著者
山路 剛 金 春峰 石原 好之 戸高 敏之 坂口 和彦 内藤 和文 橋口 伸樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.337, pp.19-24, 2006-11-03
被引用文献数
8

本稿では,非接触給電システムにおいて並列共振と倍電流整流方式を適用した場合の諸特性について報告する.非接触給電に用いられるトランスの1次側と2次側の間には大きなgap(5mm)を挟み物理的に分離されているため,トランスの結合が悪く大きな漏れインダクタが存在する.トランスの2次側に並列接続したコンデンサとトランスの漏れインダクタは並列共振を行い,更に整流回路には倍電流整流方式を適用することにより高い出力電圧変換率と電力が得られる.解析及び実験結果により,入力24V,出力24V/2Aの試作器において各スイッチのZVS動作と76%の効率が得られたことを確認した.
著者
笠尾 敦司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.221-228, 1995-02-25
被引用文献数
12

画像の加工を目的とした画像編集作業を行う前に,加工すべき領域を指定しやすくするために画像を絵柄に応じた小さな領域に分割しておくことは有益である.その技術として領域分割アルゴリズムの利用が考えられる.しかし,画像編集で扱う画像は非常に大きいため,既存のK-平均アルゴリズムを画像編集の前処理に応用すると,大きな作業メモリと極端に長い処理時間が必要になる.そこで,大きな画像を小方形領域に分割して処理を進める分割K-平均アルゴリズムを開発した.小方形領域の境界で生じる分割領域のつながりの悪さを解消するため,小方形領域の間に境界領域を設け,既に分割し終わった境界領域の分割結果と,分割領域の情報を記録した分割領域テーブルを参考にし,K-平均アルゴリズムで分割処理を進める手法を開発した.本分割K-平均アルゴリズムを利用することで,少ない作業メモリで高速に領域分割処理を実行できるようになった.
著者
鷹見 淳一 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.2155-2164, 1993-10-25
被引用文献数
109

本論文では,HMMを用いた音素認識において,従来知識や経験,あるいはゆう度とは異なる尺度に基づいて決められていた認識単位やモデルの状態共有構造を,モデルパラメータと合わせてすべてを同時に学習・形成することのできる逐次状態分割法(SSS)と,SSSにより自動生成される表現効率の高い異音モデルである隠れマルコフ網(HMnet)を用いた音素認識手法を提案する.HMnetを用いた日本語26音素に対する音素識別実験では,従来の混合ガウス分布音素HMMを上回る認識性能が得られ,本手法の有効性を確認した.
著者
米林 順平 高松 昇三 齊藤 一幸 高橋 応明 伊藤 公一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.94, no.2, pp.297-299, 2011-02-01

筆者らは,呼吸検出用ドップラーレーダの性能を評価するため,人体の腹部運動を模擬したダイナミックファントムを開発した.また,ダイナミックファントムと人体の測定によって得られる出力波形を比較することで,ダイナミックファントムの妥当性を示した.
著者
水上 誠 岩津 茂太郎 井沢 伸芳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.1, 1995-03-27

これまでにディスク媒体をアクセス頻度順に並べてアクセス性能を向上させる浮動アドレス形ライブラリを提案し、ハンドの平均アクセス距離を大幅に短縮できることを示した。本報告では、更にReadWrite終了後にディスク媒体を倉庫に戻し、複数のドライブの中の1台をノンアクティブ状態とすることによりフォアグランドでのアクセス性能を一層向上できることを明らかにする。
著者
津川 知朗 長谷川 剛 村田 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.658, pp.1-6, 2005-02-10
被引用文献数
2

本稿では, データ転送のためのパケット以外に計測用パケットを必要としないインラインネットワーク計測によって得られる計測結果を用いて, 従来のTCPよりも優先度の低いデータ転送を実現する新たなバックグラウンド転送方式を提案する.具体的には, 送信ホストと受信ホスト間のネットワークパスの利用可能帯域に関する情報をインライン計測によって取得し, その計測結果を基に送信側TCPが持つ輻輳ウィンドウサイズの上限値を動的に設定する.ネットワーク状態を高い精度で推測して輻輳制御を行うことによって, 従来提案されてきたラウンドトリップ時間を指標として早期にネットワーク輻輳を検知する方式とは異なり, 輻輳を発生させることなくバックグラウンド転送を行うことができる.シミュレーションによる性能評価を通して, 提案方式がフォアグラウンドトラヒックへの影響度や帯域の利用率に関して従来のバックグラウンド転送方式よりも優れた性質を持つことを示す.
著者
岩田 具治 渡部 晋治 山田 武士 上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.978-987, 2010-06-01
被引用文献数
4

購買ログデータを用いて,時間変化するユーザの興味及び商品の流行を追跡するためのトピックモデルを提案する.提案モデルは,興味や流行の変わりやすさをデータから逐次推定するため,変化に柔軟に対応可能である.また,新たなデータが得られた際,過去のデータで既に推定された興味・流行に基づいて,現在の興味・流行を推定するため,過去のデータを保持する必要がなく記憶容量を削減でき,かつ計算効率も高い.実購買ログデータを用いた実験により,購買行動の予測精度及び推定の計算効率の観点で提案モデルの有効性を示す.
著者
野村 博義 若見 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.1241-1249, 1994-09-25
被引用文献数
28

遺伝アルゴリズムによるファジー推論ルールの新しい決定法を提案する.本手法では,入出力データに基づき,簡略ファジー推論のルールの数と前件部のメンバシップ関数を遺伝アルゴリズムを用いて決定し,ルールの後件部をデルタルールを用いて決定する.遺伝アルゴリズムは,生物の進化の法則から発想された最適化手法である.遺伝アルゴリズムをファジー推論ルールの自動チューニングに用いることで,評価関数を従来の推論誤差だけではなく,入出力データの数やルールの数を考慮した関数にすることができ,更にルールのチューニング過程において局所解からの脱出が実現される可能性が出てくる.本論文では,まず,デルタルールによるルール後件部の決定法について説明し,次に遺伝アルゴリズムによるルールの数と前件部のメンバシップ関数の決定法について述べる.そして最後に,簡単な数値例を説明し,本手法により入出力データの数やばらつきに応じたルールの決定ができることを示す.
著者
池田 一二 冨田 安志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.621-628, 1993-10-25
参考文献数
10
被引用文献数
39

後2世代のカレントコンベア(CCII)に電流フォロワ回路を付加した4端子対能動素子のカレントコンベア(CFCCII)を用いた電流モードバイカッドフィルタの一回路形式を提案している.提案回路は電流加算器と2個の電流積分器によって構成されている.本構成は,CFCCIIの出力端子を接地または結線する回路変更で,すべての電流モード2次伝達関数が実現できる.各フィルタは高出力インピーダンスであり縦続接続が可能である.また,各フィルタのω_0,Q_0は独立に設定でき,Q_0は受動素子の比によって決まり,素子感度も0.5以下と低い,受動素子はすべて接地形であるのでIC化に有利である.更に,CFCCIIの不完全性の伝達関数への影響を検討した結果,ω_0は主としてCFCCIIの電流変換係数の影響を受け,Q_0は不完全積分器の影響を受ける.また,フィルタの動作限界周波数はQ_0の変化の許容値で決まることを示す.実際に,各フィルタを構成し実験によって良好な動作を確認している.
著者
関口 博之 杉本 直三 英保 茂 花川 隆 浦山 慎一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.126-133, 2004-01-01
被引用文献数
13

MRAにおける血管領域の信号強度は血流量を反映するため,細い血管ほど輝度が低くなる.また細い血管ほどパーシャルボリュームの影響を強く受け,その輝度は更に低下する.このためMRAの血管輝度は広い範囲にわたり,単純なしきい値処理ですべての血管を抽出することは不可能である.血管輝度のレンジの広さはリージョングローイングによる抽出手法においても大きな問題となり,拡張条件を血管の位置や輝度に応じて動的に変更するといった対処法が必要になる.しかし一般的なリージョングローイングでは複数の血管内で拡張が同時に進行するため,各拡張点に異なる拡張条件を適用することは難しい.これを解決するために,血管を各枝単位に抽出する,枝単位リージョングローイングを提案する.枝単位リージョングローイングでは拡張条件の局所的な最適化だけでなく,拡張の途切れ先への再接続も容易に行えるため,抽出精度の更なる向上が期待できる.本手法を頭部MRAデータ5例に適用したところ,すべての例について抽出誤差が従来手法に比べて減少することを確認した.本論文では上記の抽出手法,並びに,客観的評価を行うために今回開発した,投影像を利用した数値評価法について述べる.
著者
宮林 穎夫 船田 哲男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.178, pp.29-36, 1998-07-17

音声の基本的特徴であるピッチ周波数の検出は, 音声分析合成を行う上で, 最も重要な研究課題の一つである.本論文では, 連続音声の有声/無声判定およびピッチ抽出に, 我々の提案する帯域フィルタ対(BPFP)バンクを利用する方法が, ピッチ周期の乱れやピッチごとの波形変動, 雑音付加に対してどのような性能を示すかを, ケプストラム法や変形相関法と比較し検討する.実験の結果, BPFP法は他の代表的な手法であるケプストラム法や変形相関法と比べて, 性能が比較的安定し有効なピッチ抽出法であることと, BPFPバンク中心周波数間隔の対数化によって, 特に低周波数帯域で効果があらわれることがわかった.
著者
宮林 穎夫 船田 哲男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.94, pp.7-12, 2001-05-18
被引用文献数
1

本論文では, 我々が提案する帯域フィルタ対(BPFP)バンクを利用する方法(BPFP法)やBPFPバンクとニューラルネットワーク(NN)を組み合わせた方法(BPFP-NN法)において, 耐雑音性の向上策として, パワースペクトルの周波数方向の傾斜を3値化するための閾値をBPFP内に導入する. 白色雑音やピンク雑音を付加した実音声に対して, BPFP法, BPFP-NN法による有声/無声判定およびピッチ抽出がどのような性能を示すかを, 変形相関法などの既存の方法と比較し検討する. 実験の結果,BPFP法, BPFP-NN法は変形相関法などと比べて遜色のない有声/無声判定付きピッチ抽出法であることがわかった.
著者
稲本 奈穂 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.8, pp.1693-1701, 2005-08-01
被引用文献数
21

スポーツイベントを対象にした自由視点映像合成技術を複合現実感に応用し, HMDを用いた新しいスポーツ観戦の枠組みを提案する. スタジアムで撮影される多視点スポーツ映像から, 視点の内挿によって観察者の視点位置に相当する仮想視点の映像を生成し, HMDを用いて現実空間にスポーツシーンを重畳表示する. これにより, HMDを装着した観察者は, あたかも目の前で試合が行われているかのような感覚を得ることができる. 本手法では, 試合を撮影する多視点カメラや現実空間を撮影するHMDカメラの校正を行わずに, 自然特徴点の対応関係のみから推定可能なカメラ間の射影幾何的関係を用いて, 仮想視点映像の生成や現実空間と仮想物体との位置合せを実現する. 本論文では, 本手法の有用性を検証するために, サッカー映像を複合現実提示するシステムを構築した. このシステムでは, サッカースタジアムで多視点カメラにより撮影したサッカー映像を, 机の上に設置したフィールド模型の上にHMDを用いて重畳表示することができる.
著者
杉田 泰則 相川 直幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.735-740, 2002-06-01
被引用文献数
16

本論文では,逐次射影法を用いて任意の振幅特性と位相特性を同時に満足し,かつ安定したIIRディジタルフィルタの設計法を提案する.提案法では,ルーシェの定理を用いることにより,分母多項式のすべての極がZ平面上の単位円内となるよう係数の更新量を制限している.
著者
白井 匡人 三浦 孝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.214, pp.77-82, 2013-09-05

本研究ではオンライントピックモデルを用いた文書ストリームの分類手法を提案する.文書ストリームではクラスの特徴が動的に変化するため,特徴の変化に応じて適応的に分類基準を変更する必要がある.また,ニュース記事のようなストリームデータでは,話題のバーストにより発生する話題が大きく変化する.オンライントピックモデルによりクラスごとの動的学習を行い,クラスの出現確率に事前分布を設け出現確率を学習することで文書ストリームの分類を行う.
著者
手塚 博久 中村 幸博 茂木 学 永徳 真一郎 瀬古 俊一 西野 正彬 武藤 伸洋 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.272, pp.129-133, 2009-11-05
被引用文献数
11

近年の携帯端末の小型化・各種センサの搭載により,ユーザの様々なライフログを用いてサービスを提供するシステムの実現が現実味を帯びている.現在のライフログ活用サービスは,個人のライフログと情報をマッチングさせるものが主流であるが,複数人のライフログを活用し,協調フィルタリングや集合的知識の抽出を行うことで,利用者の知識拡大や新たな発見をもたらすサービスの提供が可能となる.複数人のライフログを活用するためには,利用者が安心してライフログを提供できるための開示制御機能を含めたローカルシステム,大量のライフログを蓄積し処理するためのセンタシステムを組み合わせることが有効である.本稿では,ライフログを利用するために必要なシステムアーキテクチャに基づくシステム構築を行い,ユーザ状態を把握するフィールド実験を行った結果について報告する.
著者
村田 厚生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, 1995-03-27

マウスカーソルの移動軌跡に基づいてユーザがポイントしようとするターゲットを予測する方法が完成されれば,操作性の大幅な改善につながると考えられる。また,操作スペースを確保できない場合にマウスの動きをできる限り少なくする方法として,ユーザーがポイントしようとするターゲットを予測するルーチンをポイント・システムに組み入れる方法は有効である。これまでにこの種の研究はほとんど行われていない。本論文では,マウス・カーソルの移動軌跡に基づくターゲット予測法を提案し,ターゲット間の間隔,ターゲットの位置,マウスの移動軌跡のサンプリング時間,移動軌跡の選択回数が予測におけるパフォーマンスにいかなる影響を及ぼすかを検討した。
著者
渡邊 隆彌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.283, pp.17-22, 2007-10-18

SAWエラスティックコンボルバは、スペクトラム拡散通信方式におけるCommunicationsやSatellite Navigation Systemsにおける重要な信号処理プロセッサである。スペクトラム拡散方式は、変調信号の秘匿性、妨害波・干渉波排除能力、測距能力を有していることから究極のナビゲーションシステムとして、さらにはCDMA通信へ適用されるようになっている。この理由はデバイス面から見ると、同期捕捉がSAWコンボルバで簡単に実現できるようになったことが大きい。具体的には、SAWコンボルバは、受動素子で性能が安定しており拡散方式によって使用が限定されず、高速に拡散符号の変更ができ、高速移動体間情報系にも適用できることにある。CDMA通信やSatellite Navigation Systemsから要求されるシステム仕様に関するSAWエラスティックコンボルバを材料、デバイス構造、システムシュミレーションから検討し、帯域幅10MHz、相関時間100μsのSAWコンボルバアレーを提案している。
著者
杉田 薫 黄 子〓 横田 将生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.43, pp.101-104, 2013-05-09

仏像の製造を依頼する場合,既存の仏像の写真をもとに注文することが一般的であるため,多大な時間と労力が必要となる.この時間と労力の削減ため,仏像の顔画像を対象とした検索法について検討を行った.本手法は印象表現および感情表現に対して被検索画像に評価値を与えるため,(1)印象表現および感情表現に対する仏像サンプル画像への主観評価,(2)主成分分析による仏像のサンプル画像の分類,(3)印象表現および感情表現を象徴する平均顔画像の生成,(4)平均顔画像と被検索画像との相関値の算出を行う.本手法を仏像サンプル画像92件,被検索画像607件に適用し,評価値により画像を配置した結果,印象表現や感情表現による仏像画像検索の実現化に向けた感触を得た.