著者
冨田 宣也 片岡 裕雅 郷原 麻衣子 箱崎 正洋 バトバータル 長尾 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.632, pp.121-124, 2006-02-25
被引用文献数
3

コンピュータ教育においてプログラミング学習は大きな要素を占める.しかし,個々の理解度に差が生じやすく,学習意欲が低下しやすいという傾向がある.本研究では,遠隔ペアプログラミングやテストファースト指向の課題演習といった,XP(eXtreme Programming)の手法を取り入れたプログラミング学習支援システムを提案する.本システムの利用によって,相互学習による理解度の向上,学習意欲の改善がみられた.本報告では,学習におけるXPの有用性について調査し,通常のペアプログラミングと遠隔ペアプログラミングとの効率の比較,考察を行う.
著者
堀田 政二 井上 光平 浦浜 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.702, pp.95-100, 2001-03-16
被引用文献数
1

画像検索を高速化するためのフィルタリング法として,特徴ベクトルの次元削減に基づく距離の不等式とクラスタリングに基づく三角不等式とを利用する手法を提案する.画像の非類似度をカラーヒストグラム間の2次形式距離で測り,それに基づいてクラスタリングと類似検索を行う.まずデータベース画像をk平均法でクラスタリングする.このとき特徴ベクトルの次元削減に基づくフィルタリングによって計算時間を短縮する.クラスタリングによって得られる代表点を画像のkNN検索でのフィルタリングに利用する.このときにも特徴ベクトルの次元削減に基づくフィルタリングを組合せて用いる.実験により,次元削減によってクラスタリングが高速化されることと,クラスタリングと次元削減の両方に基づくフィルタリングを用いることにより,画像検索の時間が短縮されることを示す.
著者
宮本 俊光 臼井 健太 牧志 純 菅沼 拓夫 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.204, pp.111-116, 2008-09-04

本論文では,共生コンピューティングの概念に基づき,実空間(RS)からディジタル空間(DS),およびDSからRSへの情報の流れを制御し,協調作業の効果的な支援を実現する手法を提案する.具体的には,DS内の共有作業領域と個別作業領域の利用を,協調作業の進行状況に応じて適宜制限することによって,協調作業の進行を促進する手法を提案する.これにより,知的協調作業の質的向上を実現する高度な支援が可能となる.本論文では,本提案手法を知的協調作業の一つであるグループ学習ドメインに適用する.具体的には,教師と複数の生徒によるグループでの問題解決において,DS内の共有作業領域をRS側に対し適切なタイミングで提示することにより,協調作業の進行がより効果的に行えることを示す.実験結果から,グループ学習の進度に合わせて共有作業領域を適切なタイミングで提示することによって,学習結果の質が向上することを確認した.
著者
高塚 伸太朗 村林 俊 三田村 好矩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.122, pp.9-12, 2005-06-10

睡眠時無呼吸の簡便な検出のために心拍変動の呼吸性不整脈に着目した解析手法を提案した。これは呼吸性不整脈を正弦波と考えてフィッティングを行うことで呼吸の間隔を得ようとするもので、健常者の心電図から得られたRR間隔に対して解析を行ったところ非常によい一致が見られた。また、無呼吸症患者の心電図に対し解析を行い、正常例との明らかな差とより精度のより結果のための課題を得た。これらより、本手法の睡眠時無呼吸の検出に対する有効性が示唆された。
著者
菊田 裕次 井上 創造 岩井原 瑞穂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.31, pp.41-48, 2000-05-02
被引用文献数
1

近年の計算機の処理能力の進歩により, 計算機が大量の情報を処理することが可能になってきた.それに伴い, 利用者が大量の情報を扱わなければならないような機会が増加しつつある.利用者が大量の情報を扱うことを可能にするためには, 情報フィルタリングと情報可視化の手法を効果的に組み合わせて用いることが重要である.つまり, 情報フィルタリングにより重要度がつけられた情報を, 重要度を反映しながら可視化することが要求される.本稿では, 種々の情報視覚化の手法に対し, 個々の視覚化対象の重用度を反映しているかを評価する手法を提案する.我々は, 個々の視覚化対象の重要度をどの程度反映しているかを示す尺度として, 表示達成度を提案し, これにより情報視覚化の手法が重要度をどの程度反映しているかを評価することが可能になった.
著者
平藤 雅之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.163, pp.47-51, 2007-07-19

センサネットワークは,地球環境モニタリング,バイオエネルギー資源等の増産,食の安全・安心などに活用できる。しかし,センサノードを多数設置するためには大幅な低コスト化,ブロードバンドサービスあるいは速距離通信技術が必要である。将来,光合成速度,土壌水分分布,植物の生理状態などが計測できるようになるが,センサネットワークは高収益農業,環境ビジネス,温暖化対策等のキーテクノロジーになることが期待される。また,モニタリングだけではなく屋外の環境制御技術として,砂漠の緑化などにも活用できるだろう。
著者
沖野 正宗 牛島 準一 加藤 聰彦 伊藤 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.508, pp.71-74, 2003-12-12

近年無線アドホックネットワークにおけるルーチングプロトコルの研究が注目されている。将来アドホックネットワークの発展により、多くのノードが集まった高密度なアドホックネットワークで効率的に経路を確立するためのルーチング手法が必要となってくる。現在提案されているAODV(Ad hoc On-demand Distance Vector)のように、経路制御メッセージを受信した全てのノードが再ブロードキャストを行うルーチング手法は高密度なアドホックネットワークでは適切とはいえない。そこで我々はAODVを高密度なアドホックネットワークに適用したルーチングプロトコルについて検討している。本方式では、無線到達範囲の遠くにいるノードを経路制御メッセージの中継ノードとして選択し、ネットワークに広がる経路制御やデータのためのメッセージ数を減らし、宛先ノードまでのホップ数を最小限に抑えるルーチング方式を実現している。本稿ではこの方式の詳細について述べる。
著者
前田 正浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.601, pp.25-29, 2004-01-19

我々は新しいアーキテクチャの人工ニューラルネットワークシミュレータ:"Sphincs"(Simulator with Parallel and Hierarchical mechanisms for Investigation of Neural Computation System)の開発を行っている。このシミュレータは生体脳の持っている特性をより現実的にシミュレーションすること目的としており、大規模かつ複雑な機能を操作するために、1.自動ネットワーク生成機能,2.複数のマルチレイヤネットワークの操作,3.生体神経を参考にしたニューロンモデル(例:Basket,Pyramidal,etc.),4.自動ネットワーク生成する前の元設計図段階で、Genetic Algorithmの様に交差させる機能を持たせる事により、パラメータ調整作業を省力化させる、等の新しいアイデアを導入している。また、開発にJava[TM]を用いているため、Threadを利用した並列処理や様々なプラットフォームでの実行が可能であるだけでなく、新しいモデルの拡張が容易になるなどの利点を数多く合わせ持っている。
著者
豊田 正史 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.64, pp.35-40, 2002-05-10
被引用文献数
1

本論文では,定期的に収集したウェブのスナップショットからウェブコミュニティの発展過程を抽出する手法を提案する.ここで言うウェブコミュニティとは,同じトピックに関心をもつ人々や組織によって作成されたウェブページの集合を指す.これまでに,リンク解析を用いてウェブコミュニティを抽出する様々な手法が提案されてきた.我々は,1999,2000,2001年に定期的に収集した3つのウェブスナップショットを比較することで,ウェブコミュニティの発展過程を調査した.この際,成長率,新規率,安定率など,興味ある発展過程の抽出に有用なメトリックスを導入した.さらに,発展過程の視覚化,および抽出の対話的な支援を行うシステムを構築した.このシステムはまず,各ウェブスナップショットから主要なウェブコミュニティとその間の関連度をすべて抽出し,発展過程のデータベースを構築する.ユーザは,関連度およびメトリックスを用いて,発展過程を抽出することができる.最後に,このシステムを用いて抽出した発展過程の例を幾つか示す.
著者
日渡 裕也 若原 俊彦 庵 博文 鄭 自力 柴田 宗久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.462, pp.25-30, 2007-01-11

本論文では,ユーザのWebページ閲覧履歴からユーザが興味や関心を持つ分野を特定し,その分野における興味の度合いを定義してその強さを定量化するとともに,コミュニティ内のユーザ間で類似の興味や関心を持つユーザ同士の情報共有やコミュニケーションを支援するコミュニティシステムを提案する.本システムは,ユーザの興味分野を階層的に分類し,ユーザが閲覧したページがどの分野に属するかをベイズ推論によって判定し,ユーザの興味の強さを計算する.また,webページを閲覧した結果,その後のユーザの行動(コメントを送ったり,ブックマークを付加したり,トラックバックしたりする)をも考慮してユーザの興味度を算出する.さらに,これに基づいてポップアップウインドウの表示方法を変更したり,ランキングを表示したり,興味度数などを表示しユーザ間のコミュニケーション支援に役立てる.上記の考えに基づき,プロトタイプシステムを構築し実験を行なった結果, ",社会","国際","政治"など8分野にユーザの興味を分類し,70%以上の精度で興味度を判定出来ることを確認した.
著者
日渡 裕也 若原 俊彦 庵 博文 鄭 自力 柴田 宗久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.463, pp.7-12, 2007-01-11

本論文では,ユーザのWebページ閲覧履歴からユーザが興味や関心を持つ分野を特定し,その分野における興味の度合いを定義してその強さを定量化するとともに,コミュニティ内のユーザ間で類似の興味や関心を持つユーザ同士の情報共有やコミュニケーションを支援するコミュニティシステムを提案する.本システムは,ユーザの興味分野を階層的に分類し,ユーザが閲覧したページがどの分野に属するかをベイズ推論によって判定し,ユーザの興味の強さを計算する.また,Webページを閲覧した結果,その後のユーザの行動(コメントを送ったり,ブックマークを付加したり,トラックバックしたりする)をも考慮してユーザの興味度を算出する.さらに,これに基づいてポップアップウインドウの表示方法を変更したり,ランキングを表示したり,興味度数などを表示しユーザ間のコミュニケーション支援に役立てる.上記の考えに基づき,プロトタイプシステムを構築し実験を行なった結果,",社会","国際","政治"など8分野にユーザの興味を分類し,70%以上の精度で興味度を判定出来ることを確認した.
著者
山崎 尭之 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.525, pp.397-400, 2008-02-28

本稿ではピュアP2Pファイル共有ネットワークのファイル流通を制御する手法として,流通を制限したいファイルを公開しているピアに対して,継続的に通信の接続を試行する制御ピアを利用することで,ファイルを公開しているピアからのほかのピアへのファイルの拡散を防止する手法を提案する.提案方式によってファイル流通制御を行う制御ピアを実装し,実際のWinnyネットワークにおいて実験を行い,効果を確認した.
著者
内山 文博 宮崎 明雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.145, pp.79-84, 2005-06-20
参考文献数
7

本稿では, 画像への電子透かし方式として, リフティングウェーブレット変換を用いた電子透かし方式を提案する.提案方式を用いることにより, 透かし情報を検出した後, 透かし入り画像を透かし情報とオリジナル画像とに完全に分離することができる.これにより, 透かし情報とオリジナルコンテンツへの完全分離が望まれる医用画像や電子文書, コンピュータプログラムやデータのようなコンテンツに対する電子透かしが実現できる.
著者
種田 良子 横山 輝明 樫原 茂 奥田 剛 門林 雄基 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.650, pp.7-12, 2006-03-03

近年,企業や大学などのイントラネット上では,グループウェアを用いた文書共有が行われている.しかし,共有される電子文書の量は増加の一途を辿っており,ユーザの検索負荷の増加を招いている.この問題を改善するためにさまざまな検索手法が提案されているが,キーワードによる検索は,キーワードが使用される分野や登場する文脈において異なる意味を持つ.そのため,このようなキーワードの多義性により生じる不要な検索結果を減らすことが重要となる.そこで,本研究では,キーワードの多義性による不必要な検索結果を削減し検索精度を向上させるための手法として,ユーザクラスタリングを用いた検索システム,DOCUSEUCを提案する.提案システムでは,ユーザの所有している文書に基づいてユーザ間の類似性を算出し,ユーザのクラスタリングを行う.そして,ユーザは検索時に自分の所属するクラスタから検索を行うことで,検索結果から非目的文書を削減することができる.本論文では,実際のシステム構築を述べ,有効性の評価を報告する.
著者
篠原 誠 降旗 建治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.269, pp.31-36, 2007-10-12

本報告では,外耳道内における,音圧,伝達関数,音響インピーダンス,を計測するため,2マイクロホン法による音響計測システムについて検討している.開発した超小型インテンシティプローブマイクロホンは,3つのマイクロホン間距離が6.3mm,10.4mm,16.7mmおよびプローブの直径が4mmであり,外耳道内の3点における音圧を同時に測定できる.外耳道入口と外耳道内(入口から10.4mm,16.7mmの位置)における音圧を測定した結果に基づき,まず各マイクロホン間の音圧差から伝達関数,伝達関数から鼓膜位置のインピーダンスが計測できること,次に鼓膜位置のインピーダンスから鼓膜位置の音圧を推定できることがわかった.結論として,開発した超小型インテンシティプローブマイクロホンにより,外耳道内の2点で測定した音圧は外耳道内の物理量の測定に適しており,外耳道入口で測定した音圧は耳の形状等による個人差を示す可能性が示唆された.
著者
山根 茂 菅生 康子 松本 有央 岡田 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.452, pp.37-40, 2003-11-13

顔は口や目などの部品の配置もさまざま、輪郭や色もいろいろで、さらに表情などの情報を合わせもつ。このように多様で複合した情報が脳内でどのように表現されているかを知ることは、脳の認知や記憶機能のメカニズムを明らかにするうえで大切である。画像の認知や記憶に深く関連している側頭葉と言われる脳の場所では、単一神経細胞においても神経細胞集団においても、おおまかな分類情報から詳細な情報へと階層的に情報が表現されていることがわかった。このダイナミックな分類情報の表現は、連想記憶モデルの振る舞いと酷似していることがわかり、その連想記憶モデルが脳の長期記憶システムとして存在する可能性が大きい。この連想記憶モデルを核に自動的に似ている画像を分類するシステムについて最後に触れる。
著者
鈴木 健男 川口 大輔 田村 武志 岸本 頼紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.507, pp.43-48, 2007-01-19

現在のWBT(Web Based Training)は講師と学習者間,あるいは学習者同士のコミュニケーションが極めて少ない.WBTは,コンテンツが講師(サーバ)側から学習者(クライアント)側へ一方通行的に配信されている.これは,現在のWBTがサーバ・クライアント型であることが原因の一つである.これを解決するために,我々は,誰でもコンテンツの発信者となることができるP2P型のe-Learningを開発した.本論文では,最初に,今までのWBTの問題点を述べ,次に実際に開発したP2Pによるコミュニティベースのe-Learningソフトウエアの設計と実装について述べる.
著者
大山 景詞 和泉 憲明 太原 育夫 橋田 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.429, pp.31-36, 2008-01-14

本稿では,ユーザが抱えるタスクやスケジュールの管理と連動した,サービスの選択・合成を行う機構を提案する.提案する機構では,制約処理系CBTOに基づいたモデル設計と処理により,スケジュール管理におけるコンテンツモデルを制約により一元管理し,コンテンツ作成の証明木構成過程に応じてサービスを連携させる.制約に基づいたモデルを構築することにより,軽量なモデル管理と,逐次的な処理によるユーザとシステムの双方向的な調整を実現することができる.本稿ではシステム実装により事例に基づいた動作検証を行い,考察を行う.
著者
中島 耕太 佐藤 充 後藤 正徳 久門 耕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.287, pp.1-6, 2006-10-06

大容量のデータ転送を伴うXen仮想マシンモニタの仮想マシン移動処理に10Gb Ethernet-NIC UZURAのRDMA転送を適用し,評価した.仮想マシン移動処理の高速化のためには,ネットワークハードウェアの高速化やプロトコル処理オフロードだけでなく,転送処理を制御するアプリケーション処理の最適化が必要である.そこで,RDMA転送の適用に際し,実際の仮想マシン移動における転送処理時間を解析し,アプリケーション処理の最適化について検討を行った.そして,検討した高速化を実際に適用し,評価した.その結果,10Gb Ethernetを用いても,通常のTCP/IP通信を用いた場合(98.4MB/s)やRDMA転送を単純に適用した場合(200MB/s)では,Gigabit Ethernetを用いた場合(82.9MB/s)に対して十分な高速化が実現できないのに村し,アプリケーション処理の最適化を適用した場合では405MB/sとなり,4.89倍の性能向上を実現した.
著者
井上 友介 菅原 真司 石橋 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.393, pp.57-62, 2009-01-15
被引用文献数
2

近年,ピュア型P2P(Peer-to-Peer)ネットワークにおける様々な複製配置手法の研究が行われているが,ハイブリッド型P2Pのようなデータ所持ピアを容易に検索できる環境における複製配置手法の研究は必ずしも十分には行われていない.ハイブリッド型P2Pでは,データの検索に要するネットワークコストは小さいため,ストレージ資源を抑制することが重要となる.このような観点から,筆者らはこれまでに,効率的な複製配置手法を提案してきたが,各ノードのストレージ容量に制限を設けていなかったため,特定のノードに複製が集中するといった問題があった.そこで本報告では,ノードのストレージ容量に制限を与えたモデルにおける複製配置手法を提案し,その有効性について論じる.