著者
鳥居 聖
出版者
桜美林大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

目的文部科学省が実施する大学における教育内容等の改革状況調査の集計結果が大学数の単純集計となっている。学部毎にアンケート調査を実施する事により単純集計では分からない学部の実体を明らかにして、項目間の分析を行った。方法学部を設置する大学(通信制を除く748大学)に授業評価アンケートの回答を依頼した。成果国公私立大の438大学から有効な回答があった。①「学生による授業評価」(414大学)の実施は、大学設置基準でFDの実施が努力義務とされていた2007年度までに約81%の大学で開始され、学生による授業評価がこの期間までに確立したことが確認できた。②「実施授業科目について」(431大学)は、すべての学部のすべての授業科目で実施が約31%、特定の授業科目(少人数科目等)を除いて実施が約41%となり、約72%の大学ではほぼすべての授業科目で実施している事が明らかとなった。③「直近の評価項目の改訂年度」(300大学)は、認証評価第2サイクルになってからの改訂大学は70%大学となっており、多くの大学がこの期に改定していた。④「学生による授業評価の実施結果(概要を含む)の取扱い」(複数回答)について、(1)評価結果を教員・学生のみに開示が159大学、評価結果を担当教員のみに開示が112大学、個々の教員の評価結果及びそれを集計・分析したものを公表するが95大学となっていた。(2)実施結果を組織的に検討し授業内容等に反映する機会を設けているが240大学、学生に何らかの形でこれらの機会に参画させているのは108大学となっていた。(3)実施結果の公表方法については、印刷物として公表しているが129大学、Webで公表しているが193大学。反対に、印刷物やWebで公表していないが100大学となっていた。以上、この事から文部科学省が行っている状況調査では分からなかった実態がより明確となった。
著者
徳永 澄子
出版者
信州大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

<本研究目的と実施>近年、図書館や博物館、美術館において資料のデジタルアーカイブ化が進んでいる。資料の保存の他に広く閲覧性を高めることで、市民や学生、研究者の利用促進を図り、より高度で多様な文化の理解や創造のために図書館や博物館、美術館の利用を促進することが目的である。研究者や学生のみならず、特に市民に対して誰もがいつでもどこでも自由に学習して学ぶことのできる開かれたデジタルアーカイブは生涯学習社会を支える基盤となる。しかし、多様な学習ニーズ・学習レベルが混在する市民の生涯学習に対して、一次資料、二次資料のみ提供を行うデジタルアーカイブでは充分な情報を提供しているとは言い難く、生涯学習を実践する市民から十分に活用されているとは言えない。そこで、本研究では市民参加型のデジタルアーカイブの構築を通して市民の生涯学習をより支援するため、デジタル化された資料と市民を有機的に結合するデジタルアーカイブシステムの研究開発を目的とする。(1)デジタルアーカイブを単純に掲示するのではなく閲覧性を高めるシステムの開発(2)デジタルアーカイブの横断的な利用を可能とするインターフェース、および、専門家や図書館員等の専門職員が所蔵するデジタルアーカイブに対して、一般的なメタデータ以外の多様で様々な関連した情報を自由に掲示できるシステムの開発<研究成果>(1)地図表示アプリケーションを利用したサーバーインストール型高精細画像閲覧ビューワーを開発し安定運用が可能となった。画像回転機能を開発し立体・地図など図書館等の収蔵物画像の閲覧性が高まった。(高精細画像閲覧ビューワーアプリケーション)(2)図書館等の収蔵物画像の任意の箇所にコメントを記述できるツールを開発し実装した。Facebookアカウントをもつ市民や学生、研究者がコメント等の付帯情報を記述でき、意見交換する環境ができた。(付帯情報掲示ツール)
著者
関根 邦充
出版者
いわき明星大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

○研究の目的平成25年度高校卒業者のうち、震災の影響を明確な理由として当初の進路希望を変更し決定せざるを得なかった生徒の員数、及び環境放射線量が進路選択に与えた影響を調査し、平成23年度の数値と比較して当該生徒数が減少したかどうかを明らかにする。○研究方法福島県内の高等学校106校ヘアンケート調査を依頼した。協力を得られた59校(卒業対象者数9, 363名)のデータから分析・検証した。○研究成果調査の結果、震災を明確な理由として当初の進路希望を変更した生徒数は0名であった。平成23年度【21名(全体の0.26%)】に比べ、当該生徒が皆無になったことにより震災前の状況に戻っていると言える結果であった。また、環境放射線量の影響が進路選択に与えた影響については、高校教員が生徒の進路指導を行うに当たり感じた印象を調査した。調査結果は、「強く感じた」、「まあまあ感じた」等、影響があったと回答した高校は全体の3%(2/59校)、「あまり感じなかった」、「ほとんど感じなかった」等、影響がなかったと回答した高校は83%(49/59校)であり、環境放射線量が進路選択の際に影響を与えていないと感じる高校が大勢を占めた状況となった。一方、少数ではあるが、環境放射線量が影響を与えていると感じる高校、どちらともいえないと回答する高校も存在しており、まるで影響がないと言い切れる結果にはならなかった。また、進学先として選択した学校種別及び地域を調査し平成23年度と平成25年度を比較した結果、以下のことが分かった。・進学先として選択する学校種別は、ほぼ変わっていない。・進学先として選択する地域は、大学、専門学校に進学した生徒についてはほぼ変わらない。短期大学に進学した生徒は、東京都を選択する割合が増加している。・福島県内に残留する割合は、平成23年度に比べて大きく変わらない。
著者
池見 直俊
出版者
九州大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、日本の大学において必要性が高まっているリサーチ・アドミニストレーター(URA)にとって最適なロールモデル及びキャリアパスを構築するため、日本及び米国のURAやURA相当職へ質問調査を行った。日本では5機関10人のURAやURA相当職へ対面式のインタビュー調査を行った。全国の大学においてURAが雇用され始め、その数は比較的に増大したが、各大学におけるURAの認知度は執行部以外では未だに低いということであった。また、各大学のURA組織は教員組織や事務組織と物理的に離れた場所に配置されており、インフォーマルな場での知識共有を阻害する1つの要因と考えられる。加えて、URAを多数雇用している大学は、本部担当URAの他に部局担当のURAも配置しているが、URA組織設立当初から雇用されているURAと、組織が成熟した後に加入したURAとが価値観を共有することが難しいとのことであった。米国ではスタンフォード大学の研究者から紹介を受けたハワイ在住の外部資金獲得コンサルタントにメールによる質問調査を行った。日本の大半の大学ではURAの採用条件に博士号が入っているが、当人によれば、何かの研究に精通しているとういことはこの業種で必須ではなく、むしろどのような研究においても人にわかりやすくストーリー仕立てで伝えることができる能力や、複数の複雑な研究内容を申請書の中でうまく統合していくという能力が求められるということであった。以上の調査から、URAにとって最適なロールモデルおよびキャリアパスを構築するためには、組織配置の改善による知識共有とURAの認知度向上、URA間での価値観の共有、URAに必須のスキルについて更に掘り下げていく必要があり、これまでのインタビュー結果から抽出した要素を含めた大規模な質問票調査を行う必要があることが明らかとなった。
著者
津久井 稲緒
出版者
神奈川県政策局政策研究セン
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

地域社会が直面する様々な課題に対応するために、近年、自治体と企業とが「包括協定」を締結するケースが見受けられる。本研究の中・長期的な目的は、現代社会に求められている協働の一形態、「包括協定」が、地域経営のイノベーションとなり得るのかを明らかにすることにある。この目的を達成するために、平成26年度は、都道府県と企業・大学とで締結する包括協定の現況調査を行った。この成果をふまえて平成27年度は、包括協定に積極的な企業と自治体へ、その具体的な運用状況についてのヒアリング調査を実施した。包括連携協定締結後、継続的に具体的な事業へつなげている自治体は、自治体各部局の事業メニューをHP上に掲載する、自治体内部向けの庁内グループウェアで周知を行う、企業からの相談・申込手続きを簡便化しHP上で大々的に協力募集を行う等の活動が見受けられた。企業へのヒアリングでは、毎年事業を行っていくと、やがてアイデアが煮詰まるのではないかという不安の声を受けた。企業にとって、自治体の各部局がどのような事業を行っているのかは不明であり、包括連携協定締結後に、企業が手探りで事業を企画・提案している姿が浮かび上がった。包括連携協定は、自治体にとっては、複数分野に亘る事業の同時推進、企業との関係強化のためのアナウンス効果、新たな分野での連携の実現、地域振興等のメリットが見出される。企業にとっても、自社のCSR活動の活性化、地域密着企業というアナウンス効果、新たな地域貢献分野の開発、自治体との連携に伴う実務面での負荷の低減等のメリットがある。また、地域社会にとっては、実質的な事業からの恩恵を受ける他、地域社会の潜在的な期待の掘り起こしにつながる可能性がある。しかし、自治体・企業共に、まだお互いの力を活用し切れているとはいえない。包括連携協定による協働の効果を発揮させるためには、それを支えるための組織体制の構築が求められる。
著者
村山 光子
出版者
明星大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

【研究目的】平成28年4月「障害を理由とする差別の解消促進に関する法律」が施行され、高等教育機関においても障害を有する学生に対して「合理的配慮の提供」が求められている。しかし、現状は発達障害という特性から、その障害があることに気づかれず放置される学生たちも多く、不適応を起こしている。こうした学生へ合理的配慮に基づいて「何を」「どこまで」行うか検討し、支援体制を整備してくことは喫緊の課題であり、本研究では、これら学生へ早期にアプローチするためのアセスメントを開発し、学生支援体制構築に寄与することを目的としている。【研究方法】①アセスメント開発にあたって、国内を中心とした先行研究を行い、質問紙作成の素地となる項目の整理を行い、予備調査を行った。②全国の国私立大学生876名を分析対象とし、(男性526名、女性340名、不明10名、平均年齢19.3歳(SD=1.5)であった。)質問紙による調査を行った。本研究では、発達障害の特性から生じる大学生活上予見しうる困難に着目し、高橋(2012)の「統合版困り感尺度」を参考にし、さらに発達障害学生支援に携わる臨床心理士10名の臨床経験から大学生活においてつまずきを生じやすい領域として「時間管理」「体調管理」「ストレスコントロール」「学内マナー」「学内ルール」という5領域、計96項目設定した。【研究結果】因子分析の結果因子分析の結果、13因子構造が明らかになり、さらに2次因子のモデルの再検討を行ったところ「時間管理」「健康管理」「社会的枠組」という3因子を確認することができた。これらをもとに各因子の下位尺度得点を平均10、標準偏差3の標準得点に変換し、各領域の評価点としたレーダーチャートに落とし込み、可視化することができた。これにより、学生個人の不適応状態としての各領域の強み・弱みが一目で把握することが可能となり、学生固有の状態に基づいて必要な支援のあり方を示すひとつの指標とすることが可能となった。
著者
丸山 裕輔
出版者
五泉市立五泉小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

初任者教員(以下、初任者)の授業力向上を目指したOJTスタイルの校内研修モデルを考案した。授業力評価尺度を指標として、他者の授業参観と自己の研究授業とを連動させる仕組みで研修を展開した。初任者がアクティブ・ラーニング志向で力量を向上させるために、参観授業研修記録と授業リフレクション記録を研修ツールとして活用した。授業力評価尺度の結果から、本事例の初任者は、子どもの発言内容を理解・評価し、集約したり、意見の相違点・対立点を明確にしたりする授業技術が不足していることが分かった。参観授業研修記録の結果から、初任者は他者の授業参観において学習への動機付けや発問といった授業技術に着目することが分かった。能動的な研修を推進するしかけとして、研究授業後に授業リフレクションを実施した。授業リフレクションは、教頭がメンターとなり、自己リフレクション→対話リフレクション→リフレクションからの学び、の3段階で行った。初任者は授業リフレクションを通して、発問の吟味といった教師側の観点から、つまずきの把握といった子どもの内面過程に言及するようになっていった。初任者にとって困難とされる授業技術である子どもの発言の理解や相違点の明確化、意見の集約といった力量は、子どもをみとる力が基盤になる。そのために、初任者の気づきである子どものつまずきや思考過程を予測することが大切である。他者の授業参観で着目する傾向のある発問の応答を手がかりに、相互作用の力量を高めていく研修の修正点を指摘した。本研究では、校内での対面・ワークショップ研修だけではなく、授業技術に関する研修の取組や成果についてメーリングリスト等を活用してオンライン上での研修も実施した。大学の研究者や教科の専門家からも校内や家庭にいながら遠隔地から指導していただくことができた。時間的・物理的距離の問題を改善する教員研修システムの構築をさらに提案していく。
著者
飯島 輝久
出版者
和歌山県立伊都高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

本研究では物理の定性及び定量的理解両方の定着を目的としたデジタル教科書を作成し、それを用いた授業をネット上において公開し、その後、これらを用いた授業により従来型の一斉授業から、アクティブラーニングへ授業形態の転換を行い、その効果について検証を行った。研究の対象学年を3年生とし、4月から6月までの『電磁気学』の分野でデジタル教科書を作成した。デジタル教科書に含む内容としては以下の4点を掲載することとした。1. 物理における基本的な内容2. 教科書の行間に相当する補足説明3. 定性・定量的理解を助けるための問題とその解答4. 1・2・3の補足となるマルチメディアコンテンツ8月の夏季補習を用いて、デジタル教科書を用いた授業を撮影し、既に運用している自宅サーバに動画を公開した。9月からは、公開された授業動画およびデジタル教科書を用いて、生徒たちが自宅で予習をおこない、教室では、授業動画で得た知識の定着およびその活用に重点をおいた『反転学習型のアクティブラーニング』を行った。授業については、本校は学習院大学教授佐藤学氏の提案する『学びの共同体』に取り組んでいるため、グループでの活動が中心となった。動画を予習として見ているため、校内での授業では、その単元で問題となる現象についての議論や、問題練習といった理解の定着についての活動をおこなうことができ、反転型のアクティブラーニングは、生徒にとっては理解の助けになったと考えている。3月におこなった生徒アンケートでは、授業の動画が公開されていることで、予習だけでなく復習に取り組みやすかった等の意見があり、独自のデジタル教科書及び動画公開による学習効果は充分にみられた。
著者
和田 初枝
出版者
サレジオ工業高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

[研究目的]高専教育の特徴である専門教育に寄与するためには1年生からの専門書利用を促進する必要がある。そこで本研究では1年生の専門書利用の促進方法を提案するため、資料利用実態の分析から資料利用傾向の相違点を明らかにし、専門書利用促進のための知見を得ることを目的とする。[研究方法]1. 2010年4月から2015年3月までの5年間の本科学生(1年~5年)の貸出履歴データについて、1年生が多く利用する非専門書の利用に着目し、①非専門書を利用している学生の専門書の利用状況②非専門書を利用していない学生の専門書の利用状況の2点の視点で分析した。2. 非専門書をNDC分類9[文学]とし専門書はそれ以外の分類に属する資料とした。①では専門書を多く利用する学生を分類9の利用冊数を昇順に並べた時の3/4位以上に該当する学生と定義して抽出し、これらの学生の専門書利用状況の特徴を明らかにした。②では非専門書を利用していない学生を分類9の利用冊数を昇順に並べた時の1/4位以下に該当する学生と定義して抽出し、①と同様に特徴を明らかにした。[研究成果と今後の課題]1. 分析結果から①非専門書を利用している1年生の専門書利用はそれほど多くない②非専門書を利用していない1年生の専門書の利用も多くないことが明らかとなり、非専門書の利用が専門書利用に直結していないと結論づけられた。2. 2年生以上で専門書の利用が多くなっていることから、1年生の知識では上級生が利用するような専門書を読むことは難しいと考えられる。3. 高等専門学校では技術に興味を持って入学する学生が多いこと、全学科で目的の資料のみを利用する傾向が強いことから、入門書のような簡単な専門書や技能向上に役立つハウツー本などは容易に利用できる可能性が高いと推測された。そこで今後入門書やハウツー本の所蔵状況および利用状況の調査を行い、1年生の専門書利用促進方法の提案を行う。
著者
日名子 美千代
出版者
福岡工業大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

1. 研究目的本研究の目的は、教員によるプログラム開発に主眼が置かれがちなサービスラーニング(以下、SL)について大学の事務職員が果たすべき役割を明らかにすることである。2. 研究内容前項を達成するため、日米のSL先進機関でのインタビュー調査と文献調査を行った。インタビューを行ったのは、カリフォルニア州立大学イーストベイ校、サンノゼ州立大学、サンフランシスコ州立大学、立命館大学の4大学の学生、職員、教員である。考察の結果、事務職員は多忙な教員をサポートし、SLに係るPDCAサイクルすべてにおいて以下のような役割を果たすべきであることが明らかになった。計画段階では、SLの効果や進め方について教員に情報提供を行う。SL実施に前向きな教員の専門性とカリキュラムポリシーを熟知し、プログラム設計をサポートする。場合によっては、資金調達も含め踏み込んだ支援が必要である。実行段階では、ステークホルダーとの連絡調整はもとよりリスクマネジメント、進捗把握、広報等を行い、安全かつ確実なプログラム運営を総合的にサポートする。評価段階では、大学側の達成目標とコミュニティ側のニーズの双方を満たす学習成果(Learning outcome)の達成について主にコミュニティ側からの評価と振り返りをサポートする。改善段階では、実行状況を的確に評価した上で、次期へ向けた改善提案や学習成果検討、予算化も含む折衝等を行う。エビデンスに基づく改善が出来るよう経年的な改善状況把握や追跡調査及び分析も重要である。こうした役割を果たすためには、ステークホルダーとの信頼関係が不可欠である。信頼関係をベースにPDCAサイクルを回し、その成果をコミュニティに還元することにより、SLの学修効果を高めることができる。学外における学生の能動的学修が求められる今、教員と対等な専門職として事務職員の果たすべき役割は大きいと結論付けられる。
著者
秦 矩之
出版者
福岡教育大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

1 研究目的・方法本研究では、教育委員会・学校との組織的な連携が求められる教員養成大学における研究支援担当部門の現状と課題を明らかにするため、44教員養成大学の研究支援担当部門に対するアンケート調査及び研究支援担当職員7名に対するインタビュー調査を行った。2 研究成果アンケート調査(回答率 : 59.1%)の結果、(1)教育委員会等との連携に研究支援担当部門が関わっているケースは少ないこと、また、(2)教員養成単科大学における取組について、外部との窓口の設置や研究(者)情報の公開は行われているものの、ニーズの収集や研究シーズの発掘、両者のマッチングといった取組はあまり行われていないことがうかがえた。インタビュー調査では、(1)地域連携担当部門との関わりを業務上ほとんど意識することはなく、情報共有もあまりなされていない、(2)他部門との連携や情報共有、外部との窓口の一元化が必要、(3)URA・コーディネーター等専門職が配置されていないため、申請・報告等の事務手続きを行うに留まっている、という声が聞かれた。これらの結果から、教員養成大学における研究支援担当部門として、(1)企業のみならず教育委員会等との「共同研究」も視野に入れた連携の推進、(2)外部との連携窓口となっている部署との密接な情報共有や連携、(3)連携をコーディネートする人材の活用という3点が特に重要であることが示唆された。3 研究成果を踏まえた勤務先での取り組み本研究の成果を踏まえて、教育委員会OBの「研究支援コーディネーター」を活用し、県内の教育委員会・学校関係者にアンケートを実施し、ニーズの把握や共同研究テーマの発掘を行った。また、研究者の研究内容やその活用可能性を分かりやすく説明した「福岡教育大学研究シーズ集」を作成・配布するとともに、公式ホームページに掲載した。今後、教育委員会等との連携窓口担当部署と協力して、積極的に展開する予定である。
著者
岩尾 祐介
出版者
中村学園大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

文部科学省の予算重点事項に挙げられていることもあり、近年、学内ワークスタディを実施する大学が増えている。しかし、それがどこまで広がりを見せているのか、またどのような教育的効果があるのか、これまで明らかにした論文等がないことから科学研究費に申請し、研究を行った。まずは全国の私立大学にアンケート調査を行い、185大学から回答を受けた。その結果、ワークスタディを全学的に実施している大学は37.6%、一部実施は46. 3%であり、実施していない大学は16.1%であった。また、実施していない大学のうち、80.0%が今後の実施を予定・検討しており、ワークスタディが全国的に普及しつつある状況が明らかになった。また、ワークスタディ実施の意図としては「経済的支援75.8%」、「教職員の負担軽減63.2%」、「就業経験43.2%」、「学内リーダー育成37.9%」、「就職活動でのPRポイントに23.2%」と、単なる労働力や経済的支援として以上の期待が込められていることも明らかになった。ただし、ワークスタディの教育効果を実際に分析しているのはわずか2.6%であり、実施の意図を科学的に測定できていない大学が大半であった。今後はさらにワークスタディの実施大学・実施規模が拡大することが予想されるが、教育効果を期待するのであれば、各大学において分析を行い、エビデンスに基づいて実施する必要があると思われる。研究成果については、資料にまとめアンケート回答大学に送付した。本学では平成25年度よりワークスタディを全学的に開始しており、平成26年度の数値を分析したところ、週5~10時間勤務した学生は、前年度に比べ約8ポイント成績が上昇していた。また、学生アンケートでは「大学への愛着」が増したとの回答が多くみられ、週5時間以上勤務学生の退学率は0%となるなど、教育的効果に加え、退学率の減少効果も判明した。
著者
池見 直俊
出版者
九州大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2015

大学教員の研究力を高めるため、URAに必要な能力やURAの最適配置について、URAや米国のリサーチ・アドミニストレーター(RA)の事例を参考にしつつ調査研究を行った。URA調査では、リサーチ・アドミニストレーター協議会年次大会に出席し、参加大学のURAと意見交換を行った。また、東京大学、金沢大学、京都大学、関西大学、広島大学の5大学を訪問し、各大学のURA等と意見交換を行った。URAの能力における特記事項として、関西大学では広告業界やウェブデザイン業界等ノンアカデミック出身のURAが研究広報をサポートしていること、奈良先端科学技術大学院大学では同大学で博士号を取得後に外資系企業で海外事務所の設置等に従事したURAが大学の海外事務所開設に深く関与していたことが挙げられた。配置における特記事項として、東京大学は部局URAを重視していること、東京大学、金沢大学、関西大学、広島大学は事務職員と同じオフィス内にURAを配置し事務職員との交流を意識していることが挙げられた。アメリカのRA調査では、スタンフォード大学のRAと意見交換を行った。また、アメリカのRA向けの研修会”Basics of Research Administration meeting”に参加し、RAのキャリアパスやバックグラウンドについて参加者と意見交換を行った。RAは日本の大学における研究担当事務職員もしくは研究室秘書のような位置づけであり、日本のURAのような業務は外部コンサルタントやリサーチ・アソシエイト(いわゆるポスドク)が担っているとのことであった。日米での調査結果を踏まえた上で、研究代表者が日常業務でかかわっている九州大学の理学系教員及び数理学系教員125人へ支援を受けたい内容についての質問票調査を行ったところ、その結果から今後は支援内容についての因子分析を行っていく必要があることが明らかとなった。
著者
澤山 英太郎
出版者
有限会社まる阿水産
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

海産魚の種苗生産において初期餌料として用いられているシオミズツボワムシ(S型ワムシ)の個体数増減と遺伝的多様性についての関連を、マイクロサテライトDNAマーカーを用いたクローン解析により検討した。まず、クローン解析に必要なマイクロサテライトDNAマーカーの選定を行ったところ、4つのマイクロサテライトDNAマーカーを用いてクローン判別をすることで解析集団の全てのクローン型が特定でき、ミトコンドリアDNAのCOIハプロタイプとも一致することが分かった。次に、S型ワムシを1ヶ月間培養し、増殖良好時と培養不調時のワムシについて、ミトコンドリアDNA COI領域によるハプロタイプ解析とマイクロサテライトDNAマーカーによるクローン型解析を行った。ミトコンドリアDNA COI領域による株型判別の結果、全てのワムシはBrachionus plicatilis sp. “Cayman”と判別された。また、培養良好時には2~3種類のハプロタイプが混在していたが、培養不調時には1種類のハプロタイプのみが確認された。マイクロサテライトDNAによるクローン型解析を行ったところ、80個ものクローン型が識別された。また、培養良好時のワムシのクローン多様度は培養不調時と比べて高い傾向が見られた。以上の結果から、ワムシの培養が良好な時はワムシの遺伝的多様度が高いことが明らかとなり、ワムシの個体数増減に遺伝的要因が関与する可能性が示唆された。しかしながら、飼育環境が良好であることで隠蔽種も良好な増殖をし、その結果として遺伝的多様度が高まった可能性も否定できない。そのため、今後は本研究で見られた主要なクローン型を用い、単一クローンでの培養、ならびに複数クローンでの混合培養を行い、個体数の増減と遺伝的多様性の関係について実験的に解析していく必要がある。
著者
粕谷 大智
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2010

【目的】腰痛ガイドラインでは、治療者の対応(指導、共感、励まし)などが、治療成績や満足度を向上させるというエビデンスがある。しかし、腰痛患者の健康や疾病に対する考え方、理解度、性格などが治療の効果を左右する可能性があり、腰痛患者の信念体系を把握した上での対応が求められている。また、慢性腰痛患者が健康や疾病に対してどのような信念体系を持っているかということを知るには、その患者個人にあった介入を実施するためにも重要なことと考える。今回、慢性腰痛患者の健康統制感と身体所見との関係を調査し、心身健康科学からみた慢性腰痛患者の特徴と介入後の変化について検討した。【対象と方法】慢性腰痛と診断された49例を対象とした。評価法は、健康統制感尺度(JHLC)と患者立脚型慢性腰痛症患者機能評価尺度(JLEQ)と不安評価尺度(STAI)とVASと身体所見との関係を調査した。介入は、(1)セルフケア、(2)患者教育、(3)鍼灸治療(4)カレンダーを用いて、課題が出来たら印をつけてもらった。調査は介入前・介入後1・2・3ヶ月時のJHLCの推移と、それぞれの指標との関連について検討した。【結果および考察】初診時と3ヵ月後の各指標の変化は次のとおりであった.(1)腰痛を表すVASは初診時54.6±13.1が3ヶ月には34.5±15.3と有意に改善していた。(2)JLEQ(腰痛QOL尺度)は78.9±18.5が67.3±17.3と有意に改善していた。(3)STAI(特性不安)は36.3±7.5が31.9±8.3と有意に低下していた。(4)JHLCは5つの下位尺度(Internal、Professional、Family、Chance、Supernatural)の中で、は内在的統制(internal)の尺度のみが有意に増加した。(5)VASの初診時と介入3ヶ月時の変化量を基準変数とした重回帰分析の結果では、QOL、STAI、身体所見変化量の寄与率が強く、JHLCの項目では、Professionalの変化量に寄与率が強い傾向であった。以上の結果より、自分の健康をコントロールできるのは自分自身であるという内在的統制(internal)が高い患者、またはinternalを高めること。外在的の因子では医療従事者(Professional)の関わりが、より効率的な保健行動向上の可能性が示唆された。
著者
名倉 豊
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

現在、最も安全な輸血とされている自己血輸血の問題として凝集塊形成による返血不能や、返血時の発熱反応・血圧低下などの非溶血性副作用の発生が挙げられる。これらの主な原因として、自己血中に含まれる白血球の関与が考えられる。同種血輸血製剤による非溶血性副作用の防止策として、赤十字血液センターでは全ての同種血製剤に対して、保存前白血球除去を導入している。本研究では、自己血の保存前白血球除去(以下、白除)の有用性について検討を行った。その結果、白除処理により白血球および血小板は効率よく除去されていた。一方、赤血球は白除処理の影響を受けず、高い回収率であった。白除した自己血では凝集塊形成を認めず、返血時に問題も認めなかった。自己血中のサイトカイン・ケモカイン濃度を測定したところ、白除処理により、不変のものから顕著な減少を示すものまで様々であった。さらに、これらのサイトカイン・ケモカインが血小板凝集塊形成に及ぼす影響を検討するため、白血球の存在下及び非存在下において血小板に添加し、凝集塊形成を評価した。その結果、白血球非存在下で血小板凝集は認めないものの、白血球の存在下でサイトカイン・ケモカインを添付すると血小板凝集が認められた。また、血小板と白血球の接着について検討を加えた結果、サイトカイン・ケモカイン処理により、接着率が増加した。このことから、サイトカイン・ケモカイン刺激による血小板凝集には、白血球の存在必要不可欠であることが確認された。したがって、自己血の保存前白除により、白血球および血小板が効率よく除去され、これらが産生するサイトカイン・ケモカイン濃度の上昇を防止することが可能であり、その結果として凝集塊形成の抑制及び非溶血性副作用の防止が可能と考えられた。自己血の安全性向上に、保存前白除の導入は重要と考えられる。
著者
西村 充司
出版者
海南市立大野小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

日本の伝統,また和歌山の文化に関わる"和"体験カリキュラムとして,主として次の4つの教材を中心に取り組んだ。一つめは,国文科から百人一首に関わるカリキュラムで,百人一首のカルタを4セット準備し,競技カルタの漫画を導入に,小学校3・4・5・6年生で2~3時間ずつカルタ取りを行うことで,興味・関心を高められるよう試みた。発達段階に則し,3・4年生は厳選10首程度から,高学年でも15首以下から始めることで,抵抗感なく親しめた。二つめは,伝統音楽からは和太鼓に関わるカリキュラムで,まずは県内のプロ太鼓演奏者を招聘して全校児童向けにコンサートを開催した。通常の和太鼓に加え,締太鼓・担ぎ太鼓も演奏していただいたことで,未知の日本文化を体感できた。特に印象的な感想が,演奏者の腕や上半身の筋肉に関する内容で,演奏者の真剣さや日頃の鍛錬にまで気づくことができた。その後は高学年児童が締太鼓・和太鼓を実際に演奏にした。鑑賞があったからこそ簡単に見えて難しい和太鼓の世界を体験できた。次年度は三味線にも親しみたい。三つめは,茶道体験活動で,2年生児童が,おひな祭り茶会として抹茶の入れ方や出し方,いただき方,また畳の上の歩き方など,特に作法やマナーに留意できるよう指導していただいた。常に相手のことを優先して振る舞う「おもてなしの心」の大切さと,それが日本の伝統的な文化様式の根底に流れていることを身をもって学ぶことができた。四つめは1年生児童を対象とした和菓子作り体験で,味わいのみならず色合いや見た目の優しさ,温かさ,季節感などにもこだわる繊細な心と技のすばらしさを体験できた。そして,百人一首以外は,希望する保護者も巻き込んで展開できた。日本の伝統文化の奥深さ・繊細さ・温かさ等,子どもと共に体感できた喜びをたくさん聴くことができた。
著者
北村 拓也
出版者
滋賀大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

本研究の成果として「読解マップ」をいう新しいシンキングツールを開発し,それを授業に取り入れた。具体的には,文学的文章「走れメロス」の中で,「メロスは勇者か」に結びつく情報を読み取り,自分の解釈をまとめる場面で,また説明的文章「壁に残された伝言」で,「被爆の伝言は遺産である」と主張する筆者の根拠を読み取る場面で使用した。「読解マップ」とは,イメージマップをベースにしたシンキングツールで,文と文とのつながりと自分の意見をマッピングさせ,可視化できるように開発したものである。「読解マップ」について,生徒のアンケートによると「使いやすかった」「まとめやすかった」「見やすく整理できた」「つながりが意識できた」「後の自分の意見が書きやすかった」と97%の生徒がよい評価をしていた。また,授業を進める中で,読む目的や課題のステップがツールにも記入されているため,意識して読み進めることができ,課題に取り組むことができていたように感じる。何より「書く」という活動が増えるため,記憶に残る情報も多いのも良い点である。さらに,国語が苦手な生徒も,書ける情報は少ないものの,学習に参加をすることができており,この点もシンキングツールを国語の授業に取り入れる大きな利点であると感じた。「的確に読む」という点においても大きな成果が見られた。書きだすことにより気が付ける言葉があったり,可視化することにより読み落としに気が付いたりすることができ,広い情報の中から解釈をすることができていた。「走れメロス」の学習の中でも最初の解釈と最後の解釈で変容が見られたのも,より多くの情報の中から自分なりの解釈ができたからだと感じる。本研究を通じて,抽象的な思考が多い国語の中で,シンキングツールを使い,具体的に思考し,的確に読むことの重要性を改めて感じた。
著者
織原 義明
出版者
おりはらよしあき事務所
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

研究の目的)平成20年度科学研究費補助金(奨励研究)による地震予知意識調査で、山形県内の8割以上の中高生が地震前の動物異常行動を少なからず信じていることなどが明らかとなった。本研究では、地震前の動物異常行動などの宏観異常現象を人はなぜ信じるのか、その理由を探る。また、東日本大震災前の宏観異常現象について、三陸海岸における現地調査で証言を得る。さらに、教員を目指す大学生を対象に宏観異常現象や疑似科学に対する意識を調査し、その傾向を明らかにする。研究方法)インターネット上で宏観異常現象(動物異常行動・地震雲・電気製品の異常)に関して、なぜそれを信じるのかを尋ねるアンケート調査を実施した。三陸海岸では、東日本大震災前の宏観異常現象に関する聞き取り調査を実施した。また、教員を目指す大学生を対象に、宏観異常現象や疑似科学に対する意識についてアンケート調査を実施した。研究成果)インターネットによる調査では、動物異常行動・地震雲・電気製品の異常、いずれにおいても「必ずある」と答えた回答者は「あるかもしれない」の回答者より、自らの体験でそれを信じる傾向にあることなどがわかった。また、この3つのなかでは、動物異常行動を信じる割合が最も高く、次いで地震雲、電気製品の異常となった。この傾向は山形県の中高生調査の結果と同じであった。三陸海岸での聞き取り調査では、大船渡市におけるカラスの異常行動の証言や、昭和三陸大津波で異常があったと報告されている井戸で、東日本大震災の前に水位が下がっていた可能性などが明らかとなった。教員を目指す大学生へのアンケート調査では、心霊現象・超能力・血液型占いのいずれについても、肯定的に捉える学生より否定的に捉える学生が多かった。しかし、地震前の動物異常行動を少なからず信じる割合は8割以上であった。
著者
山田 毅
出版者
筑波大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

1.研究目的本研究の目的は、視覚障害教育に携わっていない教員や保護者が視機能評価を行い、適切な教材を開発して、視覚障害が学習を進めにくい要因にならないようにすることにある。2.研究方法(1)視機能評価検査器具を用い通常学習している教室で、児童の視機能及び教室環境に関するアセスメントを実施した。また、担任教師からも教材の見え方や視覚活用に関する配慮などについて意見を聞いた。(2)測定した結果に基づいて、教材の適切な大きさを割り出し教科書や地図帳などをインストールした。視覚に障害のない児童と同じように、教科書や地図帳などが活用できるような仕組みを構築した。(3)筑波大学心理・発達教育相談室東京グループと連携し、心理検査の内容などを支援に役立てた。3.研究成果(1)視機能評価は、視力表とマルチタッチスクリーンを用いた方法で実施して結果を比較した。マルチタッチスクリーンを用いるとカードを持ち変える必要がないことや、任意の位置からでも視力を測定できるため簡便に評価することができた。今後、通常学級担任等が活用できる可能性が広がった。(但し、この場合の視力は、医学的な視力とは区別し、教育上の参考視力として扱う。)(2)視力の測定結果から、教材を作成しマルチタッチスクリーンにインストールし活用した。視力は、照度の低い環境では低い値になるが、マルチタッチスクリーンは、画面輝度が一定であるため教室照度の違いに左右されない安定した表示ができた。拡大読書器を使用する場合よりも検索時間を短縮でき、一斉指導についていけるようになった。また、難しい漢字や細かい地図などが出現したときの心理的要因による視力低下が起きた場合も、画面を任意に拡大することができるため意欲の低下を抑制することができた。(3)筑波大学心理・発達教育相談室東京地区グループと連携をとり、心理検査の結果やパソコンなどの機器を活用する可能性について示唆をいただき支援を続けている。