著者
中島 純 稲垣 潤 長谷山 美紀 北島 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.296, pp.37-42, 2002-08-28
被引用文献数
1

配電系統事故復旧問題は,停電区間を最小にするだけでなく,復旧に要する操作時間を最短にする等,複数の最適化対象を持つ多目的最適化問題である.本稿では,遺伝的アルゴリズム(GA)の特徴に基づき,配電系統事故復旧問題のパレート最適解を集合として求める手法を提案する.本手法を用いることにより,多数の解候補から比較,検討し最適解を選ぶことができるため,ユーザの希望を正確に反映した最適解を得ることが可能となる.このような応用は,従来法を用いた場合には実現が困難であり,提案手法が有効である.
著者
伊藤 清繁 大倉 浩嗣 田坂 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.313, pp.37-42, 2004-09-09

本報告では,IEEE 802.11gによる音声・ビデオ伝送時にBluetooth干渉がメディア同期品質に及ぼす影響を実験により評価している.実験では,Bluetoothによる送信がIEEE 802.11gのアクセスポイント及びメディア受信端末に干渉可能な擬似電波伝播環境を構築する.そして,アクセスポイント及びメディア受信端末に送信するBluetooth干渉の電波強度を変化させた場合,音声・ビデオのメディア同期品質にどのような影響を及ぼすかを測定する.その結果,Bluetooth干渉が大きいほど再送パケットやCRC誤りパケットが増加することにより,メディア同期品質が低下することを示す.また,メディア同期制御を適用することにより,メディア同期品質を改善できる.
著者
桃井 昭好 佐藤 茂雄 中島 康治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.474, pp.37-42, 2004-11-20

ストカスティックロジックを用いた1000ニューロンハードウェアシステムの構築を行った。ストカスティックロジックは確率密度変調された1bitのデジタルパルス列を用いて演算を行う。そのため、バイナリロジックに比べて回路面積を小さく実現でき、さらにアナログ回路に比べて外部ノイズ耐性が高い回路を実現できる。また、確率的な動作に起因するノイズを利用することでネットワークの性能を向上させることができる。今回、我々は1000ニューロンシステムの詳細、及びシステムの測定結果についての報告を行う。
著者
宮崎 真悟 櫻井 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.97, no.71, pp.133-140, 1997-05-26

1997年4月1日から4月4日までチューリッヒのIntercontinentalホテルにおいて開催された第4回ACM計算機・通信セキュリティ国際会議について報告する.
著者
今井 哲朗 藤井 輝也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.96, no.524, pp.35-42, 1997-02-20

基地局アンテナを周辺建物より低い位置に設置して構成するストリートマイクロセル内の伝搬損失を精度良く推定する方法にレイトレース法がある。この方法は送受信間の幾何学的なトレースを求めるだけで比較的容易に電界強度を推定できるが,建物数が増大すれば処理時間が激増するためエリア推定システムとして実用化するには処理の高速化が不可欠であった。本稿ではレイトレース法を用いて高速処理を可能とする伝搬路モデルを提案する。また,提案したモデルに基づいて開発したエリア推定システムSMAP(Street Microcell Area Prediction system)の概要について述べる。
著者
今井 哲朗 藤井 輝也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波
巻号頁・発行日
vol.96, no.533, pp.35-42, 1997-02-20

基地局アンテナを周辺建物より低い位置に設置して構成するストリートマイクロセル内の伝搬損失を精度良く推定する方法にレイトレース法がある。この方法は送受信間の幾何学的なトレースを求めるだけで比較的容易に電界強度を推定できるが,建物数が増大すれば処理時間が激増するためエリア推定システムとして実用化するには処理の高速化が不可欠であった。本稿ではレイトレース法を用いて高速処理を可能とする伝搬路モデルを提案する。また,提案したモデルに基づいて開発したエリア推定システムSMAP(Street Microcell Area Prediction system)の概要について述べる。
著者
清 雄一 本位田 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.678-688, 2009-03-25

大規模なセンサネットワークでは,個々のセンサがセキュリティ侵害を受けやすい.セキュリティ侵害を受けたセンサは,嘘のイべント(不正イべント)を発生させるのに利用される.この攻撃は,イべントの受け取り手を混乱させるだけではなく,個々のセンサの有限のエネルギーを消費させる.多くの既存研究が提案されており,それらはネットワーク内で不正イベントを検知することが可能である.だが従来の既存研究では,小さなしきい値(例えば5)以内のセンサノードがセキュリティ侵害を受けた場合にのみ適用可能であるという制限があった.近年,この制限を克服した手法がいくつか提案されているが,それらは,データを収集するシンクが固定されている状況でのみ適用可能であるという別の課題をもつ.本論文では,シンクが移動するセンサネットワークにも適応可能な手法を提案する.同時に,多くのノードがセキュリティ侵害を受けても,高いセキュリティを保つことを目標とする.本手法が,従来の手法と比較して不正イべントをより早く検知できることを数学的な解析を行うことにより示す.
著者
小野 智彦 小倉 恵 小沢 敏彦 林 良一郎 清野 清春 広瀬 晴三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11

三菱電機は、リニアライザを実装した節電機能付きグローバルスター搭載用の7GHz固体電力増幅器(C-SSPA)を開発した。以下に、その構成と主要性能について報告する。
著者
五十嵐 広宣 末永 章一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.302, pp.59-65, 2003-09-05
被引用文献数
4

太陽光発電システムは、太陽電池で発電された直流電力をパワーコンディショナによって一般配電線と同様の交流電カヘ変換し連系するシンプルなシステムである。発電に際しての排気ガスやCoの発生もなく、地球エネルギー起源の二酸化炭素抑制策の一つとして期待されおり、2010年における導入目標は、482万kwと2001年度末の実績との比較では約10倍となっている。太陽光発電システムの中枢であるパワーコンディショナは、直流を交流に変換する機能のほか、一般電気事業者の配電線と連系するために必要な電気安全上の保護機能及び一般家庭内に取り付けられて使用されるため一般電気製品と同等の電気安全性を備えたものである。
著者
竹内 俊一 四分一 大介 寺島 信義 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.2675-2685, 2000-12-25
被引用文献数
8

ズームイン・ズームアウト画像シーケンスを用いた画像モザイク化処理によるロバストな絵画等の高精細ディジタル化手法を提案する.本手法は, 撮影対象の画像特徴やカメラの動きに起因するモザイク化処理のは破綻を回避できる点に特徴がある.本手法では, まずビデオ画像シーケンス獲得時に高解像度化が要求される領域と画像全体像の間でズームイン・ズームアウトを繰り返す撮影を行う.そして, その撮影画像フレーム間(隣接フレーム間及びanchorフレームと任意画像フレーム間)の平面射影変換推定を行い, その平面射影変換の推定精度に関して評価を行う.そして, 十分な精度で推定された平面射影変換行列を判定し, その行列のみを用いた画像モザイク化処理により, 平面静止画の高精細ディジタル化を実現する.本論文では実験を通じ, 本手法が, 平面射影変換推定の誤推定を回避し, 高精度かつ良好に平面静止画の高精細ディジタル化を実現できることを示した.また, 誤推定が生じない場合にも, 本手法が誤差累積の影響を受けず良好に画像モザイク化を実現できることも示した.
著者
天野 敏之 佐藤 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.457-465, 2002-03-01
被引用文献数
58

本論文では,固有空間法を用いた画像補間法により,文字などのテロップを含む1枚の画像のみを用いて文字を補間により消去する手法を提案する.風景画などの画像はフラクタル的な性質があり,画像の自己相関性が仮定できる場合が多い.筆者らはこの点に着目し,欠損を含む1枚の画像のみから固有空間により画像を記述するルールを表現した.このように生成された固有空間は,画像の特徴を反映しており,この固有空間を用いることにより画像補間を実現した.本補間手法はオリジナル画像を復元するものではないが,実験の結果画像の自己相関性が成立する画像については違和感なく補間できることが確認された.
著者
渥美 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.547, pp.65-70, 2002-01-09

負荷平準化用の電力貯蔵電池として開発したNAS電池の概要と用途展開を紹介した。NAS電池は、活物質として負極にナトリウムを、正極には硫黄を用い、電解質にはナトリウムイオン導電性の固体電解質、ベータアルミナを使用する。運転温度は300℃程度の高温である。NAS電池はエネルギー密度と耐久性が高い。単電池試験では、6500サイクルを超過する耐久性を示している。安全性についても各種の試験検証を行ってきた。また、NAS電池は高温の運転温度を維持する必要があるが、充放電を繰り返している場合には保温電力をあまり必要としない。応用面では、負荷平準化を基本として、非常電源や無停電電源との兼用、風力・太陽光発電の出力変動吸収など、多様な用途が考えられる。
著者
竹内 章 大津 智 室山 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, 1995-09-05

高調波電流を効率良く抑制する技術がますます重要となっている中、著者らは、小形・高効率化を目指し二入力トランスを用いた方式の高力率コンバータを検討してきた。さらに、入出力電力のアンバランスを補償するためのエネルギー蓄積素子の低電圧化のための回路についても報告した。本報告では、トランス二次側に低電圧のエネルギー蓄積素子を有する高力率コンバータを提案し、動作条件、主回路動作、および無停電電源への適用について述べる。
著者
金子 尚史 植田 哲郎 野村 眞吾 杉山 敬三 竹内 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.153-158, 2006-11-22
被引用文献数
7

大規模災害発生時の問題の一つとして,通信インフラ障害による被災地との通信の断絶がある.被災者の安否確認や救援作業を迅速・的確に行うために,通信インフラを早急に確立することは重要である.通信インフラを早急に確立する有力な手段として,コグニティブ無線を用いた可搬型の基地局による自律的なネットワーク構築が検討されている[1][2].コグニティブ無線では,周辺の無線環境を認識し最適な無線メディア(無線リソース)を選択することから,無線環境を正しく認識することが重要であり,現在の無線環境のみならず無線環境を予測することが出来れば,さらなる周波数利用効率の向上やスループット向上等が期待できる.本稿では,コグニティブ無線基地局の無線メディアの有力な候補のひとつであるIEEE802.11(無線LAN)における無線環境認識・予測について検討を行った.無線環境情報が送信される周期が比較的長い場合を想定し,実環境での無線LANキャプチャデータから実測値と予測値との比較を行った.その結果,回帰直線による予測値は,良くても平均値を用いた場合と同程度であった.
著者
大山 将城 名野 響 近藤 信行 清水 尚彦 星野 民夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.477, pp.49-53, 2004-11-24

昨今のSoC開発においてハードウェア,ソフトウェアの協調エミュレーションは盛んに行われている.しかし,エミュレーション環境はベンダツールへの依存度が高いケースが多く標準的といえるものはまだ無い.したがって,構築したエミュレーショシ環境が使用しているベンダツールに縛られているのが現状である.これに対しaccellera[1]は2003年に標準協調エミュレーションモデリングインターフェースSCE-MIを策定した.SCE-MIは披試験デバイス(以下DUT)に対するテストベンチの設計/使用を容易にすることを目的にハードウェア/ソフトウェア間のインターフェース(以下IF)仕様を定義するものである.IFのソフトウェア側はC++のAPIとして,ハードウェア側はTransactorと呼ばれるモジュールとして定義される,ただし,これらの実装仕様については定められておらず実装者に任されている.そこで標準的エミュレーション環境の実装試行として,SCE-MI仕様にのっとったIF開発とFPGAボードへの実装を行った.
著者
稲村 浩之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.343, pp.9-12, 2007-11-14
被引用文献数
1

アドホック無線ネットワークは、無線リンクによって接続された複数の端末によって自動的に構成されるメッシュ型のネットワークである。有線通信網を要することなく容易にネットワークを構築できることから、災害地域における非常時通信網としての用途が期待されている。このような被災地域における救援・支援スタッフの組織的な連絡網のためには、グループ間での同報通話機能が必要となる。本稿では、プッシュ・ツー・トークとして知られる音声の一斉同報通話システムについて述べ、アドホックネットワークに適した同報通話システムの実現方法について考察する。
著者
佐藤 弘明 吉田 則信 宮永 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.954-963, 2001-10-01
被引用文献数
22

フォトニック結晶は, ある波長帯の光を強く遮へいするストップバンド特性(フォトニックバンドギャップ:PBG)を有し, 光ファイバやスラブ導波路のような弱導波の導波路では実現できない波長程度の鋭い曲がり等を有する微細構造デバイスの製作の可能性が期待されている.しかし, それらの設計・製作には多くの困難が予想され, シミュレーションによる特性の把握と予測は必要不可欠であり, これまでFDTD法やBPM等で解析されてきている.特に, 機能的光回路デバイス製作のためには, 分散性や非線形効果を有する誘電体を含むフォトニック結晶光導波路構造の全体的解析が必要不可欠である.本論文では, 凝縮節点空間回路網における媒質条件の取扱いの特長を生かして, 種々の媒質を含んだフォトニック結晶光導波路構造の基本特性について明らかにする.
著者
高橋 哲雄 今田 高峰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.98, no.73, pp.9-14, 1998-05-22

HTV(H-II Transefer Vehicle)は平成13年度11月に技術実証機の打ち上げ、その後運用機が毎年1回から2回予定されている、宇宙ステーションへ物資を補給することを目的とした軌道間輸送機である。HTVはH-IIA3トン級ロケット2段式によって打ち上げられ、宇宙ステーションにランデブーし、宇宙ステーションのロボットアームによって捕獲され、係留される。係留中に補給物資・宇宙ステーションの不要物資を積み降ろしを行い、宇宙ステーションから離脱する。ここでは、HTVのミッション及び安全上特に重要である、ETS-VIIをベースに設計された誘導制御システムについて紹介する。
著者
今井 哲郎 荒木 壮一郎 菅原 智義 藤田 範人 末村 則彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.691, pp.199-202, 2004-02-26

大規模停電などの地域全体に累が及ぶような災害が発生した際にも,データセンタで行われている真に重要な業務は,それを引き続き継続させる必要がある.本報告では,セッションマイグレーション方式による障害回避方式の提案およびその動作実証を行った.セッションマイグレーション方式は,プロセスマイグレーション技術と,ユーザ収容VLAN切換技術と,GMPLSなどの動的帯域確保技術とを連携制御して,ユーザとのセッションを維持したまま,遠距離でのサブネット越しプロセスマイグレーションを行う技術である.この技術により,災害発生時にもサービスを停止することなく遠隔地のデータセンタヘ業務を移行させることができる.