著者
磯部 義明 大久保 なつみ 山本 眞司 鳥脇 純一郎 小畑 秀文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.279-287, 1993-02-25
被引用文献数
50

癌領域を同心円形孤立性陰影と仮定し,これを選択的に抽出するQuoit(輪投げ)フィルタを新たに開発した.このフィルタはいわゆるMorphologyフィルタの一変形であるが,(1)入力画像として同心円形でかつ中心から周辺に向かって単調減少するモデルを仮定した場合,フィルタ出力が解析的に表現できる特徴をもっている(結果が予測できる),(2)このフィルタを2回連続して適用すると,上記モデル画像を選択的に復元する能力を有する,などの興味ある事実を明らかにした.次いでこのフィルタを乳癌X線陰影抽出に応用し,12症例全例の乳癌部分を正しく抽出することを実証した.
著者
願 力栩 田中 直樹 金子 豊久 Haralick R. M.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.10, pp.2696-2704, 1997-10-25
被引用文献数
30

文字は主に細長い線分で構成されることから, 画像中に存在する文字領域は「細長い領域」を検出することにより抽出が可能と考えられる. 本論文では, まず数学モルフォロジーを用いて濃淡画像における領域の幅(文字線幅)を得る方式について述べ, 更にそれに基づく文字領域抽出方式について述べる. 本方式は, 多様な背景部をもつ画像に適用可能であり, 背景部と文字領域が複雑に入り組むような場合にも単純な画像の場合と全く同等に処理できる. 雑誌の表紙画像を実験対象として文字列抽出実験を行った結果, 白黒濃淡画像に対して81%, カラー画像では95%の抽出結果を得ることができた. また, 解像度の関係で, 今回用いた最小の構造化要素と同等の文字サイズしかもたない小さな文字を除くと, それぞれ92%, 100%の抽出結果を得ることができた.
著者
OKADA Kazuhisa YAMADA Akihisa KAMBE Takashi
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
IEICE transactions on fundamentals of electronics, communications and computer sciences (ISSN:09168508)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.835-841, 2002-04-01
被引用文献数
35

The Bach compiler is a behavioral synthesis tool, which synthesizes RT-level circuits from behavioral descriptions written in the Bach C language. It shortens the design period of LSI and helps designers concentrate on algorithm design and refinement. In this paper, we propose methods for optimizing the area and performance of algorithms described in Bach C. In our experiments, we optimized a Viterbi decoder algorithm using our proposed methods and synthesized the circuit using the Bach compiler. The conclusion is that the circuit produced using Bach is both smaller and faster than the hand-coded register transfer level (RTL) design. This proves that the Bach compiler produces high-quality results and the Bach C language is effective for describing the behavior of hardware at a high-level.
著者
高畑 文雄 小野里 好邦 嶋本 薫 初田 健 三橋 龍一 青木 由直 棚橋 真 村井 純 佐藤 亨 木村 磐根 藤崎 清孝 大迫 陽二 立居場 光生 都築 伸二 田崎 三郎 岡 育生 藤原 値賀人 越後 宏 康 健 大沼 孝一 佐藤 利三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.435-456, 1997-05-25
被引用文献数
28

衛星の高機能化,無線周波数帯Kuバンドの使用,地球局設備の小型化・低廉化,電気通信事業法の改正に伴う民間企業の衛星通信ビジネスの参入などによって, 衛星通信に関する大学独自の実験・研究が可能になったことをふまえ, 大学を中心とした多数の教育機関と電気通信事業者からなる組織化された研究・実験機関である「ディジタル衛星通信の大学間高度共同利用研究協議会」を設立した. 本報告では, 上記協議会について概説した後, 協議会のもとで衛星を介して実施されている主要な実験・研究として, マルチメディア衛星通信, 北海道統合通信網, 知的通信による手話画像伝送, インターネットアーキテクチャにおける衛星通信の利用などを取り上げて, その内容を紹介する.
著者
渋谷 茂一 石塚 春雄 亀島 昭徳 木下 敏雄 鈴木 直喜 安藤 秀哉 吉村 和昭 鈴木 喬 大野 豊 賀来 壽一 海野 幸次郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.97, no.382, pp.47-54, 1997-11-20
被引用文献数
17

1997年11月、CENELECは、EVI用完全電波暗室(自由空間型)の標準化草案を作成した。これは、現行の「CISPR16-1勧告による金属床面式サイト」がもつ幾多の本質的欠陥(電気的性能、利用性)の救済に役立つものである。この草案は、近くIEC/CISPRに上程され、たとえ日本等の反対があっても可決される国際動向といわれる(孤立は、電子機器製造産業全般に重大な影響をもたらす)。本論文は、野外式のオープンフリーサイト(OFTS;Open Free Test Site)と屋内式の完全電波暗室(FAC;Fully Anechoic Chamber)を包括する「自由空間型サイト(FSTS;Free Space Test Site)」に関して、一般的な必要条件、適合性評価方法、放射妨害(EMI)測定法、放射妨害限度値について述べる。なお、CENELECの草案には、CISPR16-1による「正規化アッテネーション(NSA;Normalized Site Attenuation)」と「アンテナ係数(AF;Antenna Factor)」の概念がそのまま引用されており、合理化の妨げになっているので、この、改善のために「正規化サイト利得(NSG;Normalized Site Gain)」と「有能アンテナ係数(AAF;Availab15 Antenna Factor)」を定義した。現行CISPR型サイトに対する自由空間型サイトの優位性(電気的性能、利用性、経済性)は圧倒的なので、国際的合意さえ得られれば、現在の、金属床面式のオープンサイドと半電波暗室は、遠からず自然淘汰されることになるであろう。
著者
芳賀 一夫 玉木 規夫 阿部 光晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11

現在のONUは屋内設置を前提に設計されている。しかし、光ファイバを加入者宅内まで敷設した場合、光線路の切分けが困難になり、保守上支障を来すことが考えられることから、ONUが屋外設置の可能性も考察する必要がある。この場合、コネクタ損失分を含む線路損失の低減が可能となるが、従来の設計温度範囲に比較して広範囲な環境温度の変化が予想される。そこで、温度に対する伝送特性劣化について検討が必要となるため報告する。
著者
徳満 恒雄 大平 孝 原田 博司 柏 卓夫 丹冶 康紀 大和田 哲 大橋 洋二 北澤 敏秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波
巻号頁・発行日
vol.98, no.603, pp.123-132, 1999-02-17

1998年の欧州マイクロ波会議の概要について報告する. 本会議は28回目を数え, 10月5日から9日までオランダのアムステルダムで開催された. 今回より, 従来のEuropean Microwave Conferenceを核とし, GAASとMTT-S European Wirelessなる会議を合体して, European Microwave Weekとして開催された. 論文数は430件であった. 本報告では, これらの発表を衛星搭載機器, ワイヤレス通信, MMIC, ミリ波デバイス, 能動・受動フィルタ, パッケージおよび実装,電磁界理論に分けて, それぞれの概要と興味深い論文の紹介を行う.
著者
前川 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.96-100, 2000-02-25
被引用文献数
7

米国は国家安全保障のために高度な暗号技術の輸出を厳しく規制してきた.しかし1995年以降, 輸出規制は徐々に緩和され, 1999年9月に米国政府は大幅な規制緩和を行うと発表した.これはかつて国防上や外交上の機密を守るために使われてきた暗号技術が, 急速に発展する電子商取引に必要不可欠な技術であることを米国政府が認識したからだと考えられる.暗号技術は, ネットワーク上を流れる商取引情報を盗聴や改ざんから守り, 取引相手の確認(認証)を可能にし, ディジタルコンテンツの不正コピーを防ぐなどの重要な役割を果たしている.
著者
金子 満 中嶋 正之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, 1994-09-26

メディアの拡大に従って,映像産業でのセルアニメ制作の需要が高まっている.セルアニメに根強い人気があるのは,絵本やコミック誌と同じタッチであるため親しみ易いことがあげられるが,制作側から見ても実写映画と違ってどんな世界でも作り出すことができること,作者の意図が伝わりやすいことなど,メリットが大きい.しかし,その制作手法は一枚一枚絵を描き,それをコマ撮り撮影するという昔ながらのもので,コンピュータの利用は,ディジタルインクアンドペイントと総称されるセルの色塗りと撮影部分に過ぎない.本研究は,3DCG画像制作手法の中で,モデリングとアニメーション部分をセルアニメタッチの画像制作に応用しようとするものであるが,その際に,キャラクタやモデルにふちどり線を発生させる必要がある.これは,3DCG画像をセルアニメタツチに見せる際に最も重要なものであり,可能な限りの自動化が望ましい.ここではふちどり線発生のアルゴリズムとして二つの手法を考察した.
著者
古宮 誠一 澤部 直太 櫨山 淳雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.79, no.9, pp.544-557, 1996-09-25
被引用文献数
19

大規模なソフトウェアの開発は,労働力を結集するためにプロジェクトを組んで行われるのが一般的である.しかも,どのようなライフサイクルモデルを採用しようとも,ソフトウェア開発プロジェクトには開発計画というものが必ず存在する.これは動員した労働力を有効に機能させるためである.従って,プロジェクトを成功へと導くためには,この計画をもとに管理目標を設定し,その達成度をフォローするという方法が効果的である.しかし,これはそれほど容易なことではない.なぜなら,ソフトウェア開発においては,作業量の見積もりやプロジェクトのリスクの予測が困難だからであり,このため,ソフトウェア開発計画の立案やソフトウェア開発における各作業の実質的な進ちょく把握が困難だからである.このため,プロジェクト管理者の負荷を軽減すると共に,高度なプロジェクト管理ができるように,ソフトウェア開発プロジェクトのプロジェクト管理を強力に支援するシステムを開発することが必要不可欠である.本論文では,プロジェクト管理のためのソフトウェアプロセスのメタモデルを提案すると共に,このメタモデルをベースにしたソフトウェアプロジエクト管理システムの枠組みが「ソフトウェア開発計画の立案」の支援に有効であることを,システムの実行例を用いて示している.
著者
藤野 義之 浜本 直和 蓑輪 正 鈴木 龍太郎 田中 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.357, pp.13-16, 2008-12-11
被引用文献数
6

安心・安全な社会の実現のため非常災害時における確実な通信手段の確保の必要性が叫ばれている.これらの社会的機運の高まりをうけ、地上通信と衛星通信を統合した新たな共用端末のためのモバイル衛星通信システムの検討が開始されている.これは、地上の携帯電話と同等程度の小型端末で直接衛星との通信を可能とすることにより、地上通信と衛星通信を同一端末で実現するシステムである.通信衛星に大型展開アンテナを搭載し、サービスエリアを数多くのマルチビームで覆うことにより、衛星側の通信能力を飛躍的に高めることや、地上の携帯電話と同一周波数帯の使用を実現することで可能となる.本稿ではこのシステムについて紹介し、技術的課題について述べる.
著者
三浦 周 渡邉 宏 浜本 直和 辻 宏之 藤野 義之 鈴木 龍太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.136, pp.37-42, 2010-07-15
被引用文献数
1

本研究では、地上/衛星共用携帯電話システム(STICS)の地上/衛星間周波数共用の検討の一環として衛星上り回線への干渉量を算定するに当たり、地上系ネットワークのトラフィック状況および伝搬環境を考慮した地上回線からの新たな干渉モデルを用いて干渉量の評価を行っている。干渉モデルは、日本全国をメッシュに区切った標準地域メッシュ毎に地上システムの携帯電話のEIRPの総和を計算する。この、単位面積当たりのEIRPの総和(地表面EIRPと定義)を、単位面積内の人口数、同時通話数、端末当たりEIRP、伝搬環境(見通し条件)の違いによる干渉電力の違いと伝搬環境毎の人口比、等のパラメータで表現する。本モデルの妥当性を評価するため、IMT-2000携帯電話に関する各種統計量や測定値を始めとする現実的なパラメータを入力し、上空受信実験の測定結果と比較して人口密度対地表面EIRPの関係が同様の傾向となる結果を示す。また、本モデルを用いて地上携帯電話からSTICS衛星への干渉量を試算し、衛星ビーム端受信CIRの最小値が15.1dBとなる結果を示している。
著者
佐々木 一正 小中 隆義 石村 一也 金谷 太 高橋 博和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.704, pp.43-46, 2002-03-01
被引用文献数
10

光ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)は歪センサとして優れた特性を持っていることから,著者等はこれを用いて,トンネルや橋梁等の防災に役立てるために構造物の変形監視システムの開発を行なっている.今回,FBGを実際の海底トンネル(青函海底トンネル)に設置し,2001年12月3日より1年間のフィールド実験を開始したので,その経緯,および,システムの概要,FBGの設置方法などについて中間報告を行う.
著者
國森 裕生 竹中 秀樹 布施 哲治 後藤 忠広 久保岡 俊宏 豊嶋 守生 吉田 和哉 桑原 聡文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.107, pp.99-104, 2012-06-21

東北大が計画している小型衛星「ほどよし21」別名RISESATに光通信ミッションのレーザ送信機器コンポーネントを搭載し、先進的宇宙実証をおこなう計画を述べる。ミッション名VSOTA(Very Small Optical Transmitter for component validation)の目的と仕様、リンク計算、衛星インタフェースと実験とその評価方法の概要を述べる。
著者
竹中 秀樹 豊嶋 守生 高山 佳久 小山 善貞 秋岡 眞樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.425, pp.59-63, 2011-02-17
被引用文献数
1

50kgクラスの小型衛星は,ピギーバックとして打ち上げ可能なため,普通の衛星に比べて製作のコストと時間を低減することができる.しかし,超小型衛星は,搭載リソースが少ないため通信容量が制限される.その解決方法として光通信を用いることで通信容量の向上が可能である.光通信は,現在,電波法による制限がないため,国際周波数調整が不要で打ち上げスケジュールの短縮が可能である.情報通信研究機構(NICT)では小型光トランスポンダ(SOTA : Small Optical TrAnsponder)を開発しており,小型衛星に搭載して光通信実験を行うことを計画している.本稿では,超小型衛星搭載用のSOTAを用いた光通信の実験計画について報告する.
著者
古村 隆明 藤川 賢治 岡部 寿男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.309, pp.49-53, 2006-10-16
参考文献数
11
被引用文献数
2

みあこネットは,無線基地局の設置者が費用を負担し,そこを訪れる利用者に無料の無線インターネットを利用してもらうという,「おもてなし」の心をもとにした独特のモデルで成り立っている公衆無線インターネットプロジェクトである.我々は2002年5月からみあこネットの設計・開発・実験運用を行ない,安全に無線インターネットを利用するためにVPN接続を必須とするネットワーク環境を構築した.本稿では,従来の集中型VPNサーバを利用する「みあこネット2」方式の問題点を明らかにし,VPNサーバの分散について検討を行なった.そして,基地局にVPNサーバ機能を内蔵するという,「おもてなし」の心でみあこネットを支えている基地局設置者にとっても有益な「みあこネット3」のモデルを提案し,設計を行った.
著者
大倉 輝 山本 寛 山崎 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.95, no.5, pp.1081-1090, 2012-05-01

近年,人間の行動を日常的にデータとして記録するライフログに注目が集まっている.人の位置を計測する手法は,屋外ではGPSが利用可能であるが,屋内では衛星からの電波が遮断されるためGPSの利用は困難である.そこで,GPSを用いずに人の位置を推定できる手法の確立が求められている.本論文では歩行経路を推定するために,加速度データから歩行周波数とエレベータ搭乗区間を,方位データから曲がり(歩行者の進行方向の変化)を推定する手法を提案し,システムを開発した.更に,開発したシステムを利用した評価実験を行うことで,歩行経路の推定精度を検証した.その結果,評価に使用した経路全てにおいて80[%]以上,更に,エレベータを含まない場合は92[%]以上という高い推定精度が得られ,屋内での歩行経路推定に有効であることが分かった.
著者
栗原 淳 植松 友彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.142, pp.35-40, 2011-07-14

秘密分散法は,安全な清報管理を実現する手法として注目を浴びている.その中で,線形ブロック符号を用いて構成される秘密分散法について,符号とアクセス構造の関連性の解析が行われてきている.しかしながら,符号の構造と,非資格者集合から漏洩する情報量の関連性は未知である.すなわち,既存の手法によって任意の線形符号から構成された秘密分散法では,'弱いランプ型しきい値法'のように,秘密の一部の要素が非資格者集合から確定的に復号されうる.小文では,秘密分散において秘密の一要素たりとも確定的には復号できない非資格者集合を'アクセス拒絶集合'と定義し,線形符号を用いた秘密分散法において,指定した集合がアクセス拒絶集合となるための,符号ならびにその双対符号の満たすべき条件を明らかにする.また,組織的パリティ倹査行列を有するCを双対符号とする線形符号C^⊥を用いた秘密分散法の構成法を与える.提案した構成法は,しきい値型と同様のアクセス構造を実現できることに加え,要素数α以下の全ての集合がアンチアクセス集合であるという特性('α-強秘密保護特性'と呼ぶ)を有する.さらに,この構成はCの有する一般化ハミング重みとMDS-rankによって特徴づけられることを明らかにする.
著者
グェン ホアイソン 牧野 義樹 リム アズマン オスマン 丹 康雄 篠田 陽一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.4, pp.31-36, 2012-04-05

空調システムは快適な環境を作り出す一方、住宅エネルギー消費の大きな部分を占めている。住宅における省エネルギーを実現するために温熱環境を含んだ空調システムの挙動をサイバーフィジカルシステムとして総合的に理解することが重要である。我々は住宅における温熱環境のシミュレータの開発をすると共にシミュレーションの精度向上のためのパラメータ同定を行い、実験結果の妥当性を実環境の計測データを比較することで検証してきた。本稿では開発したシミュレータの詳細を述べた上でシミュレーション結果と実験結果との比較を行う。