著者
立花 大祐 田中 喜明 内田 真人 鶴 正人 尾家 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.394, pp.55-60, 2009-01-15
被引用文献数
2

近年のネットワーク管理において必要となる大域的なトラヒックフローの統計的把握のためには,OD(origin destination)トラヒック行列の推定が重要である.超高速ネットワーク上でのトラヒック行列の直接計測は難しく高コストである為,統計的な推定が研究されてきた.本研究では,著者らが先行研究において提案し,数値実験によって効果を示した推定手法に関して,その実用性を検証するために,大学内ネットワークの実トラヒックを用いて実験し,分析・評価を行った.実験の結果,他の既存手法がうまく適用できないような条件(例えば,変則的なトラヒック,少量のトラヒック,短い単位時間等)にも適用可能であることが分かった.
著者
日吉 功 児玉 直樹 和久井 章人 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.478, pp.39-44, 2000-11-23
被引用文献数
1

Purkinje-Sanson像計測法を用いて仮性近視回復の効果を測定した.対象は仮性近視8名, 正視2名の合計10名であった.今回比較を行ったのは, Purkinje-Sanson像計測法と市販されている計測器であるMD-SS型視力訓練機であった.Purkinje-Sanson像による計測ではPS-1とPS-3の間の距離の変化を測定した.Purkinje-Sanson像計測法はMD-SS視力訓練機に比べて, 回復傾向が見られた.これらのことから, Purkinje-Sanson像計測法を用いて仮性近視の回復が行える可能性が示唆された.
著者
山内 正人 砂原 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.438, pp.97-100, 2010-02-22
参考文献数
18

センサの低価格化や高性能化が進み、様々なセンサの設置が進んできている。また設置されたセンサをネットワークで繋ぐことでセンサ単体では困難なことが可能となった。例えば気象センサネットワークでは高密度な気象データを集めることで、低密度なセンサデータでは困難であったゲリラ豪雨などの高精度な予測が実現可能となる。しかし、センサデータを応用するためには、データの信頼性も重要となる。従来では人手によってセンサデータの信頼性を確保していたが、本稿ではMicro blogを用いることで、自動でセンサデータの信頼性が向上できることの可能性について示した。これにより、今後規模が爆発的に増大するセンサネットワークへも対応が可能となる。
著者
山本 光重 佐藤 智和 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.627, pp.55-60, 2002-01-23
参考文献数
6

花火ショーの演出作業において, 花火師は花火の打ち上げ位置, タイミングや音楽との同期などの多くの要素を決定する必要がある.しかし従来, 花火師は危険性や金銭的なコストの問題から演出結果を視覚的に確認することができず, 演出作業を円滑に行うことが困難であった.そこで, 本研究では, 効率のよい演出作業を実現するための花火演出支援システムを提案する.ユーザは計算機を用いて打ち上げ位置, 花火の種類, 打ち上げタイミング, 音楽といった情報を入力し, 演出作業を行う.演出結果は入力されたデータに沿って, 花火の実写映像を利用して計算機上でシミュレートされ, モニタやHMD上に可視化される.これによって, 花火師は効率よく作業を進めることが可能となる.
著者
三浦 彩美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.174, pp.23-26, 2002-06-21
参考文献数
7
被引用文献数
2

本研究では、ポピュラーな洋画のシーンを呈示刺激として用いた感情評定実験と、テレビ視聴に関するアンケート調査により、映画作品における登場人物の感情評定と、幼少の頃から現在までのテレビ視聴時間や視聴番組のジャンルとの間にどのような関係があるかを検討した。その結果、呈示刺激に見出した感情表出の多様性と小学校時代のテレビ視聴時間との間に相関関係がみとめられ、感情認知とテレビ視聴に関連があることが示唆された。
著者
中園 薫 長嶋 祐二 細野 直恒
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.488, pp.85-90, 2009-03-16
被引用文献数
4

著者らは,外国人や聴覚障害者など,音声でのコミュニケーションが不自由な人を対象とした,コミュニケーション補助,システムVUTEを開発している.従来のAACがほとんどが静止画ピクトグラムを用いていたのに対し,VUTEでは動画ピクトグラムを用いることにより理解度の向上を計る.また,動画ピクトグラムのデザインの際に,手話表現を参考としている.現在,消防や怪我,急病などの救急時におけるコミュニケーションに限定して,システムを試作中である.本報告では,手話の表現様式の分析に基づいた,動画ピクトグラムのデザイン指針について述べる.続いて,試作したシステムの構成と機能概要について述べる.
著者
山根 淳平 長 篤志 三池 秀敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.613, pp.69-75, 2001-01-27

顔の動画像の速度場推定から, 質問に対して応答する対象者の意思情報と感性情報を抽出する手法を提案する。精度の高いオプティカルフロー検出法を用いて, 顔の各部位のオプティカルフローを検出し, "はい""いいえ"の応答時に見られる固有の動きの特徴を抽出している.また, 質問終了から約3秒間に注目し, 顔の各部位における速度の時間変化, 対象者の応答特性により, 対象者が質問で受けた印象(感性情報)の推測の可能性について議論している.
著者
奥田 雄人 小野口 一則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.98, pp.19-24, 2010-06-17

オプティカルフローとフレーム間差分により得られた動き情報を時間軸上で離散ウェーブレット変換し、そのウェーブレット係数から生成した特徴ベクトルを用いてジェスチャを認識する手法を提案する。動き情報はオプティカルフローの大きさを輝度値とする画像とフレーム間差分画像との論理積から求める。論理積画像を3種類の領域(縦方向、横方向、及び回転方向)に分割し、各領域内の輝度平均値の時系列データにウェーブレット変換を適用し、得られたウェーブレット係数からジェスチャを記述する特徴ベクトルを生成する。本手法は、各ジェスチャを1つの特徴ベクトルで記述するため、ジェスチャモデルの作成が容易である。また、分割領域内の輝度平均値にウェーブレット変換を適用するため、個人差によるジェスチャの空間的及び時間的なズレに対応できる。複数のジェスチャの組み合わせを認識する実験を行い、本手法の有効性を示す。
著者
田中 誠也 中窪 愛佳 木村 百輝 武田 和也 神田 智子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.424, pp.7-12, 2010-02-15

日本人の携帯電話における絵文字の解釈と文例を276名から6600件以上収集し,Web上で絵文字別,世代別,性別別の検索/閲覧が可能な絵文字辞書を構築した.この絵文字辞書に言語グリッドの機械翻訳サービスを適用することにより,絵文字の解釈と文例を多言語に翻訳するWebサービスを開発した.多言語翻訳可能な絵文字辞書の利用により,日本在住の外国人に日本人の絵文字の解釈と文例を提示し,携帯電話上の異言語・異文化間コミュニケーションの促進と円滑化を目的とする.
著者
沢田 晴彦 伊丸岡 俊秀 松本 圭 塩谷 亨 近江 政雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.479, pp.139-142, 2005-12-08
参考文献数
5

情動価を持つ単語に対して色命名反応が遅延する情動ストループ効果について、遅延反応パラダイムから検討した.通常の情動ストループ課題では、彩色された情動単語が被験者に呈示された後、即座に発声による色命名が求められる.しかし今回用いた遅延反応パラダイムでは、彩色された情動単語が被験者に呈示された後に、彩色されたターゲットの中から同じ色をボタン押しで選択させた.通常の情動ストループ課題において有意な遅延がある被験者を対象にした実験の結果、単語の呈示時間に関係なく、遅延反応パラダイムにおいて情動単語に対する色選択の遅延は有意にならなかった.この結果は、情動ストループ効果が情動単語への単純な暴露効果には依存せず、反応時に刺激が呈示されることにより生起する視覚的注意に依存した現象であることを示唆している.
著者
伊東 利哉 武井 由智 垂井 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.194, pp.39-46, 1999-07-21
参考文献数
13

置換族がk点独立性を持つとは, 直観的には, そこから置換を一様ランダムに選んだとき任意の異なるk点が任意の異なるk点に等確率に写像されることである. 類似概念として, 任意の異なるk点の像のなす相対順序が等確率にあらわれるという性質が定義でき, これをk順位独立性と呼ぶことにする. また, 任意の異なる高々k点の像の中で全ての点が等確率で最小値となる性質がk制限最小値独立性として定義されている. 本論文では, 集合{0,1,...,n-1}に作用する置換族Cが上記各独立性を満足するときの要素数∥C∥の限界を考察し, 以下の結果一(1)下界: k制限最小値独立性は∥C∥≧n-1, k順位独立性は∥C∥≧(n/2)^<&lfloor;k/4&rfloor;> がそれぞれ必要(2)上界: k制限最小値独立置換族は∥C∥= o((en)^k), k順位独立置換族は∥C∥=0(n^<k2/(21nk)>)でそれぞれ構成可能を示す.
著者
相田 彰大 戸田 真志 植村 朋弘 刑部 育子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.147, pp.27-32, 2010-07-17
参考文献数
11

昨今,ストレージデバイスの記録密度の向上が驚くべきスピードで進められている.それに伴い,画像や動画などの様々なメディアが容易に保存可能となった.中でもデジタルカメラやビデオカメラは情報を記録する際に頻繁に活用されるツールの一つであり,多くの人によって写真や動画は撮影され,保存されている.しかし,これらのメディアの多くは特に整理されずに保存されており,またどのような意図で撮影したのかなどは撮影した本人にしか分からない.既存の方法としては,タグを用いることでの情報付与などがあるが,こういった方法は撮影後に行う後処理で情報整理に用いる際にはタイムラグが生じる.そこで,撮影中にリアルタイムで,また,撮影後にフィードバックを行いながら簡単に手書きメモや付箋などの情報を付与するこで,円滑に情報整理が行えるCAVSceneのシステム提案・開発を行った.また,この開発したツールを実際に教育現場に適用する事でその実用性を検証した.
著者
高野 知佐 会田 雅樹 村田 正幸 今瀬 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.449, pp.301-306, 2010-02-25
参考文献数
19

ネットワークの局所的な状態情報しか分からない環境において,ネットワーク全体を適切に動作させるネットワーク制御技術を設計するために,我々は近接作用の考え方に基づく偏微分方程式を利用した自律分散制御のフレームワークを提案し,それに基づく具体的な制御方式を検討してきた.これまで,ネットワークの自律的な負荷分散のような平滑化効果を実現する為に,拡散方程式に基づく制御を考え,フロー制御への応用による輻輳回避の効果などを確認してきた.本稿では,拡散現象のくりこみ変換と逆拡散によるドリフトを考えることで,平滑化効果を実現する従来の自律分散制御に加え,有限の空間的広がりを維持するように動作する新しいタイプの自律分散制御の実現可能性を議論する.更に,アドホックネットワークの自律分散クラスタリング技術を対象にシステム構成要素が自律分散的に周囲の局所的状況に適応しつつ,システム全体として有限サイズの構造を生み出す技術の実現法について考察し,アドホックネットワークの自律分散クラスタリング技術に応用する方式を提案する.
著者
境 隆二 高山 征大 加藤 宣弘 島田 智文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.405, pp.45-49, 2010-01-21

CELL REGZA^<TM>は、東芝がCell Broadband Engine^<TM>向けに開発してきたソフトウェア技術の集大成となるデジタルテレビである。CELL REGZAでは、Cell Broadband Engineの計算パワーを余すところなく引きだし、地デジ8チャンネル同時視聴、高速ザッピング、TIMESHIFT MACHINE^<TM>、超解像やノイズリダクションなどの高画質化機能をソフトウェアで実現している。高性能なソフトウェアを実現するには、アルゴリズムを最適化しプロセッサの演算器の利用効率が高くなるようにプログラミングする必要がある。本稿では、CELL REGZAの上記の機能を実現したマルチコアプログラミングの実際について説明する。
著者
北川 智大 西谷 隆夫 小松 広昭 加藤 博憲 小元 規重
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.438, pp.103-108, 2008-01-17
参考文献数
7

マルチビーム衛星を利用した,地上波デジタル放送の再送信について考察を行った.今回の検討は通信と放送の融合を狙った衛星チャンネルの効率化である.番組チャンネルとCMを含む民放チャンネルを切り替え,キー局放送分の共用化を行って,放送の空き時間をインターネットの利用に割り当てる.番組/CMチャンネルの切り替えを正確に行うため,常時すべてのテレビ信号を流す方式を採用する.番組チャンネルの非表示区間は静止画とする.この部分が余分な情報を発生しないように静止画をH.264符号化に基づいた工夫を行った.衛星上の情報切換が正確に行える様にバッファの使用量の少ないVBRを採用した.高知工科大学のSCOPE実験設備を用いて実測した結果も報告する.
著者
山澤 一誠 石田 皓之 岡本 崇弘 小田 昌宏 前橋 久美子 浅井 俊弘 牧田 孝嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.532, pp.133-144, 2002-12-13

パターン認識・メディア理解(PRMU)研究専門委員会は,平成9年より研究活動の一環として,若手研究者の発掘・育成を目的としたアルゴリズムコンテストを実施している.第1回目のアルゴリズムコンテストではランダムドットステレオから視差画像を求めるコンテストを行った.第6回目の今年はその第1回目のテーマに立ち戻り,さらに多眼というアレンジを加え,多眼ランダムドットステレオをテーマとしてアルゴリズムを募集した.ステレオ画像の枚数に応じて3つのレベルを設定し,ひとつのアルゴリズムによる複数のレベルへの応募も可能とした.募集の結果,18アルゴリズム,のべ34件の募集があり,審査により6アルゴリズムを入賞とした.さらに情報科学技術フォーラム(FIT2002)において審査結果発表と表彰式,入賞者によるアルゴリズムの紹介,第1回アルゴリズムコンテスト最優秀賞受賞者による特別講演を行った.本報告ではそれらの実施報告と入賞者によるアルゴリズムの紹介をする.
著者
粟井 郁雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.63, pp.23-27, 2008-05-22
参考文献数
6
被引用文献数
4

メタマテリアルは電磁気学的な構造体がマクロスコピックには連続体に見えることに依拠して媒質という扱いを受けている.そのために連続と不連続の接点で矛盾を生ずることがあり,時にはエネルギー保存則の侵犯にも対応する必要が起こる.又,普通の連続媒質の分子数はほぼ無限に近いのに対して,メタマテリアルは単位粒子(分子に相当する)が数個の場合ですら媒質であると考えることが多いので,有限と無限の矛盾にも遭遇する.これら矛盾の解釈法について考察する.
著者
西内 悠祐 上田 哲史 川上 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.37, pp.13-18, 2003-05-01
参考文献数
4
被引用文献数
3

3次元自律系である変形BVP発振器ではダブルスクロールカオスやjack-in-the-box現象と呼ばれる特異な応答が存在する.このjack-in-the-box現象のbasin boundaryを調べたところ,basin boundaryの境界線がぼやけて消失するという現象が見られた.このときのbasin boundaryはriddle basinと呼ばれる状態となっていた.そこで,このbasin boundaryと既存のriddle basinとの性質の違いについて述べる.また,この発振器で起こる分岐現象について詳しく説明する.
著者
宮崎 泰典 岡田 規男 菅井 貴義 多田 仁史 宮原 利治 高木 和久 青柳 利隆 八田 竜夫 大村 悦司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.33, pp.29-34, 2003-04-18
参考文献数
10

光送信機用変調光源には,広変調帯域幅,高出力光強度,高消光比,良好な出力光波形,低伝送ペナルティの両立を要求される.電界吸収型光変調器(EAM)は超高速光送信機の小型化に有用な半導体デバイスであるが,従来は40Gbpsにおいてこれらを両立した報告はなかった.今回,EAMに,(1)キャパシタンス低減に有利な半絶縁性基板,(2)高光出力時低チャープ動作が可能な伸張歪非対称量子井戸吸収層,を用いて40Gbpsにおける低チャープ・高光出力動作を初めて実現した.更に(3)EA変調器モジュールにドライバICを内蔵し,同軸ケーブルやコネクタによる高周波特性悪化を抑えた.その結果,EA変調器モジュールとしてITU-T G.693規格(出力光強度,アイマスク規定,消光比,伝送ペナルティ)を満たすことを確認した.
著者
宮崎 泰典 岡田 規男 菅井 貴義 多田 仁史 宮原 利治 高木 和久 青柳 利隆 八田 竜夫 大村 悦司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OPE, 光エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.35, pp.29-34, 2003-04-18
参考文献数
10

光送信機用変調光源には,広変調帯域幅,高出力光強度,高消光比,良好な出力光波形,低伝送ペナルティの両立を要求される.電界吸収型光変調器(EAM)は超高速光送信機の小型化に有用な半導体デバイスであるが,従来は40Gbpsにおいてこれらを両立した報告はなかった.今回,EAMに,(1)キャパシタンス低減に有利な半絶縁性基板,(2)高光出力時低チャープ動作が可能な伸張歪非対称量子井戸吸収層,を用いて40Gbpsにおける低チャープ・高光出力動作を初めて実現した.更に(3)EA変調器モジュールにドライバICを内蔵し,同軸ケーブルやコネクタによる高周波特性悪化を抑えた.その結果,EA変調器モジュールとしてITU-TG693規格(出力光強度,アイマスク規定,消光比,伝送ペナルティ)を満たすことを確認した.