著者
馬 強 角谷 和俊 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.64, pp.29-34, 2002-05-10
被引用文献数
3

本稿ではストリームデータのフィルタリングや関連するストリームを生成する操作を関数と捉え,ストリームデータの統合とフィルタリングの様々な関数的性質を定義し,既存のモデル・システムとの関係を述べる.このフレームワークを用いて,情報統合・フィルタリングシステムの設計・実装においてより効率よい処理手法を選択することが可能となる.また,その応用として,Webとテレビ番組の統合システムおよびそれを実現するための時系列依存型動的ハイパーリンク機構:時間依存リンクTVLink(Time-Varying Link)の提案を行う.
著者
具 本榮 伊藤 憲三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.493, pp.45-50, 2002-11-30
被引用文献数
6

我々は、様々な音の洪水の中で生活しており、高度情報社会では音の種類も益々多様になって来ている。そのような状況の中で、高齢者や難聴者の人たちが家の中で生活する時に重度と思われる「音」(これをここでは生活音と呼ぶ)を聴取できないという問題がある。これに対処するシステムとしては、いくつか販売されているが、十分な性能を有していない現状にある。本報告では、高齢者や難聴者支援を目的とした生活音識別システムを提案した。提案方式は、識別したい生活音信号の特徴量を事前に登録する「事前登録方式」である。信号の特徴量は、信号パワーとFFTスペクトル特性及びLPC包絡特性とした。実験の結果、13種類の生活音を99%以上で識別できることが分かった。
著者
森藤 元 川崎 明彦 森田 豊久 宝木 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.194, pp.219-223, 2005-07-15

個人情報保護法が2005年4月に全面施行され, プライバシ保護に対するニーズがかつてなく高まっている.本稿では, 実名, 偽名, 匿名を渡り歩く技術の一実現手段を検討している.ここでは, 受信者の権限に応じて匿名から偽名, 実名を復元できるレベルを決めることができ, さらに送信者の意思により実名, 偽名, 匿名を選択できるアイデンティティ制御方法を考案した.
著者
吉川 昌澄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.601, pp.17-19, 2002-01-17
参考文献数
12

筆者は十数年に渡り, 制約最適化技術のスケジューリング問題への応用など, 実用的な人工知能(AI)技術の研究開発に従事してきた.最近では, 電子購買アウトソーシングなど電子商取引(eCommerce)関連のベンチャー起業活動に着手している.本稿では, 最先端AI技術によるビジネス展開の可能性について, 筆者の経験を中心に述べる.本稿がAI技術研究とベンチャービジネスとを結ぶための一助になれば幸いである.なお, 起業活動においてはいまだ初心者であり経験不足の点, また, 本稿内容が学術的な研究成果発表ではなく, 実名を伴う事業の話題である点を, ご容赦いただきたい.
著者
西田 誠幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.326, pp.1-6, 2006-10-19

本稿ではWebアプリケーションを構成する手続き型言語のプログラムを静的に解析して,SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどのWebアプリケーションの脆弱性の存在を検出する一手法を提案する.この手法では,プログラムの手続きを単位として,入力文字列の伝播を表す関数について制約を生成し,解決することによって脆弱性を検出する.
著者
原田 康也 鈴木 正紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.63, pp.21-25, 2010-05-21
被引用文献数
1

日本が国際情報社会になるにつれて、「英語が使える日本人の育成」が緊急の課題と認識されているようになってきた。文部省・文科省の定める学習指導要領では1990年代以降は外国語科目(英語)の授業において「コミュニケーション」を重視することとなっており、2006年度以降の大学センター試験で英語リスニング試験が導入されるなど、日本人英語学習者の英語口頭運用能力に一定の変化・改善が見られてもおかしくない状況にある。一方、こうしたカリキュラム上の改変にもかかわらず、中学・高校における英語学習・英語指導の中核が大学入試に向けての訳読式学習にあり、口頭英語の運用能力の向上は見られないという感想も根強い。大学で英語を担当する教員からは、英語に限らず大学生の一般的な学力低下を嘆く声が年毎に強まっているが、高校卒業時・大学入学時の英語運用能力の経年的変化に関する信頼できる資料はあまり公開されていない。著者たちは2006年度から2008年度までの科研費基盤研究(B)『学習者プロファイリングに基づく日本人英語学習者音声コーパスの構築と分析』と2009年度から2013年度までの科研費基盤研究(B)『属性付与英語学習者発話コーパスの拡充と分析:大学新入生英語発話能力の経年変化調査』の交付を受け、大学新入生を対象とする英語授業の中で共創的な学習活動における学生の英語での発言・応答・相互作用をできる限りそのまま、可能な範囲でデジタル化して記録しようという試みを継続している。その一環として、大学入学時点での新入生の英語力、特にオーラルコミュニケーションに直接関係のある口頭英語運用能力ついても継続的にデータ収集を行っている。今回の発表では、2006年から2009年まで毎年4月に行っているVersant Enghsh Testのスコアについて報告する。
著者
長瀬 敦嗣 岸本 圭史 河中 治樹 小栗 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.58, pp.25-30, 2009-05-21
被引用文献数
6

交通事故の多くはドライバの心身状態に起因しており,ドライバモニタリングは事故を未然に防ぐための予防安全技術において特に重要である.運転中の会話や思考のような認知負荷状態は潜在的な危険をはらみ,多くの交通事故を引き起こす原因となっている.これまでの研究により,認知負荷状態の識別は行われているが,その程度による多クラスの識別までには至っていない.本研究では多値判別法としてECOC法を用い,ドライバの生体情報を特徴量として認知負荷状態の度合いに応じた多クラス識別手法を提案する.2つの手法を用い,識別性能を高めるために最適な特徴量の組み合わせ及び識別手法について考察を行ったところ良好な結果を得た.
著者
丹治 裕一 中口 俊哉 田中 衞
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.724, pp.73-78, 2003-03-10

本報告では,複数の定数領域をもった区分線形出力関数を有するセルラーニューラルネットワークを提案する.元来,セルラーニューラルネットワークは,2つの定数領域を有する区分線形出力関数によって構成され,その画像処理は,2値に限定されていた.それゆえ,本報告で提案する方式は,セルラーニューラルネットワークの可能性を拡大すると考えられる.ここで,安定性の議論及び基本的な回路構成が与えられる.また,ノイズヘの耐性を強化するために,ヒステリシス特性が出力関数に対して考慮される.
著者
目黒 光彦 高橋 知紘 古閑 敏夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.363, pp.19-24, 2004-10-14
被引用文献数
9

本稿では,色盲と呼ばれる色覚異常により色の区別が難しいユーザ向けに,カラー画像中の色を弁別しやすいように色の修正を施すことで,見やすいカラー画像を作成する方法を提案する.人間は,光の波長に対して感度の異なる三種類の錐体による反応値の比により色を知覚している.俗に色盲と呼ばれる色覚異常者の多くは,三種類の錐体のうちいずれか一つの錐体を欠いている二色型色盲である.そのため色盲者にとって,色の弁別が困難な色の組み合わせが存在する.提案手法は,処理対象のカラー画像を色により領域分割を行い,それぞれの領域の代表色同士の色弁別がしやすいか否かを判定し,弁別が難しい領域の色の値を変換させることで,知覚しやすいカラー画像を生成するものである.これにより,色覚におけるバリアフリーを実現する一手法が実現される.
著者
坂崎 俊介 若原 俊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.395, pp.1-6, 2005-11-07

画像検索は, ユーザの目的とする画像を画像情報自身または関連するメタデータを用いて検索し求めるものである.しかし, 近年のハードディスクの大容量化とPCの低価格化によって今までよりも多くの画像が蓄積されつつあり, 膨大な画像情報の中から目的の画像情報を抽出することが難しくなってきた.そこで, この画像検索を効率よく行うためのさまざまな研究がなされている.その一例として個人が画像を選択する際の傾向を画像内から色情報として取り出し, その情報を使って絞込みを行う事で検索時の効率化を図るという手法がある.本報告では, 洋服のデザイナが新しい洋服をデザインする時に, 画像を選ぶ場合の個人的な趣向を画像の中の色情報から抽出し検索して利用することにより, デザイナやその洋服を実際に着用するユーザの好みにあった洋服のコーディネートをアシストすることを狙いとし, 画像の中よりユーザの好みにあたる情報の抽出方法とその利用方法について述べる.
著者
中村 彰宏 大林 千尋 柴田 智広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.38, pp.51-56, 2011-05-06

我々は,自動掃除機^<TM>Roombaとのダンスを通じて部屋を掃除する社交ダンスシステムを提案する.本システムは,実時間で深度情報を得られるマイクロソフト社の^<TM>KinectとオープンソースライブラリOpenNIを用いて人間の動作を認識し,それに応じてRoombaの動作を制御する.制御に必要なRoombaの位置・姿勢はARToolkitのマーカーを用いて計測する.動作として社交ダンスを採用することで,Roombaでの掃除にエンターテイメント性を付加する.社交ダンスの振付は,パートナとの位置関係と男性の動作で示されるリードによって決定されるため,ユーザーがリードに関する知識を持つことで,Roombaをパートナーとしたダンスによる掃除が可能となる.本稿では,まずシステム構成及びダンス認識による掃除制御アルゴリズムを述べ,次に予備的な実験結果によりシステムの有効性を示す.
著者
水谷 好成 岩本 正敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.309, pp.39-44, 2001-09-07
被引用文献数
6

小学校の国語の授業と関連させた総合的な学習の時間でロボットを扱った授業を行った。この授業は、1)ロボットとは何か、2)どんなロボットを創りたいか、3)ロボットのプログラムを作ろう、の3つのテーマで行われた。ロボットおもちゃやロボットペットを観察させる学習および教育用ロボット梵天丸を用いた簡単なゲームを行った。ひらがなコマンドを用いたまきもの言語によって、ゲームと関連させた簡単なプログラミング学習では、ほとんどの児童はプログラムを完成することができた。実際のロボットを用いた授業によって、ロボットに関する興味関心が向上し、その結果として、国語の授業の中で活発な議論が展開されるようになった。
著者
田中 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.135, pp.163-168, 2010-07-14

著者が携わってきた衛星プロジェクトでの失敗経験について述べる。ポイントは「転んでもただで起きない」である。
著者
角 康之 松村 耕平 横井 逸人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.233, pp.7-10, 2012-10-04

人と情報サービスのインタラクションに一貫性の高さと活動空間の広がりを提供するために、サービスを提供する擬人化エージェントが仮想空間と実空間を行き来する枠組みを提案する。具体的には、観光地を案内する3次元CGキャラクタが仮想空間内の仮想ツアーの途中で実空間のロボットに乗り移り、プレイヤーの実空間体験を誘導するシステムを試作した。我々の試みは、あらかじめ用意されたサービスを提供するだけでなく、実空間での人とのインタラクションを取材し、それを仮想空間に持ち帰って新たなコンテンツとすることに特徴がある。
著者
中澤 満 満上 育久 波部 斉 山添 大丈 八木 康史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CNR, クラウドネットワークロボット (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.233, pp.15-20, 2012-10-04

本稿では環境中に複数台のKinectを配置することで,人物を含む広域な環境全体を三次元計測するシステムを提案する.環境全体を密に計測するためにはKinectを密な間隔に配置する必要がある一方,密に配置するとKinect相互の投影光の干渉によって計測データが欠損する.本システムでは,計測データが欠落しないようKinectの間隔を空けた配置においてもKinectの位置姿勢パラメータを高精度に推定する手法を適用することで,広域での三次元計測を可能としている.
著者
前川 隆史 松村 真宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.224, pp.53-58, 2009-10-01

本研究では飲食店等にある「らくがき帳」に,どのような内容がどのようなスタイルで投稿されているのかを明らかにすることを目的とし,4店舗24冊のらくがき帳に関して,「他者へ向けた記述がある」,「日付の記述がある」といった属性を設定し,全投稿に占める各属性を持つ投稿の割合を調査した.その結果,らくがき帳は,不特定多数の人間に読まれるものであるにも関わらず他者へのメッセージが全く無い投稿が多いこと,日付と署名を記述するといったスタイルが多いことなどが明らかになった.また,ラン検定によってらくがき帳への投稿が直前の投稿と関連を持っていることも明らかとなった.
著者
高橋 康介 渡邊 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.282, pp.111-116, 2008-10-31
被引用文献数
2

ヒトの運動は、それが完全に自発的なものであっても、少なからず他者の影響を受ける。例えば足踏みやタッピング動作を行うときに、目の前の他者も同様の動作を行っていると、二人の動作のリズムやタイミングは同期する。一方、身体を静止させておくというように意図的な運動を行わない状況であっても、人の身体には無意識的かつ微少な動きが生じ、風景の動きなどの視覚情報はこれらの動きに潜在的に影響を及ぼすことが知られている。自発的な動作の同期と同様に、他者の視覚情報が無意識的な動きに与える潜在的な影響を調べることは、対人コミュニケーションの基礎となるメカニズムを解明する手掛かりになると考えられる。そこで本研究では他者の情報が無意識的な身体の動きに与える影響を検討した。実験では二人の人が対面して座り、相手の指を見ながら、自分の指で相手を指さし静止させるという課題を行い、静止動作中の指の微小な動きを測定した。その結果、水平方向の指の動きに関して他者の影響が認められ、2者間の同期を反映した指標を同定することに成功した。さらに意識的に相手の指の動きに追従するという他者とのインタラクションを経験することで、これらの同期指標が上昇した。以上の結果から、意識的な運動生成に限らず無意識的で微少な身体動作に対しても他者の情報が潜在的に影響を与えること、また他者とのインタラクションの経験により、他者の情報の影響が強まることが示された。
著者
和泉 潔 橋本 康弘 鳥海 不二夫 山本 仁志 諏訪 博彦 岡田 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.211, pp.13-18, 2009-09-18

So-net SNS(β版)において,アクティブに稼動するSNSの中からのべ約1,200個のSNSを抽出し,決定木分析を用いて成長するSNSの判別を行なった.その結果,高い精度で判別可能であることが明らかとなった.決定木を生成する際に用いる変数に,ネットワーク構造に関する変数を導入したところ,判別能力が向上することが確認された.この結果より,ネットワーク構造がSNSの成長に影響を与えていることが示唆された.さらに,高成長したSNSの特徴分析を行ない,4つのパターンに分類しそれぞれの特徴を明らかにした.代表的な二つのSNSについてコミュニティ構造の推移を分析することによって,SNSのより詳細な違いが分析できる可能性が示唆された.
著者
関口 俊一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.456, pp.85-90, 2011-02-28

AVC/H.264に次ぐ新しい国際標準映像符号化方式を策定するプロジェクトHEVCの最新状況を報告する.HEVCはISOとITU-Tの共同作業として,2013年初頭の規格化完了を目指している.本稿ではHEVC標準の候補となっている技術の概要と活動状況について概説する.
著者
梅澤 克之 田代 卓 手塚 悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.113, pp.47-53, 2010-06-24
被引用文献数
2

近年,携帯電話の利用率は増加し,1人複数台を所有する時代になった.一方で,大容量のブロードバンド通信網でサービスを受ける端末が数多く製品化されている.携帯電話でサービスを受ける場合には,携帯電話通信事業者が加入者認証を行う.それに対して,固定網の場合には,携帯電話通信事業者以外の事業者が通信サービスやその他のサービスを提供している.このような状況で,固定網に接続された固定端末でサービスを受ける場合にも携帯電話と連携し携帯電話通信事業者が提供する加入者認証を行う事ができれば,年齢によるきめ細かなサービスの制御や,携帯電話通信事業者による課金代行などが行えることが期待できる.また,固定端末を切り替えて利用するような場合にも,個人の携帯電話で認証を行うことで利便性が高まる.本論文では,固定網に接続した端末を経由して携帯電話の加入者認証を行う仕組みを提案する.さらにその仕組みを実装し性能評価することで,固定端末を簡便に切り替えられることを示す.