著者
西野 正行 河原 秀紀 守屋 有人 加藤 智巳 速水 賀雅 土井 雅之 赤塚 真幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.93, no.256, pp.49-55, 1993-09-30
被引用文献数
4

当社で近年導入を進めてきた技術部門での研究開発用FDDI光ネットワークは利用端末台数を始めネットワークの規模としても世界最大規模になった。しかし、ネットワーク構成の見直しを行うなど障害時の影響範囲を最小限に押さえる信頼性向上対策が急務であり、ネットワーク利用時間の24時間化に対応するため、ネットワーク側で通信障害時に自動迂回できる機能を持たせるなどの信頼性向上対策が必要になっている。そこで技術的動向を見据えながら、新しく信頼性の高いネットワーク構成を考案し、その機能確認を行った。本論文では種々の検討項目に対する評価結果および実験結果をまとめ報告する。
著者
福本 健冶 池田 冶 小野 典彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.96, no.77, pp.33-38, 1996-05-24
被引用文献数
1

近年, 強化学習を利用して, 未知の環境で振る舞うエージェント群に, 試行錯誤的に学習を行なわせ, それらの間に何らかの協調関係を組織化させることが試みられている. しかし各エージェントの状態空間は, そのタスクが他のエージェントとの連携をともない複雑化するにしたがい爆発してしまい, それらに効果的に強化学習を行なわせることはきわめて難しくなる. ここでは, 単純な強化学習の枠組みでは状態数が爆発してしまうマルチエージェントによる典型的な学習問題として, "追跡問題"をとりあげ, 各追跡者エージェント群に構造的Q学習を組み込むことによって, その状態空間の爆発を回避すると共に, それらに分業や群れ行動をともなう協調行動を獲得させることを試みる.
著者
菅原 俊継 海老川 慎 木村 浩一 木村 主幸 三澤 顕次 有澤 準二 五十嵐 治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.350, pp.67-72, 2000-10-06
被引用文献数
4

本報では, 遺伝子診断において最も重要とされている遺伝子抽出の全く新しい方法を提案した.まず, 中空糸膜の表面に金属を被覆した導電性中空糸膜を用いてウイルスの濃縮を行った.その後, 化学的にウイルス被膜を溶解し, 中空糸膜を負の電極として電気泳動を行うことによって電気的にウイルス遺伝子を抽出した.その結果, 濃度が5×10^4個/mlであるウイルス浮遊液から標的遺伝子が抽出された.この抽出法の最大の特長は, 膜によってウイルスの濃縮が迅速にできることである.また本遺伝子抽出法では, 膜の他に必要な装置は電源とポンプのみで, 人手による操作や処理が少ないことから, 自動化の可能性も有している.
著者
泉川 晴紀 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.440, pp.43-48, 2002-11-07
被引用文献数
1

インターネットの普及に伴い、移動しながらインターネットへ接続することへの要求が高まってきており、現在Mobile IPがモバイルユーザをサポートするプロトコルとして提案されている。本稿では、地理的位置情報を用いることで地理的に最適なローカルドメインを形成し、ハンドオーバ遅延によるデータ損失やインターネットへのシグナリングを減少させるとともに、Fast Handoverに必要な、ARが隣接AR群の情報を保持することのできる提案を行う。さらに計算機シミュレーションによる性能評価を行い、提案手法の有効性を定量的に評価する。
著者
植松 友彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.384, pp.15-24, 2006-11-21

シャノン理論とは、情報理論における各種の符号化問題に対して、符号化の限界について研究する分野である。シャノン理論の主要な研究分野は、情報源符号化、通信路符号化、乱数生成、予測、検定などであり、時代と共に広がっている。小文では、通信路符号化問題を例に挙げ、シャノン理論の研究対象となった問題の見所について解説し、他の分野と関係を持ちながらシャノン理論がどのように発展しきたかについて概説する。
著者
風戸 広史 林 晋平 岡田 敏 宮田 俊介 星野 隆 佐伯 元司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.165, pp.91-96, 2012-07-20

プログラムを変更する前に,開発者はまずFeature Locationにより機能に対応するソースコード上の実装箇所を特定し,続いてその箇所に関する静的構造や振る舞いを理解する.本稿では,実行トレースに系列マイニング,形式概念分析を組み合わせて適用することによって,機能の実装箇所を特定するだけではなく,その箇所の構造を半自動的に特定する手法を提案する.提案手法の支援ツールを試作し,Webアプリケーションの例題に適用した結果,提案手法が実現可能であり,また単に機能の実装箇所を特定するよりも理解に役立つことを確認した.
著者
佐野 勝彦 入江 一成 太田 紀久 森崎 正人 辻 久雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

筆者等は、一般家庭にLAN接続のためのインタフェースを提供し、予め登録されたユーザ間でお互いにPCを利用したコネクションレス通信を行える環境を実現する地域情報ネットワークシステムの開発を進めてきた。今回、本システムに適用するローエンドカードを試作したので報告する。
著者
YAMADA Makoto SIGAL Leonid RAPTIS Michalis
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.279, pp.1-8, 2012-10-31

Discriminative, or (structured) prediction, methods have proved effective for variety of problems in computer vision; a notable example is 3D monocular pose estimation. All methods to date, however, relied on an assumption that training (source) and test (target) data come from the same underlying joint distribution. In many real cases, including standard datasets, this assumption is flawed. In presence of training set bias, the learning results in a biased model whose performance degrades on the (target) test set. Under the assumption of covariate shift we propose an unsupervised domain adaptation approach to address this problem. The approach takes the form of training instance re-weighting, where the weights are assigned based on the ratio of training and test marginals evaluated at the samples. Learning with the resulting weighted training samples, alleviates the bias in the learned models. We show the efficacy of our approach by proposing weighted variants of Kernel Regression (KR) and Twin Gaussian Processes (TGP). We show that our weighted variants outperform their un-weighted counterparts and improve on the state-of-the-art performance in the public (HUMANEVA) dataset.
著者
定塚 敏嗣 松野 宏己 八重沢 隼 新井 宏之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.148, pp.201-206, 2008-07-16

本報告では,アレーアンテナを用いた到来方向推定における推定精度と計算量の2つの観点から,信号相関行列の固有値分解や角度サーチを用いないプロパゲータ法の優位性を確認するために,Beamformer法,Root-MUSIC法,TLS-ESPRIT法の3つのアルゴリズムとの比較を行う.推定精度は,シミュレーションと電波暗室内での実験結果を用いて評価し,計算量は各アルゴリズムにおいて受信信号から到来方向推定結果導出までに要する乗算回数の検討を行い定量的に評価する.シミュレーションと実験から推定精度がおおよそ等しくなる場合,プロパゲータ法の推定結果導出までに要する乗算回数は他のアルゴリズムの数十%となり,プロパゲータ法は所望の精度に対し,高速なアルゴリズムであることを示す.
著者
中西 恒夫 グリーペントローク ハンス・ヴェルナー イェーガー・ハンセン クラエス 久住 憲嗣 福田 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.23, pp.1-6, 2012-05-03
参考文献数
10

製品をまたがってソフトウェア資産を再利用するソフトウェアプロダクトライン開発方法論(SPL: Software Product Line)はその導入障壁の高さが常に問題となる。近年, SPL同様,派生製品の開発を容易にする開発プロセスとして,派生開発プロセスXDDP (eXtreme Derivative Development Process)が注目され,産業界での事例が多く報告されている。SPLはプロダクトラインの大域的かつ将来的な製品計画,システムの全体理解,コア資産の開発と保守を要する計画駆動の全体最適化的パラダイムである。一方, XDDPは派生製品において生じる追加・変更部分の分析に集中し,追加・変更部分の改変手順を明示的に与える変更駆動の部分最適化的プロセスである。XDDPは導入障壁の低さではSPLに勝るが,派生製品導出にかかるコストや複雑さの削減の面ではアプリケーションエンジニアリングでの派生製品開発の自動化を図るSPLが有利である。本稿では,導入障壁の低いXDDPから派生製品の開発を始め,派生製品開発のたびにSPLへの漸次的移行を進めるプロセス, XDDP4SPLを提案し,自律走行車両での試験的実施例を示す。
著者
Yang Hong 前田 惟裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 = THE JOURNAL OF THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFOMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.407-410, 2005-06-01
被引用文献数
1

2003年10月15日, 中国は初の有人宇宙船神舟5号を打ち上げ, 10月16日内モンゴル自治区に着陸し, YANG Liwei宇宙飛行士が無事帰還した.これでロシア, 米国に次ぐ3番目の有人宇宙機を成功させた国となった.これまで1999年11月20日打上げの神舟1号, 2001年1月10日打上げの神舟2号, 2002年3月25日打上げの神舟3号, 2002年12月30日打上げの神舟4号の成果を引き継ぎ, 今回の有人飛行の成功につながった.神舟5号は, 総全長約9m, 最大直径2.8m, 総重量7.8t以下であり, 軌道モジュール, 帰還モジュール, 推進モジュールの三つのモジュールから構成されている.宇宙飛行士は, 宇宙滞在中には軌道モジュールにおり, 帰還モジュールで帰還するように設計されている.また, 中国の有人宇宙技術の3段階の開発ステップにおいて, 第2段階は, 宇宙実験室, 第3段階は宇宙ステーションである.
著者
今村 浩一郎 竹内 知明 横畑 和典 成清 善一 濱住 啓之 渋谷 一彦 石井 真 安藤 嘉高 江口 直孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.643, pp.27-30, 2006-03-02
被引用文献数
4

地上デジタル放送を円滑かつ低コストで全国展開していくために,NHKでは,SFN放送波中継で問題となる送受アンテナ間での電波の回り込みによる干渉妨害を除去する回り込みキャンセラの研究開発を続けてきた.今回,開発した回り込みキャンセラを岐阜県の長良中継局に導入し,2005年12月26日の本放送開始日に実際に運用を行った.本報告では,本放送開始前の試験電波発射期間中に測定したSFN放送波中継の伝送特性について述べる.
著者
田中 洋介 小楠 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

航空機, 船舶等の輸送機や, ダム, 橋等の大型建造物の異常発熱, 歪み, 破損等の自己診断が可能な機能材料として, スマートストラクチャーが注目されている。なかでも, 光ファイバセンサを構造材に埋め込んだ構成は, 光ファイバと構造材との良好な整合が期待でき, 外部からの電磁波による影響も無いことから特に発展が望まれている。しかし, その基礎技術として現在までに検討されている各種光ファイバ温度センサ, 歪みセンサは, 信号処理系やセンシング部の構成が必ずしも簡素になっていない。本報告では光ファイバ中のGAWBS (Guided-acoustic-wave Brillouin scattering)を利用した極めて簡素な構成の温度/歪みセンサを提案し, その基礎実験として温度センサとしての動作を報告する。
著者
尊田 嘉之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

規則的パターン光を鏡面反射面に投影し、観測反射像から反射面形状を推定する方法を述べる。本手法はフェルマーの原理に基づく最適化により光学的逆問題を解くことを特徴としている。反射面形状をB-スプライン曲面により記述し、最適化過程の高速化を実現している。
著者
佐藤 毅 安井 一民 中川 軍夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-09-18

多重プログラミングにおける主メモリの管理方式は、大別して実記億方式と仮想記億方式に分けられる。いずれにおいてもシステム動作に伴う主メモリの未使用領域発生がメモリ利用効率を低下させる。そのための改善策として、可変区画割当てにおける外部フラグメテーションの解消にコンパクション(compaction)やシステム資源の利用効率改善のためのスワッピング(swapping)などが適時実行される。ここでは実記憶方式をもつ主メモリ管理システムにおいて、システム資源の効率的利用の視点からコンパクションとスワッピングの2つの機能を組み合わせた新しいメモリ管理モデルを確率モデルとして定式化し、主メモリのコンパクション(ガベジコレクション:以下GC)間隔について議論する。
著者
梅比良 正弘 大友 洋平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.254, pp.69-75, 2009-10-22

近年、地上ネットワークと衛星ネットワークがお互いに補完し、ユビキタスな通信環境を経済的に実現する衛星/地上統合移動通信システム(STICS)が注目されている。STICSでは、同一の小型携帯端末で、衛星ネットワークと地上ネットワークの双方を利用できることから、災害時や地上ネットワークのサービスエリア外である山間部や海上など、いつでもどこでも通信サービスを確保することができる。衛星/地上統合移動通信システムの特徴の一つは、衛星/地上共用携帯端末の実装を容易にするとともに周波数の有効利用を図るため、衛星移動通信に割当てられた周波数を衛星/地上システムで共用する点にある。本報告では、STICSにおいて、衛星/地上システムの周波数共用の検討を行うための拡張システムモデルを示す。また、本モデルに基づき、衛星セルで使用する周波数を地上セルで再利用する場合のノーマルモードとリバースモードの周波数運用方法を比較した結果を述べ、周波数共用においては、地上ネットワークのアップリンクにおけるトラヒックコントロールが必要であることを示す。
著者
蒲原 新一 竹田 仰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, 1996-03-11

計算機能力の大幅な向上により人工現実感の技術が大幅に進歩した.近年は,この計算機能力の向上に加えてインターネットに代表されるような通信技術が発達し,これにより情報化社会が形成されようとしている人工現実感の技術はリハビリなどに応用されようとしているが,各家庭がネットワークに接続されるようになると在宅医療への応用も考えられるようになる.矢野らはネットワーク上の分散型仮想環境での協調作業システムの構築などを行っている.我々はこれまでに仮想環境における腕相撲対戦システムを構築しており,これをネットワーク化することを検討している.
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.464, pp.1-6, 2010-03-05
被引用文献数
2

ハイビジョン映像を低圧縮・低遅延で無線伝送する高性能なワイヤレスハイビジョンカメラの研究を進めている.これまで,伝送容量の増大と回線信頼性の向上を目的として,ミリ波帯(42GHz帯,55GHz帯)の電波とを受信ダイバーシティ技術含むMIMO-OFDM伝送技術を用いたワイヤレスハイビジョンカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を行ってきた.そして,屋内撮影用・屋外撮影用のミリ波モバイルカメラを試作し,複数の番組撮影で使用した.今回,使用された番組の中からオープンゴルフ選手権,第60回NHK紅白歌合戦,ジャンプスキー競技の撮影で使用したミリ波モバイルカメラのシステム構成と運用方法について報告する.