著者
山崎 顕治 都司 達夫 宝珍輝尚
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.7, pp.1-8, 1997-01-21
被引用文献数
2

分散システムには非分散システムとは異なる性質があり、分散システムの性質を十分に活用するためには、プログラミングに際してそのことによく留意する必要がある。分散アプリケーションを作成するための基盤のひとつに、ORB(bject Request Broker;オブジェクトリクエストブローカー)[1]がある。ORBは一般にネットワーク透過かつ言語独立なオブジェクト間通信を実現するためのシステムあり、分散プログラミングで問題となる様々な問題(ネットワーク操作、アーキテクチャ毎の違い、実装言語の違いなど)を隠蔽し、非分散システムの場合と同様のコーディングで分散アプリケーションを作成可能になる点がその大きな特徴である。しかしながら、非分散システムと同様のモデルに基づいてプログラミングを行なうと、分散システムに特有の性質、例えばシステム全体を停止することなくメンテナンスを行なえる必要があるなどの要求に十分に対応することができない。そこで本論文では、動的に分散システムを再構成可能にする機能をORBに付与することでこれらの問題の解決を行なうための考察を行なう。Distributed systems have properties that are not shared with non-distributed system. In order to utilize a distributed system well, we must know them sufficiently. One of the platforms to construct applications is ORB(Object Request Broker)[1]. In general, ORB is a system to guarantee the network transparent and language independent communications among object. Various problems arising in distributed programming (network operations, differencies of architectures, differncies of implementation languages) can be hidden by using ORB. One of the most important features of ORB is that it enables the similar coding of a distributed application as in the case of a non-distributed system. In spite of such advantage, we cannot fully satisfy the requirement specific to a distributed system such as maintainability without stopping the system, if we make a programming based on the similar model as non-distributed system. In this paper, we give several considerations on the functions necessary to reorganize a distributed system dynamically, and we solve the above problems described above by providing these functions on ORB.
著者
櫨山 淳雄 中野 秋子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.2550-2561, 2001-11-15
被引用文献数
6

情報技術の発展にともない,高い情報処理技術を有する人材が必要とされてきている.それにもかかわらず,大学などの教育機関において,ソフトウェアシステムの設計・開発の実践的な教育の場が非常に少ないというのが現状である.著者らは大学において1997年度よりソフトウェア設計・開発をグループ演習形式で実践する教育を行っている.それとともに,本教育を支援するシステムの開発も行ってきた.ソフトウェアシステムを設計・開発するとき,プロジェクト内でのコミュニケーションの円滑な流れや情報の共有がそのプロジェクトの成功に大きくかかわってくる.著者らの教育実践経験から,本教育におけるコミュニケーションとして,学習者間でのコミュニケーションのみでなく,学習者と教授者側とのコミュニケーションも重要であることが分かっており,それを支援するシステムとして学習者グループ内でのコミュニケーションに加え,教授者と学習者間でのコミュニケーション支援,インスペクションプロセス支援機能を提供した.本システムを実際の授業に適用した結果,これまでの電子メール中心のコミュニケーションから,本システムを中心としたコミュニケーションに移行することができた.とりわけ,コーディングや分析・設計におけるグループ内での問題解決,ならびにインスペクションやテストなどの検証を行う工程における学習者と教授者側とのコミュニケーションにおいて活用されていることが分かった.また,非同期分散形態でのインスペクション支援は,インスペクション実施に対して時間,場所の制約からの解消,教師がコメントを書くことにより意図が確実に理解でき,後から見直すことができ,コメントを共有することができるなど学習効果向上に寄与した.With the rapid permeation of information technology, the demands for software system development are increasing. From such social background, people who are capable of designing and developing such systems are required. However there is little opportunity that the students experience total application systems development in the form of project like a practical setting. The authors have been offering a class called ``System design'' since 1997. The authors have also been developing a group learning support system. In designing and developing software systems, good communication and information sharing in a project is one key success factor. So the education support system should support communication. The authors provided process oriented communication support based on our experience to support Q&{}A, announcement from teacher to students, and the inspection process. We applied this system to the real exercises of the class. We could replace many of E-mail communications\linebreak\nullwith this system. By this, we can share the learning process and this contributes to knowledge sharing across times.
著者
坪井 邦明 松島 俊明 鈴木 孝 田中 多佳子 志村哲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.47, pp.29-36, 1998-05-27
被引用文献数
1

音楽学分野での研究を目的としたコンピュータの応用例として,次の4例を紹介する.(1)尺八譜の処理システム(尺八譜の入力・編集などを行なうシステム),(2)楽器データベース(東京藝大音楽学部小泉文夫記念資料室所蔵楽器のデータベース),(3)インド採録曲データベース(インドの宗教歌謡研究のためのフィールドワーク資料のデータベース),(4)尺八研究史料データベース(尺八関係フィールドワーク資料のマルチメディア・データベース).Four experimenting with computers as tools for musicological studies are demonstrated; (1) Information Processing System for Shakuhachi Tablature, (2) Musical Instrument Database, (3) Sound Recording Database of Indian Music, (4) Constructing Multi-media Database of the Research Data Collected in the Field work for the Syakuhati Studies.
著者
寒川 光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌. ハイパフォーマンスコンピューティングシステム (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.1-9, 2001-08-15

ガウス超幾何級数_2F_1(3/2, 3/2;3;x)を数値評価する問題は, グリーン関数法や境界要素法によって軸対称問題を解く場合に重要になる.通常の数値解析の教科書や数学公式集のように, この式を完全楕円積分の第1種と第2種を用いて計算すると, 両者の打ち消しあいのために精度が損なわれる区間が現れる.本論文はこの問題の解決方法を2つ提案する.Hastings公式と同形の式に基づく最良近似法と高精度テーブル法である.これにより精度が改善され, 後者の方法ではさらに高速化も達成される.
著者
寒川 光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.38, pp.43-48, 1999-05-14

完全楕円積分は,グリーン関数法や境界要素法で軸対称問題を解く場合,数値解析プログラムの主要なカーネルとして現れる.代表的な計算法として,対数関数を経由するHastings公式を用いるものと,算術幾何平均を用いるものがある.本稿では高速計算に焦点をあてる.はじめに上記の方法の精度と速度について述べ,次に区間分割してテーブル駆動型を用いる高速計算法を提案し,最後に完全楕円積分の第1種と第2種が特殊が形で結合したグリーン関数の応用例について述べる.この例では完全楕円積分を独立に計算しても,第1種と第2種が打消しあうため,特別な配慮が必要になる.Complete elliptic integral appears as a major kernal of numerical analysis programs, in which Green function method or boundary element method is applied on axis-symmetric problems. Two typical methods are used, minimax approximation of Hastings form using logarithmic function and arithmetic-geometric mean method. In this paper we focus on high-performance computation of the integral. At first accuracy and performance of the above two methods are described, then a fast method by table driven algorithm is proposed, and finally an application of Green function is described. In this application, since complete elliptic integrals of the first kind and the second kind cancel their precisions each other, special treatment for accuracy is required.
著者
三好 克彦 山本 強 永山 隆繁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.8, pp.1829-1843, 1993-08-15
被引用文献数
7

北海道大学は、1989年より3か年計画でキャンパスLAN HINES(ハイネス)の構築を行った。ハイネスは、北海道大学における情報のインフラストラクチャとして位置付けて、教育研究のみならず、大学事務のOA化にも利用できるものとして計画された。大学に存在しているあらゆる種類の計算機を接続できるよう、マルチプロトコルを採用し計算機相互の接続とともに、電子メール等のサービス機能と、イメージ系の相互交信を可能とする基本的概念を具現した。基幹ネットワークとしてFDDI規格の双対モードの光ファイバを4リング張り巡らし、各部局はイーサネットで接続している。キャンパスで多数使われているパソコン等も、RS232Cで接続できるようにして、誰でもが使いやすい環境を実現した。函館にある水産学部との間は、高速ディジタル回纏で接続し、全学の一体化に大きく貢献している。さらにネットワーク管理の省力化を図るため、ハイネス全体の管理を1か所で行えるよう、新たに開発した集合分散管理方式を使用している。アドレス管理は、1992年4月から学術情報 ネットワークの一つとしてインタネット・バックボーンが動き出したので、世界と共通の墓盤なので重要である。このため、独特な簡単で確実なアドレス管理方式を考え出し、効果を上げている。
著者
門田暁人 佐藤慎一 神谷 年洋 松本 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.2178-2188, 2003-08-15
被引用文献数
19

ソフトウェアに含まれるコードクローン(重複するコード列)は,ソフトウェアの構造を複雑にし,ソフトウェア品質に悪影響を与えるといわれている.しかし,コードクローンとソフトウェア品質の関係はこれまで定量的に明らかにされていない.本論文では,20年以上前に開発され,拡張COBOL言語で記述されたある大規模なレガシーソフトウェアを題材とし,代表的なソフトウェア品質である信頼性・保守性とコードクローンとの関係を定量的に分析した.信頼性の尺度として保守工程で発見された「フォールト数/LOC(Lines of Code)」を用い,保守性の尺度として「モジュールの改版数」を用いた.分析の結果,コードクローンを含むモジュール(clone-includedモジュール)は含まないモジュール(non-cloneモジュール)よりも信頼性(平均値)が約40%高いが,200行を超える大きさのコードクローンを含むモジュールは逆に信頼性が低いことが分かった.また,clone-includedモジュールはnon-cloneモジュールよりも改版数(平均値)が約40%大きく(すなわち,改版のためにより多くの保守コストが費やされてきた),さらに,モジュールに含まれるコードクローンのサイズが大きいほど改版数がより大きい傾向にあることが分かった.Existing researches suggest that the code clone (duplicated code section) is one of the factors that degrades the design and structure of software and lowers the various quality attributes. However, the influence of code clones on software quality has not been quantitatively clarified yet. In this paper, we quantitatively analyzed the relation between code clones and the software reliability and maintainability of twenty years old software, which is written in an extended COBOL language. We used the number of faults per LOC (Lines of Code) as a reliability metric, and the revision number of modules as a maintainability metric. As a result, we found that modules having code clones (clone-included modules) are 40{%} more reliable than modules having no code clone (non-clone modules) on average. Nevertheless, the modules having very large code clones (more than 200 SLOC) are less reliable than non-clone modules. We also found that clone-included modules are 40{%} less maintainable (having greater revision number on average) than non-clone modules; and, modules having larger code clone are less maintainable than modules having smaller code clone.
著者
泉 朋子 泉 泰介 小野 廣隆 和田 幸一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.18, pp.49-56, 2009-02-26

証明書分散問題(Minimum Certificate Dispersal Problem, MCD)とは,グラフGと要求集合Rが与えられたときに,Rに含まれるすべての要求を満たすよう各ノードにGの辺を割り当て,各ノードに割り当てられる辺の総数を最小化する問題である.要求とはグラフG上の異なる2つのノードの順序対で表され,要求(u, v)を満たすにはノードu, vに割り当てる辺の和集合にGにおけるuからvへの経路が含まれる必要がある.MCDは与えられるグラフが強連結の場合においてもNP-困難であることが既に示されている.本研究では,MCDの近似可能性について議論する.まず,強連結グラフにおいてMCDの近似率の下界がOmega(log n)(nはGのノード数)であることを示し,さらに任意のグラフにおけるMCDに対する多項式時間O(log n)-近似アルゴリズムが構成可能であることを示す.また,既存研究において多項式時間2-近似アルゴリズムであると評価されていたアルゴリズムが,無向グラフを入力とするMCDに対しては多項式時間3/2-近似アルゴリズムであることを示す.Assume that G is a graph and that R is a set of requests which is represented by a reachable ordered pair of nodes in G. The problem discussed in this paper requires us to assign edges to each node such that all requests in R are satisfied and the total number of edges all nodes have is minimized for a given G and R. To satisfy a request (u, v), a set of assigned edges to u and v must contain a path from u to v in G. This problem is called the Minimum Certificate Dispersal problem (MCD) and is NP-hard even if the input graph is restricted to a strongly connected one. In this paper, we consider approximability of MCD. We clarify an optimal approximability / inapproximability bound in terms of order: we prove the approximation ratio of MCD for strongly connected graphs is Omega (log n) and MCD has a polynomial time approximation algorithm whose factor is O(log n) (n is the number of nodes in G). In addition, we prove that when a given graph is restricted to an undirected graph, the MCD algorithm proposed in [11] guarantees 3/2 approximation ratio.
著者
岩井 将行 森 雅智 徳田 英幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.173-177, 2008-02-27
被引用文献数
1

近年オンラインショップやネットオークションを中心とするCyberCommerceが増えつつあり,"どこにいても""なんでも"購入できる便利さは逆に均質化が進み売り手主導の経済活動が進んでいるといえる.対極的に,秋葉原におけるリアルな空間での消費者の購買活動は,そこから新しい「ラジオ文化」「パソコン文化」「オタク文化」「萌文化」「世界のakiba」を創造し常にカルチャーを創り出す原動力となっている。この秋葉原の特性に着目し実世界経済活動を支援する新しいユビキタス技術を検証した。温度、振動、照度を検知可能な小型無線センサーノードを各商品に取り付け、ユーザが商品を選択する際の『手に取る動作』から注目度とそのランキング把握するシステムを構築した。本LiveCommerceSystemは秋葉原においてオノデン本店、カイヨウドウホビーロビーにおいて2日間にわたって実証実験を行った。本システムが、ユーザに違和感なく商品の比較情報を提供し、店舗経営者に各商品の注目度を容易に提供できるシステムであること実証した。In the real shop, shops owners can analyze the products which already purchased by gathering information on check counters. However these methods could not gather correct customers' action during they have shopping. Lots of products are displayed on shopping racks. Customers are touch and watch items to compare them before buying items. Such actions represent customers' attention of each item in details. We propose a novel platform to gather customers' attention level by attaching sensor nodes. In this paper, we describe detals about "Live! Commerce System."
著者
岩井 将行 森 雅智 徳田 英幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.18, pp.173-177, 2008-02-27
被引用文献数
1

近年オンラインショップやネットオークションを中心とするCyberCommerceが増えつつあり,"どこにいても""なんでも"購入できる便利さは逆に均質化が進み売り手主導の経済活動が進んでいるといえる.対極的に,秋葉原におけるリアルな空間での消費者の購買活動は,そこから新しい「ラジオ文化」「パソコン文化」「オタク文化」「萌文化」「世界のakiba」を創造し常にカルチャーを創り出す原動力となっている。この秋葉原の特性に着目し実世界経済活動を支援する新しいユビキタス技術を検証した。温度、振動、照度を検知可能な小型無線センサーノードを各商品に取り付け、ユーザが商品を選択する際の『手に取る動作』から注目度とそのランキング把握するシステムを構築した。本LiveCommerceSystemは秋葉原においてオノデン本店、カイヨウドウホビーロビーにおいて2日間にわたって実証実験を行った。本システムが、ユーザに違和感なく商品の比較情報を提供し、店舗経営者に各商品の注目度を容易に提供できるシステムであること実証した。In the real shop, shops owners can analyze the products which already purchased by gathering information on check counters. However these methods could not gather correct customers' action during they have shopping. Lots of products are displayed on shopping racks. Customers are touch and watch items to compare them before buying items. Such actions represent customers' attention of each item in details. We propose a novel platform to gather customers' attention level by attaching sensor nodes. In this paper, we describe detals about "Live! Commerce System."
著者
沼 晃介 平田 敏之 濱崎 雅弘 大向一輝 市瀬龍太郎 武田 英明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.85-97, 2007-01-15
被引用文献数
10

本論文では,学術会議における参加者の活動の振り返り支援ならびに参加者間のコミュニケーションの支援を目的とした,Weblog コンテンツの作成および共有システムActionLog について述べる.ActionLog とは,個人の行動の履歴に基づきユーザのWeblog 上に位置や発表,周囲にいる人などのコンテキストを付加したコンテンツのドラフト(草稿)を自動的に生成するシステムである.行動をドラフトとしてユーザに提示することにより,ユーザが自身の活動を振り返り,その理解を深めることを支援する.生成されたドラフトはユーザの意思により編集,公開され,公開されたコンテンツはコンテキストをもとに閲覧される.エントリは,ユーザの実世界での行動に関する情報とユーザ自身の記述した主観をともなうコンテンツからなり,ユーザの体験を表しているといえる.こうしてコンテキストを共有するユーザ同士の体験の共有とコミュニケーションを促す.我々はActionLog を,第19 回人工知能学会全国大会において大会支援システムの1 つとして実装,運用した.この実装では,他の学会支援システムと連携することによってユーザの行動を取得した.運用の結果,提案システムが参加者の振り返りならびにコミュニケーションの手段として,期待した効果を果たしたことを確かめた.In this research, we propose a system called ActionLog which supports authoring and sharing Weblog contents for the purposes of support on reviewing and support on communicating in academic conferences. ActionLog collects users' actions from other information systems placed at a conference site, and automatically generates drafts of the Weblog contents based on the contexts of the actions. Users can edit and publish entries according to their will. We implemented and applied the system on an academic conference as a field test. The result shows that the system was used both for reviewing their activities and for communicating other participants.
著者
栗畑 博幸 高橋 友和 目加田 慶人 井手 一郎 村瀬 洋 玉津 幸政 宮原 孝行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.25, pp.227-232, 2006-03-17

本報告では車載カメラ映像から雨天時に現れる画像特徴を抽出し,それを用いた状況別降雨認識手法を提案する.車載カメラを用いた運転支援技術の一環として,撮影時刻や降雨量の異なる様々な状況において天候,特に降雨の認識を試みる.具体的にはフロントガラスに付着した雨滴により変化する画像特徴を,昼夜の状況に適した方法を用いて検出することによって降雨の認識を行う.昼間の映像の場合には,様々な形状の雨滴画像から主成分分析を用いてテンプレートを作成し,テンプレートマッチングにより雨滴を検出する.我々はこれまで画像中の空領域からの雨滴検出手法を提案してきたが,本報告では入力画像を複数フレームにわたって平均化することで,画像全体からの安定した雨滴検出を行う手法を提案する.また雨滴検出結果をフレーム間で照合することで,より精度の高い雨滴検出が期待される.夜間の映像の場合には,雨滴による散乱光を定量化する.撮影時刻や降雨量の異なる実映像を用いて実験を行った結果,昼間の場合,画像全体から適合率0.97,再現率0.51と,従来と同程度の検出精度が得られた.また夜間の場合,83%の降雨判定成功率が得られた.これらのことから提案手法の有効性を確認した.In this paper, we propose a rainfall recognition method in various conditions from in-vehicle camera images using extracted image feature characteristic to rain. As a driver assistance system using an in-vehicle camera, we have been trying to recognize weather, espcially rainfall in various conditions. We recognize the rainfall by detecting the changes of image features caused by raindrops on the windshield, making use of different methods for day and night. In daytime, we make raindrop templates by principal component analysis from various raindrop images, and detect raindrops by template matching. We have previously proposed a raindrop detection method from the sky region in the image. Int this paper, we propose a method that detects raindrops from the whole image by averageing multiple input images. In addition, higher accuracy of raindrop detection is expected by matching the detected raindrops between frames. In nighttime, we propose a method that quantifies lights reflacted by raindrops. As a result, the same detection accuracy with number of the previous method was obtained (precision rate 0.97, recall rate 0.51) for daytime without restricting the target region. In nighttime, we obtained a the success rate of 83% rainfall judgment. E?ectiveness of this technique was shown from these results.
著者
太田 昌孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.288-289, 2000-03-15
被引用文献数
6
著者
ダニアル ケオキ 青木 孝文 戸田 真志 長谷川 晶一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.26, pp.15-20, 2009-02-28

カメラ画像から実世界の3次元情報を復元することが求められている。本研究では,実世界とCGを重畳させるために必要な3次元形状と運動認識をより効果に行うために尤度付き物理シミュレータの提案をする。A research to increase recognition of shape and movement for three-dimensional objects using physic simulator with probability consideration. By this,object recognition via camera is hoped to increase.
著者
金 淵培 江原暉将
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.1018-1028, 1994-06-15
被引用文献数
16

日英機械翻訳の精度を低下させる要因の一つとして、文が長すぎるということがある。文が長くなると係り受け構造が複雑となり、構文解析ができず、翻訳に矢敗することが多くなる。この問題を解決するため、われわれは日本語の長文を複数の短文に自動的に分割する研究を行った。われわれの手法は、形態素、品詞、文節カテゴリのようなさまざまな情報をフレキシブルに組み合わせて分割点の認定が行えるという特徴をもつ。さらに、分割を行うと、分割後の文に主語がなくなることがあり、この現象も機械翻訳の精度を悪くする。そこで、主語のなくなった文に対して、自動的に主語を補完する研究を行った。主語補割こは、学習データを用いて、主語になる名詞の特徴ベクトルの確率分布を推定した後、各主語候補に対して主語になれる確率値を算出して主語補完を行う統計的方法を用いている。約400文のニュース文を対象に分割と主語補完の実験を行った。分割点の認定には、分割点が記述されているパターン約100個を用いてパターン・マッチングを行い、約88%の分割点認定率を得た。 また、主語補完の補完率は76%であった。本論文では、短文分割の有効性と方法括よび主語楠完について述ぺる。
著者
神岡 太郎 土屋 孝文 安西 祐一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.457-466, 1989-04-15
被引用文献数
2

本論文では 日本語文において構文的にも意味的二も中心的役割を果たす述語複合体の知識を計算機上でどのように表現すべきかという方法について述べ さらにこの表現方法を用いて述語複合体を計算機によって生成するアルゴリズムについて説明する.述語複合体とは 戸田が膠着言語である.日本語の文法として不自然のないように 日本語文における従来の述部という考え方を再構成したもので これまでの述部に対する日本語文法に 比べて用言における複雑な活用を廃止した等の点で計算機処理に適した考え方となっている.本論文ではこの述語複合体に関する知識を (1)それを構成する語の出現優先順位に関するルール (2)語の意味属性や接続属性等からなる辞書 (3)音便変化や音の崩れ(例えば「食べてしまった」が「食べちゃった「となるような現象)変化に対応したメタルール の3つに分けることにより これを計算機上で素直に表現できることを示す.述語複合体生成システムは 述語複合体生成用のインタプリタと 上で述べた知識表現形式をインタプリタが解釈できる形式(実行形式)に変換するトランスレータから構成されており パス表現によって示される意味格表現に対応する述語複合体をすべて生成する.本論文ではこの述語複合体生成システムを用いることによって 実際に日本語文に用いられるかなり複雑な述語複合体をも生成することができることを実行例を用いて示す.
著者
川村 秀憲 山本 雅人 大内 東 車谷 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.1, pp.61-66, 2001-01-10
被引用文献数
10

近年,経済に代表される社会システムの研究でエージェントベースシミュレーションが盛んになりつつある.エージェントベースシミュレーションは,理論・実験に続く第3の研究パラダイムとして着目されており,エージェントのミクロ・マクロな振る舞い,そしてそれらの関係を解明する鍵である創発現象解明へ向けて,研究が行われている.しかし,各研究において様々なモデルが乱立し,統一的な解釈を与えるのが困難であること,モデルの透明性・シミュレーションの再現性等の問題点が指摘されている.そこで本報告では,経済・金融の汎用的シミュレータとモジュール型ツール群の実現へ向けたX-Economyサーバ・クライアントシステムの開発と,それを用いた仮想金融市場のプロトタイプについて報告する.In this paper, we report the prototype architecture of X-Economy System including X-Economy Server and Clients. X-Economy is the project aiming for foundation of standard problem as artificial social and economic systems. By X-Economy system, it will be possible to construct arbitrary system design for investigation of behavior of social and economic systems between micro scale agents and macro scale.
著者
後藤 孝行 武田 英明 安村通晃
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.68, pp.65-70, 2007-07-07

我々は多様なメタデータを容易に利用し効率的な検索を行うためのデスクトップ検索インタフェース「DashSearch」を提案する。DashSearchは、メタデータ(日付 作成者など)を表現したウィジェットと呼ばれる簡易アプリケーション(カレンダー,アドレス帳など)によって検索条件の設定を行う。次に,条件の異なる複数のウィジェットを直接操作によって組み替えることで容易に複雑な検索式を作成できる。そして,検索結果をウィジェットの種類に応じたさまざまな視点から表示する.これらの検索結果は再帰的に検索条件として利用することができ、結果に関連するファイルを連想的に検索できる。これらの機能を使うことで検索効率が向上したことをシステム運用によって確認した。We propose a novel desktop search interface, called the DashSearch, which enables users to retrieve stored data efficiently using various metadata. The DashSearch consists of several 'widgets': simple applications (e.g. a calendar or an address book) related to metadata (e.g. date or users).These widgets enable users to set search conditions.Next, users can set complex search formulas easily by modifying the conditions with direct manipulation. Then, users can browse search results in various views mapped to each widget. Moreover, since these results can be used reclusively as search conditions, the DashSearch helps users find other data associated with the results.We have confirmed the efficiency of our approach through preliminary evaluation.
著者
篠崎 翼 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.66, pp.81-88, 1997-07-18
被引用文献数
5

我々は規則合成音声をインタフェースに利用して、システムを使う気になるとかシステムに親しみを持てる等といったユーザフレンドリーなシステムを実現したいと考えている。本稿では、ユーザの入力に対するシステムのリアクションを合成音声で出力し、1から3モーラ程度のリアクション音声の韻律とそれから受ける印象とを検討した。その結果、言葉による合成音声の印象の違いは小さく、韻律による合成音声の印象の違いが大きいことがわかった。また、韻律を適切に調整した合成音声を付加することにより意図した印象を規則合成音声に与えることができる見通しを得た。In this paper, we report a strategy that enhances user friendliness using synthesized speech. We investigate user's impression that is caused by a system response using synthesized speech. Experiments were performed using a kind of a question and answer system. In the experiments, a system asks questions by synthesized speech, human inputs an answer using a mouse device, then the system outputs one or two syllable synthesized speech. The experiment results shows prosodic parameters (fundamental frequency and duration) are important to represent impressions such as kindness, fun, confidence and so on. On the other hand, phonemes in the syllable have little influence to the impressions.