著者
面 和成 宮地 充子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.421, pp.45-52, 2000-11-06
被引用文献数
1

最も広く知られているオークションはEnglishオークションである。電子オークションが満たすべき性質には、(a)Non-repudiation, (b)Anonymity, (c)Secure against framing attacks, (d)Unforgeability, (e)Verifiability, (f)Unlikability among different auctions, (g)Linkability in a auction, (h)Traceability, (i)Efficiency of bidding, (j)One-time registrationの10個あり、我々はそれらの全てを満たすより現実的な電子オークションを提案する。それらの中で特に注目すべき3点は、(1)電子掲示板を導入することで、各入札者の入札および入札値の検証の計算量を大幅に削減する。(2)登録管理者(RM)、オークション管理者(AM)および入札者に対する匿名性が1回の登録で実現される。(3)RMおよびAMの両機関が協力したときに限り落札者および不正入札者のみが特定される。
著者
羽下 哲司 鷲見 和彦 八木 康史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.1104-1111, 2004-05-01
参考文献数
6
被引用文献数
23

木の揺れや,水面の乱反射等の背景変動のある屋外情景から,歩行者を検出する画像処理アルゴリズムを提案する.従来より,人のようにほぼ等速直線運動する対象は時空間的パス内での局所的な動きが強め合い,他の背景変動では弱め合うことに着目して,歩行者のみを検出する手法が提案されている.しかしこのような,時間平均した動きの強さを用いた判定では,移動対象の誤った関連付けや,高コントラスト領域の一時的な動きが平均値を引き上げ,誤報となるケースが見られる.本手法では,動きの特徴量として,時間平均した動きの強さに加えて,空間平均した動きの強さ,時間的な動きの一様性という特徴量を定義し,これら三つの特徴により構成される特徴空間で歩行者と他の背景変動とを識別する.実画像による評価で,提案手法は時間平均した動きの強さにのみ着目した従来手法に比べて誤検出率,未検出率ともに約1/3に低減できることを確認した.更に提案手法をオンラインで実現するシステム構築し,実環境で2週間にわたる評価試験を行った結果,失報率1%未満,誤報発生1日平均3件以下の性能を得ることができた.
著者
中川 英元 岡崎 慎司 関本 慎二郎 朝倉 祝治 福田 健三 重盛 徹志 高橋 祥夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料
巻号頁・発行日
vol.98, no.154, pp.65-70, 1998-06-26
参考文献数
8

エバネッセント波吸収を応用してライン型水素センサを試作した。酸化タングステン(WO_3)が水素存在下でタングステンブロンズとなって青く発色する現象を感応膜として利用した。センサはWO_3粉末をシリコン樹脂中に分散させてクラッドとしたものと、ゾルゲル法でコア表面にWO_3薄膜を形成させたものを作成した。シリコン樹脂中に分散させたセンサは水素存在下で青く変色するにもかかわらず、光損失が減少した。ゾルゲル法で薄膜を形成したセンサは水素存在下で光損失が予想通り増大し、応答時間も常温で10分程度と比較的速く、ライン型センサとして有望であった。
著者
得丸 公明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.220, pp.55-60, 2011-09-22
参考文献数
11

情報理論というとシャノンを思い浮かべる人が多い.しかしジョン・フォン・ノイマン(1903-1957)も,生命の自己複製と進化を自動的になしとげる複雑さを生みだすメカニズム「オートマトン」の研究として情報理論の必要性を訴えていた.そして,組合せ,熱力学,形式論理学,デジタルといった基本概念を吟味し,万能チューリングマシン,デジタル神経ネットワーク,長期記憶メカニズムといったシステム構成要素を論じていた.情報は離散的で有限個の元からなる論理記号が,一次元状に配列された表現であり,それが媒体を変調して回線上を伝搬し,宛て先でデジタル復調されて複雑な意味を構築する.デジタル信号はアナログ信号よりも信号対雑音比(S/N比)にすぐれているから,組合せ理論にもとついて符号語の種類が桁違いに多くなり,一回だけ送信すれば相手にメッセージが届く.ほぼ無限に作り出せる符号語が,一度送信するだけで相手に届くことの相乗効果として,短い符号語が意味単位の接続や意味の修飾を行うようになった.これが言語における文法,タンパク質合成における非コーディングRNA,コンピュータ・ネットワークにおけるプロトコルスイッチである.宛て先で処理されるための情報以外に,情報を処理する回路の組み立て方を指示した情報を宛て先に送ることができるので,情報によって情報処理回路を作れる.できあがった処理回路を処理回路を作る回路に投入すると,一段上のレベルの処理が可能な処理回路ができ上がる.これを何度も繰り返すと,だんだん処理できる複雑さのレベルが上昇し,複雑さのレベルが同等な子孫を生みだし,さらに複雑さを増した進化を自然に生みだせる.具象概念から類概念・関係性概念に発展したものが,抽象概念,公理,公理系へと発展する過程も自己増殖による複雑化と考えられる.
著者
藤井 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.459-470, 2008-02-01
参考文献数
14
被引用文献数
6

World Wide Webでは時事問題に対する意見や商品に対する批評などの主観情報が増加している.主観情報に潜在する傾向や法則は,個人や組織における意思決定に役立つ可能性がある.本論文は,主観情報を集約し,可視化するシステム「OpinionReader」を提案する.本システムは,「サマータイム制を日本に導入すべきか」といった時事問題に対する賛成意見と反対意見が対立する構図を可視化する.ユーザは可視化された内容を吟味して,合理的な立場を選択することで意思決定を行う.OpinionReaderの有効性を実験によって評価する.
著者
谷村 正美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.74, pp.13-17, 2000-05-16
参考文献数
1

球形の錘と電源遮断機のスイッチレバーを紐で連結し、この錘を安定的に受け止める開口部を設けたL型金具を電源遮断機カバーに取り付けた構造で、震度5以上の揺れにより、錘が落下することにより、電源を遮断する付属装置を開発した。家屋が倒壊するような地震に対して自動的に電源を遮断し、電気器具の過熱により二次災害を防止することが可能になった。無資格で設置でき、しかも低価格である。
著者
佐々木 宏 深津 敦 鈴木 裕介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.92, pp.7-12, 2010-06-17
参考文献数
2

2009年9月11日に種子島宇宙センターからH2Bロケットで打上げられた宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機は、足掛け53日のミッションの中で、国際宇宙ステーションへのランデブ、食料や実験装置などの補給、廃棄品の搭載などを行い、11月2日に大気圏再突入を実施し、成功裏にミッションを完了した.HTVは約13年間の期間を通して開発され、技術実証機ミッションの中で実証された自動ランデブー技術や有人安全技術などの技術は、将来の宇宙開発に重要なものである.本講演では、HTV技術実証機の技術的な成果について報告する.
著者
横枕 一成 三瓶 政一 原田 博司 森永 規彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.598, pp.25-30, 2005-01-20
参考文献数
11
被引用文献数
1

次世代移動通信システム(B3G : Beyond Third Generation)の候補として開発されているDPC-OF/TDMA(Dynamic Parameter Controlled-Orthogonal Frequency and Time Division Multiple Access)システムは, 伝送方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用しており, システム帯域全体を64サブキャリアからなる複数のサブチャネルブロックに分割し, 端末の規模やサービスに応じて複数のサブチャネルブロックを使用することで, 様々な種類の端末を同時に収容可能なシステムである.この場合, 下り回線においては, 基地局が送信する共通ハイロット信号から各端末が自律的に必要な帯域分の伝搬路特性を推定する方式が必要となる.そこで本検討では, DPC-OF/TDMAシステムの下り回線において, 使用するサブチャネルブロック数によらない伝搬路推定方式を提案する.提案方式では, インバルス性が高く, 各サブキャリアの位相を変化させることでインバルスの立つタイミングを容易に変更可能なCI(Carrier Interferometry)をベースとしたバイロット信号を用い, インバルス応答を推定する.各端末では, 各サブキャリアのタイミング制御用の位相を補償する際, 使用するサブチャネル数に応じて異なる位相量で補償することで, 必要な帯域分の伝搬路特性を推定する.提案方式を計算機シミュレーションにより評価した結果, 各サブキャリアの伝搬路特性を高精度に推定でき, 使用するサブチャネル数によらず端末が自律的に必要帯域の伝搬路特性を推定できることを確認した.
著者
肖 鳳超 中田 洋平 村野 公俊 上 芳夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.885-893, 2006-11-01
参考文献数
19
被引用文献数
16

回路基板において,グランド層に入ったスリットを十分な間隔をおいてまたぐ平行な2本のトレース線路が配置されているとき,この線路間には大きなレベルのクロストーク現象が発生する.この現象が磁界結合(誘導性結合)であることを実験的に明らかにし,これを根拠に等価回路モデルを提案し,実験結果と比較することによって検証している.更に,このモデルを用いてスリット間に挿入するステッチングキャパシタのクロストーク低減効果を評価している.
著者
外林 秀之 菊池 和朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

能動モード同期ファイバレーザのように分散および非線形が顕著となるレーザでは, 分散および光パワーを調整すれば従来のモードロック理論で求められるパルス幅より短いパルス生成が可能である。本報告では離調に対するファイバレーザの安定性がバルス幅短縮化によりどのように影響されるかを検討する。
著者
岸下 直弘 間下 以大 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:21859329)
巻号頁・発行日
vol.112, no.106, pp.85-90, 2012-06-19
参考文献数
12

近年,超広視野且つウェアラブルな光学透過型ヘッドマウントディスプレイ(See-Through Head-Mounted Display)の開発が進められている.これが実現すれば,ウェアラブル拡張現実感(AR)システムにおいて周辺視野の利用が可能になる.しかし,AR環境において広視野を活かした情報提示に関する研究はほとんどなされていない.そこで本研究では広視野シースルーHMDの利用を想定し,周辺視野を有効活用した情報提示手法を検討した後,その有効性を没入型投影ディスプレイCAVEを用いたバーチャルリアリティ(VR)空間により評価する.情報提示手法としては,注釈対象に向かう紐付きの注釈をHMDの視野周縁付近に表示するというシステムを実装した.実験の結果,視野角を問わず,注釈対象の位置に重ねて注釈を表示する手法に比べ,視野周縁に注釈を移動することにより注釈対象の発見率は向上した.また視野角を問わず,注釈に点滅による誘目動作を行わせても発見率は向上しなかった.
著者
山本 光重 佐藤 智和 横矢 直和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.625, pp.55-60, 2002-01-23
参考文献数
6
被引用文献数
1

花火ショーの演出作業において, 花火師は花火の打ち上げ位置, タイミングや音楽との同期などの多くの要素を決定する必要がある.しかし従来, 花火師は危険性や金銭的なコストの問題から演出結果を視覚的に確認することができず, 演出作業を円滑に行うことが困難であった.そこで, 本研究では, 効率のよい演出作業を実現するための花火演出支援システムを提案する.ユーザは計算機を用いて打ち上げ位置, 花火の種類, 打ち上げタイミング, 音楽といった情報を入力し, 演出作業を行う.演出結果は入力されたデータに沿って, 花火の実写映像を利用して計算機上でシミュレートされ, モニタやHMD上に可視化される.これによって, 花火師は効率よく作業を進めることが可能となる.
著者
丸岡 稔典 森 浩一 井上 剛伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.472, pp.45-50, 2012-03-02
参考文献数
15

本研究では,重度障害者用意思伝達装置の継続的な利用を可能とする支援体制整備のあり方を検討することを目的とし,重度身体障害者へコミュニケーション支援を実施している団体へ調査を実施した.その結果,1)意思伝達装置を継続的に利用するためには,導入前・後に機器の貸出,スイッチの適合・再適合,機器の設定,操作練習等多様な支援が必要とされていること,2)意思伝達装置販売事業者は,上記支援に大きな役割を果たしているものの,これらの支援の実施は現行の補装具費給付制度のもとでは事業者の大きな負担となっていること,3)支援体制の整備を図る上で,公的機関のリハ専門職,販売事業者,パソボラによる支援の役割分担を検討すべきこと,が示唆された.
著者
川谷 隆彦 清水 裕之 マッキーチャン マーク
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.7, pp.1742-1751, 1997-07-25
被引用文献数
10

本論文は筆者の一人が先に提案したLDA法の改良と手書き数字認識への応用について述べている. LDA法ではフィッシャーの判別分析で求められる判別関数を原距離関数に重畳することにより原距離関数のパラメータの学習を行う. 判別分析においては, 判別すべき二つのパターン集合を1次元の軸z上に射影する. 今回新たな問題点として, LDA法では判別関数に1次の項のみならず2次の項まで用いるためにz軸上の分布は対称にならないこと, また, そのために最適な判別関数が求められず認識精度の向上に限界があることが判明した. 本論文では, 非対称性の影響を軽減させる方法を提案し, NISTのデータベースに含まれる手書き数字を用いた認識実験によりその効果を確認している. また, 誤読パターンの傾向の評価, および人間の読取り結果との比較を通じ, OCRの読取り能力は人間のそれにかなり接近してきていることを示している.
著者
國森 裕生 水野 貴秀 竹内 央
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.17, pp.47-51, 2012-04-19
参考文献数
17

惑星探査機の測距の現状と将来計画をレビューし、日本のHAYABUSA-2 LIDARと地球間測距実験の可能性をONE-WAY UP/DOWN LINK回線とTWO-WAYでの測距、検出確率の観点から述べる。要求仕様および地上局として必要となる装備の要件,国際協力局などの課題について議論する。
著者
高木 英明 吉瀬 章子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.94, no.9, pp.756-759, 2011-09-01
被引用文献数
2

2005年頃からサービスサイエンスと称する「サービス」の科学的研究が世界各地で始まった.本稿では,その背景となっている社会経済のサービス化,サービスの特徴と品質に関する基本的概念と最近の「サービスドミナントロジック」の考え方,国内外における研究と人材育成の取組みの動向,サービスへの科学的アプローチを概観する.最後に,情報通信技術に支えられるサービスイノベーションへの期待を述べる.
著者
田代 隆義 吉田 誠史 深田 陽一 坂本 健 梶山 義夫 吉本 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.410, pp.7-12, 2012-01-19
被引用文献数
2

10G-EPONシステムのモバイルバックホール適用や幅広い新サービスの提供を目的に,周波数および時刻同期機能を実装した試作装置の性能評価結果を報告する.OLTは外部リファレンス信号(GPs受信装置の10MHz正弦波・1PPS・ToD等)を入力可能とし,周波数および時刻同期を行う.OLT-ONU間においては,SyncE(網同期クロック転送)による周波数同期と,802.1ASプロトコルに従う時刻情報転送および時刻補正により時刻同期を実現する方式を採用した.また,より高精度な同期機能実現を日的に,物理層で得られた回線抽出クロックを用いて時刻情報の補正を実行する構成を採用した.これらを実装した試作機を作成し,高精度な同期性能が得られたことを確認したので報告する.
著者
上野 歩美 岡田 航生 梅田 耕佑 中島 雄平 山川 仁子 苣木 禎史 宇佐川 毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.534, pp.109-114, 2004-12-11
参考文献数
9
被引用文献数
7

現在,さまざまな日本語学習用のCALLシステムが開発されているが,学習者からの発話を音声認識し,評価のフィードバックを与えるシステムは少ない。本研究では外国人日本語学習者に向けた遠隔日本語発話訓練システムの開発を行っている。学習者は日本語を学習中であり,授業に対する補習や支援として利用することを想定している。本システムを学習者に実際に使用してもらう前に,構築したプロトタイプのGUIやユーザビリティが日本語学習に適しているかの評価を行う必要がある。本報告では,日本語教師によるヒューリスティック評価を行った。その結果をもとに,本システムのユーザインタフェースやユーザビリティ,教材について検討した結果を報告する。
著者
岩間 一雄 Lingas Andrzej 沖田 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.499, pp.49-55, 2005-12-15
参考文献数
17

木t-スパナーとは, グラフGの全域木でその伸長度がt以内(2つの頂点間の木上での距離がグラフ上での距離のt倍以内)であるものを言う. Gが木t-スパナーを持ち, 木t-1-スパナーを持たないとき, Gの伸長度がtであるという. 本稿ではグラフの伸長度を枝を追加して減少させる問題を議論する. 円グラフやグリッドグラフ等の特殊なグラフに対して最適な枝の追加アルゴリズムを与える. 一般のグラフに対しては問題は困難になるが, それでも, O(n/s')本の枝を追加して伸長度をs'にするアルゴリズムを与える.
著者
川原 洋人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.573-587, 1995-07-25
被引用文献数
2

コンピュータネットワークのルーティング方式の研究においては適応型ルーティングに比べ,固定ルーティング方式の研究は少ないが,実際のネットワークではその方法の簡易性から,固定ルーティングを用いているものが少なくない.固定ルーティングは,ノードやリンクの障害により,ルートが不通となったとき,他のルートに切り換える方法に問題がある.すなわち,多くの場合,固定ルーティングにおいては,パケットを送出するリンク(出方路と呼ぶ)が障害であることを検出したノードが,あらかじめ定められた優先順に従って,予備の出方路に切り換えることにより,ルートの切換えを行うが,ピンポン現象や,ループ現象などの誤ルーティングを起こすことがあり,完全ではない.本論文では,この問題を解決するために,ノード同士が情報を交換し,そのような現象の起こらないルート切換えを実現する分散アルゴリズムを与える.次に,障害が回復したときに,元のルートへ復元するアルゴリズムを与える.最後に,それらのアルゴリズムに基づく一連の操作が,複数同時に進行しても,誤ルーティングが起こらないことの証明を与える.