著者
中村 徹 近藤 寛 松井 文彦 木村 亮太 酒井 秀樹 阿部 正彦 太田 俊明 松本 睦良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.174, pp.67-70, 1999-07-14

新規チオール化合物である2-メルカプトメチルチオフェン類縁体を合成し、Au(111)上に自己組織化膜を作製し、その構造を走査型トンネル顕微鏡(STM)により検討したところ、これらの化合物には筋状の構造体と蜂の巣状の構造体を形成することが判明した。分子長を変化させても形成する構造体の周期は変化しなかったことから、直線状の2-メルカプトメチルチオフェン誘導体は金状でflat-onではなく、表面に対してある角度で立って吸着していることが示唆された。さらにこの構造体の形成因子を探るため、芳香環、置換基を変化させ、そのナノ構造を調べたところ新しい知見を得ることができた。
著者
立入 哉 井上 かおり 宮武 由佳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.115, pp.43-48, 2003-06-06
被引用文献数
3

大学で学ぶ聴覚障害学生にとって講義内容を理解するためには手話通訳やノートテークなどの情報保障システムが必要である.本研究では講義者の講義内容を遠隔地で音声認識システムに復唱する音声認識システムとインターネットを組み合わせたシステムを構築した.聴覚障害利用学生の評価結果から,音声認識による誤認識・誤変換と提示速度,情報量,臨場感との関連について考察し,今後の課題をあげた.
著者
上田 義勝 小嶋 浩嗣 橋本 弘藏 松本 紘 長野 勇 岡田 敏美 向井 利典 岩井 宏徳 藤原 亮介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.366, pp.1-6, 2001-10-11

2000年12月4日にノルウェーのSvalbard諸島, Ny-Alesundにおいて, 文部科学省宇宙科学研究所の観測ロケットSS-520-2号機を用いた, 極域カスプ領域におけるイオンの加速, 加熱機構を調査するための実験が行われた.本稿ではプラズマ波動の観測を目的として搭載された, プラズマ波動受信機「PWA」(Plasma Wave Analyzer)について述べる.PWAは従来のプラズマ波動観測機の利点を取り入れつつ, 波形圧縮技術やデジタル周波数掃引技術などを新たに搭載した高機能かつ軽量な観測装置であり, ロケット実験においては非常に高精度の観測データを得ることが出来た.本稿ではこれまでに判明している解析結果についてまとめる.
著者
小中 隆義 鈴木 良 外崎 学 成田 光幸 田中 知朗 佐々木 一正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.615, pp.1-6, 2004-01-23
被引用文献数
3

光ファイバコアにブラッグ・グレーティングを形成させたFBGは格子間隔に依存する特定の波長光を反射する特性を利用した歪みセンサとして優れた可能性を特っていることから,著者等はこれを防災に役立てることを考え,構造物の変形監視システムの開発を行なっている.実際に2001年12月より,FBG歪みセンサを青函海底トンネル作業坑に敷設してフィールド実験を継続中である.途中経過と,さらなる適用事例ついて報告する.
著者
馬 哲旺 細谷 健一 高須 英樹 廣川 二郎 福迫 武 堀井 康史 真田 篤志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.94, pp.61-69, 2000-05-19

1999年11月30日から12月3日までの4日間に渡りシンガポールで開催された第11回アジア・パシフィックマイクロ波会議(APMC'99)の概要を報告する。この会議において発表された250件の論文を能動素子・回路、MMIC・システム、受動素子・回路、計算電磁気学、電磁界理論・電磁波伝播・測定に分類し、それぞれの概要を紹介する。
著者
徳光 永輔 宮迫 毅明 妹尾 賢
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.156, pp.53-56, 2004-06-24

本稿では、ゾルゲル法により成膜過程に、減圧での仮焼成プロセスを導入してPb(Zr,Ti)0_3(PZT)薄膜を作製した結果について述べる。減圧仮焼成を導入することによって、良好な電気的特性と表面平坦性を有するPZT強誘電体薄膜を作製することができた。600℃で結晶化アニールを施したPZT薄膜において得られた残留分極(Pr)、抗電界(E_C)の値は、それぞれ35μC/cm^2、64kV/cmであった。さらにこのPZT薄膜をゲート絶縁膜として用い、インジウム・スズ酸化物(ITO)をチャネルとした薄膜トランジスタを作製し、良好なトランジスタ動作を確認した。試作したデバイスは強誘電体による不揮発性メモリ機能を実現している。
著者
佐藤 吉信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.209, pp.9-12, 2005-07-19

PSA/PRAの対象システムには, 多くの場合, リスク軽減を履行するいわゆる安全関連系(SRS)が含まれる.従って, PSA/PRAを実施する際に, SRSへの作動要求とその安全機能遂行との関係が適切にモデル化され, これに基づいてSRSによるリスク軽減を評価するための定式化が行われなければならない.本論文は, まず, 現在の国際的PSA/PRA技術標準では, このようなモデル化が低頻度・短継続作動要求モードと連続(高頻度作動要求)モードの両極端のモードのみに限定さていることを指摘している.次に, 国際標準に依拠して中間的な作動要求モードでのSRSのリスク軽減能力を推定すると, モデル化・定式化上の誤差が生ずることを述べている.そして, この問題を解決し, より妥当なPSA/PRA手法を確立するために最近実施されている研究について論及している.
著者
小中 隆義 鈴木 良 外崎 学 成田 光幸 田中 知朗 佐々木 一正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.621, pp.1-6, 2004-01-23

光ファイバコアにブラッグ・グレーティングを形成させたFBGは格子間隔に依存する特定の波長光を反射する特性を利用した歪みセンサとして優れた可能性を特っていることから,著者等はこれを防災に役立てることを考え,構造物の変形監視システムの開発を行なっている.実際に2001年12月より,FBG歪みセンサを青函海底トンネル作業坑に敷設してフィールド実験を継続中である.途中経過と,さらなる適用事例ついて報告する.
著者
瀧澤 恵介 竹之内 星矢 青森 久 大竹 敢 田中 衛 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.106, pp.119-124, 2011-06-23

本稿では,Paricle Swarm Optimization(PSO)を用い,符号化レートを最小とするセルラーニューラルネットワーク(CNN)による画像予測器の教師付学習手法を提案する.提案手法では,従来予測誤差電力を最小化するよう設計されているCNNによる画像予測器をロスレス符号化性能向上のため,符号化レート最小化をPSOを用いた学習により実現している.特に,本方式で用いられているPSOは評価関数の勾配情報を利用しないため,CNNによる非線形予測器の学習に非常に効果的であると考えられる.様々な標準画像に対し符号化を行い,従来手法と比較し提案手法の有効性を確認した.
著者
白井 大介 北村 匡彦 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.244, pp.43-48, 2007-09-27
被引用文献数
10

JPEG 2000符号化方式を用いた4K(4096x2160ピクセル)超高精細映像ストリーミングシステムを開発した.本システムは,DCI(Digital Cinema Initiative,LLC.)によるディジタルシネマ仕様に定められた4K解像度の映像を,リアルタイムに符号化し300Mbit/s以上のビットレートで伝送,復号する.伝送にはLDGM符号に基づく高速誤り訂正技術を適用し,エラー率4%のネットワークにおいても10%程度の冗長度でロバストな映像伝送を可能とした.本稿では本システムの詳細と,評価実験結果について述べる.
著者
田中 剛 川本 真一 上原 敬太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.255, pp.91-96, 2011-10-14
参考文献数
14

業務システムのコスト削減や柔軟性向上のため,クラウドコンピューティングの本格的利用が加速しているが,今後さらなる普及に向けて,よりセキュアなサービスの提供と低コスト化が必要である.多数のテナント企業をホストするクラウドにおいてセキュリティを高めるには,テナント間の分離性の保障が重要である.また,低コスト化に向けては,少ない機器で多くの企業をホストしつつ,テナントの負荷変動に対応してリソース割り当てを動的に変更する動的高効率運用と,自動化による運用管理コストの削減が必要である,本稿では,テナント間の分離性保障,動的高効率運用,および運用管理コスト削減の三つの課題を解決する統合運用管理技術を提案する.
著者
鈴木 雅洋 上平 員丈
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.63-66, 2007-09-27

ビームスプリッタの透過と反射とを用いた複合現実感における奥行き知覚に関して,実対象と仮想対象との相対的な奥行きの知覚を検討した.その結果,(a)知覚した奥行きは両眼非対応によって模擬した奥行きと定性的には合致したが,定量的には合致せず,個人差も大きいこと,(b)知覚した奥行きは遮蔽の制約を満たさない条件において弱まること,(c)知覚した奥行きには仮想対象を表示するスクリーンまでの距離が影響することが明らかとなった.
著者
伊藤 吉紀 莅戸 立夫 ハガード ピーター エリソン ブライアン 伊藤 弘 石橋 忠夫 水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.407, pp.71-76, 2002-10-17

ドットマトリクス型単一走行キャリアフォトダイオードをマウントした新型の導波管型フォトミクサを製作し,その特性評価を行った.波長1.55μm帯の二波長混合光をフォトダイオードに照射して高周波電流を誘起することにより,周波数75GHz〜450GHzの短ミリ波の発生を実験的に確認することに成功した.
著者
巽 敏之 菊池 圭 小池 義和 鈴木 一成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.401, pp.97-100, 2012-01-19

キャビテーション環境での絶対音圧計測は半導体基板における高周波超音波洗浄において重要である。しかし,従来のニードル型ハイドロホンではキャビテーション気泡により損傷の恐れがある。筆者らは,屈折率変調方式の光ファイバハイドロホンを超音波洗浄機の絶対音圧計測に適用を試みている。光ファイバハイドロホン及びマイクロホンは集束超音波の分野で利用されてきているが,キャビテーション気泡の影響による出力変化が音圧計測の妨げになることが問題となる。今回の報告で,キャビテーション環境で光ファイバハイドロホンの適用可能性について検討する。検出機構を増やし気泡の影響を補う計測法を提案する。
著者
飯田 勝吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.309, pp.13-18, 2006-10-16
被引用文献数
3

東京工業大学(以下東工大)では、先進的な研究、教育環境を実現するための情報通信基盤(Information Communication and Technology: ICT) infrasturctureを整備している。その大きな3つの柱は、共通コンピューティング資源としてのスパコン・グリッドTSUBAME、ネットワークアクセス環境としてのキャンパス無線LAN、そして、キャンパス共通認証・認可システムがある。本稿では東工大の情報通信基盤の3つの柱を紹介し、その後キャンパス共通認証・認可システムを紹介する。キャンパス共通認証・認可システムは、キャンパス共通個人情報ディレクトリシステム(LDAPサーバ)、ウェブシングルサインオンシステム等から構成されるもので、東工大の在籍者に特別な手続きを強いることなく、東工大に在籍するだけで利用可能となる情報システムのアカウント(ICカード)を提供する。当該システムの特徴は、利便性、セキュリティ、管理性などを考慮にいれて設計されたことであり、2006年4月から運用を開始した。当該システムの設計理念や各種課題を克服するためのシステム設計等について説明する。
著者
勝尾 双葉 木内 等 森川 栄久 有本 好徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.640, pp.25-29, 2005-01-21
被引用文献数
2

11月22日に実施した成層圏プラットフォーム定点滞空試験機による飛行実験のうち、光通信実験について、実験の内容、実験結果の速報について紹介する。
著者
水野 陽一郎 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム : IEICE technical report (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.598, pp.41-46, 2007-03-08

次世代移動体通信においてマルチホップ通信が注目されている.本稿では, MAI(Multi Access Interference)を低減する2つの提案方式によって,固定中継局(HS : Hop Station)を設置したW-CDMA 2ホップセルラシステムにおける上り回線システム容量を増大する. 1つ目の提案方式(RMTPC : Relay Multiplexing Transmission Power Control)では, HSで受信パケットを多重し,送信電力制御(TPC : Transmission Power Control)をする. 2つ目の提案方式(SDRTPC : Site Diversity with Relay Transmission Power Control)では,基地局(BS : Base Station)-移動局(MS : Mobile Station)/HS間のサイトダイバーシチにおいてHSでTPCする.計算機シミュレーションによって,これら2つの提案方式がシステム容量を増大するのに有効であることを証明する.
著者
宮谷 徹彦 川井 久嗣 渡邊 淳 今泉 市郎 安部 俊二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.595, pp.45-50, 1999-02-18

基地局間非同期W-CDMAのロングコード同定について、MF以外に同定用の相関器を必要としない同定回路を提案し、試作装置にて評価したので報告する。提案方式では、MFのシフトレジスタを一時的なメモリとして利用し、任意位相を生成可能な拡散符号生成器を使用する事で、ロングコードの高速同定が可能となる。室内実験の結果、Eb/No=10dBの1波静的環境下、4グループ、128ロングコードの条件にて、770[msec]で同定が終了する事を確認した。また、周波数オフセットに対して、±0.5[ppm]まで耐え得る事を示している。
著者
灰野 正絋 山口 元男 元垣内 敦司 三宅 秀人 平松 和政 澤木 宣彦 家近 泰 前田 尚良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.57, pp.41-46, 2000-05-11
参考文献数
6

W / n-GaN接合の電極特性の評価とELOによるWN_xマスクの埋め込み構造の作製を行った。W / n-GaN接合はWの蒸着温度の上昇とともに良好なショットキー特性を示した。この接合をH_2、N_2+H_2、NH_3+H_2雰囲気中で熱処理を行った。H_2処理では、Wが分解し、GaN表面は荒れていた。N_2+H_2処理では、Wが粒界化し、GaN表面上にGaN針状結晶(whisker)が認められた。NH_3+H_2処理では、WがWN_xとなっており、WN_x / n-GaN接合はショットキー特性を維持した。また、WN_xをマスクに用いたELOを行ったところ、触媒作用によるGaNの分解が減少し、良好な埋込み構造を得ることができた。
著者
平山 知央 松野 典朗 藤井 正浩 樋田 光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.553, pp.65-70, 2002-01-10

2段パワーアンプにおいて、バイアス条件を調整して初段と終段で生じる相互変調歪みを相殺し、高出力時における効率を向上させる手法を提案した。初段・段間整合回路、バイアス回路を内蔵したW-CDMA用パワーアンプInGaP/GaAs HBT MMICに本手法を用いることにより、電源電圧3.6Vにおいて出力26dBm、効率44%、利得27.9dBm@ACPR=-35dBcという高効率動作を達成した。