における,光ファイバに関連するトピックスを紹介する.
著者
小幡 賢三 野口 健太郎 田所 嘉昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.709, pp.9-15, 2002-03-07
被引用文献数
1

我々は,コンサートホール等の大規模建築空間における音源位置推定法を検討している.この音源位置推定は,演出効果に用いられる音像定位の操作を自動化するために必要である.本稿では,3つのマイクロホンで音声信号を受信し,ノッチバンドパスフィルタによって音声からホルマントを抽出し,各マイクロホン間のホルマントの位相差を用いて,一受信点測位法により音源位置推定を行うための基礎特性を与える.位相差検出方法として,零交差情報とフーリエ係数から求める2つの手法を検討し,一般的な位相差検出方法である相互相関を用いた手法との比較を行う.計算機シミュレーションにより,音源位置推定性能を明らかにし,実際のシステムを構築し,その評価を行う.
著者
毛利 公美 高橋 秀郎 広岡 俊彦 曽根 直人 森井 昌克
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.69, pp.13-18, 2004-05-14
被引用文献数
1

ソフトウェアの脆弱性を利用した不正アクセスやDoS攻撃からネットワークシステムを守るためには,現行のシステムで使われているソフトウェア名やそのバージョンを把握した上で,脆弱性に関する最新情報をこまめに収集し,必要ならばソフトウェアのアップデートを行う等の対策が必要となる.先に,著者らはネットワーク管理者の負担を軽減するためにサーバソフトウェアの脆弱性に関する情報収集およびバージョンの確認を自動化し,危険度を報告するシステムを提案した.本稿では,サーバソフトウェアだけでなく,クライアントのOSに関する脆弱性検査にも対応できるように改良を加えた脆弱性自動監査システムを提案する.提案システムでは,検査対象ネットワーク内に存在する全てのWindowsクライアントを検出し,それぞれのクライアントに対してWindows修正プログラムがインストールされているか否かを検査することが可能である.
著者
安藤 彰男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.523, pp.43-48, 2000-12-15
被引用文献数
7

平成12年3月27日から、NHKニュース番組「ニュース7」で字幕放送が開始された。この字幕放送は、音声認識技術を利用して、リアルタイム字幕を試みた世界でも初めての例である。テレビニュース番組に対する字幕放送を実現するためには、リアルタイムで字幕原稿を制作する必要がある。日本語の場合には、仮名漢字変換などに時間がかかるため、アナウンサーの声に追従して字幕原稿をキーボード入力することは困難であり、いままで、我が国ではニュースの字幕放送は実現されていなかった。そこで、音声認識技術を利用することとした。本稿では、「ニュース7」字幕放送を実現するために開発したニュース音声認識システム、及び音声認識結果を人手で即座に修正するシステムについて解説する。
著者
関口 俊一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.457, pp.85-90, 2011-02-28

AVC/H.264に次ぐ新しい国際標準映像符号化方式を策定するプロジェクトHEVCの最新状況を報告する.HEVCはISOとITU-Tの共同作業として,2013年初頭の規格化完了を目指している.本稿ではHEVC標準の候補となっている技術の概要と活動状況について概説する.
著者
涌井 達彦 戸川 望 柳澤 政生 大附 辰夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.473, pp.89-94, 2000-11-23
被引用文献数
13

本稿では, CAM(一致検索機能を有する機能メモリ)を使用したプロセッサを対象とするハードウェア/ソフトウェア協調合成システムを提案する.本システムではC言語で記述されたCAM機能を使用したアプリケーションプログラムおよび面積/時間制約を入力とし, 制約を満足するCAMとマイクロプロセッサユニットで構成されるCAMプロセッサの論理合成可能なハードウェア記述およびCAMプロセッサ上で動作するバイナリコードを出力する.本システムCAMの並列処理を担う各機能モジュールをハードウェアで実現するか, ソフトウェアで代替するかを分枝限定法により決定する.計算機上に実装した本システムにアプリケーションプログラムおよび時間制約を入力した結果, 制約を満足するCAMプロセッサのハードウェア記述およびバイナリコードが得られた.
著者
松迫 拓朗 渡辺 裕司 大畠 賢一 山下 喜市 安井 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.52, pp.51-56, 2007-05-17

近年、電気式システムに代わるものとして、光ファイバセンサを用いたセンシングシステムの研究開発が活発に進められている。本稿では、FBGを用いたセンシングシステムのOTDR高速・高精度計測方式の提案と実証試験の結果について報告する。本システムでは、光源には波長可変光源を、外部変調器に偏波の影響が少なく、光増幅機能を持つSOAを導入した。連続走査された送信光をSOAにてスイッチングしてプローブ光パルスを生成し、このパルスの波長を送信側で特定する送信波長連続走査・特定方式とFBGのスペクトル特性の傾き(微係数)から中心波長を特定するスペクトル微係数検出中心波長特定方式の考案による高速・高精度計測の実現に本研究の特徴がある。実証試験では、送信波長連続走査・特定方式を用いた場合のシステム基本動作確認とFBG中心波長特定評価を行い、従来方式の8倍の高速化と2倍の高精度化が可能である見通しを得た。
著者
關岡 直城 高橋 友和 井手 一郎 村瀬 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.674, pp.277-282, 2006-03-10
被引用文献数
8

大容量HDDの普及による映像の大量蓄積に伴い,ユーザの所望するシーンを自動検出し,提示する技術が求められている.これを受けて本報告では,ニュース映像における演説やインタビューなどのモノローグシーン検出手法の提案,及びそれらを用いたニュース発言集の自動作成を試みる.モノローグシーン検出では,画像・音声・テキスト情報を用いた統合メディア処理により既存の手法を効果的に組み合わせることで,入力映像のみを情報源とした自動検出手法を提案する.発言集の作成には,クローズドキャプション中の人名による,各モノローグシーンの名前の対応付けにより,登場人物の発言集の作成を試みた.実験の結果,モノローグ数の最も多い上位3名の登場人物に対して,平均再現率37%,平均適合率52%の発言集の正答率が得られた.