著者
立浪 澄子
出版者
長野県短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

2013年度は茨城県立歴史館に保存されている「高橋清賀子家文書目録(豊田芙雄関係文書)」より松野クララ関連資料を閲覧、コピーをとり、その分析を実施した。その結果、豊田芙雄をはじめとする初期の女子師範学校保姆、並びに卒業生らはクララからきわめて具体的な教材作成、保育への適用について懇切な指導を受けていることが明らかになった。また新たに「松野クララ記念歴史に学ぶ会」を立ち上げ、下記のような研究会を開催した。1、 第1回 平成24年11月3日(土)15:00~16:50 会場 青山フロラシオン 松の間 講演 木戸孝允の人柄-その先見性と情緒-:木戸侯爵家について-私が見た戦前の華族社会の一端- 東京大学名誉教授・お茶の水女子大学名誉学友、同大学外理事 和田 昭允氏 2、第2回 平成25年11月3日(日) 13:30~15:30 会場 青山フロラシオン しらかば プログラム ○講演1「松野ハザマ・クララ夫妻の生き方と明治という時代」社団法人大日本山林会前会長 小林富士雄氏 ○講演2「武村耕靄をめぐる人々」国立音楽大学名誉教授 小林恵子氏さらに、本研究の成果の一部について下記研究大会においてポスター発表を行った。Organisation Mondiale Pour l’Education Prescolaire World Congress 上海 11- 13 July, 2013 The first kindergarten teacher in Japan-Clara Matuno and how the Friedrich Froebel Method came to Japan 1、A brief biography of Clara Matsuno (1853~193) 2、How did the Friedrich Froebel Method take hold in Japan
著者
小賀 百樹
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

東シナ海の黒潮流入口における黒潮変動を調べるため,流入口直後に位置する海底電話線を、利用し黒潮流量変動を観測した。約9年分の観測資料に,衛星観測海面高度資料,漂流ブイによる表層流資料等を組み合わせ解析した結果,以下のことが明らかとなった。(1)流入直後の流量変動は,流入直前の台湾東岸沖の中規模渦の影響を強く受ける。暖水渦が存在すると流量が増加し,冷水渦が存在すると減少する。ただし,冷水渦の影響の方が強い。太平洋東方からの中規模渦の到来は不規則であるが,どちらのタイプの渦も年に数個到来し,年の半分くらいの期間は渦の影響を受けている。(2)不規則に到来する渦の効果をならすと季節変動が見られる。大きく「冬季モード」と「夏季モード」が認められる。冬季のルソン沖では黒潮流量が増加するが,ルソン海峡から南シナ海への流出があり,台湾東岸沖では減少傾向にある。さらに,東シナ海流入後の変動は小さくなり季節変動も明瞭でなく,東シナ海の中流以降は独自の変動も見られる。沖縄東方の黒潮への再循環もみられる。夏季は反対にルソン沖の流量は減少し南シナ海への流出もなく,沖縄東方の再循環も見られない。これらの流れの変動は,海上風の分布とも整合性がある。(3)付随して,琉球諸島と台湾を結ぶ定期フェリーによる海面水温の観測,東シナ海の吹送流の資料解析とモデル作成,東シナ海の黒潮影響下にある大気・海洋相互作用に関する資料解析にも取り組んだ。
著者
岡中 正行
出版者
帝京平成大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

本研究は、課題名「中島広足全歌集の編纂とその研究」が示すとおり、中島広足の全歌集を編纂し、その研究を行うことを目的とした。そのために、基礎となる資料の調査・収集を研究成果報告書の「はいがき」に記した関係所蔵機関および個人宅で行った。調査・収集した資料の目録は、第I部の「中島広足著作目録」としてまとめたが、今回の調査で初めてその存在が確認されたものも多く含んでいる。当然ことながら、活字化されていないものが多いわけである。調査・収集と平行して、それらの未翻刻の資料(特に和歌に関するもの)の翻刻作業と、書誌的研究を中心とした研究を行った。それらの一部については、既に研究紀要等に発表した。「研究発表」の6〜10がそれである。既に発表の資料の他に、『中島広足全歌集』を編纂するための多くの資料が存在するが、それらの翻刻はほぼ終えている。本報告書において、それらのすべてを掲載することは量的に無理があるので、その一部を掲載した。近いうちに『中島広足全歌集』として刊行し、それを基にして広足の和歌の、多面的・詳細な研究を行い、歌人中島広足を和歌史上に位置付けたいと考えている。ところで、広足には今回研究テーマにした「和歌」以外の、膨大な量の資料が存在する。それは「中島広足著作目録」のよっても理解されるだろう。それらの一部は、弥富浜雄氏によって『中島広足全集』(全2巻、昭和8年4月、大岡山書店)として刊行されているが、不十分なものである。江戸時代後期の国学の展開を研究する上で、今後さらに未収集の資料を発掘した上で、これらの資料の全てを翻刻し、新たな『中島広足全集』を編纂することは意義のあることであろう。
著者
手納 直規
出版者
広島国際大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

凝固線溶系のセリンプロテアーゼであるプラスミンは、MMPの開始因子としてがんの形成に関わっていることが知られている。従ってプラスミン阻害剤は、新たな作用機序を有する抗がん剤として機能することが推測される。そのため、プラスミンの合成基質の一次配列を基にプラスミン阻害剤をデザインした。その構造的特徴は、warheadとしてニトリル基を持ちことである。また、非ペプチド性阻害剤として、pyrrolopyrimidine をscaffoldとし、それを分子の中心におき活性中心のサブサイト(ヒダントインを含むP4部、warheadを含むP1部)と相互作用するに必要な官能基を配置した。
著者
渡邉 廣二 長濱 太造 佐渡 君江
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

地域経済活性化の手段として地域通貨を見た場合,消費者の需要が地域内に向かうようにするには,消費者が地域通貨を受け取るよう促すことが必要である。消費者が法定通貨の代わりに地域通貨を受け取るのは,地域通貨を入手するのにほとんど負担を負っていないかあるいはわずかな負担で地域通貨を入手できる場合である。すなわち地域通貨を発行し運営する原資が地域外のひとびとや行政の補助金によって負担されている場合である。
著者
市井 雅哉
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

大学学部生625名に、現在に影響を与えている過去の出来事、IES-R(改訂版出来事インパクト尺度)、治療希望有無の質問紙を実施した。有効回答は453名(男子、181;女子、264名;不明8名;平均年齢20.2(SD=1.77))で、性被害、近親者の死、交通事故、いじめ等深刻な出来事を報告していた33名をトラウマ群(治療希望は6名)、軽い出来事を報告していた420名を健常群としてt検定を行った結果、合計点と回避・麻痺の因子でトラウマ群が有意に高く、合計点25点以上(184名)でも回避・麻痺の因子でトラウマ群が有意に高かった。性被害を受け複雑性PTSDが疑われる2名のクライエントに対して、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)を用いた治療を行い、治療中の左右の外耳道温、心拍数を継続測定した。IES-R45前後の21歳女子大学生は、幼少期に母親から暴力的なしつけ、兄から性虐待を受けた。EMDR30回でさまざまな記憶の再処理を行い、47回の治療により症状は大きく改善した。さらに、(1)右の温度が左より高い(.25〜.39℃)、(2)左右とも施行後にかけて上昇する(左:.17℃、右:.32℃)、(3)セッションの進行につれ終了時の左の温度が高い傾向がある、(4)認知の妥当性が左右の外耳道温度や心拍数と関連があることがわかった。IES-R43の35歳主婦は、阪神大震災後の不調として、子どもとの分離不安、頭痛、不眠等の症状を訴えた。治療への恐怖感が強く、17セッション目にようやく3回の性被害が語られ、性被害及び義父の実母への暴力の記憶などEMDR11セッションで治療したが、改善が見られないまま39セッションで治療中断となった。(1)右の外耳道温が左より0.25℃高い、(2)心拍数は施行前から後にかけて3拍低下し、(3)成功したセッションでは心拍数が低い(前:10.58;後:12.25の差)ことがわかった。
著者
渡部 昭男
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

地方分権一括法の 2000 年施行により、就学行政は中央集権的なものから自治的な仕組みに変わった。中央教育審議会は、インクルーシブ教育に向かうこと、および就学指導から相談支援に転換することを表明した(2010・2012 年)。まず 2010 年調査により、市区町村において就学指導委員会の名称・仕組み・機能を相談支援の性格に変更した自治体例を掌握した。次に 2012 年調査により、回答のあった 36 都道府県の 17%(6 件)、8 特別区の 75%(6 件)、320 市の 25%(79 件)、254 町の 9%(22 件)、46 村の 22%(10 件)、57 共同設置等自治体の 19%(11 件)で既に相談支援に移行していたことが明らかとなった。
著者
蜷川 清隆 西戸 裕嗣 豊田 新
出版者
岡山理科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1.御池山のチャート中の石英に衝撃で生じたPDFsを見出した。これは、偏光顕微鏡下において直線的な縞状の構造として認められ、御池山がインパクトクレータである大きな証拠となる。更に低温CL測定の結果からPDFsの構造を確認できた。2005年度にGeo chemical Jour.に投稿したが、構造破壊の直接的証拠が必要との編集者からの意見もあり、この論文は不審査となった。その後のRamanスペクトル測定結果から、非晶質ガラスと結晶の積層構造をとるので、真のPDFsになっていることを確認した。2.ドイツRies crater内から採取した石英試料について、CL発光の温度依存性を検討した結果、衝撃を受けていない石英は2段の温度消光過程を示すのに対して、衝撃を受けている石英はほぼ1つの過程で進行することを確かめた。これら消光過程の活性化エネルギーの定量的な評価にも成功した。3.レールガンによる衝撃実験で、御池山砂岩のTLスペクトルに、350℃・380mmに新たなピークが形成され、御池山クレータ内の砂岩にも同様な膨らみがあることから、御池山がインパクトクレータであることの傍証になってと推定された。この高温ピークを担っている鉱物はTL画像測定によりアルバイトであると同定した。しかし、産地の異なる単結晶のアルバイトのTLスペクトルを調べたが、産地により異なるTL発光スペクトルを示し、衝撃による同様のピーク形成を確認できなかった。4.衝撃実験をおこなった石英・アルバイトのESRスペクトルを調べた結果,石英では、E_1',Ge,Al,Ti-Li中心が衝撃によって、消滅又は線幅の広がりが起こっていた。また、アルバイトは、産地によらず共通に、g=2.0044に新しいピークが生じていた。このESRの結果は、衝撃効果はTL法よりもESR法で,定量的に推定できることを示唆していると思われる。
著者
前田 裕
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

同時摂動最適化法を用いることにより、学習機能をもつニューラルネットワークのハードウェア化が容易に実現できることについて検証した。ニューラルネットワークのハードウェア実現を想定した場合、パルス密度による数値表現が適していることを示した。また、サポートベクトルマシンを対象に、同時摂動を用いた手法を提案すると共に、ハードウェアシステムを実現した。さらに、同時摂動による学習機能を有する神経振動子をアナログハードウェアシステムとして試作した。
著者
山井 弥生(斉藤弥生)
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

介護サービスの準市場化が進む中で、ヨーロッパ諸国では大企業による市場の寡占化が懸念されている。介護サービスの質を保持するためには市場における適度な競争環境が必要となる。市民セクター研究の第一人者であるヴィクトール・ペストフは福祉サービス供給における理想的な福祉多元主義の実現に社会的企業の役割に期待しており、日本の協同組合医療・介護の役割に注目している。そこで本研究ではペストフとの共同研究として、JA厚生連、医療生協の9団体を対象に構造的なインタビュー調査を行い、その結果を比較検討する中で、協同組合医療・介護が副次的に生み出す社会的価値と、その創造機能を明らかにした。
著者
大井 秀一 佐藤 徹雄
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

有機電子デバイスや新薬などの付加価値の高い製品の開発は我が国が推進すべき最重要課題である。そして、これらの製品の生産には、廃棄物の低減、経済的な優位性、高い安全性を満足する高効率次世代型合成プロセスの開発が必須である。本研究では、炭素-水素結合の切断を伴う革新的な触媒的炭素-炭素結合形成反応の開発を基軸に、上記の社会的要請に応えられる実践的な炭素-炭素クロスカップリング反応の開発を行った。
著者
小野 雅章 冨士原 雅弘 宇内 一文
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は、天皇制教化のもと、国民統合・動員に大きな影響を与えた三(四)大節学校儀式に注目し、①その儀式のなかに、どのような経緯で国旗掲揚(掲示)や国歌斉唱が導入されたのかを実証的に明らかにするとともに、②およそ20世紀初頭に定型化した、三(四)大節学校儀式の内容をもとにしながら入学式・卒業式、始業式・終業式の儀式内容が確定し、そのなかで、国旗と国歌とが、それぞれ別の意図を持ちながら導入された事実を明らかにした。さらに、戦前に完成した学校儀式が戦後教育改革を経て、現在の特別活動の内容である儀式的行事にもその慣行が残っている事実を明らかにした。
著者
豊田 雄彦 鈴木 美香 石嶺 ちづる
出版者
自由が丘産能短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は就職活動体験を綴った「就職活動体験記」を通じた交流を通して、学生の働くことへのリアリティの醸成を目指し、そのポートフォリオの解析を通してキャリア教育プログラムの開発、改善を行おうとするものである。「就職活動体験記」およびその読者による「受け止め」の記述内容をテキストマイニングの手法を用いて分析することにより、「就職活動体験記」の記述およびその記述内容を通じた交流の効果を測定した。その結果、経済、雇用情勢の厳しい時期の就職活動体験は、自らの職業観・勤労観におよぼす変化が顕著に見られること。体験記の読者は就職活動の早期のイベントに興味を示す傾向があること。また早期に活動すべきと考えた読者は実際に早期に就職活動を開始する傾向があること。適切な授業プログラムの実施により、失敗体験を下級生に伝承し、下級生の就職活動に資することができることを確認できた。
著者
水落 正明
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

わが国では年金財政の安定化のため、年金受給開始年齢を引き上げると同時に、高齢者の雇用確保を行っている。こうした改革は、若壮年の雇用を悪化させる一方、高齢者が長く働くことで健康が維持される効果もあり得る。実証分析から次のことがわかった。第1に、高齢者の雇用確保は新規学卒者の正規職への就職確率を低下させる。さらに高年齢者の雇用確保によって新規学卒者が初職で正規職に就けなかった場合、その後の年収が7-8%程度減少する。第2に、定年退職は高年齢男性の精神的健康を悪化させる。その悪影響は、定年退職から2年以上経過した後で現れる。
著者
小田切 忠人
出版者
琉球大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,数学的な着想が個の知的活動の中でどのように発現するのかということに関心を置きながら,学習活動において子どもはどのように数学的概念を獲得するのか,できるのかということを観察することをねらいとして始めた。ここでは,「答え」の出し方を機械的に覚え込むということでなく,分かること,分かり方が研究の対象になる。その研究の方法として,数と計算の学習に困難を抱える子どもたちに治療的な教育介入を行い,その学習の様子を観察することにした。したがって,ここでの学習活動は,学校のような場における教師の意図的な教育介入のある知的な活動であり,生活や遊びの中で行われる無意識的な学びのことではない。その結果として,本研究での観察は,教師の意図的な教育介入の,求められる有様を,結果として探ることになるものともなった。本研究の成果として,数と計算の学習につまずき,低達成のままであった,学習障害などの発達障害が疑われる子どもたちや知的障害がある子どもたちを含む,数学学習にスペシャル・ニーズのある子どもたちが,基礎的な数概念や計算技能を獲得する学習の過程を,生のデータで記録に残し,それをWEB上で検索可能なデータベースにすることができた(http://plaza4ts.edu.u-ryukyu.ac.jp)。このデータベースは,一冊の報告書に載せきれるものではないほどの大きなものとなった。そして,今なお,治療的な教育介入を継続し,データの蓄積を続けている。最終年度報告書には,データベースの概要と,そのデータベースに収められている学習記録に基づいて進めた研究成果の一部を掲載した。
著者
小林 宜子
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、イングランド国王ヘンリー八世の忠臣であった人文主義者ジョン・リーランド、および彼と親交のあった宗教改革期の複数の好古家の文学的活動に焦点を絞り、彼らが試みた国民文学の伝統の創出とカノン形成の企てを考察したものである。また、彼らの活動の根底にあった国民主義的な人文主義の思想がエリザベス朝の詩人たちを経てトマス・ウォートンの『英詩史』へと継承されていった過程を辿ることにより、宗教改革期から18世紀後半に至るまで連綿と受け継がれることになった英文学史観の批判的な再検証を試みた。
著者
佐々木 健 黒田 裕久
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

シクロデキストリンの非共有結合性相互作用を利用する大規模自己組織化体の人工的な構築法を開発し,この手法を光合成系光集光過程の人工的モデルであるポルフィリン多量体形成に応用した。ポルフィリンのアトロプ異性を利用することにより分子の立体的な空間配置の制御が可能であり,水溶性ポルフィリンと錯形成することでポルフィリン多量体構築の際に光機能分子の配置を自由に制御できることを示した。
著者
深見 友紀子 齊藤 忠彦 黒田 卓
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、平成11〜12年度科学研究費助成金「パソコン、ネットワークによる音楽活動支援システムの構築」、平成12年度文部科学省Web学習コンテンツ開発事業などの研究の延長線として、すべての教室がブロードバンドに接続された際のモデルとなるウェブサイト『音楽室』の運営と改良、検証実践の実施と、その発展的ポータルサイトの構築を目的としている.2年間で実施したことは以下の通りである。1.ウェブサイト「音楽室」『オンライン音楽室』の実験授業の実施(富山市蜷川小学校 東京都世田谷区上北沢小学校、等) 2.同「音楽室」の調査(活用状況の把握、掲示板の運営補佐) 3.同「音楽室」の教育効果の実証(より効率的な授業展開の実現、教材作成にかかる歓員の負担の軽減、音楽の基礎基本の効率的な習得、音楽への興味関心の向上、メディア活用能力の育成、等)、問題点や今後の課題の抽出(技術面の課題と内容面の課題)、4.同「音楽室」を補完する音楽科担当教員のためのポータルサイト『音楽教育ドットコム』の開設(サイトナビゲーション、音楽の授業に役立つウェブサイト一覧、掲示板、コラムコーナーの作成) 5.同サイトの管理・運営 6.音楽科担当教員に対して、コンピュータ・ネットワークリテラシーに関するアンケートの実施 7.韓国の音楽教育用コンテンツの視察研究成果は、以下に挙げた論文等に記載した他、第17回日本教育工学会全国大会(2001)、第18回日本教育工学会全国大会(2002)、日木音楽教育学会第32回全国大会(2001)等で口頭発表した。また「音楽×ネットワークで大活躍!」(仮題、2003)にて一般に公開する予定である。
著者
松嶋 隆弘 工藤 聡一 大久保 拓也 鬼頭 俊泰
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)及びデット・デット・スワップ(負債の劣後化)を中心とする不良債権処理スキーム、ないしは企業のリストラクチャリングのための法的手段につき、会社法、そして広く民事法的観点から考察を加え、その可能性と限界を明らかにしようとするものである。
著者
野口 昌夫
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

トスカーナのティレニア海沿岸とリグーリア海沿岸、さらに島嶼沿岸を含めた歴史的小都市とその後背地域が、各々の小都市のネットワークを介して有機的な関係を保持しながら形成されてきたことと、それがイタリア半島西側の海域の制海権とも関係しつつ、各都市の領域の形成にもつながっていたことを、現地調査と史料・文献の収集、精査を4年間にわたり続け、地形、経済、政治、宗教の要因を具体的に把握することで明らかにした。