著者
中村 美奈子 芝野 耕司 佐多 達枝 門 行人
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、日本を代表する創作バレエ作家(振付家)の一人である佐多達枝の作品と関連資料(舞踊譜等)について、再演を目的としたドキュメンテーションおよびアーカイブ化を行い、そのアーカイブ化の過程を論文として、イリノイ大学(米国)のサイト上に公開されている電子ジャーナル「身体運動の人類学的研究」(JASHM)に投稿し、日本の創作バレエ史における佐多氏の功績を海外に発表した。
著者
戸次 大介
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究の目的は、メタラムダ計算とモナドを用いて、意味・談話情報を統一的に記述することである。具体的な研究項目は、1) メタラムダ計算とモナドの基礎理論、2) モナドによる意味・談話情報の記述と経験的検証、の二つからなる。1) については、メタラムダ計算の型付き言語としての形式的性質(圏論的意味論、代入操作の健全性、αβη変換の健全性、等)を示し、2)については、メタラムダ計算においては「非決定性モナド」「大域変数モナド」「継続モナド」「慣習の含意のモナド」の四つのモナドを用いることによって、意味・談話の境界に位置する複数の言語現象を統一的に表現できることを示した。
著者
石田 尚子
出版者
お茶の水女子大学
巻号頁・発行日
2017

http://hdl.handle.net/10083/61311
著者
土野 瑞穂
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

三年目である平成29年度は、前年度に続いてフェミニスト国際関係論に関する文献を用いた理論研究と、紛争下における女性への性暴力の問題として日本が問われている問題である「慰安婦」問題に関するフィールドワークを韓国と台湾で実施した。理論研究に関しては、安全保障政策の意思決定や平和構築に女性の参加を促すことを目的とした「女性・平和・安全保障」に関する国連安全保障理事会決議1325号に着目し、とりわけ紛争下の戦時性暴力に関する文献収集を行った。そして「ジェンダー視点を取り入れた安全保障のグローバル・ガバナンス」である同決議にもとづく日本版国別行動計画(National Action Plan。2015年9月に外務省が発表)の策定過程において、紛争下における女性への性暴力として「慰安婦」がどのように論じられ、結果として行動計画から抜け落ちたかについて、外務省と市民社会との会合の議事録を主な分析資料として用いながら考察したものを論文として発表した。フィールドワークでは韓国と台湾において「慰安婦」問題と上述の国連安全保障理事会決議1325号に関する文献調査を行った。本年度中に調査結果の考察が終わらなかったため、次年度の課題にしたい。
著者
小野 永貴
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

新学習指導要領では学校図書館を利用した学習内容の記述が増加したが、学校図書館単独では高度な教育内容へ全て対応することは困難な場合も多い。そのため、図書館連携による資料やサービスの補完が注目されるが、学校図書館と公共図書館の連携に関する事例調査は多数あるものの、学校図書館と大学図書館の連携に関する研究は少ない。そこで本研究は、図書館における高大連携の実態を明らかにすることを目的とし、調査を通して連携形態の類型化を行った。本研究期間では、対象を国立大学附属学校の一部に絞り、公開されている学校要覧やオンライン資料の調査、実地訪問および聞き取りを実施した。その結果、主に以下のような連携形態が確認された。(1)附属高校生に対する大学図書館利用権の発行による、附属高校生の自主的な大学図書館活用(2)附属高校教員が教材資料を大学図書館で収集したり、授業のための団体貸出・学内配送等の授業支援(3)附属高等学校を有しない大学等における、近隣の高校生への学習環境の開放や、修学旅行等の見学としての高校生の受け入れ(4)附属学校の学校図書館担当職員が、大学図書館職員の人事異動の一環で配置される人的体制(5)大学図書館職員・教員や学生スタッフによる、高校生への図書館活用指導や学校図書館運営支援の直接的な実施一方で、大学図書館の物理的受け入れ能力の限界や、利用指導の不十分、図書館システムの非連携等の制約により、連携体制が有効活用されていない場合も多いことが明らかとなった。また、多くの連携は学校図書館が大学図書館から支援を受ける形態であり、大学図書館が学校図書館からメリットを得られる事例は少なく、連携の非対称性も明らかとなった。将来的な持続的連携のために、相互に利点のある連携形態を構築することが、今後の課題となる。
著者
宮本 乙女 宗我部 義則 坂下 英喜 福田 正恒 佐々木 善子 木村 真冬 上沼 治美
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.30, pp.163-173, 2000

本稿は,2000年度の研究推進委員会の活動内容を振り返り,特に,記録として残しておくべき提案内容についてまとめたものである。活動の成果と課題について簡単に述べ,特に,2001年度の教育課程についての提案を中心とした。これまで開発研究で積み上げてきた研究内容を共有しようという目的に添って,実践研究に取り組んできたが,特に,公開研究協議会の柱として掲げた「履修方法…OWNプラン」と「ネットワーク環境活用」に関しては,多くの教員が関わり,研究が前進した。また,2002年度を見通して2001年度の新しいS45分コマを基本とした時程の提案ができた。総合学習について,本校独自のプランをつくり,カリキュラム全体の中で構造化することは,完成していない部分もあるが,2001年度に実践すべき具体的な総合のカリキュラムの大枠を提案することはできた。
著者
亀井 理 水野 光子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
人間文化研究年報 (ISSN:09115250)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.1-7, 1994
著者
味岡 京子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
人間文化論叢 (ISSN:13448013)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-11, 2006

The World's Columbian Exposition was held in Chicago, USA, in 1893. There was a pavilion in the exposition known as the Woman's Building, which was completely organized and managed by women. This writing discloses the background to how Japan became part of the Woman's Building and what the exhibition was like, and considers Japan's purpose at that time and how it interacted with Western trends. The Japanese government spent a large amount of money for taking part in The World's Columbian Exposition with the prime purpose of promoting trade and introducing Japanese art to the world. Since it was the preceding year to the Sino-Japanese War, it seems that they also had the intention to appeal for Japan's superiority as the only modernized country in Asia and justify its colonial orientation. Women's art-a subject to which scant attention had been paid in Japan-was redefined in the process of modernization by providing new meanings through exhibits at the Woman's Building. This article aims to emphasize the role of women in modernization through the relationship between art and women, by revealing the status of women artists and what was expected of them.
著者
山本 茂 中森 正代 酒井 徹 武田 憲明 吉池 信男 酒井 徹 武田 憲昭 吉池 信男
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、亜鉛の栄養状態が子どもの成長や、予防接種(麻疹)による免疫の獲得を含めた感染症の罹患に与える影響について検討することを目的とした。ベトナム北西部Bac Giang省YenThe地区を代表する4村において、6ヶ月齢~2歳の乳幼児とその母親を対象とし、乳幼児の亜鉛の栄養状態、母乳および離乳食からの亜鉛摂取状況、成長発達、予防接種後の麻疹抗体価および感染症の発症について調査を実施し、栄養介入を今後実施するために有益な知見を得た。
著者
安田 次郎 末柄 豊 前川 祐一郎 上島 享
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

諸種の史料から奈良や興福寺に関係した商人・職人をかなり網羅的に収集することができ、今後の研究のために貴重な基礎資料を得た。その過程で、福智院家文書中の袋綴じ冊子を解体し、多くの紙背文書を「発掘」して解読した。これらの史料は、本研究のためだけではなく、今後長く日本中世史の解明に有益なものである。さらに、商人・職人と寺社との互酬性的なつながり、門跡の構成員としての側面、室町期の荘園支配のなかでの役割などについていくつかの知見を得た。
著者
小保方 晶子 無藤 隆
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
お茶の水女子大学子ども発達教育研究センター紀要
巻号頁・発行日
vol.1, pp.89-95, 2004

中学生の非行傾向行為の実態と変化を明らかにするために、1学期に2397名、2学期に2347名に質問紙調査を行い、非行傾向行為について性別、学年、学期による検討を行った。その結果、次のことが明らかになった。非行傾向行為の特徴として、「病気などの理由がないのに学校をさぼる」行為は女子に多いこと、非行傾向行為は、1年生より2年生の方が、多く増加していること、1学期より2学期の方が増加しており、学年だけでなく夏休みを挟んだ学期によって変化していることが明らかになった。夏休みが変化の機会になっており、中学生の非行傾向行為は夏休みの過ごし方などが大きく影響していることが示唆された。全体的な傾向としては、2年生の2学期が最も増加し、その後3年生になると減少するという変化が明らかになった。3年生では受験があることによって減少していることが示唆された。
著者
坂元 章
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本研究では、2つの実験によって、攻撃型テレビゲームでの遊びがその後の攻撃行動に影響するか、などの問題を検討した。実験1では、女子大学生52名を5つの条件の1つに割り当てた。それらの条件は、被験者が現実的なゲーム(ヴァーチュアコップ)で遊ぶ条件、非現実的なゲーム(スペースインベーダ)で遊ぶ条件、現実的なゲームの進行をただ見る条件、非現実的なゲームの進行を見る条件、中性的な映像を見る対照条件であった。被験者には、ゲームや映像に接触した後で、サクラに対して電気ショックを与える機会が与えられ、そこで被験者がどれだけの電気ショックを与えたかが攻撃行動の測度となった。また、被験者の血圧や心拍を、ゲームや映像に接触する前後で測定した。実験2では、実験1の手続きを変更し、その知見の妥当化と拡張を行った。実験2では、現実的なゲームとして、エリア51をパァーチャガンとともに使用し、格闘ゲーム(鉄拳2)で遊ぶ条件を加え、更に、攻撃行動の指標としてサクラに対して雑音を聞かせる行動を測定した。ゲームの進行を見る条件は設置しなかった。被験者は、41名の女子大学生であった。これらの実験の結果、次のことが明らかになった。(a) テレビゲーム遊びは攻撃行動を促しうること。ただし、(b) テレビゲーム遊びの影響は、ゲームの種類によって大きく異なっていること(例えば、バーチュアガンを用いたエリア51では影響が検出されたが、バーチャルコップでは検出されず、スペースインベーダーについては、2つの実験で結果は一貫しなかった)。(c) テレビゲーム遊びが攻撃行動を促す影響は、その相互作用性のために生じている可能性があること。(d) テレビゲーム遊びの影響は、それが運動による生理的喚起を引き起こすからではないこと。
著者
内村 理奈
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
人間文化論叢 (ISSN:13448013)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.131-139, 2006
被引用文献数
1

In a comparative analysis of clothing worn by corpses, I looked at descriptions of clothing found in corpse records of Paris and Lyon-Beaujolais in the 1770s. Statistical results revealed that the mention of silver buttons and silver buckles on shoes appears quite frequently in Paris records while there is little mention of them in records of Lyon-Beaujolais. The popularity of large square, silver buckles among Parisian men from the early 18th century onwards seems to have continued for a rather long period. The comparison strongly indicated that local differences in clothing in Paris and Lyon-Beaujolais were minor variations in ornamentation, such as buckles on shoes, rather than differences in the style of garments worn.