著者
亀田 弘之 税田 竜一 久保村 千明 伊藤 憲治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.486, pp.61-65, 2007-01-19
被引用文献数
4

今日の認知リハビリテーションではテレビゲームも利用されているが、これらのゲームは、必ずしも認知リハビリテーション用ではなく、また、人間の脳機能モデルに基づくものでもない。本稿では、精神医学の知見(モデル)に基づく本格的な認知リハビリテーション用ゲーム作成プロジェクトとその方法論をについて述べる。具体的には、認知リハビリテーションの現状、本来あるべき認知リハビリテーション用ゲームの考察・検討等、さらには認知リハビリテーション用ゲームの作成例について報告する。
著者
広瀬 幹規 渡部 広一 河岡 司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.710, pp.109-116, 2002-03-07
被引用文献数
11

コンピュータに人間のような知的な判断を行わせるためには,概念ベースおよび概念間の関連性評価の質の向上が必要不可欠である.本論文では概念ベースの属性の重みを,概念間ルールを用いた属性の信頼性判断と属性としての出現頻度を利用して決定する手法を提案している.また,重みの再付与により概念ベース内の不適切な属性の削除も行う.最後に,概念間の関連の深さを定量化する関連度を用いた実験の結果によって,提案方式で構築した概念ベースの有効性を示した.
著者
坂本 杏子 佐藤 智照 小竹 直子 〓 瑩 チュウ ロザリン 金 英周 小野 創 酒井 弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.184, pp.23-28, 2008-08-01
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では,成人日本語母語話者が新奇動詞を学習する際に,助詞を手がかりにした意味推論を行うかどうかを検討する実験を行った.その結果,日本語母語話者は助詞の違いに応じて使役事象から異なる局面を切り出して動詞と対応づけることが明らかにされた.さらに動詞の意味推論には,名詞句とガ格助詞を手がかりとした項構造の決定と,項構造に基づく事象の切り出しという二つの段階が関与していることが示唆された.
著者
呉 凌非
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.480, pp.31-38, 2000-11-27
参考文献数
16

本発表では、実験を通して、人間が言葉を理解する際に、与えられた文を完全に理解するのではなく、関心度などのさまざまな要素に左右され、一定のパーセンテージ、つまり確率的に理解しているのではないかと考える。よって, 自然言語処理の分野において、言葉を捉える際に決定論的のみならず, 時には量子論のような非決定論的な考え方も重要ではないかと主張したい.
著者
得丸 公明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.244, pp.31-36, 2010-10-16
参考文献数
12
被引用文献数
4

論理と感情は,原初的には生命の生存本能の不可分一体な発現であり,感情は感覚と遺伝子記憶とのパターン認識,論理は感覚と記憶の演算結果にもとづいて行動を引き起こす引き金として発展したと考えられる.高等生物は,後天的記憶を獲得・蓄積できるようになり,変転する世界に対応したより柔軟な記憶体系を構築するようになった.ヒトは,言語というデジタル符号メカニズムを獲得したために,感覚も記憶も決断もすべて言語の表現型で代用できるようになった.自然言語も人工言語もデジタルであり,表現型である.その背後にある遺伝子型の論理や感情を評価するためには,表現型を生みだす回路をモデル化することが必要である.筆者は言語を生みだす回路のモデルとして,3つの神経系(生理)モデルを提案する.神経系モデルは,論理が生命の生存本能の発現であることを前提としており,論理と感情が未分化で知能を持たない「反射モデル」,論理と感情が分化して知能の記憶をもつ「適応モデル」,言語による符号化処理が行われるヒトの「言語情報処理モデル」という3つの進化の段階に対応するため,言語に固有の問題を特定しやすい.
著者
近藤 公久 天野 成昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.335, pp.1-8, 2000-10-05
参考文献数
20

日本語の単語および文字の様々な特性値を集めたデータベース「日本語の語彙特性」を構築した。「日本語の語彙特性」の1-6巻[1, 2, 3, 4, 5, 6, ]には、新明解国語辞典[7]の見出し語約8万語に対する、単語親密度、単語表記の妥当性などと、JIS X 0208-1990[8]に規定される6, 847文字に対する、文字親密度、複雑度などが収録されている。また、「日本語の語彙特性」の7巻[9]には、1985年から1998年までの14年間に発行された朝日新聞中の単語および文字の出現頻度が収録されている。本稿では、本データベースに収録されている特性値の概略と特性間の関係を示すとともに、本データベースの有効性と問題点について述べる。
著者
和泉 絵美 内元 清貴 井佐原 均
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.363, pp.1-6, 2006-11-11
参考文献数
13
被引用文献数
2

非母語話者が話す言語には母語話者が話す言語には見られない誤りがしばしば含まれている.しかし,誤りには,その発話の理解に支障をきたす深刻なものとそうでないものがある.言語の正確さを追求することはもちろん重要だが,コミュニケーション優先の言語学習を行う場合,まずは絶対に誤ってはいけない項目と,必ずしも正確さが要求されない項目は何かを知っておくことは有益であると考える.本研究では,日本語を母語とする英語学習者による英語発話データを元に,それに付与されたエラータグ情報および英語母語話者によって付与された発話の「分かりやすさ」のレベル情報を用いて,それぞれの種類の誤りが聞き手の理解度に及ぼす影響について考察する.
著者
和泉 絵美 内元 清貴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.297, pp.27-32, 2008-11-08
参考文献数
10

本研究では、日本人英語発話データ(The NICT Japanese Learner English Corpus)に含まれる誤りを主な手がかりとして、日本人英語における実践的コミュニケーション能力(=通じやすい発話をできる能力)を記述することを目的とする.著者の先行研究においては、特に語彙、語用、談話の誤りが発話の通じやすさを最も大きく減じる原因となることが示唆された。そのうち語彙誤りに関して詳細な分析を行ったこところ、誤り語と訂正語の意味的関連性が高いほど発話は通じやすくなることを示す結果を得た。また、英語運用能力レベルの高い学習者ほど密度の高い語彙空間を持っているため、たとえそれが誤りであっても正解語と高い意味的関連性を持つ誤り語を使用していることが分かった。これらはすべて単語間のparadigmaticな関係を対象としているが、適切な言語運用にはsyntagmatic,analyticな関係についても知る必要がある。本研究では、学習者の語彙運用においてこれら3つのような深い言語知識がどのように作用しているのか分析する。具体的には、どのような語彙知識が不足、または正しく運用(認知)されなかったために誤りが生じたのか、一つ一つの誤りの原因を推測し、その結果と発話の通じやすさのレベルおよび発話者の英語運用能力レベルとの相関を調査する。
著者
大塚 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.320, pp.81-84, 2011-11-19
参考文献数
9

場の考え方は古くから東洋にあるものである。場的思考の特徴は主客非分離、自他非分離にある。近代は、主観と客観とを異なる存在として把握し、また、自己と他者とは全く異なる存在であるとする。自由な主観が必然性のある客観を個物とその因果関係として理解し、他者は自己にとって客体となる。しかし、場の量子論や脳科学は、主観と客観とは明確に分離できるものではなく、また、自己と他者は深く結びついていることを明らかにしている。この主観と客観とが相互作用する場、自己と他者が相互作用する場がまず存在し、そこから主観と客観、自己と他者が生まれてくると考えるのが場的思考であり、これを基盤とする哲学が場の哲学である。人間と似たコンピュータを創るには場的思考に立脚する必要がある。
著者
古川 康一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.710, pp.33-40, 2002-03-07
参考文献数
12

人間は訓練によって,楽器演奏,スポーツなどの身体動作に関わる技や,囲碁,将棋などの頭脳ゲーム,高度な専門知識,あるいは,もっと一般的に単に言葉を話すなどの技能を身につけることができる.しかし,それらの技能については,その仕組みを言葉で表すことができない.そのため,これらの技能に関わる知を暗黙知と呼んでいる.暗黙知は,元々,言語化が困難であるので,その言語化を目指すのは無謀と思われるかも知れないが,我々は,暗黙知の言語化が高度な機械学習の1つである帰納論理プログラミングによって可能であると考え,幾つかの問題を取り上げて,実証を試みた.その一つは,「電子メールの分類ルールの自動抽出」であるが,これは元々エキスパートシステムの領域において知識獲得の問題として取り上げられていたものである.従来,そのような知識獲得は専門家に対するインタビューを通して獲得されていたが,それを最新の機械学習の考え方で実現するものである.また,身体的な技能の例として,チェロの演奏での技巧の解明を取り上げた.そこでは,筋電図,呼吸センサ,およびモーションキャプチャリングシステムにより技巧的動作を測定し,その技術の秘密の解明に迫った.また,思考に関連する例として,幼児の言語獲得のモデル化の実現を図った.これらの実験を通して,帰納論理プログラミングによる暗黙知の言語化の可能性を明らかにした.
著者
田畑 光義 大井 恭子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.437, pp.1-6, 2005-11-25
参考文献数
16

本研究は中学生を対象に英語でパラグラフを書くことを目的にしたweb掲示板の実践研究である。参加者が書いた作品をネット上に公開することで, 「書くこと」の必然性が確かめられ, 互いの考えを読み合うことを通し, 学ぶ場が作られる。しかしながら中学段階では英語の習得は初歩段階である。そこで上級者(英語教育専攻学部生)による『web上』でのフィードバックを加えることによって, 学習者個々への支援ばかりか, web掲示板上での参加者に学びを共有することができ, さらに書き直しにもつながった。これらの実践を通して参加者の書いた作品ならび授業後の振り返りに変容が見られた。
著者
永井 秀利 中村 貞吾 野村 浩郷
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.688, pp.25-32, 2003-02-28
参考文献数
16
被引用文献数
2

我々は,マイクで拾えない程度の微発声または無発声で発声された発話の内容を認識し,これを計算機への自然言語入力として用いることを研究している。人が発声を行う場合,実際には声に出さなかったとしても,声を出した場合に類似した筋肉の活動が生じると思われる。そこで我々は,それを表面筋電位から捉えることにより,発話内容を認識することを目指している。本稿では,日本語の5母音の認識に活用するために,表面筋電測定位置として口裂周辺の4個所を選定した。その表面筋電波形を計測して分析を行った結果,この4個所でも母音認識の手がかりがかなり得られることや,声の強弱などの発声時の特徴も波形に反映されていることが確認できた。
著者
服部 峻 亀田 弘之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.63, pp.7-12, 2010-05-21
参考文献数
18
被引用文献数
2

日々増大して行くWebという情報源から様々な知識を抽出するWebマイニングの研究が盛んに行われているが,Webテキストを形態素解析や意味解析など自然言語処理する際システムが用いる辞書に品詞や読み,意味などが未登録である「未知語」の存在が問題になる.本稿では,Webテキストに存在する多種なメディア,多様な話題,及び,投稿日時の3軸に依って,どのように未知語が分布しているか頻度調査を行った結果,Webテキストを自然言語処理するシステムにおいて,どんな分野で特に未知語処理が有用(必要)かなどの知見が得られたので報告する.
著者
シーハクランクライ ナッタポーン シーハクランクライ ナッタポン 月江 伸弘 村上 博 西部 俊孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.313, pp.7-12, 2010-11-20

日本人向けタイ語学習支援システムとしてFlashを活用したe-Learningシステムについて報告する.本システムは,タイ語学習において特に難しい母音の発音や子音の扱いを発音機能や手書きによる書取り練習機能などの学習コンテンツをFlashで実装し,学習を視覚的に楽しめるようにしている.また,オンラインによる教師と学習者との双方向通信学習環境(黒板機能,ボイスチャット機能)を実装している.また,学習効果を把握するための成績履歴閲覧機能がある.本稿では,開発中のシステムの概要とその評価について報告する.
著者
横山 悟 マナロ エマニュエル 田中 エリス伸枝 高橋 慶 橋爪 寛 ジョン ヒョンジョン 川島 隆太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.145, pp.13-17, 2012-07-14

外国語の習熟度の一側面として、処理時間の速度という側面がある。本研究では、日本人英語学習者による英文理解の速度を計測し、その速度と英語の習熟度との関係性を探る。その目的のため、習熟度のバラつきがある日本人英語学習者群に対し、英語習熟度テストと英文のself-paced reading taskを課し、両者の関係性を探索的に探った。本論文では、その実験結果を報告する。
著者
鈴木 由衣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.354, pp.13-18, 2013-12-07

教育におけるパラダイム・シフトが起こり,日本語教育においても「学習者オートノミー」に関する研究がなされるようになってきた.しかし,まだ十分な研究がなされているとは言い難い.そこで,本研究ではオートノミー支援の在り方を問い直すことを目的として,日本語学習者を対象に言語学習史インタビュー調査を実施した.調査では学習プロセスの動機づけの変容に注目した.学習過程を可視化するためモチベーション変容のグラフを作成し,協力者の語りをSCArの手法を参考に分析を行った.これらの流れで行った,オートノミー支援のモデル化の試みについて報告する.
著者
西島 恵介 神山 文子 藤田 米春
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語
巻号頁・発行日
vol.98, no.441, pp.49-54, 1998-12-04

本報告では, 推理小説の記述の感情を含めた論理的関係を表すネットワークを作成し, 論理的構造や常識について考察する。推理小説に現れる情報を, 共通語彙, 設定・定義, 明示的常識, 非明示的常識の4つに分類した。また, 常識の抽出について検討を行なった。さらに, これらの情報を時間的順序関係, 因果関係, 含意関係を用いてネットワーク化し, 論理マップを作成した。
著者
平岩 裕康 竹内 義則 松本 哲也 工藤 博章 劉 詠梅 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.710, pp.195-202, 2002-03-07
参考文献数
14

本報告では,ノートPCとCCDカメラを利用して,視覚障害者が周囲環境を理解するのを支援するシステムを提案する.視覚障害者が周囲環境を理解する上で必要な情報として,本研究では文字情報を扱うこととした.本手法は,ノートPCに取り付けたカメラから静止画像を撮影し,文字および文字列の有する一般的特徴を利用することにより,文字領域を画像内から抽出する.次に,抽出した画像をOCRに入力することによって音声化し,視覚障害者に画像内にある文字情報を伝える.実環境で撮影した400枚の画像に対して実験を行ったところ,全文字列の67.9%が完全に抽出された.また,25.7%の文字列は一部欠けていたが,文字認識されたときに,人間の知識で補うことができる程度の欠落であった.さらに,地下鉄の駅構内においてフィールド実験を行い,有効な情報が提供できることを確認した.
著者
徳久 雅人 中野 育恵 山下 智之 岡田 直之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.484, pp.21-28, 2001-11-29
被引用文献数
8

本稿では, 勧誘の対話について, 対話者の情緒を推定するためのルールベースを構築する手法について議論する.まず, 情緒を推定する過程を対話コーパス上に記述する.そのコーパスのタグは, 対話相手(被勧誘者)の心的状態, および, コーパス作成者のタグ付与の理由を表す.情緒推定ルールの作成者は, その付与理由を参照し, 心的状態を導くif-thenルールを作成する.こうして, 6対話を分析した結果, 118個の推定規則を作成することができた.次に, ルールベースの妥当性を評価する.すなわち, ルールベース作成に用いたコーパスの再現率, および, 他者が作成した同じ6対話のコーパスの再現率を調べた.その結果, 70%以上の再現率を得た.最後に, 対話システムの対話プランニングに情緒推定を応用した.幾つかの目標対話を生成することができた.以上により, 相手の情緒を推定するためのルールベースが構築できた.
著者
金 景柱 岩橋 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.336, pp.9-16, 2000-10-06
被引用文献数
14

本報告では, 音声と画像情報を統合的に処理することにより, 単語と単語を構成する音声セグメントを獲得するための原理およびアルゴリズムについて述べる.音声セグメントと単語の階層構造を, 音声に対応づけれた画像情報を用いていかに獲得するかが問題であり, これを解決するための相互情報量規準に基づいた情報理論的学習原理が示される.これにより, 音声セグメント, それによって構成される単語, および各単語に対応付けられる画像概念が同時に求められる.アルゴリズムでは, 音声セグメントと単語と動的画像概念が隠れマルコフモデル, 静的画像概念が多次元正規分布で表現され, これらの確率モデルの数とパラメータ値が自動決定される.単語を孤立発声した音声とぬいぐるみの画像を用いた実験を行ない, 言語音声単位と画像概念が適切に獲得できることを示す.