著者
加藤 隆 佐伯 昌子 宅間 三起 亀井 美砂 向田 茂 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.452, pp.25-30, 1999-11-19
被引用文献数
1

顔情報の微妙な違いに対する人の感受性について,認知的・感性的観点から検討を加えた.実験1では,個々の顔と平均顔をモーフィング合成する際にテクスチュア情報と形状情報の混合比率を独立に操作し,記憶ベースの類似性判断におけるテクスチュア情報と形状情報に対する感受性を検証した.その結果,テクスチュアの違いが顕著に表れない場合のみ,微妙な形状の違いを認知できることが示された.実験2では,顔の見え方(view)によって印象が異なるかを検証したところ,「やさしそう-こわそう」という顔の形態に依存する印象は見え方による影響をあまり受けないが,「たのしい-かなしい」という心の情動状態を表す印象は顔の見え方によって比較的強い影響を受けることが示された.
著者
嵯峨山 茂樹 伊藤 克亘 宇津呂 武仁 甲斐 充彦 小林 隆夫 下平 博 伝 康晴 徳田 恵一 中村 哲 西本 卓也 新田 恒雄 広瀬 啓吉 峯松 信明 森島 繁生 山下 洋一 山田 篤 李 晃伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.518, pp.73-78, 2003-12-12

擬人化音声対話エージェントのツールキット"Galatea"の開発プロジェクトについて報告する.Galateaの主要な機能は音声認識,音声合成,顔画像合成であり,これらの機能を統合して,対話制御の下で動作させるものである.研究のプラットフォームとして利用されることを想定してカスタマイズ可能性を重視した結果,顔画像が容易に交換可能で,音声合成が話者適応可能で,対話制御の記述変更が容易で,更にこれらの機能モジュール自体を別のモジュールに差し替えることが容易であり,かつ処理ハードウェアの個数に柔軟に対処できるなどの特徴を持つシステムとなった.この成果はダウンロード可能となっており,一般に無償使用許諾している.
著者
宮原 一弘 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.431, pp.47-54, 1996-12-14
被引用文献数
9

今日,インターネットを利用した情報発信が,個人/組織を問わず盛んに行われており,多くの情報がインターネット上に氾濫している.とくに,教育に利用可能な多くのリソースがインターネット上に存在しているが,この情報洪水のために有効に活用されていないのが現状である.本研究の目的は,さままざな情報をインターネットから収集,整理,保存するための情報フィルタリングシステムの開発である.とくに,フィルタリングを行う際に,グループのメンバ間による協調行動を利用した協調フィルタリングの手法を提案する.本稿では,本システムでの情報に対する個人の興味の表現法および,その獲得手法を中心に述べる.
著者
木山 次郎 伊藤 慶明 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.95, no.123, pp.81-88, 1995-06-23
被引用文献数
22

蓄積された任意話題の音声から重要な単語を取り出したり、話題の境界を検出することができれば有用であろう。本稿では、音声中の互いに類似した十分な長さの区間を抽出することによって重要区間抽出を実現する手法を提案する。この方式は、任意の話題について詳細な要約が可能という利点を持つ。1名の話者の発声した模擬対話音声を対象に実験を行ない、本方式の有効性を確認した。また、本稿では、互いに類似する区間の対応関係を利用した、話題境界の抽出法を提案する。1名の話者が発声する4話題の模擬対話を接続した音声を用いた実験により、本手法が有効であることを確認した。さらに、本稿では、長時間の音声中の類似区間を抽出するのに適した手法として、Incremental Reference Interval-free Continuous Dynamic Programming(IRIFCDP)を提案する。
著者
宮地 悟史 滝嶋 康弘 羽鳥 好律
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.7, pp.1114-1125, 2005-07-01

地上ディジタル1セグメント放送への適用を目的としたH.264レート制御方式について提案する.従来のレート制御では, GOP単位に一定量を割り当てる手法が一般的で, 画像品質の面並びにバッファサイズを用途に応じて厳密に設定できないなどの問題があった.これに対し本論文では, H.264の符号化特性をベースにして, 画像性質を最大限に考慮した情報量割当と, HRDバッファ制約への準拠との両立を目的とした方式を提案する.画像性質の反映に関しては, フレームごとの予測誤差を事前に算出し, それに基づき最適な発生情報量を予測する.また, バッファ制約の考慮については, GOPのバッファ遷移状態から得られるスケーリング概念を新たに導入し, 予測された発生情報量に適用して割り当てるべき情報量を得る.このようにして割り当てられた情報量は, 一定のバッファ制約のもとで, 各フレームの性質を相対的に反映させたものとなる.シミュレーション結果により, 本提案レート制御方式が, 画質変動を最小限に抑え, また, バッファ制約に準拠していることが確認された.
著者
新地 修 林田 正尚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, pp.375-377, 1996-03-11
被引用文献数
1

テキサスインスツルメンツ(TI)におけるDMDの研究開発は、ほぼ20年前ラリー・ホーンベックがデバイスを発明した時に始まった。TIではそれ以来ずっと継続的にホーンベックとその開発チームにより、DMDチップとDigital Light Processing(DLP)^<TM>技術を応用した幅広いアプリケーションの研究開発を続けて来た。最初のデバイスはデフォーマブル・メンブレーン・ディスプレイと呼ばれ、シリコン基板上に作られたメモリーマトリクスと、ミラーとして働く硬化ポリマー薄膜のハイブリッド構造であった。このポリマー薄膜は個別につくられた後、メモリーマトリクスを完成したSiチップ上に合体されていた。その構造概略をFig1に示す。全てTIのDMDは、静電界作用により動作させるタイプのマイクロミラーデバイスである。複雑なハイブリット構造をやめて、モノリジック化する為にウェハー上に直接A1スパッターを行い、マイクロミラーを作り込む新しいプロセスが開発された。その構造をFig2に示す。この"クローバーの葉"状のDMDは、各ピクセル毎にその直下に配置されたメモリー素子による静電界作用によって動作を行う。全て通常のIC製造ラインを使って作られたDMDチップはさまざまなディスプレイ、プリンター、光信号制御システムなどに応用される。当初、多くのアプリケーションでは、DMDで反射された光の角度や明るさのアナログ変調を行う為にミラーの位置もアナログ制御が要求されたが、今ではほとんどの場合ラーはバイナリ位置制御で実現出来るので、新しいミラーの構造と動作モードは低電圧ディジタルCMOS回路で開発されるようになった。このバイステーブル・ミラーのアレーの一部分を拡大した写真をFig3に示す。(768×576ピクセルDMDチップ)これらのミラーは、二端をそれぞれ支柱に支えられそれらの対角線を中心に安定した二つの状態で回転する。支持されていない側のコーナーのどちらかはSi基板上にA1膜で形成されたランディングパッドに接触する。現在のDMD(Digital Micromirror Device)という名前は、このタイプのバイステーブルな動作をするところから名付けられている。TIは最近VGA、SVGAやHDTVなどに使用する1280×1024ピクセルDMDや、2048×1152ピクセルの高解像度を持つデバイスも開発試作を完了した。これらのDMDを使ったデバイスプレイは業界初の全ディジタル式ディスプレイ・システムとなる。TIのNTSC方式の最初のDMD全ディジタル・ビデオシステムは768×576ピクセルのデバイスを使用し、1993年2月にDARPAのHDシステム・プログラムレビューで発表された。
著者
鈴鹿 哲也 国本 雅夫 杉田 直己 清水 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.256, pp.57-62, 1993-09-30

通信制御LSIの動作の解析結果に基づき、高スループット実現のための処理方式を提案する。単位時間当りいくつのパケットを通信できるかという通信制御LSIの性能は「1つのパケットに対する処理の総量」だけでなく、各処理をどのような順序で実行するかという「処理スケジューリング」にも依存することを示す。そして高スループットを実現するための、「情報転送処理と送達確認処理」のスケジューリング方式及び「連続パケット受信時の処理」のスケジューリング方式を提案し、その効果を実測により明らかにする。
著者
小関 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ
巻号頁・発行日
vol.112, no.353, pp.31-38, 2012-12-06

多分野に適用できる通信ネット論として抽象化した、マルチモード非線形マルコフ遷移近似ネット模型の現状を紹介します。巨大ネットの統計量を高精度に再現するファミリーネット近似法によって、計算量の適当な規模のネット模型を作成し、モード解析や非線形マルコフ遷移競合解析を可能とします。また、標準ネット模型群で、異なるトポロジの対称性や安定性論を視覚的に整理します。情報インフラはフリードマンが賞賛した古典的インターネットを超越して、検索エンジンの個人化や非匿名性をもって経済活動に大きな役割を担うSNSなどに変態しました。この新情報通信インフラのインパクトを提案するツールで検討します。すなわち、Cyworldの統計データからトポロジ模型を作成し、モード構造を求めて個別化のもたらす社会的合意形成への課題を論じます。本稿は、新宇宙論やヒッグス粒子やiPSの発明が21世紀のコペルニクス的転換と認知して、産業革命の18世紀人に恥じない対応を目指そうとの総見直しの努力の一部です。
著者
ブラウン マーク 青山 久枝 山田 泉 住谷 美登里
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.407, pp.9-14, 2012-01-19

独立行政法人電子航法研究所では、羽田空港の交通流の改良を目指して交通流を分析し、改良方法を評価するためにシミュレーションモデル開発を行っている。忠実な交通流シミュレーションを得るため、各フライトの駐機スポットと駐機時間情報が必要である。スポット情報はSMAP(Spot Management and Planning:スポット総合調整サブシステム)とODAP(Online Data Archive Processor:運用情報管理サーバ)の二つの独立した航空管制情報システムから得ている。しかしながら、この二つのシステムのスポット情報に矛盾や欠陥が時々発生する。この場合、空港面監視レーダの航跡データからスポット位置を推定しスポットの利用状況を推定する可能性を検討した。本稿は羽田空港のSMAPとODAPスポット情報と空港面監視レーダ航跡データから推定したスポット位置の特徴を求め、駐機時間の解析を報告する。
著者
五嶋 研二 府川 和彦 須山 聡 鈴木 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.455, pp.31-36, 2009-02-23

本報告では,移動通信における中継システムとして,i)雑音が加わったアナログ信号を再送するAF(Amplify-and-Forward)と,ii)復号して再送するDF(Decode-and-Forward)を切替える方式を検討する.中継局において,CRC復号による判定誤りが検出された場合はAFを行い,誤りが検出されない場合にはDFを行う.さらに送信側とは異なる符号化を行いHARQ(Hybrid ARQ)と同様の高信頼化を図る.また,受信側で直接受信と中継局経由の受信信号の合成メトリックを求め,復号に必要なビット対数尤度比(LLR)を算出するために,まずプリアンブル信号を用いてチャネル推定とレプリカ誤差の平均電力推定を行い,合成メトリックの重み係数をレプリカ誤差の平均電力値から求める方法を提案する.マルチパスフェージング条件下でOFDM伝送の計算機シミュレーションを行い,i)切替方式はAFとDFよりも優れたパケット誤り率(PER)特性が得られ,ii)中継局での受信レベルが高く高符号化率の場合に異符号を用いる方式が効果があること,iii)準静的伝搬環境ではチャネル推定の精度による劣化が小さいことを明らかにする.
著者
河原 英紀 増田 郁代
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.449, pp.19-24, 1997-01-17
被引用文献数
12

音声の時間周波数特性を有声音の周期性についての新しい観点に基づいて復元することに基礎を置く音声分析・変換・合成方法STRAIGHT (speech Transformation and Representation using Adaptive Interpolation of weiGHTed spectrogram) の近似特性の改良について報告する。本資料では、STRAIGHTで用いていた区分的一次関数が2階のカーディナルB-スプラインであることに注目し、スプライン関数近似理論に基づいて近似特性を評価し、改良方法について説明する。また、この改良を有効に機能させるため、二つの相補的な窓関数を組み合わせて、零を含まないパワースペクトルを計算する方法を提案する。これらの改良の結果、STRAIGHTによる分析合成音声は、ヘッドフォンによる受聴の際にも、場合によっては、原音声と区別がつかない程度に改良された。
著者
花木 明人 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.629, pp.21-26, 2000-02-18

本報告では, アレーアンテナとMLSEを用いた時空間等化処理において, 複雑な処理を必要とするが優れた特性を有するarray processing MLSEと, 若干特性が劣化するものの簡易に時空間等化処理を実現できる縦続接続法について考察するとともに, それらの手法を互いに組み合わせた新たな手法を提案する.計算機シュミレーションよる検討の結果, 提案手法の一つSSW-MLSEは, array processing MLSEと比較してブランチメトリックの演算量が大きく減少するにも関わらず同等の平均BER特性を示すことがわかった.特に, アレー素子数が7以上の場合はarray processing MLSEよりも優れた特性を示すことがわかった.
著者
堀沢 伸吾 昌山 一成 小菅 昌克 蓮池 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.21, pp.43-48, 2002-04-11
被引用文献数
6

近年,無線アドホックネッ.トワークの研究が盛んであり,その中でもルーティング方式の検討が進んでいる.本報告ではそのようなルーティング方式に対し無線機器から取得した電波環境情報を適用することによる効果とその方法について検討を行った.また,実機における電波環境情報の取得を行い,メトリックの換算方法について検討を行った.
著者
富田 悦次 今松 憲一 木幡 康弘 若月 光夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.1-8, 1996-01-25
被引用文献数
13

本論文では, 無向グラフ中の最大クリークを抽出するための単純で効率の良い分枝限定アルゴリズムを提唱する. ここで, いかにして分枝の制限を強力に働かせて解の探索領域を小さくするかが, アルゴリズムの効率化の重要な指標となる. しかし, その分校制限実現のために要する処理時間をできるだけ小さく抑える必要がある. そこで本論文では, その両者の兼合いを適切に達成した, 非常に単純で巧妙な逐次近似彩色-整列法を考案し, それにより探索の各段階において見出し得る最大クリークの上界を得て分技制限を効果的に実現し, 総実行時間も小さく抑えることに成功した. 本アルゴリズムは, 他のいくつかの代表的アルゴリズムと直接実験的比較, あるいは論文上の数値比較により, それらに対して600節点以内の広い範囲の多くのランダムグラフおよび1000節点のいくつかのランダムグラフについて, より高速であることを確認した.
著者
齊藤 剛史 小西 亮介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, pp.1105-1114, 2007-04-01
被引用文献数
42

本論文では視覚情報を利用して人間の発話内容を理解する,いわゆる読唇において高認識率が得られるトラジェクトリ特徴量を提案する.トラジェクトリ特徴量は,口唇領域または口内領域より計測できる面積とアスペクト比の二つの特徴量をもとに,発話により生じる2特徴量の時間的変化を口形の軌道として表現される.認識はトラジェクトリ特徴量に二次元DPマッチングを適用する.(1)車椅子制御用10単語と(2)数字10単語の動画像において,これまで提案されている特徴量とトラジェクトリ特徴量の比較実験を行った結果,従来特徴量で最も高い認識率は(1)92.5%,(2)72.0%であったのに対し,トラジェクトリ特徴量は(1)99.5%,(2)83.5%の高認識率を得た.また処理速度,発話速度を考慮して擬似的にフレームレートを変更して比較実験を行った結果,従来の特徴量で最も高い認識率は69.5%であるのに対し,トラジェクトリ特徴量では98.0%と高い認識率であった.これより,トラジェクトリ特徴量は発話速度に対してロバストであり,かつ高い認識精度を有することを確認した.
著者
雛元 孝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.390, pp.119-124, 2009-01-15

現代制御理論,ディジタル制御論,ディジタル信号処理の間には理論的側面からみて幾つかの共通点や類似点が存在する.これらの三者は互いに影響し合って発展している.特に,状態空間アプローチでは学問分野の区別がつきにくい.ここでは,制御と信号処理の融合という観点からディジタル信号処理に関連した状態空間アプローチについて,黎明期から最近の発展まで簡単に復習する.
著者
高橋 善彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.77, no.4, pp.360-365, 1994-04-25
参考文献数
5
被引用文献数
2

当社のネットワークの変遷について簡単に触れる.その中にはどのような課題が与えられてきたのかを整理する.そして,将来の企業ネットワークに与えられている課題が,ネットワークのフレキシビリティという観点から,どのような要因によって解決されるのかを検討し,フレキシブルなネットワークに期待するところを整理する.
著者
山上 祐希 入江 正樹 佐々木 晃一 渡辺 康夫 白井 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.35, pp.29-34, 2005-04-21
被引用文献数
7

近年, 無線LANや自動車レーダ等に見られるように, ミリ波帯電波以上の利用が進みつつあり, これに沿って高周波帯における電波吸収体の開発研究が行われている. 高周波帯電波吸収体に求められる性能として, 薄形・軽量, 耐環境性能, 広帯域, 広角度性能, 両偏波対応が挙げられる. 電波吸収体の実現には, 電波吸収体材料の電気材料定数の計測, 電波吸収体材料の理論的検討, 厚みの設計及び電波吸収体の製造, 吸収量の計測及び特性評価の4つの過程が必要となる. 本稿では, 不燃性, 耐候性, 意匠性に優れ, 軽量な酸化チタン多孔体を用い, Wバンド電波吸収体を試作評価した結果を報告する. 実験方法として, 試作した電波吸収体の複素比誘電率を計測し, 電界ベクトル回転法と反射電力法を用い吸収量計測を行った. その結果, Wバンドでの電波吸収体の作製が可能であることを示した.