著者
長谷川 剛 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.121, pp.29-34, 2009-07-02

インターネットにおいて標準的に用いられているトランスポート層プロトコルであるTransmission Control Protocol(TCP)は、多様なネットワーク環境において安定的に通信を行なうことができるプロトコルであるが、各種ネットワーク環境における性能最適化の面では未解決の問題が多く残されている。本稿では、特に無線ネットワーク技術によるアクセスネットワーク環境に着目し、無線ネットワークの様々な特性に対応するためのトランスポートプロトコルの改善手法について、近年の研究動向や著者を含む研究グループでの研究内容について述べる。特に、受信側TCPの改良によって達成される、TCPスループットの向上、および公平性の改善手法に関して議論する。
著者
小林 正裕 亀井 聡 斎藤 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.373, pp.25-30, 2011-01-13
被引用文献数
1

ビデオトラヒックの増加により,通信事業者では設備コスト削減に向け,キャッシュ技術に再び注目が集まっている.しかし,動画共有サイトにおけるUGC(User Generated Contents)の増加により,現在のビデオコンテンツは,大容量化に加え,人気度がロングテール化し,さらに短期的に人気コンテンツが変動するため,キャッシュ効果が得難い.本稿では,動画共有サイトにおけるコンテンツアクセス傾向情報を利用し,上記の特性を持つビデオコンテンツに対するキャッシュ連携方式の有効性評価を行う.そして,評価結果を基に,効率的なビデオコンテンツキャッシュシステムについて考察する.
著者
グェンミン テイ 伊藤 雅博 川村 隆浩 田原 康之 大須賀 昭彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.70, pp.39-44, 2011-05-19

本研究の最終目的は,計算機がユーザの状況を把握し,それに応じて皆の経験に基づく最適な行動パターンを推薦することである.これを実現するために,皆の経験に基づく行動パターンの集合知(行動パターンの構成要素,行動パターン間の関係)が必要である.そして,これらの行動パターンの表現,参照,更新の方式が必要である.しかし,皆の経験に基づく行動パターンの集合知を人手で構築するには膨大なコストがかかる.そこで,本論文は行動パターンの集合知である意味ネットワークの自動構築手法を提案する.まず,webコーパスから取得した行動文の中に現れる行動属性を自動的に抽出する.次に,抽出された行動データ(行動属性と行動属性間の関係)をN3で記述する.最後に,行動主と行動間の関係(遷移関係,因果関係)で,行動間のリンクを付け,意味ネットワークを構成する.
著者
佐野 文彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.115, pp.35-39, 2010-06-24

Kasperらが提案したビットスライス実装によるAESの暗号化処理に対して,最適化された復号処理を実装した.AES復号処理のInvMixColumnsの最適化実装手法とIntel Core2プロセッサでの計測結果を紹介する.InvMixColumnsを仕様通りに実装した場合,復号処理は暗号化処理と比較して処理時間が約30%増加するが,我々の実装したプログラムでは処理時間の増加を約10%に抑えられ,そのまま実装した場合と比較して18%高速である.
著者
石橋 功至 落合 秀樹 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.305, pp.91-94, 2006-10-12
被引用文献数
1

近年,遅延ダイバーシティ(Delay Diversity)技術が再び注目を集めている.遅延ダイバーシティは送信信号を複数のアンテナから時間遅延させて送信することでダイバーシティ利得を得ることのできる非常にシンプルな送信ダイバーシティ技術である.一方,周波数分割多重(OFDM)と差動符号化振幅位相変調(DAPSK)の組み合わせは,高い周波数利用効率とシンプルな送受信回路系が実現できる技術として知られている.OFDMに遅延ダイバーシティ技術を用いた場合,各アンテナで与えられる時間遅延がガードインターバル長を超える必要性があり,周波数利用効率を著しく低下させてしまう.この問題を解決する手法としてOFDM変調信号を巡回させながら遅延させる巡回遅延ダイバーシティ(CDD)という技術が提案されている.本稿では,巡回遅延ダイバーシティを用いた符号化DAPSK変調方式を提案し,計算機シミュレーションを用いて,提案方式が任意の送信アンテナ本数分のダイバーシティ利得が得られることを示す。また,提案方式のパラメーターの最適化についても議論する.
著者
佐藤 寿倫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.537, pp.73-78, 2004-12-13
被引用文献数
2

性能ペナルティを被らないフォールトトレラントマイクロプロセッサを実現することを検討する。トランジスタの微細化、クロックの高速化、電源電圧の低下に伴い、マイクロプロセッサの信頼性に不安が持たれるようになってきた。加えて、E-コマースのような高い信頼性を必要とする応用も出現している。以上の背景を考慮すると、将来のマイクロプロセッサでは性能やコストだけでなく信頼性も評価対象となると予想できる。この要求を満足するために、命令再発行と時間冗長性を利用したフォールトトレランス機構をこれまで検討してきた。しかし残念ながら深刻な性能低下が確認されている。本稿では低下した性能を補うために、トリビアな演算とサブワード並列性を利用することを検討する。シミュレーションの結果、効果的な方式であることを確認している。
著者
遠峰 隆史 久松 剛 杉浦 一徳 中村 修 村井 純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.470, pp.5-8, 2005-12-08

インターネットを用いた複数地点間での映画, 音楽の共同制作をリアルタイムに行うには, 伝送メディア長, 途中経路などによる, データ到達時間の差異を考慮しなければならない. 本研究では, 異なる2地点間における遠隔協調演奏を実現する上で問題となる, リズム管理手法に着目した. 2地点間のネットワーク遅延を演奏者が知覚するためのアプリケーションとして, インターネット・メトロノームの設計・実装を行った. 本実装をもとに, 「愛・地球博」のクロージングフォーラムにおいて, 日蘭間でのジャズセッションによる実証実験を行った.
著者
中村 文子 佐藤 弥 吉川 左紀子 松村 道一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.470, pp.7-12, 2002-11-14

近年、いくつかの研究から、視線方向の知覚によって喚起されるような自動的な注意シフトが、シンボルやジェスチャーによっても喚起されるという知見が報告されている。しかし、報告例は少なく実験手続きも統一されていないため、明確な結論は出されていない。今回我々は、視線・シンボル・ジェスチャーを手がかりとする3つの手がかりパラダイム実験を行い、この問題を検討した。手がかりは画面中央にランダムに呈示され、被験者はその後手がかりの左右いずれかに出現するターデットの位置をボタン押しで反応した。その結果、被験者は手がかりが確率的に有効でないことを認識していたにもかかわらず、それらが示す方向へターゲットが呈示された時、異なる方向に呈示された場合に比べ反応時間が有意に短縮された。実験1・2からは、いずれの手がかりによっても、課題遂行の促進が早い段階で起こり、復帰抑制は起こらないことが示された。また実験3からは、手がかり方向へ被験者の注意が移動していることが確かめられた。全ての実験において、質的交互作用は示されなかった。これより、視線・シンボル・ジェスチャー方向が、いずれも知覚者の注意を自動的にシフトさせると結論できる。
著者
梅崎 重夫 濱島 京子 清水 尚憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.43, pp.13-16, 2009-05-15

人間機械作業システムで発生する労働災害を防止するには,機械の設計・製造者が行う設備的な保護方策(機械安全)と機械の使用者が行なう管理的対策(安全管理)の連携が不可欠である。しかし,本質的安全設計方策や安全防護物の適用などの設備的な保護方策と人の注意力に依存する管理的対策では確定性が異なるために,両者を連携させたリスクの定量的評価手法の確立は困難を伴う。そこで,安全か危険か不確定なものはすべて危険とみなす"安全の原理"にしたがって,人間機械作業システムの災害発生率の確定的上限値をマルコフ解析に基づいて定量的に推定できる評価式を提案した。この式は,設備的な保護方策のパラメータである制御システムの安全関連部の冗長度,不信頼度,危険側故障率,チェック間隔だけでなく,管理的対策のパラメータである人の誤り発生率や回避失敗率なども含むために,人間機械作業システムの汎用的な安全性評価指標として利用できる。
著者
中山 欣也 柏原 昭博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.470, pp.65-70, 2009-02-28
被引用文献数
1

Webは極めて有用な情報媒体であり,学校教育でもWebリソースを用いて調べ学習を行う機会が増えてきた.本稿では,Webにおける情報探求スキルの育成を目的として,Web調べ学習を支援する手法について述べる.まず,Web調べ学習を「与えられた学習課題を段階的に詳細化すること」と捉え,学習課題を表現するキーワードを順次Webページから獲得しながらキーワード間の関係構造を作り上げていくプロセスとしてモデル化した.次に,このモデルに基づき,Webから学習課題キーワードを収集・構造化するための支援ツールを開発した.ケーススタディの結果,開発したツールの有効性が示唆された.
著者
古橋 良一 小林 正彦 金子 美博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.454, pp.153-157, 2009-02-23

卒業論文や修士論文など,審査員を伴う論文発表を幾つかの会場で並行して行う場合,同一の審査員が担当する発表が重ならないようにする,同一の研究室は連続して発表する,審査員の会場移動は最小限にするなど,様々な条件のもとで発表プログラムを作らなければならない.我々はこれまでこのようなプログラムを自動作成するためのソフトウェア「江戸っ子」を開発してきた.江戸っ子のアルゴリズムは,各会場での発表件数を均等にすることから始めて,それらの条件を満たすように設計されている.しかし,そのような均等性や連続性を同時に満たさないような事例に今回遭遇した.この事例に対処するためには,これまでのアルゴリズムを改良して,「江戸っ子」をバージョンアップする必要がある.本稿ではこれについて報告する.
著者
迫江 博昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.530, pp.43-48, 2002-12-13

私のDPマッチング研究の歴史を振り返ってみる.学生時代のDPとの出会い,1968年のDPマッチングの着想,連続単語認識への努力,実用機、DP-100開発での経験を述べる.あわせて最近の研究として,2次元、DPマッチングへの拡張,筆順・続け書きフリーフリーオンライン文字認識への適用等を紹介する.
著者
栃折 泰史 大谷 淳 江畑 勝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.469, pp.1-6, 2010-03-08
参考文献数
2

本論文では,パン・ティルト・カメラから獲得された動画像における各フレームでのカメラの姿勢(回転パラメータ)を推定する手法を提案する.特に,撮像対象シーンに動物体を含む場合への対処法を検討する.まず検出・追跡した2つの特徴点を,カメラの光学中心を中心,焦点距離を半径とした仮想球体上に投影を行い,仮想球体上の特徴点2個と光軸と仮想球の交点が作る三角形の合同を利用して,回転パラメータを推定する.動物体を含む撮像シーンにおいてもロバストに推定するために,特徴点が物理空間上で静止物体・動物体のいずれかに対応しているかの識別を,特徴点2点間の距離がパン・ティルト後も等距離を保つかどうかを判断することにより行う.本論文では提案手法についてシミュレーションと実画像を対象とする実験を行い,その有効性を検証する.
著者
大濱 郁 喜田 拓也 有村 博紀 阿部 敏久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.476, pp.9-16, 2011-03-21

我々は,人間行動履歴の地理的クラスタリングについて議論する.本論文では,この問題を,二次元時系列データのセグメンテーション問題として定式化し,二つのクラスタリング手法,LS-linHMMとX-linHMMを提案する.前者のLS-linHMMは,線形制約付きHMMを用いたクラスタリングと情報量規準を用いたモデル選択を組み合わせ,クラスタ数の自動推定を行う.また,X-linHMMは,x-meansのアイデアを取り入れた2状態線形HMMによる階層的クラスタリングであり,LS-linHMMよりも高速なクラスタリングを実現している.今回,これらの手法を,GPSタグ付き写真コンテンツのクラスタリングに適用することを試みる.また,実データを用いた実験により,単純なx-meansよりも提案手法が効果的に動作することを確認した.
著者
成田 知宏 岩崎 知弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.401, pp.31-36, 2011-01-20

本稿では2チャネルの小規模マイクロホンアレーを用いた音声認識のための雑音除去手法について述べる。車載機器への適用を考えた場合、発話者である運転手の位置は予め想定可能である。また車室内で発生する騒音の多くは拡散性雑音である。そこで低演算量で安定して動作することを重視し、予め話者位置の変動を考慮し設計した固定ビームフォーマを採用した。またスペクトルサブトラクション法の後処理として、非フロアリング成分の密集度に基づくミュージカルノイズ削減処理、主副ビームフォーマの帯域制限パワー差に基づくスペクトル置き換え処理を適用することで音声認識性能の改善を行った。
著者
鈴木 賢一郎 坂野 鋭 大塚 作一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.740, pp.7-10, 2005-03-11

本報告において, 我々は日本語テロップの縁取りに着目した文字認識手法を提案する.日本語テロップには可読性の向上のために黒い縁取りがなされている.この縁取りと文字領域の輝度勾配は比較的安定していると考えられることから, このエッジをSobelフィルタで検出し, 加重方向ヒストグラム特徴と同様の方法でヒストグラム化する特徴抽出系を設計した.認識実験の結果, 位置, サイズが完全に正規化された人工データでは100%, また, 評価用映像データベースに現れるテロップでは約70%の認識率が得られ, 提案手法の有効性を確認した.
著者
表 祐介 黒木 太司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.361, pp.7-10, 2010-01-06

ミリ波フィルタの低廉化を目的とし、安価なFR-4基板を用いたBITラインフィルタを設計し、その特性を評価した。具体的には比帯域4%の0.1dBリップルチェビシェフ型3段帯域フィルタを30GHz帯で設計し、その伝送特性を数値計算したが、FR4基板の誘電損失、基板に蒸着された銅箔の表面及び裏面の実効導電率を考慮した結果、BITラインフィルタではFR-4基板を用いた場合でも通過域の挿入損失は0.42dB程度と低損失であることが明らかになった。
著者
吉永 直生 板谷 聡子 デイビス ピーター 田仲 理恵 小西 琢 土井 伸一 山田 敬嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.34, pp.1-6, 2010-05-06

近年、組織内のコミュニケーション解析・促進のため、ソーシャルネットワーク上でコンテンツの伝播特性を解析する研究が進んでいるが、コンテンツの種類に応じた特性変化への適応という観点では課題が残されている。実世界においては、ソーシャル0ネットワークは同一であっても、コンテンツの種類によって異なる伝播ネットワークが存在すると考えられる。そこで本研究では、コンテンツの種類に応じた戦略的な情報伝播手法を構築することを目的とし、コンテンツの解析と伝播特性の解析を融合した手法を提案する。具体的には、Enron社の電子メールを対象として解析を行い、コンテンツの六つのカテゴリと三種類の情報伝播特性との対応を明らかにした。
著者
金 大祐 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.57, pp.65-70, 2002-05-10

本報告では,デジタルカメラで撮影した画像中のハングル文字領域の抽出,認識を行う手法について検討を行う.ハングル文字の構造特徴を利用し,輪郭特徴と色特徴から段階的にハングルを構成する字素を抽出することによって,情景画像からハングル文字列を抽出する手法を提案する.輪郭画像からは,ハングルの字素の構造の単純さを利用して,テクスチャやノイズを多く含む領域を削除し,字素としての形状の簡単な条件を用いて字素輪郭候補の抽出を行う.次に,字素輪郭候補に対する外接矩形を探索領域とする局所的な画像情報を用いて,字素を構成する領域である字素領域候補の抽出を行った後,文字列が同一の色から構成されているという特徴を用いて,色空間でのクラスタリングとハングルの字素の配置パターンによって文字列領域の抽出を行う.さらに,ハングルの字素の構造特徴を用いて,対象パターンの端点,交点の数と位置から字素を認識する手法を提案する.任意の条件で撮影した画像100枚に対して,ハングル文字列を抽出した結果,85.97%の文字抽出率が得られた.また,ハングルを構成する字素が連結していない理想的なハングルを対象に.字素認識を行った結果,71.96%の認識率が得られた.
著者
入谷 忠光 井原 敬能 片岡 実 大家 隆弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.378, pp.37-40, 1998-10-30
被引用文献数
1

日本の交通事故による死亡者が年間1万人であり, このうち交差点での出会い頭の事故が40%で, そして0.5秒速くブレーキかけることができれば50%の, また1秒ならば90%の事故が防げると言われている.このようにブレーキ操作を速くかけることを目的とした新しい車車間通信を提案する.すなわち各車両は現在の位置, 速度, ブレーキなどの情報を周りの車に電波で知らせると同時に, 他の車両と信号機の状態を受信する.各車両は周波数が異なる放送局であり, 同時に他の車の電波を受信する方式なので, アドレスを割り付ける必要が無い.マルチパスに打ち勝つために周波数ダイバーシティを用いたFSK方式で, しかも同期が容易な方法を提案する.