著者
イアン レーン 河原 達也 松井 知子 中村 哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.518, pp.29-34, 2003-12-12

音声言語システムにおいては,バックエンドシステムが受理できない発話(ドメイン外発話)への対処が問題となる.本稿では,このようなドメイン外発話の検出法の枠組みを新たに提案する.本手法は,複数トピックの分類の信頼度を用いて,ドメイン内検証モデルをGPD(Generalized Probabilistic Descent)により学習する。この学習は,ドメイン内データの削除補間に基づいて行うため,ドメイン外の実データを必要とせず,移植性が高い.トピック分類手法として3つの手法(単語N-gram,LSA,SVM)を比較した結果,SVMが最も高い識別能力を得た.ドメイン外検出タスクにおいて,提案手法は,トピック分類結果の単純な組合せによるベースライン法と比較して,6.5ポイントも検出誤り率を改善した.さらに,実際のドメイン外データを用いて学習したシステムと比較しても,ドメイン外データを使用しない提案手法によりほぼ同等の性能が得られることがわかった.
著者
熊木 慶介 南角 吉彦 徳田 恵一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.97, pp.45-50, 2010-06-17

画像認識システムでは,認識対象の位置,大きさ,回転等の幾何学的な変動に対応する必要がある.これまでに,このような画像の変動に対する正規化が組み込まれた確率モデルとして分離型格子HMMが提案されている.分離型格子HMMでは,横方向,縦方向の2本の状態系列を保持することにより,認識対象の位置や大きさの変動に対応することが可能である.しかし,このモデルでは回転や歪みには対応することができない.そこで本稿では,画像の各行,各列毎に個別の状態系列を保持するモデルとして拡張分離型格子HMMを提案する.状態系列を増やすことにより,複雑な状態アライメントが可能となるため認識対象の回転や歪みに対応できることが期待される.さらに,変分EMアルゴリズムに基づく学習アルゴリズムを導出し,顔画像認識実験により提案法の有効性を示す.
著者
渡邊 栄治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.160, pp.105-110, 2009-07-23

e-Learningなどにおいて,受講者に対し,表現力が豊かなコンテンツが提示されることが多い.しかなしながら,提示されるコンテンツの評価と受講者の知識獲得の比較については,十分に検討されていない.本報告では,提示されるコンテンツと受講者の手書きノートの照合を行うことにより,e-learningコンテンツと受講者間の情報伝達の度合いについて検討する.
著者
森本 容介 辻 靖彦 山田 恒夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.42, pp.13-17, 2010-05-13

学習資源の流通・共有化を推進するため,学習オブジェクトのメタデータデータベースを構築し,運用している.メタデータ数の増加に伴い,対象者や利用場面ごとに,検索対象レコードや検索インタフエースを用意する必要がある.このとき,複数の検索システムを効率よく実装するため,汎用的なメタデータ検索エンジンを開発した.本検索エンジンは, Movable Typeのプラグインとして実装した.開発した検索エンジンと,構築した検索システムの例として,OCWコースを検索できるシステムを報告する.
著者
間邊 哲也 長谷川 孝明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.82, pp.47-51, 2006-05-22
被引用文献数
11

本稿では,M-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーション環境の実現に向けて,建物内におけるM-CubITSを用いたWYSIWYASな歩行者ナビゲーションシステムの提案と埼玉大学工学部内の建物における実験システムの構築ならびに動作確認を行っている.既存のM-CubITS歩行者WYSIWYASナビゲーションシステムを建物内に適用するために,本稿では,データベースの構築と建物内におけるナビゲーション方法の検討を行い,現在地特定用と経路探索用の2つからなるデータベースを構築し,現在地から目的地までの経路探索には最短経路問題の解法アルゴリズムとして一般的なDijkstra法を用いている.さらに,実験を通してシステムの動作確認を行っている.
著者
斎藤 雄介 眞田 幸俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.396, pp.1-6, 2007-12-12

IR-UWBを用いた測距システムでは,パルス幅1[ns]程度の信号を使うことで高い距離分解能を持った測距システムが実現可能となる.UWB測距システムにおいては,低コスト化,低電力化を目指し様々な提案がなされており,その中のひとつに高速コンパレータを用いた測距システムがある.このコンパレータを用いた測距においては,信号の平均化によりパルスを取り出す作業が必要であるが,平均化に対するクロックずれの影響は考慮されてこなかった.そのため本報告では,クロックのずれがシステムに与える影響をシミュレーションによって評価した.またクロックずれの影響を緩和する二段階平均化法を提案する.
著者
山崎 陽一 戸田 尚宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.479, pp.101-106, 2009-03-04

Dual-Energy X線CT(DECT)は,既存の単色X線CTよりも,物質に関する特徴的な情報を得ることができる.しかし,単色X線CTと同程度の照射線量の場合,DE X線CTで得られる再構成画像には多くの雑音が含まれるという問題がある.そこで,再構成画像上の雑音を除去または低減する技術がKalender等により提案された.しかし,そこでの結果は通常用いられる数十倍の照射線量におけるものであり,通常の照射線量における検討がなされていない.本報告では,数値実験によりこの点について解析を行い,照射線量の低下に伴い直線状アーチファクトが生じ,この影響からKalenderの方法が正しく機能しなくなることを確認する.さらにこの問題を解決する新たな手法を提案する.
著者
木村 竜 新巻 洋一 五百蔵 重典 田中 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.252, pp.17-22, 2008-10-15

本論文では,GPS機能を内蔵する携帯電話を用いて得られる位置情報とモバイルネットワーク,インターネットそして家電ネットワークを統合した知的環境実現のためのアーキテクチャを提案し,その具体的一例として,エアコン制御へ適用したシステム構成とその結果を示す.まず,携帯電話サービスの加入事業者に依存しない位置情報共有・表示システムとして,データベースマネージメントシステムとGoogleMapsを用いて地図上にGPS携帯電話所有者の移動履歴を図示するとともに,その位置精度を評価,確認した.そして,その位置情報と携帯電話所有者の行動パターンを考慮して,所有者の居室のエアコンを自動的に制御するシステムを構築し,その有用性を実証した結果を述べる.
著者
前田 英作
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.319, pp.23-28, 2002-09-12

Vapnikによって提案された統計的機械学習手法であるサポートベクトルマシン(SVM)は,様々な問題に適用されてその有効性が検証されつつある.このSVMの大きな特徴の一つは,特徴空間の次元に比べてサンプル数が少ない場合,即ちいわゆるサンプルの分布がスパースな場合にも高い汎化性能を示すことにある.既存の機械学習手法の多くにおいて弱点とされていた高次元特徴空間における汎化性能の問題を克服したことで,パタン認識技術の適用領域は大きく広がった。本稿では,パタン認識技術の新しい応用先としてバイオインフォマティックスと自然言語処理を取りあげ,現在研究を進めている具体的な課題としてDNA発現解析と質問応答システムについて紹介する.また,それらを取り巻く環境,今後の課題についても触れる.
著者
藤村 考
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.119, pp.57-62, 2008-06-23
被引用文献数
1

BLOGRANGER TGは、大規模タグクラウド・インタフェースを有する新しいブログナビゲーションシステムである。タグクラウドの背景画像として地形図を導入し、タグ間の関連を直感的に把握できるようにした。本システムは、直近の5週間の約1500万の日本のブログ記事を分析し、約5000の有益なタグを自動抽出している。タグクラウドは毎週更新され、ブログ界全体の最新の構造を俯瞰することを可能にした。本稿では、BLOGRANGER TGの開発の経緯と目的、そして実現されている技術の概要について述べる。
著者
堀江 健一 大澤 幸生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.546, pp.7-12, 2006-01-17

企業において市場における顧客の需要を把握し、その需要を満足させる製品の開発を行う事が使命であり、企業が継続的に競争力を維持するためにも重要な活動である。弊社においても、取り扱っているリニアCCD表面欠陥装置に関する重要な顧客を訪問しながら要望を聞きだし社内においてその要望を満足させる製品の開発について日々議論をしている。しかしながら、顧客訪問後の営業報告者などのテキストデータに基づいて営業マネージャーや担当者が議論をしても具体的な製品開発に中々結びつかないという課題がある。その課題を解決するために、チャンス発見の二重螺旋のプロセスを取り入れ、グループディスカッションを試みが、KeyGraphで処理したグラフ図のコンテクストを解釈し、新たなシナリオを創発することができなかった。その為、KeyGraphにて出力されたグラフに現れた欠陥の近傍に対象となる写真を貼付するシナリオマップを作成したところ、コンテクストの解釈が容易になり質の高い新たなシナリオを抽出することができ、実務的な成果として新たに5件の特許申請を行うことができた。本研究では、このような新たなシナリオが抽出されたプロセスにおける特徴を分析し、そのメカニズムについて考察した。
著者
木村 敏幸 山肩 洋子 勝本 道哲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.20, pp.17-22, 2008-04-18
被引用文献数
5

立体テレビや立体遠隔通信会議などの超臨場感コミュニケーションを実現するためには,近接三次元音場再生技術を開発することが非常に重要である.本報告では,波面合成法を用いた近接三次元音場再生技術の原理Kirchhoff-Helmholtz積分方程式から導出し,2種類の手法(双極子制御,指向点制御)を提案する,提案した2手法の性能を計算機シミュレーションによって検討し,双極子制御手法は良い性能が得られ,指向点制御手法はスピーカに指向特性を設ければ良い性能が得られることを示す.
著者
歌川 尚明 須田 保 風間 保裕 森田 長吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.579, pp.65-68, 2003-01-16
被引用文献数
2

マイクロストリップ線路(MSL)給電パッチアンテナの複雑なMSL給電部分を簡単な同軸線路給電モデルで近似し,この部分を含めた全体構造をFDTD解析する方法を提案している.またこの方法を既開発のETC用パッチアンテナに適して放射特性を解析し,その妥当性を検証している.
著者
武仲 正彦 下山 武司 伊豆 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.141, pp.155-160, 2007-07-13

PKCS#1v1.5フォーマット検証の脆弱性を利用した、BleichenbacherによるRSA署名の偽造攻撃、およびその拡張であるIzu等、Oiwa等によるRSA署名の偽造攻撃を紹介し、それらの手法で偽造したタイムスタンプをAdobe Acrobat等のタイムスタンプ機能を持つ製品がどのように検証するかを評価する。
著者
関和 裕介 小林 岳彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.277, pp.7-12, 2009-11-05
被引用文献数
1

携帯通信端末の高性能化・低価格化,および通信・放送インフラストラクチャの高度化・大規模化により,携帯インターネット,位置情報サービスや電子マネーサービスなどのモバイルマルチメディアサービスは飛躍的な進歩と普及を遂げている.しかしながら,実用化されたサービスの全てがビジネスとして成功し広く普及しているわけではないし,順調にサービスが提供されているとは限らない.本報告では,(1)2009年3月にサービス終了となったモバイル衛星放送サービス;(2)2009年から2010年にかけて相次いでサービス終了となる携帯電話のPTT(プッシュ・ツー・トーク)サービス;および(3)日本における携帯電話サービスで頻発したエラーに焦点を当て,失敗に至る経緯,海外との比較ならびに失敗要因の分析を示す.
著者
得丸 公明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.119, pp.49-54, 2011-06-30
被引用文献数
1

西洋の論理学においては,言語命題のみが扱われてきた.日本には日本論理学会も存在しないし,言葉の論理を積みあげること自体が好まれない.イエルネのネットワーク理論とピアジェの心理学を参照にして,日本と西洋の違いを,生命体のもつ論理と記憶の記号メカニズムによって解明することを試みる.記号論において,言葉に意味はなく,言葉の意味は個人の体験記憶である.同様に言語表現の論理性は,言葉自体によって保証されるのではなく,言葉に意味を与える意識が保証するものである。言葉の記号は意識の論理回路で反射的に処理されるので,その構築が重要となる.言語以前の論理学を理解すると,言葉の正しい使い方,言葉の正しい意味付け方を理解でき,先人の努力と言葉を継承して前進することができる.
著者
本田 喜久 川島 英之 今井 倫太 安西 祐一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.207, pp.49-54, 2002-07-10

近年,キャッシュを意識して探索を高速化するメモリ索引構造が提案されている.中でも,1999年に提案されたFull Cache Sensitive Search Tree(CSS-tree)は,探索時間がデータサイズによってはハッシュよりも短く,また索引構造のために必要なメモリ空間使用量がB-treeよりも少ない点で優れている.他方,更新処理が遅いため,CSS-treeが有用であるのはオンライン解析処理のように更新処理が極めて少ない状況に限られると言われている.しかし,更新処理を追加処理のみに限定すれば,索引構造の再構築時間を減らすことができる.そこで本研究では,追加処理のみが発生する状況において,CSS-treeへの挿入処理を高速化する手法を提案する.提案手法は,(1)配列とCSS-treeのノードの拡張に要するコストを減らすために,あらかじめ余分な索引構造領域を獲得しておき,(2)配列とCSS-treeの葉ノードの再マップに要するコストを減らすために,CSS-treeの葉ノードの領域をなくし,CSS-treeの内部ノードのスロットに,配列のキー値を格納する.提案手法の有効性を評価するために,C言語とアセンブラを用いて,SunOS 5.6上に実験用データベースシステムを実装し,挿入処理時間を測定した.実験の結果,提案手法は,更新処理を追加処理に限定しない再構築手法と比べて,最大で7.18倍速くなることがわかった.
著者
坂本 寿 村上 恭通 林 彬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.53, pp.29-33, 2004-05-12
参考文献数
5

2003年SCISにおいて小林邦勝らが提案した"ガウス整数環上のナップザック暗号"を検討し,まず一意復号が難しい場合があることを示す.次に鍵の生成法に変更を加え,一意復号が保証されるようにした.さらに変更したガウス整数環上のナップザック暗号に対して,Lagarias-Odlyzko法による暗号解読の計算核実験を行い,高い確率で解読できることを示す.
著者
蓮井 亮二 毛利 公美 森井 昌克
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.529, pp.17-22, 2006-01-13
被引用文献数
1

ソフトウェアの脆弱性を利用した不正アクセスやDoS攻撃が社会問題化し, 脆弱性検査とソフトウェアのアップデートは重要になっている.これまでにも脆弱性監査ツールとしてNessusやNSAT等が開発・公開されている.しかし, これらのツールでは検査時に検査項目を設定する必要があることや検査結果を有効活用して対策を行うには専門的な知識が必要となることから簡単に利用できるとは言い難い.本稿では専門知識の乏しい管理者でも利用できる管理・運用を容易にするネットワーク資源脆弱性自動検査システムを提案する.提案システムでは既存の脆弱性検査ツールと比較して「脆弱性検査時の検査項目を自動的に設定する」「Web上から最新の脆弱性情報を自動的に取得する」といった特徴を有する.また, 既存の脆弱性ツールにはなかった「ネットワーク内部のパケット情報を記録し, 脆弱性が検出されたPortのパケット受信状況をグラフ化して表示する」という機能を持たせることによって, 脆弱性のあるPortに対するアクセス状況を把握することができる.
著者
石田 和成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.162, pp.35-40, 2010-07-28
被引用文献数
1

スマートフォンやソーシャルメディアの普及により,BlogやTwitterにおいて多くの位置情報が公開されている.本研究は,Blogに掲載される画像データに含まれる位置情報や,Twitterと連携して用いられるFoursquareの位置情報を用いて,人々の行動に関する地域的,時間的な類似点,相違点の分析を行う.そのため,更新されたBlogに含まれる画像データを1日ごとに収集し,Exifで記録されるGPS情報付き画像データにもとづき,地域ごとのモバイル端末の違い,写真撮影時刻やBlog記事投稿時刻の違いについて分析した.また,位置情報サービスにもとづき,世界各地での位置情報登録行動の共通点,相違点を調査した.その結果,Blogに掲載される位置情報付きJPEGファイルのほとんどがiPhoneで撮影されたものであること,兵庫県,大阪府,沖縄県は他の地域と比べ3GSの割合が高く,宮城県は3Gの割合が高い傾向が見られた.また,撮影投稿時刻の相互相関については,関東,関西ともに,勤務地の密集する,東京都,大阪府においては,撮影直後に投稿する傾向が,また,ベットタウンである神奈川県,兵庫県では,撮影投稿時間の差が長い傾向が見られた.さらに,位置情報サービスと画像撮影投稿との関係については,位置情報登録は,写真撮影よりもBlog投稿と時間的相関が高い傾向が見られた.また,位置情報登録の地理的分布については,アメリカ,アジア,ヨーロッパで高頻度のピークが観察された.また,時間的分布については,朝,昼,夜と3つのピークがあり,夜の登録頻度が最も高い傾向を示す地域が多く観察された.