著者
松本 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.552-562, 2001-07-01
被引用文献数
2

シリコンパワーMOSFETは90年代後半, 微細加工技術, 低抵抗ゲート電極材料, SOI構造等のLSI技術を導入して飛躍的に性能が向上し, 2GHz帯では化合物半導体デバイスと同等の性能を示すようになった。更に21世紀に入り5GHz帯での適用の見通しが得られた。本論文では, シリコンマイクロ波パワーMOSFETの研究開発の歴史, 構造的な特徴, 高周波特性改善のための研究開発動向について述べる。
著者
剣持 雪子 小谷 一孔 井宮 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.528, pp.197-204, 1999-01-22
参考文献数
9
被引用文献数
33

CGにおいてよく使われる等値面生成法の一つであるマーチング・キューブ法は, 生成される等値面が位相的な曖昧さを持つことがある.標本点の間の連結性は面の位相構造を決める。そこで、本論文では、格子点の連結性を考慮してマーチンキューブ法の等値面の位相構造を考察する。そして、連結性の種類と面の形状との関係を明らかにする.
著者
中山 泰一 角田 博保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.355, pp.69-74, 2013-12-07

共通教科「情報」の高等学校学習指導要領では,「多くの情報が公開され流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる」と規定されており,その内容の取扱いとして,「知的財産や個人情報の保護などについて扱い,情報の収集や発信などの取扱いに当たっては個人の適切な判断が重要であることについても扱うこと」と記されている.一方,国,地方自治体,独立行政法人などの行政機関から情報を収集する意義や手続きについてはあまり扱われていない.本稿では,行政機関の公文書という生の情報を収集することは市民社会を健全に育成するために重要であるとの観点から,大学の教職科目の情報科教育法への公文書公開手続きの活用について,実践例とともに議論する.
著者
中山 泰一 角田 博保
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.355, pp.69-74, 2013-12-14

共通教科「情報」の高等学校学習指導要領では,「多くの情報が公開され流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる」と規定されており,その内容の取扱いとして,「知的財産や個人情報の保護などについて扱い,情報の収集や発信などの取扱いに当たっては個人の適切な判断が重要であることについても扱うこと」と記されている.一方,国,地方自治体,独立行政法人などの行政機関から情報を収集する意義や手続きについてはあまり扱われていない.本稿では,行政機関の公文書という生の情報を収集することは市民社会を健全に育成するために重要であるとの観点から,大学の教職科目の情報科教育法への公文書公開手続きの活用について,実践例とともに議論する.
著者
城 綾実 細馬 宏通
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.313, pp.25-28, 2010-11-20

複数の人が同時に同じ形状のジェスチャーを産出する(ジェスチャーが同期する)現象を詳細に分析することで,ジェスチャーの同期は偶然ではなく,参与者たちがそれぞれの発語や動作からどのような形状のジェスチャーをどのタイミングで産出するのかを予測しながら達成される現象であることを示す.本稿では,ジェスチャーの各フェーズが産出されるタイミングに着目して,ジェスチャーの同期に必要な手がかりについて論じる.
著者
上岡 泰輔 堀 遼平 北森 達也 吉川 雅弥 藤野 毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.352, pp.93-98, 2011-12-08

宇宙・航空・原子力用LSIでは,放射線が誘起するソフトエラーに対する高い耐性が求められる.一方,携帯電話やデジカメといった民生用機器と比較すると,これら用途のLSIの生涯生産個数は少なく,フォトマスク等の初期開発コストにより,LSI1個当たりの製造コストが非常に大きくなるという問題がある.生涯生産個数の少ない用途に向けては,FPGAを使用することで製造コストを削減することが可能であるが,回路構成素子としてSRAMを用いたFPGAは放射線耐性が弱いのが問題とされている.このような少量生産でありながらFPGAの使用が困難な応用用途に対しては,論理変更をSRAMではなく,2枚程度のビアマスクで行う方式が有効であると考えられる.本論文では,当研究室で開発してきたビアプログラマブルロジックVPEXを,FPGAに代わる低コスト耐放射線LSIとして提案する.回路シミュレーションにより,VPEXのソフトエラー率を見積もった結果を報告する.
著者
三上 正 金子 敏信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.614, pp.145-150, 1998-03-19

Daemenらは, IDEA暗号の鍵のうち, 2^<51>個の鍵はその総当たりをするよりも少ない計算量で推定できることを述べ, そのような鍵をWeak Keys(=弱鍵)と呼んでいる。本稿では, Daemenらの考えを拡張した二段消去攻撃をIDEA暗号に対して行った。その結果, Daemenらのものとは異なる弱鍵を見いだした。その弱鍵には2^<59>個が含まれる。鍵の推定には2^<39>組の選択平文対を必要とする。しかし, 鍵の推定にかかる計算量は, 59ビットの全数探索2^<59>と比較して, 本攻撃では2^<44.2>程度で済むことを見積もった。
著者
高橋 咲江 長谷川 忍 柏原 昭博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.470, pp.35-40, 2009-02-28

就職活動中の学生にとって,自分の専門性と類似した社会人がどのような就職活動を行ってきたか,また入社した企業に対してどのような考え方を持ち,活躍の場を得ているのかといった経験情報を参考にすることはキャリアプランを描く上で重要になる.こうした経験情報を得る手段の一つとして,学生は着目している企業の社員訪問を行うが,パーソナルコネクションを駆使し,アポイントを取って有用な情報を得ることは地理的・時間的制約が非常に大きい.本研究では大学生とそのOB・OGをメンバとした,経験情報の共有によるパーソナルコネクション構築のためのSNSの開発を行った.本SNSは,OB・OGと就職活動中の学生間のパーソナルコネクションの構築を支援し,メンバ間でOB・OGの就職活動中や入社後の経験情報の共有を図る機能を有している.ケーススタディの結果,本SNSによってOB・OGからの経験情報の提示が促進され,学生は就職活動に有用な経験情報が得られることが示された.
著者
蒋 再興 江村 裕介 檜垣 泰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.450, pp.173-178, 2011-02-24
被引用文献数
1

実際の履修データをもとに,履修漏れ回避と授業選択の効率化,そして学生白身が存在を知ることのなかった「興味がある授業」との出会いの機会提供を目的として,協調フィルタリングを用いた授業推薦システムのプロトタイプ開発を行った.情報検索分野におけるF尺度を用いた評価により,推薦する授業の妥当な表示件数を確認し,また,授業推薦システムに関するアンケートを行った結果,90%のユーザーが「興味がある授業」を発見できたと回答した.授業の推薦順位が上がるにつれ嗜好一致率が増加する傾向を示したものの,その一方で上位の推薦授業における嗜好一致率が理論値より低い値を示し,システムが満たすべき要件の一部に問題点が残った。
著者
竹野内 紋子 中島 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.2402-2410, 1997-09-25
参考文献数
7
被引用文献数
1

本論文では, 3次元物体を多方向からコード化する2色格子投影法と, それによって得られる情報を用いて, 3次元物体を識別する手法を提案する. 本法は, 3次元物体にしま模様を投影し, それを2次元にコード化する手法であるところのグリッドコーディング法を発展させたものである. これはオクルージョンの低減を目的として提案されたものであり, 多方向から観察した物体の情報を, 投影格子に色情報を付加することによって同時取得可能としている点が特長である. 更に3次元物体の識別過程では, コード化画像のパワースペクトルが対象物体の3次元形状を反映したパターンとなることを利用し, それから物体の平面内での回転や平行移動の影響を受けにくい特徴量を抽出している. そして, 特徴量の微妙な変化へ対応するため, ニューラルネットワークの汎化機能を利用して識別を行っている. 識別に用いる際の問題点を考察するために単純な形状の被験体を用いた識別実験を行ったところ, 識別率で約95%なる結果を得ることができた.
著者
岡野 郁子 松原 行宏 岩根 典之 中村 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.336, pp.7-12, 2005-10-08
被引用文献数
1

本研究では, 学習者がより体験的に学習できるように簡易視点変更機能を数学分野におけるVR型学習支援システムで使用することを検討している.簡易視点変更機能とは身体動作に連動し, 3次元空間内を自由に移動し, 観察することができる機能である.没入感, 臨場感, 操作感といったVRの特徴とこの簡易視点変更機能を利用し, 数学分野の空間図形における学習支援システムを提案する.
著者
横谷 哲也 小口 和海 川手 竜介 亀井 美里 下笠 清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.4, pp.31-36, 2009-04-09

イーサネットは、従来LAN用途として適用されてきたが、その経済性と高速性から通信事業者が運用する広域ネットワークに適用されるようになってきた。この際に必要となる機能に帯域保証がある。NGN等でQoS保証を必要とするサービスの普及が予想され、この場合にイーサネットでも帯域を保証することが必要となる。本報告では、帯域保証技術について動向をまとめ、イーサネットに適用する際の問題点について論じる。
著者
山口 正洋 薮上 信 中田 浩一 荒井 賢一 板垣 篤 板垣 喜一 斎藤 昇 布田 孝一 渡辺 光春 高橋 洋 田母神 隆 桜田 幸雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波
巻号頁・発行日
vol.97, no.342, pp.7-12, 1997-10-27

多層プリント配線板によりシールディドループ構造の平面形コイルをアレイ化することにより, 電子回路近傍の電磁ノイズマッピング装置を開発した。パルスモータによる可動装置を用いることで0.1mm刻みの高分解能計測を実現し, 直交する2つの磁界検出コイルを用いることにより磁界の強度および方向を2次元ベクトルとして測定できるようにした。
著者
小西 秀明 岡埜 靖 山村 一之 唐沢 直子 板矢 剛一 熊谷 淳子 江守 道明 相京 隆 平出 貴久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.658, pp.9-15, 2002-02-15

LSIのテストで高い縮退故障の検出率を得るためには,スキャン設計された回路についてデターミニスティックなテスト生成手法を用いるのが一般的である.しかし,回路規模が増加すると,テストデータ量も増加し,これがテストコストの増加につながる.テストデータ量を減らすためにはBIST手法が有効であるが,故障検出率が十分でなかったり,テストポイント挿入が必要だったりする.本研究では,テスト生成技術とBIST技術を応用し,テストコストを削減する新手法を提案する.本方法を実際の回路に適用した結果,高い故障検出率を維持しながらも,テストデータ量とテスト時間を約1/10に削減することができた.
著者
森田 清三 菅原 康弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.11, pp.858-865, 2002-11-01

半導体デバイスの評価装置には加工寸法の100分の1の空間分解能が要求され,2014年ごろには原子分解能が要求される.2020年ごろには,加工寸法は原子サイズに到達して,原子や分子から新ナノ物質や新ナノデバイスを組み立てる微細組立の時代に突入する.ここでは,21世紀前半に到来するミクロ極限の原子・分子時代に要求される原子分解能評価装置として,また,原子や分子から新ナノ物質や新ナノデバイスを組み立てる微細組立装置として,非接触AFMの空間分解能や様々な機能など,何がどこまでできるようになりつつあるかを紹介した.
著者
外山 純一 安藤 惇 田村 健 北崎 充晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.383, pp.113-117, 2009-01-12

脳波を用いたブレインコンピュータインタフェースでは,定常視覚誘発電位(SSVEP),事象関連電位(P300),および事象関連同期/脱同期(ERS/ERD)などの特徴的脳波が用いられている.これまでに,SSVEPを用いてステアリング操作を行うドライビングシミュレータを開発した.さらに,速度制御を実装するために,運動想起時のERD/ERSに着目し,その基礎実験と実装検討を行った.その結果,9日間の学習によって,反側半球の運動野で顕著な運動想起ERDが見られた.ERDによる速度制御を実装したドライビングシミュレータを開発し,実際に制御可能なことを示した.
著者
岩蕗 寛康 岩田 明彦 吉安 一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.45, pp.53-58, 2005-05-06

PFC(パーフルオロコンパウンド)ガス分解用の高出力マグネトロン駆動用電源を開発した。開発した電源(定格5kV, 1A)は, フルブリッジインバータと倍電圧整流回路で構成されている。まず非線形な負荷特性を持つマグネトロンの電流と電力について解析を行った。その結果, マグネトロン出力に線形化リアクトルを入れることにより, マグネトロンの電流と電力をパルス幅に対してほぼ線形に制御できることを示した。この解析を基に, 線形化リアクトルを持つマグネトロン駆動用電源を試作し, 3.5kWまでのマグネトロン出力を連続的に制御できることを実証した。
著者
吉田幸司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.327, pp.1-8, 1999-09-22

スイッチング電源において,ピーク電流を一定に保つピーク電流制限モード過電流保護回路を行うとき,入力のインピーダンスが大きいと,入力電圧の減少(増加)→デューティ比の増加(減少)→入力電流の増加(減少)→入力電圧の減少(増加)なる正帰還が働き,異常発振する現象が見られる.ここでは,LCπ型フィルタを入力に有するフルプリッジコンバータを例に取り,過電流保護状態での正帰還ループを解析し,実験結果と照合することにより特性を明らかにした.また,ランプ補償により異常発振を抑える方法の提案を行い,良好な特性が得られた.ランプ補償を用いると異常発振対策のために入力フィルタを大型化する必要は無くなる。
著者
宝珍 輝尚 山口 伸也 都司 達夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学
巻号頁・発行日
vol.97, no.36, pp.25-30, 1997-05-13
被引用文献数
7

本論文では,感性の主因子を用いて多種のメディアデータの検索を行うシステムの改良について述べる.まず,画像と音声に対する感性の主因子を求める.画像に対しては,「評価性」,「力量性」,「活動性」という3つの主因子が得られ,音声に対しては,「評価性」,「緊張性」,「力量性」という3つの主因子が得られた.次に,これらの感性の主因子に対する特徴量の算出方法について述べ,これらの感性の主因子と特徴量を利用するように検索システムを改良する.本システムを風景画と自然音を対象として評価したところ,画像に対しては良好な評価結果が得られ,音声に対しては「緊張性」と「力量性」について良好な評価結果が得られた.