著者
大村 正治 大西 克実 中野 秀男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MPS, 数理モデル化と問題解決研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.135, pp.33-36, 2006-12-21
参考文献数
6

組み合わせ最適化問題の中でも特に代表的な問題の一つである巡回セールスマン問題は、これまでに様々な研究がされている。本研究では、この問題を対象としてメタヒューリスティックの戦略の一つとして知られるタブーサーチ法を並列化する。タブーサーチ法を並列化するにあたって近傍となる枝交換に関する情報を共有するための通信方法、タブーリストを共有する仕組みについて効率よく各プロセス間で情報共有できる仕組みについて検討する。
著者
西村 綾乃 椎尾 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.38, pp.193-198, 2013-05-16

家事などの日常的な仕事は単調でつまらない作業,いわゆるルーティンワークになりがちである.また,今日では,音楽情報処理の技術が発達し,携帯プレーヤーで音楽を再生するだけでなく,ソフトウェアを利用することで歌詞とメロディをコンピュータに歌わせることも可能となった.そこで,本稿では位置情報や家電 (掃除機,冷蔵庫,電子レンジ,食洗機など) に取り付けたセンサ及びネット (SNS,天気予報,webニュースなど) から取得したユーザーの状況 (コンテクスト:Context) に合わせた歌詞とメロディを自動的に作成しリアルタイムに VOCALOID に歌わせることで,生活に彩りを与えるシステムを提案し,その実装を行った.
著者
吉井 和輝 Eric Nichols 中野 幹生 青野 雅樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLP, 音声言語情報処理
巻号頁・発行日
vol.2015, no.4, pp.1-8, 2015-05-18

単語ベクトルは,統計的自然言語処理で利用しやすい分散意味表現として近年盛んに用いられるようになってきた.しかしながら,今まで主に英語で評価されてきたため,英語以外の言語での有効性は不明である.本研究では,単語の類推 (word analogy) と文完成 (sentence completion) の二つの評価タスクを用い,著名なオープンソースツールである word2vec (gensim の再実装) と GloVe を用いて構築した日本語単語ベクトルの評価を行った.単語の類推タスクでは,英語データで公表されている結果に近い結果を得たが,文完成のタスクでは,精度が大幅に減少した.本稿では,両タスクのエラー解析で明らかになった英語の単語ベクトルと日本語の単語ベクトルの性能差や,日本語特有の問題について調査した結果について述べる.
著者
何 雯凌 三原 鉄也 永森 光晴 杉本 重雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.9, pp.1-8, 2014-01-18

書誌レコードの機能要件 (FRBR) の第 1 グループで定義される実体の概念を利用することで、マンガの探索がより容易になると考えられる。その一方で、マンガにおいては、FRBR の第 1 グループの概念が作品全体や、編などで表される作品を構成するストーリー、あるいはストーリーを構成するより小さな単位 (各話のエピソードや複数のページやコマで表現されるシーン) など様々に考えられる。本研究は、マンガの作品全体を単位とするとらえ方に加えて、ストーリー単位をとらえることで、探索を効率化することを目指し、書誌データからのストーリー単位の識別を目指す。しかし、マンガの書誌データの中にストーリー単位に関する情報は少ないため、機械的に抽出することは難しい。本研究では、Wikipedia の本文データを利用し、マンガ書誌データからストーリー単位を抽出する手法を提案した。京都国際マンガミュージアムに所蔵しているマンガの書誌データを用いた実験を行い、本手法の有効性を示した。この実験の結果から、本手法は利用した Wikipedia の情報の質に大きく影響されるとことが分かった。Manga - a Japanese term meaning graphic novels and comics - has been globally accepted. In Japan, there are a huge number of monographs and/or magazines for manga. Functional Requirements of Bibliographic Records (FRBR) provides useful concepts for readers to identify entities of manga, e.g., works of manga, expressions of manga, and so on. However, it is not clear which unit of manga those FRBR entities represent. They can be a whole manga or a story as a part of a manga, or even some smaller units of a manga (i.e. a single scene or an episode). This paper examines how to identify a manga work using a set of bibliographic records maintained by the Kyoto International Manga Museum. This study is aimed to identify a Work instance of manga, which may be a work as a series of stories or as a single story, in order to help readers find a comic book as an instance of a work. It is known that authority data is useful to identify works from bibliographic records. However, there is not enough information to identify a manga story in the bibliographic data. In this study, we used Wikipedia as a dictionary of manga to identify a manga story in the bibliographic records. The result of our experiment shows that using Wikipedia data is possible, but it also shows that the accuracy and efficiency depend on the quality of the Wikipedia data.
著者
竹元 義美 福島 俊一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.77, pp.105-112, 1994-09-15
被引用文献数
2

日本語文章の口語的表現に対応した形態素解析手法を提案し、その評価結果を報告する。広い分野のテキスト処理を想定した場合に口語的表現の形態素解析は重要であるものの、その精度は十分とは言えなかった。本稿では、口語的表現を正しく形態素解析するために2つの手法を示す。1つは、口語特有の言い回しを辞書登録すること、もう1つは、通常は平仮名表記する語を意図的に片仮名表記するなど、表記を変えた強調表現を通常の表記に直して辞書検索することである(口語置換検索処理)。これらの手法を実現した結果、口語的表現を多く含むテキストの文節区切り精度が1.8%向上し、テキストのタイプによらず安定した高い精度を得ることができた。辞書登録では、話し言葉特有の語の登録によって、文節区切りに失敗していた話し言葉の88%を正しく解析できた。口語置換検索処理では、形態素解析に失敗していた意図的な片仮名表記の75%、強調表現で特殊文字を含む単語の79%を救済できた。This paper presents a new morphological analysis method for colloquial Japanese text, and describes its evaluation results. To enlarge application for natural language processing, it is necessary to deal with not only written language as before, but also colloquial language. This paper shows two techniques as the new method. One is to enter words peculiar to spoken language in dictionaries. The other is to replace words written in Katakana or special characters with usual writing and search through dictionaries for them. The two techniques can improve Bunsetsu-segmentation accuracy by 1.8% over a conventional method for text including colloquial expressions, and also accomplish stable accuracy for various types of text. The first technique can remove 88% of Bunsetsu-segmentation failures caused by spoken words. The second technique can remove 75% of failures caused by words written in Katakana expressly for emphasis, and 79% of failures caused by words written in special characters expressly for emphasis.
著者
大場 克哉 橋本 誠 藤倉 成太 宗平順己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.75, pp.73-80, 2005-07-29
被引用文献数
1

近年、サービス指向アーキテクチャ(SOA)が、新しいソフトウェアアーキテクチャとして注目されているが、SOAに基づいたサービスおよびビジネスモデル設計に関する方法論はいまだ確立されているとは言い難い。本稿では、SOAアプリケーション設計のためのUML拡張およびその適用プロセスを提案し、実例とともに、現状の課題を提示する。Service-Oriented Architecture (SOA) is emerging in the area of software architecture. This paper provides a concept of development process, reference architecture and a new UML profile for SOA systems development and integration. The proposed development process allows system architect to cooperate with business analysts by leveraging the UML. SOA profile allows developer to model SOA system including interactions of services and business process that orchestrates services. This paper demonstrates how to use the proposed profile, and discusses issues remaining in the area of SOA.
著者
井出 明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.96, pp.115-120, 2006-09-15
被引用文献数
1

近年、高度情報化社会の進展に伴って、ネットワーク上のストーキング行為が多数報告されつつある。リアルスペースでのストーキング行為に関する規制法は、既に立法化され、不十分ではあるものの一定の効果を上げつつある。本稿では、リアルスペースとサイバースペースにおけるストーキング行為を比較しながら、サイバーストーカー(=ネットストーカー)の特性について検討し、行為主体と行為客体に基づいて類型化を図る。その上で、可能な対策についても類型別に提示した後、将来的な展望にも言及する。These days, with the progress of information society, many cases of cyberstalking have been reported. The laws for real stalkers were already legislated and it is effective in some situations though the effects are not yet perfect. In this paper, I will compare the behaviors of real stalkers with those of cyberstalkers. Then, analyze the characteristics of cyberstalkers to classify them in terms of the subjects and objects of their behaviors. Finally, possible measures will be presented in accordance with the classes of the characteristics, and future views would be also referred.
著者
村尾 忠廣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.74, pp.21-28, 1995-07-21

音楽分析の理論は、客観性を欠くがゆえに数限りなく唱えられる。しかし、認知音楽学や音楽心理学、そしてまた、音楽知能などコンピュータサイエンスの研究者たちが注目し、関心を抱いている音楽理論はLerdahl & JackendoffとE.Namourによる理論の二つに収斂されつつあると言ってよいだろう。このうち前者は、言語学の生成文法をモデルにしているとはいえ、シェンカ一理論に近く、古典和声に依拠しているために理解しやすい。一方、後者、ナームアの理論は「Beyondo Schenkerism」以降、マイヤー理論から独自の理論へと急速な展開を見せているため注目はされても理解することが難しい。ナームア理解の鍵となるものは、おそらく3つの原型理論、すなわちシエンカーのUrsaze、マイヤーのArchetype、そして90年代ナームアのMelodic Archetypeを区別することだろう。言い換えれば、歴史的文脈の中に今日のナームア理論を位置づけるということである。Among many music theories, two by Jackendoff & Lerdahl and E.Narmour have occupied the attention of computer scientists and psychologists in music. Narmour's theory, has not been applied to in scientific studies like Jackendoff & Lerdahl's theroy. This is probably due to the difficulty of understanding many new terms invented by Narmour himself. As a result his theroy is seen as a curiosity or something new or unique. The worst of it is that the philosophical standing point is missed or sometimes understood in the opposite. In order to understand his latest theory correctly and make it applicable to computer science, the process of how Narmour has developed Meyer's theory must be clarified. In this paper, we point out three different concepts of fundamental structure which are named "Ursaze" by H.Schenker, "Archetype" by L.B.Meyer and "Melidic Archetype" by E. Namour. Despite the fact Namour was one of Meyer's students, his concept "Melidic Archetype" is far from the other two concepts. While both Schenker and Meyer pointed out their concepts of fundamental structure in terms of top-down style schema, Narmour found his archetype structure as a bottom-up pan-style structure. This difference makes Namour's theory so unique and difficult to understand. Put another way, the difference between Mcyer and Namour is the key for understanding the latest Narmourian theory.
著者
大野 敬子 椎尾 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.41, pp.1-7, 2015-02-23

本研究では,電子錠と SNS を利用したスマートロックシステム "今来たさん" を提案する.今来たさんは,大学研究室での使用を想定した入室管理システムである.現在,著者の所属する研究室で 2 年半以上稼働している.本システムでは,電子錠を用い,解錠のための認証方法に暗証番号を採用した.一般に,運用の容易な認証方法ではセキュリティが弱く,運用の煩雑な認証方法ではセキュリティが強いというように認証方法とセキュリティの間にはトレードオフの関係があるといえる.そこで,暗証番号のように容易な認証方法であっても十分なセキュリティを確保することを目指し,SNS の 1 つである Twitter を利用して,ユーザ全員で研究室のドアを見張る効果が得られるような実装を行った.具体的には,ドアの解錠が行われた際に解錠を行ったユーザの Twitter アカウントをツイートする,深夜に研究室のドアが開いているとツイートする等である.これにより,ユーザが家にいながら研究室の不審な様子に気づけるようにした.この監視効果については,実験を行い,ある程度の効果があることがわかった.また,ユーザの印象評価も行い,本システムが大学研究室の入室管理システムとして受け入れられていることがわかった.本論文では,今来たさんを提案し,実装,運用結果,評価,今後の課題について述べる.
著者
平山 弘 加藤 一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.22, pp.173-178, 2002-03-07

べき級数の四則演算や関数計算は、C++言語を使うと容易に定義できる。四則演算や組込関数や条件文を使って定義される関数はべき級数に展開できる。これを利用すると常微分方程式の解をべき級数展開することができる。解は任意次数まで計算できるので、Runge-Kutta に代わる任意次数の公式として使うことができる。べき級数を使えば、誤差評価も容易に行え、許容誤差内の適切なステップサイズを容易に求められる。さらに、べき級数を有理関数展開(Pade展開)に変換し、それを利用すると任意次数でA安定な常微分方程式を解く数値計算法を与える。これらの方法を使えば、いろいろな関数およびその逆関数のべき級数を容易に得られる。この級数を使うと、任意次数の非線形方程式の解法を得る。The arithmetic operations and functions of power series can be defined by C++ language. The functions which consist of arithmetic operations, pre-defined functions and conditional statements can be expanded in power series. Using this, the solution of an ordinary differential equation can be expanded in power series. The solution can be expanded up to arbitrary order, so the calculation formula of arbitrary order can be used instead of Runge-Kutta formula. Power series can be used for the evaluations of the errors and the optimal step size within given error allowance easily. In addition, we can transform power series into Pade series, which give arbitrary order, high precision and A-stable formula for solving ordinary differential equation numerically. The power series with many functions and its inverse functions can be easily gotten when using this way. It gives arbitrary order formula for solving non-linearequations numerically.
著者
児玉 公信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.120, pp.39-46, 2008-11-25

"SSM で使われるリッチピクチャは,多視点から対象システムの問題状況を記述する.リッチピクチャの書き方について明確な規定はなく,できるだけ言葉を使わないように推奨されるだけである.したがって,その図が問題状況を書き切れているかどうかの判断は,その参加者が納得するかだけである.一方,因果ループ図は対象システムの動的性格を記述するが,その重要変数を何にするかが恣意的に決められる.そのため,両図が,同じシステムの異なる側面を記述しているかどうかもわからない.ここで,リッチピクチャに記述した行為者とその間の関わりを計量可能な値の流れを記述し,これを因果ループ図の重要変数として記述することで,システムの問題状況を書く.同時に,相互の書ききれない部分が発見できることで,さらに深い状況の記述が可能になる."Rich-picture and causal-loop diagram are often used to depict the problematic situation of Human Activity Systems. By using a rich-picture, one can depict the relationships and connections among entities but not the dynamism of the system. When using a causal-loop diagram, it is difficult to identify the important variables describing the systems dynamics. This report proposes the use of a rich-picture to describe entities as various actors com-posing the system. The idea allows us to depict the value-flows among actors and identify the important variables for depicting in a causal-loop diagram, to avoid selecting important variables arbitrarily, and to observe the cause-and-effect structure by identifying relationships and value-flows not seen in rich-picture, as well as to depict rich-pictures more vividly.
著者
河合 利幸 山下 伸一 大野 廣司 吉村 浩 西村 仁志 下條 真司 宮原 秀夫 大村皓一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.729-740, 1988-08-15
被引用文献数
3

コンピュータグラフィックスの普及に伴い 高品位な画像をより高速に生成することが要請されている.我我は 視線探索法を用い 並列処理により画像を生成するシステムLKNKS-1を試作し 数多くの実験を重ねてきた.この結果を基に 飛躍的な処理速度の向上を目指し 新たなシステムを設計した.本システムのユニットコンピュータ(UC)は LINKS-1のUC と比較して 演算能力と通信機能が大幅に強化されている.本UCは 32ビット浮動小数点演算を並列処理するデータプロセッサ アドレス計算を行うインデックスユニット 通信を制御するチャネルプロセッサ等主要ユニットが非同期に並列パイプライン動作する・メモリアクセス競合を削減し データ転送を並列化するため 各ユニットはクロスバースイッチにより 4ウェイにインタリーブされたデータメモリと結合されている.これら主要部分は カスタムVLSIを用いて実現した.その結果 本UC1台の画像生成速度はLINKS-1の約50倍に達する.また 並列処理効率についても改善が認められた.本論文では その高速化の手法について述べ シミュレーションによりその効果を明らかにする.
著者
対木 潤 田中 清史 松本 尚 平木 敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.80, pp.25-32, 1995-08-23
被引用文献数
4

既存の逐次計算機を置き換えるものとしての汎用超並列計算機への要求から、将来の汎用並列計算機にはスケーラビリティと汎用環境での使用を支援するための機構が求められる。本研究では、将来の汎用並列計算機の柔軟かつ強力なプロトタイプとしてハードウェアサポートされた同期機構を持つスケーラブルな並列計算機:お茶の水5号の設計、および実装を行なっている。本稿ではお茶の水5号の分散共有メモリ、プロセッサベース同期機構、メモリベース同期機構について述べる。Mechanisms for supporting efficient use under general environment and Scalability are necessary for future general purpose parallel processing systems, so that they can be exchangeable for existing sequential processing systems. We designed OCHANOMIZ 5: scalable parallel processing system with hardware-supported synchronization mechanisms, as a flexible and powerful prototype of future general purpose parallel processing systems. In this paper, we describe distributed shared memory, processor-based synchronization mechanisms and memory-based synchronization mechanisms being implemented on OCHANOMIZ 5.
著者
田中 久美子 犬塚 祐介 武市 正人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.3087-3096, 2002-10-15
参考文献数
12
被引用文献数
10

本稿では,携帯電話のための子音漢字変換による日本語入力方式を議論する.子音漢字変換では,ユーザが子音列を入力し,これを子音漢字変換ソフトウエアが漢字混じりの日本語に直接変換する.従来のかなを入力する方式では1かなあたり複数回キー入力を行う必要があるのに対し,子音入力を用いると,1かなあたり1回だけの入力で済む.一方で,子音漢字変換を行うと,かな漢字変換の7倍にものぼる候補を扱わざるをえない.そこで,本研究においては,隠れマルコフモデルを用いた言語モデルにPPM(Prediction by Partial Match)を融合させた動的な言語モデルを用いてユーザの語彙選択の傾向を学習させることにより,入力効率を追求した.その結果,現行のかな入力方式に対して打鍵数を半減させることができた.ユーザ実験を行った結果でも,現行の方式よりも短時間で入力を行うことができることが分かった.We discuss a Japanese text entry method for mobile phones. Differentfrom the current methods based on kana kanji conversion, our systemasks user only to enter the sequence of consonants that requiressingle stroke per kana character. Our consonant-kanji conversionsystem then converts the sequence directly into the final kanji form.Although such consonant-kanji system should handle seven times morecandidates than kana-kanji conversion system, we found that user mayenter the same text with half number of keystrokes within shortertime. The key to realize such consonant kanji conversion system liesin our dynamic language model based on Hidden Markov Model and Predictionby Partial Match (PPM) method.
著者
重定 如彦 越塚 登 坂村 健
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.1662-1675, 2001-06-15
被引用文献数
1

本論文では,分散ハイパーメディアOS``Net-BTRON''におけるハイパーメディア資源管理の機構について述べる.近年,World Wide Web(WWW)を基盤とした全世界規模のハイパーメディア環境がインターネット上に構築され,情報発信システムとして大きな成功を収めている.一方,ネットワーク上の他のハイパーメディアコンテンツを参照・引用をしながら,頻繁なデータ編集による試行錯誤を繰り返して,人間の思考を支援することも,ハイパーメディアシステムの当初の用途の1つである.ところが,現在のWWWシステムをこうした用途に用いると,リンクの接続性が脆弱であるために,リンク切れやEditingProblemといった問題が頻繁に発生する.そこで我々は,頑強なリンク接続性を提供する分散型ハイパーメディア資源管理機構を持った新しいオペレーティングシステム,Net-BTRONを構築している.Net-BTRONのハイパーメディア資源管理機構は次の特徴を持つ.まず,ハイパーメディアノードやリンクをファイルシステムで実現する.Net-BTRON以外の他のハイパーメディアとの相互接続性を実現する柔軟なファイルシステム拡張機能を持つ.ハイパーメディアアプリケーションの操作性を標準化するためのツールキットを提供する.我々はNet-BTRONのパイロットシステムをBTRON3仕様OSを拡張して実装し,その上に多くの分散ハイパーメディアアプリケーションを構築することによって,これらの技術的特徴の有効性を確認した.This paper proposes, the hyper-media resource management mechanism ofdistributed hyper-media operating system ``Net-BTRON''. Recently,worldwide hyper-media environments based on the World Wide Web (WWW)have been constructed on the Internet. These systems achieved a greatsuccess as systems for information distribution. However, they areinconvenient for frequent editing purpose and can not serve as tools forthinking, which is one of the original purposes of the hyper-mediasystem, because of the weakness of the link. If we use the current WWWsystems for the purpose of tools for thinking, problems such as brokenlink or editing problem will occur frequently.In this paper, we constructed a new operating system called``Net-BTRON'' which can be used as a tool for thinking by its robustdistributed hyper-media resource management mechanism. The features ofthe Net-BTRON are as follows. First, the Net-BTRON realizes thehyper-media nodes and links by the file system. Second, the Net-BTRONprovides a flexible file system extension mechanism to integrate withthe other hyper-media systems. Third, the Net-BTRON provides a toolkitfor standardization of the user interface of hyper-media applications.We implemented the Net-BTRON pilot system by extending the BTRON3 OS,and proved the technical advantage of the Net-BTRON by implementing alot of distributed hyper-media application on it.
著者
中野 倫靖 後藤 真孝 平賀 譲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.227-236, 2007-01-15
被引用文献数
14

本論文では,歌唱力を自動的に評価するシステム開発の第1 段階として,ポピュラー音楽における歌唱力の「うまい」「へた」を,楽譜情報を用いずに自動的に識別する手法を提案する.従来,訓練された歌唱者の歌唱音声に関する音響学的な考察は行われてきたが,それらの研究は歌唱力の自動評価に直接適用されたり,人間による評価と結び付けて検討されたりすることはなかった.本論文では,聴取者の歌唱力評価の安定性を聴取実験によって確認し,そこで得られた結果から歌唱音声に「うまい」「へた」をラベル付けして自動識別実験を行った.そのための特徴量として,歌唱者や曲に依存しない特徴であることを条件に,相対音高とビブラートの2 つを提案する.聴取実験では,22 人の聴取者を被験者とし,聴取者間の評価に相関があった組の割合は88.9%(p < .05)であった.また,600 フレーズのラベル付けされた歌唱音声に対して識別実験を行った結果,83.5%の識別率を得た.As a first step towards developing an automatic singing skill evaluation system, this paper presents a method of classifying singing skills (good/poor) that does not require score information of the sung melody. Previous research on singing evaluation has focused on analyzing the characteristics of singing voice, but were not directly applied to automatic evaluation or studied in comparison with the evaluation by human subjects. In order to achieve our goal, two preliminary experiments, verifying whether the subjective judgments of human subjects are stable, and automatic evaluation of performance by a 2-class classification (good/poor ), were conducted. The approach presented in the classification experiment uses pitch interval accuracy and vibrato as acoustic features which are independent from specific characteristics of the singer or melody. In the subjective experiment with 22 subjects, 88.9% of the correlation between the subjects' evaluations were significant at the 5% level. In the classification experiment with 600 song sequences, our method achieved a classification rate of 83.5%.
著者
木原 裕二 笹野 遼平 高村 大也 奥村 学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.19, pp.1-6, 2014-05-15

ソーシャルメディアのユーザの中には複数のソーシャルメディアのアカウントを関連付けずに使用しているユーザがいる.しかし,特徴的な表現や話題などから,それらの複数のアカウントが同じユーザにより作成されたものであると第三者に推測されてしまう場合がある.本研究では,まず,Twitter とブログの著者の同一性推定システムを構築することにより,どのような特徴がこれらのアカウントが同じユーザにより作成されたものと判断される要因となるのかを明らかにし,そこから得られた知見をもとにした関連付け防止システムの構築を行う.Some social media users do not link their accounts on other social media platforms. However, the user identity is sometimes revealed by others due to the characteristics of expressions and topics in the posts. In this paper, we first examine what kinds of characteristics can be a clue for user identification by constructing a system for identifying user accounts on Twitter and blogs, and then propose a system to prevent identification of user accounts on different social media platforms on the basis of the findings from the user identification system.
著者
村田 昇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.153, pp.155-162, 2006-03-16
参考文献数
8
被引用文献数
2

スパースコーディングは生物の初期視覚の情報処理を数学的にモデル化したもので,与えられた画像を比較的少数の基底の線形和で表現するために,適切な基底系を統計的・情報論的な基準にもとづいて構成する手法である.本稿では個々の画像を分解したとき得られる係数を確率変数として捉え,その情報量をできるかぎり削減して効率の良い表現を求めるという観点から,スパースコーディングの基本的な考え方を解説する.
著者
丸山 伸 小塚真啓 中村 素典 岡部 寿男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.6, pp.49-54, 2006-01-20
参考文献数
7

近年,複数のIPアドレスを同時に利用するトランスポート層のプロトコルが注目を集めている.SCTPはこのようなプロトコルの代表的なもので,「TCP同様の信頼性」「TCPに類似したAPI」でありながら,「両端が複数のIPアドレスを利用する」という特散を持つ.しかし,これまでのSocket AIPは「1つのSocketには1つのIPアドレス」が割当てられることを前提としているため,1つのSocketに複数のIPアドレスを割りあてるSCTPとは親和性の悪い部分がある.そこで本論文では,1つのsocketに複数のIPアドレスを割当てるためのPF_BUNDLE(AF_BUNDLE)型を提案し,それに対応するようSocket APIを拡張する手法を提案する.その上で,getaddrinfo(3)のようなライブラリがこれらのPF_BUNDLE型を利用するようにホスト名の表記を拡張することで,SCTPのような複数アドレスを用いるプロトコルも,従来の「プロトコル独立プログラミング」の枠組みで適切に扱えることを示す.Recently transport protocols which handle multiple IP addresses are focused. SCTP is a representative of such Protocol, and has not only features of "TCP like reliability", "TCP like API", but of"Multiple IP addresses on both ends". Since "Socket API" assume that "single IP address for each socket", they are incompatible with SCTP which allocates multiple IP addresses for a single socket. In this paper, we first propose "PF_BUNDLE (AF_BUNDLE)" which are new kinds of address Family and protocol Family, which handle muldple IP addresses within a single socket, and we also propose extentions to "Socket API' to suite for "PF_BUNDLE". Next , we also improve libraries such as getaddrinfo(3) to be capable of handling "PF_BUNDLE", and show that "Protocol Independent Programing" style is still suitable for protocols like SCTP.