著者
大須賀 彰子 岩崎 裕子 高橋 智子 大越 ひろ
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.15-22, 2013 (Released:2013-11-22)
参考文献数
18
被引用文献数
5

本研究では,油脂の性状がマッシュポテトの飲み込みやすさに及ぼす影響を力学的特性と官能評価の観点から検討した。試料は性状の異なる3種の油脂,すなわち液状油O,固形脂F(ゲル状油脂),固形脂S(ショートニング),また対照として水をマッシュポテトに添加し,調製した。その結果,固形脂のテクスチャー特性の硬さと降伏応力がマッシュポテト試料に影響していた。水平方向の抵抗力の測定により得られた平均抵抗力はマッシュポテト試料のなめらかさやすべりやすさの指標となり,この測定法の有効性が示唆された。マッシュポテト試料中の副材料を顕微鏡で観察したところ,水と油脂では分散が異なり,力学的特性にも影響することが示された。官能評価では,水添加試料が硬く,なめらかさに欠ける傾向を示した。また,水と液状油Oを添加した試料が固形脂F添加試料に比べ,有意にべたつき感と残留感が少なく,飲み込みやすいと評価された。
著者
吉村 美紀
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.160-163, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1
著者
真部 真里子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.148-154, 2005
参考文献数
30

効率のよいカルシウム摂取のためには, 日々の食事を有効に活用することが重要である。そのために, 食材中のカルシウム(Ca)含量だけでなく, 調理によるカルシウム吸収効率の変化を明らかにする必要である。本報では, 未調理ならびに調理済みの牛乳の人工消化処理液をCaco-2細胞単一層に添加し, 調理によるCa吸収への影響を検討した。未調理の牛乳中のCaは, 他のCa源よりも吸収量が多かった。しかし, きなこや抹茶粉末を添加すると, 無添加の牛乳と比較して有意にCa吸収量が低下した。また, 65℃の加熱したホットミルクやベシャメルソースに調理しても, Ca吸収は低下した。また, これらのCa吸収量の変化は, 抹茶粉末添加の場合は細胞間経路の阻害により, 他の試料の場合は, Caの溶解度変化など細胞間経路に対する間接的な影響によることが示唆された。このように, 食事からの効率的なCa吸収のためには, 調理によるCa吸収の変化について考慮する必要がある。
著者
小原 章裕 松久 次雄
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.333-340, 2010

各種調理条件の違いによって豚肉を加熱処理した際に生じる変異原性をAmes testで測定した。豚肉を焼いたものは,鶏肉を焼いたものよりも多くの変異原物質を含んでおり,試料を高温処理して調理した際に多量の変異原物質量を生成した。また,野菜6種(ナス,キャベツ,モヤシ,ニンジン,タマネギ及びダイコン),香辛料(ショウガ,ピーマン,コショウ,トウガラシ)及び調味料4種(ミソ,ショウユ,穀物酢,黒酢)を豚肉を焼く際に添加すると変異原物質の生成量が減少した。そこで,これら試料を利用して実際に豚肉野菜炒めを調理してみると,モヤシやキャベツと同程度に変異原物質生成を抑制した。
著者
内田 麻子 大原 和幸 長阪 玲子 潮 秀樹
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.184-188, 2007-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
17

糠漬けは,野菜を米糠に漬けた日本の伝統的な漬物である。米糠油中の最も代表的な生理活性物質であるγ-オリザノールは,フェルラ酸がトリテルペンアルコールや植物性ステロールとエステル結合した化合物の混合物である。γ-オリザノールは血中コレステロールの低下などの生理活性作用を示すことが報告されている。HPLCを用いて,生大根と6種の市販糠漬け大根中のγ-オリザノールを測定した。実際に生大根を米糠に漬け,糠漬け大根中のγ-オリザノール量の変化を,水分含量および塩分濃度とともに測定した。紫外蛍光顕微鏡を用いて,糠漬け大根中のγ-オリザノールを観察した。これらの結果から,糠漬け工程中にγ-オリザノールが糠漬け大根へ蓄積されることが明らかになった。糠漬け大根に蓄積されるγ-オリザノール量は,生理活性作用を有する濃度と比較すると少量であったが,長期間に渡って糠漬け大根を摂取するならば,γ-オリザノールが有する種々の生理活性作用を期待できる可能性が示唆された。
著者
伊藤 知子 久保 加織 水野 千恵 湯川 夏子 和田 珠子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.196-203, 2008-06-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
19

中等教育における調理実習の現状,特に揚げ調理の取り上げ方について実態調査を行った。中等教育家庭科教科書では揚げ調理についての記載は経年的に減少していた。調理実習で揚げ調理を実施しているのは中学校で約20%,高等学校では選択科目も含めて約20%であった。揚げ調理を実施している場合でも,生徒がすべての調理の工程に関わっているケースは少なかった。高等学校では,揚げ調理を行うことは必要と感じられているが,危険を伴うために行いにくい状況にあることが明らかとなった。背景として,中学校,高等学校共に時間割上の問題(準備片付け時間の確保),授業数の不足,調理実習に関わる設備の老朽化などの問題があり,調理実習を行うこと自体が困難になりつつある現状があげられる。
著者
大橋 きょう子 島田 淳子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.132-138, 2002-05-20
被引用文献数
6 3

濃厚O/Wエマルションにおけるジアシルグリセロール(DAG)の乳化特性を明らかにするために,脂肪酸組成,表面張力などの諸特性をそろえたトリアシルグリセロール(TAG)を対照として検討し,次の結果を得た。1. DAGの色,匂い,風味,および粘っこさは,いずれもTAGのそれと同等で官能検査により識別できなかった。DAGから調製したマヨネーズ様エマルションにおいても,色,匂い,および風味は識別できず,総合的好ましさにおいても有意差が見られなかった。すなわち人が感覚的に捉えるDAGの食用油としての性質はTAGと同等であった。2. 油相体積分率0.65〜0.75で調製したDAGの平均粒子径は,TAGのそれより小さくCasson降伏値および粘性係数は大きく,流動性指数は低かった。すなわちDAGはTAGに比べ,油相界面を作りやすく,TAGより少量でマヨネーズ様の物性を形成し得ることを認めた。3. 油相体積分率は同じで,油水界面の面積が異なるDAGおよびTAGエマルションを調製し,総界面積と粘度との関係を検討した結果,DAGエマルションの粘度は同程度の界面積を有するTAGエマルションの粘度より大きかった。
著者
赤石 記子 舛田 美和 岩田 力 長尾 慶子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.231-235, 2013-06-05
参考文献数
22

本研究では小麦粉製品として代表的なパンとソースを取り上げ,小麦アレルギー患者でも食べられる調理条件を追究した。市販キット(FASPEK)を使用し,抗原量を測定し,低アレルゲン化の指標とした。パンの調製条件は一般的に使用されているドライイーストを対照に,米麹,ヨーグルトをスターターとして得られる発酵液を小麦粉に加え,パンを調製した。ソースの調製条件はルウの加熱温度を非加熱,120℃,160℃,210℃とした。その結果,ドライイーストパンに比べヨーグルト発酵液を用いて中種法で調製したパンで抗原量は有意に低下した。ルウの調製条件を変えたソースではブールマニエ(非加熱試料)に比べブラウンソース(210℃加熱試料)で抗原量は有意に低下していた。スペルト小麦で調製したブラウンソースが特に低値を示した。
著者
光崎 龍子 坂口 和子 光崎 研一 高木 敬彦 森 真弓 鈴木 啓子
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.330-333, 1999

The appropriate picking time for dokudami (Huttuynia cordata) tea is generally considered to be at the termination of the flower-like white involucre. Therefore, we classified the growth period of dokudami into the sprouting, seed setting, and true leaf stages, analyzed the contents of inorganic components at these stages, and analyzed contents of inorganic components in the leaves and flowers in the seed setting stage. In addition, the importance of the tea picking time was evaluated by a correlation analysis and principle component analysis.<BR>Among the inorganic components of dokudam i, the content of potassium was the highest, and the contens of calcium, magnesium, iron, manganese and zinc increased with growth. The content of copper was high in the flowers after diplophase parthenogenesis.<BR>Inorganic components increased at a potassium: calciu m ratio of about 6: 1 and at a manganese: magnesium ratio of about 80: 1. The calcium: potassium ratio changed inversely to the copper content that was observed in the flowers and in the true leaf stage.<BR>A principle component analysis revealed calcium, magnesium, potassium, manganese, and copper as the principle components.<BR>These appeared to be the principle inorganic components of dokudami and to increase due to diplophase parthenogenesis. A principle component analysis a ccording to the growth stage showed that the specificity of flowers could be estimated from two-dimensional scatter diagrams. The appropriate picking time for dokudami tea is empirically considered to be at the termination of the involucre, and the analysis according to the growth stage and the analysis of the flowers and leaves confirmed this. To improve the abnormal gustatory that is sensation associated with a modern diet or with insufficient intake of inorganic components by aged persons, dokudami tea brewed from a herbal plant provides a readily drunk remedy.
著者
駒場 千佳子 日笠 志津 高橋 敦子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.229-235, 2000-05-20
参考文献数
11
被引用文献数
1

豚レバーの下処理の方法及び調理による鉄分量の損失及び食味への影響を、屠殺後の時間経過を含めて検討した。1)レバーを水・牛乳にさらすことによって鉄分の減少が見られた。また、茹でこぼしの水分を介した処理方法では、約45%の鉄分の溶出が見られた。2)乾式加熱の焼き物調理では加熱による鉄分の損失はほとんどみられず、湿式加熱の煮物調理では鉄分の溶出が多く見られた。3)屠殺後1日目と3日目のレバーでは、さらし方法に関わらず鉄分の流出に有意差は見られなかった。4)焼き物調理の食味の官能検査では、屠殺後1日目では総合評価の差は見られなかった。屠殺後3日目では牛乳さらしが有意に良い評価を得た。5)煮物調理の食味の官能検査では、下処理は食味に影響を与えなかった。
著者
下坂 智恵 市川 朝子 下村 道子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.135-142, 2005-04-20
被引用文献数
3

Rice flour was used instead of tapioca (starch) in pao de queijo with, cheese, milk and egg. By the use of rice flour it was expected to prepare a more desirable product with greater softness and smoothness. The preparation method and puffing behavior were investigated. The use of non-glutinous rice flour and glutinous rice flour milled in water, the ratio of the latter being up to 50%, resulted in a well-puffed product with softness and smoothness. Preparation without any powdered cheese resulted in practically no swelling, suggesting that air was entrained in the powdered cheese and participated in the puffing effect. A water content higher than 50% in the dough of pao de queijo did not allow products round in shape to be obtained. A homogeneous blend of powdered cheese and handmade dough of suitable puffability required 44-49% water in the dough. Heating milk added to the rice flour up to 90℃ allowed a larger amount of milk to be added to prepare well puffed pao de queijo.