著者
矢崎 智浩 三須 俊枝 中田 洋平 本井 滋 小林 剛 松本 隆 八木 伸行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.471, pp.401-406, 2010-03-08
参考文献数
10

時系列データから興味のあるイベントを自動的に検出する問題は,信号処理やパターン認識,画像処理など,様々な分野に現れる.本研究グループでは,これまで,サッカー動画像データから抽出された選手位置情報に基づく時系列データをもとに,ベイズ隠れマルコフモデルによるイベント検出アルゴリズムを構築してきた.しかし,隠れマルコフモデルでは状態が滞留する確率として「幾何分布」が仮定されるため,必ずしもふさわしくない場合があった.隠れ状態の状態滞留確率を改善することでイベント検出性能に対する向上の余地があったため,本稿では,状態滞留確率をより柔軟に表現可能な「一般化隠れマルコフモデル」によるアルゴリズムを構築し,イベント予測性能の向上を目指す.また,提案アルゴリズムの効果をJリーグのサッカー動画像データを用いて検証する.
著者
笹子 佳孝 木下 勝治 森川 貴博 黒土 健三 半澤 悟 峰 利之 島 明生 藤崎 芳久 守谷 浩志 高浦 則克 鳥居 和功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.222, pp.31-35, 2009-10-01
参考文献数
4

次世代の不揮発性メモリとして最も有望な相変化メモリを安価なポリシリコンダイオードと組合せたメモリセルの試作・電気特性評価を行った。低接触抵抗で駆動電流が8MA/cm^2以上と大きく、逆バイアスオフ電流が100A/cm^2以下と小さいポリシリコンダイオードを開発し、クロスポイント型相変化メモリのセル面積を4F^2(F:デザインルール)に縮小する見通しを得た。本技術により、相変化メモリチップの低コスト化が可能となる。
著者
日高 宗一郎 児玉 和也 丸山 勝巳 橋爪 宏達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.376-384, 2003-03-01
被引用文献数
1

今やほとんどのシステムはソフトウェア制御で,システムの成否をソフトウェアが握っており,システム制御プログラム開発の効率化が求められている。したがって,システム制御用に適した,要求に応じて機能拡張や変更が可能なOSが望まれる。この対策として,筆者らは,マイクロカーネル+マルチサーバ構成のOSの研究試作を進めている。このOS構成では,カーネルモードで実行されるのはマイクロカーネルのみであり,そのうえで各種のOSサービスタスクが,個々の論理空間をもちユーザモードで実行される。本方式では,拡張性,耐障害性,分散処理への適合性,制御ソフトウェア開発の容易化が図られる。また,この手法で懸念されるタスク間メッセージ転送のオーバヘッドは十分に少ないことを明らかにした。
著者
西川 員史 林 宏樹 桑江 俊治 棚橋 邦浩 信 英明 持田 岳美 誉田 雅彰 高西 淳夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.248, pp.17-22, 2002-07-19
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究は,人間の発声運動を模擬した人間形発話ロボットを用いて,人間の発声メカニズムをロボット工学的な視点から明らかにすることを目的としている.著者らは人間に近い自然な発声を目指し,昨年までの問題点を改良した新型発話ロボットWT-2(Waseda Talker-No.2)を開発した。WT-2は肺,声帯,口腔及び鼻腔からなる全15自由度の制御機構を有し,声道長は約175mmと人間と同程度の大きさを持つ.昨年までに開発したWT-1,WT-1Rと比べ,より柔軟な舌形状変更機構と,唇・鼻孔以外からの音漏れ低減により,明瞭性の高い母音及び破裂子音,摩擦子音,鼻子音の生成を実現した.
著者
橋本 裕之 寺井 賢一 田村 忠司 木場 政生 中間 保利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.94, no.464, pp.21-28, 1995-01-27
被引用文献数
2

航空機、列事等のオーディオサービスは、従来、ヘッドホン、イヤホン再生が主であるがシートのヘッドレストの両側にスピーカを埋め込んだニアホンタイプも一部試みられている。今回適応フィルタを応用したディジタル信号処理技術により、隣接席のスピーカの音漏れとエンジン、モータなどの騒音を自席のスピーカによる制御音で低減するアクティブ騒音制御システムを搭載したシートオーディオシステムを開発した。これによって、従乗の音響的な手法では困難であった100〜500Hzの低周波領域に対して、隣接席の音漏れを制御するアクティブクロストークコントロール(ACC)において20dB以上の効果を得た。ここではさらに、一般のアクティブ騒音制御システムにおいて、誤差検出マイクから離れた位置のノイズ低減を可能とするアルゴリズムについて提案する。
著者
谷川 庄二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.259, pp.75-77, 2008-10-16

2008年9月21日から25日までベルギー・ブリュッセルで開催された,ECOC2008における光ファイバ関連の発表のトピックスを紹介する.
著者
但野 友美 川村 秀憲 鈴木 恵二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.462, pp.27-31, 2011-03-01
参考文献数
13

人間の主観的な勘や経験等を数値化した意思決定支援手法にSaatyのAnalytic Hierarchy Process(AHP)がある.AHPは問題を階層構造に分解し,各レベルの項目間で親要素に対する一対比較を行い,全体の総合評価を算出する.そのため,代替案数が多くなると一対比較の総数が増え,全ての対を比較することが困難となる問題がある.本研究では最も良い代替案を一つ求める場合に注目し,一対比較が全て終わらなくても解が一意に求まる場合,それ以上の入力を省略することで,問題を解決する方法として比較支援法を提案する.評価項目数 2,代替案数 3の場合について,比較支援法を用いた際の一対比較数を調査する実験を行った結果,最も良い代替案が求まるまでの一対比較数は従来のAHPの平均82%であることが分かった.また,全体の約4割が全ての一対比較値の入力を終える前に解が求まることが分かった.解が一意に求まる時点で一対比較を停止することにより,利用者の負担を軽減できる可能性が示された.
著者
吉田 敏之 八木 学 滝沢 俊之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, pp.739-740, 1997-03-06

広帯域デジタル無線アクセスシステムの実現を目指し, 平成7年6月から京都府「けいはんんな地域」において, その技術基盤として23GHz帯及び38GHz帯の電波伝搬のフィールド実験を実施している. 本報告では, この実験を通して取得した降雨減衰やビル反射による影響等の各種伝搬特性の主なものについて, 報告する.
著者
渡邉 英伸 大東 俊博 近堂 徹 西村 浩二 相原 玲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.893-901, 2010-07-01
被引用文献数
1

仮想計算機(VM)を別の物理計算機上へ移動させる際,VMの処理中断時間を極力短くするライブマイグレーションが注目されている.ライブマイグレーションを拡張し,IP層における移動透過通信機能(IPモビリティ)をもたせることで,別ネットワークへの移行を可能にするグローバルライブマイグレーションが提案されている.しかし,既存方式ではVMの再構築時にIPモビリティ処理が実行されるため数秒以上の通信途絶が発生し,ライブマイグレーションとしての性能を達成できていない.本論文では,VMに複数のネットワークインタフェースをもたせ,マイグレーション前に未使用のインタフェースにあらかじめネットワーク設定を行うことで,通信途絶時間を大幅に短縮可能なグローバルライブマイグレーション方式を提案する.更に,本手法を実装し性能評価実験を行った.その結果,通信途絶時間が1秒以下であることを確認した.
著者
石國 裕一 近堂 徹 前田 香織
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.203, pp.7-12, 2011-09-01
参考文献数
9

インターネットを利用した映像配信サービスは,利用者の要求や視聴形態が多様化・高度化してきている.これらの変化や要望に対して,配信プラットフォームでは柔軟かつ迅速に対応していくことが求められる.本稿では,利用者の要望する映像の加工などの機能拡張が容易なビルディングブロック方式を採用したゲートウェイによる映像配信プラットフォームの設計と実装について述べる.本プラットフォームの特徴は,ゲートウェイの各機能ブロック(モジュール)の連携を管理・制御することによりユーザからの多様な要求に応じた映像加工処理を柔軟に行える点にある.
著者
中西 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.245, pp.51-54, 2009-10-15

2009年9月20日〜24日に,オーストリア,ウィーンにて開催されたECOC2009における,光ファイバに関連するトピックスを紹介する
著者
曽根 由明 神野 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.243, pp.47-50, 2009-10-15

2009年9月20日から8月24日までオーストリアのウィーンで開催されたECOC2009における、光ネットワークのアーキテクチャ技術、制御技術関連の発表技術の概容について報告する。
著者
加藤 修三 中瀬 博之 沢田 浩和 佐藤 勝善 原田 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.188, pp.217-222, 2008-08-20
被引用文献数
5

本論文は現在IEEEにて進められているミリ波(60GHz)システムの標準化(IEEE802.15.3c)のアップデートするとともに、その超高速性(マルチGbps)を生かしたミリ波システムの新しい応用,Super Digital Home及びSuper Infbrmation Portalを提案する。これらは来るべき"次世代移動通信システム"の核の一つとなるであろう。
著者
高橋 小百合 木村 勉 神田 和幸 森本 一成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.58, pp.25-28, 2011-05-13

本研究では,携帯情報端末使用して,手軽に情報保障が得られるシステムを構築した.例えば博物館などでは,展示物解説は書記日本語や音声によるものが中心である.聴覚障がい者にとっては,音声による解説は聞くことができない.また,多くの聴覚障がい者は,手話が第一言語であるので,書記日本語による解説も不十分である.これを解決するために,携帯情報端末の動画配信機能を用いた手話による情報保障システムを構築する.GPS機能を用いて携帯情報端末の現在位置情報を取得する.この情報をもとに現在位置周辺の展示物を画面上に表示させ,それらから選択することで展示物に対応する手話動画を再生する仕組みである.さらに本研究では,公共施設を用いて,評価実験を行った.
著者
目黒 在 三次 仁 安藤 和秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.476-484, 1993-05-25
参考文献数
10
被引用文献数
8

15m級の大型展開アンテナを構築するために必要な構造概念,要素技術について述べる.本論文では,15m級の大型展開アンテナを構築するために必要な構造概念として,モジュール型ケーブルメッシュ展開アンテナを提案し,モジュール化による小型化の利点とモジュール結合による誤差の影響を定量化してその特質を示している.更に,高精度鏡面構成技術としてケーブルネットワークと金属メッシュによるケーブルメッシュ鏡面を提案し,解析技術およびそれらに基づいた試作モデルにより鏡面精度0.24mmRMSが達成できることを示した.また,鏡面支持構造として同期展開トラス構造を提案した.展開トラス構造構成技術,結合展開トラスモジュールの設計方法,4m基本モジュール試作モデルと三つの縮小モジュールを結合した試作モデル,展開解析結果について示し設計の妥当性,ハードウエア構成に伴う問題点を明らかにしている.
著者
吉田 英二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.302, pp.35-38, 2007-10-25

本稿では2007年9月17日から29日までドイツ,ベルリンで開催されたECOC2007で発表された超高速・大容量伝送技術に関連した論文をもとに,会議の最新技術動向を報告する.トピックとしては,100Gb/s/ch変復調方式,光OFDM,デジタルコヒーレント受信,電気補償技術,Tb/s級大容量信号の長距離伝送などである.
著者
シャグダル オユーンチメグ 中川 健治 張 兵
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.539-550, 2005-03-01
被引用文献数
3

無線アドホックネットワークは, 将来のモバイル通信の一形態として最も注目されており, IEEE 802.11準拠の無線LANデバイスの利用が一般的と考えられる.無線アドホックネットワークの広い実現のため, QoS(Quality of Service)制御の要求が高まっている.その中でも, フロー間の公平性は非常に重要な要素である.伝統的な有線ネットワークでは, フロー間における公平性の問題は, 主にリンク層によるものだが, 無線アドホックネットワークにおいては, MAC層にも大きく起因する.具体的には, IEEE 802.11MACは無線端末間に公平なチャネル割当を行っているが, フロー間の公平を実現するには, フロー数に応じてチャネル割当を行う方式が必要となる.そこで, 本研究では, 各フローに同等なチャネルアクセスを割り当てることで, MAC層でのフロー間の公平を実現する方式を提案する.提案方式は公平性の改善だけでなく, ネットワーク全体のパフォーマンス, チャネルユーティリティなども改善できる.また, ネットワークシミュレータによる特性評価を行い, 提案方式の有効性を確認した.
著者
富澤 良行 シュレスタ シャンカー・マン 荒井 郁男 後藤 眞二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.300, pp.29-34, 2003-09-04
参考文献数
11
被引用文献数
4

150ピコ秒のインパルス波を用いた超小型地雷探査レーダを開発した。本地中レーダを地表面上で平面的に走査することにより、土中に埋設した模擬対人地雷を3次元的に映像化した。