著者
山道 新太郎 ルセシェール ピエール イブ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス
巻号頁・発行日
vol.95, no.194, pp.9-16, 1995-07-27
参考文献数
8

ECR MOCVD法による高誘電率SrTiO_3薄膜と反応性エッチングにより加工したRuO_2/TiN下部電極を用いてGb世代のDRAMに対応可能なキャパシタ技術を開発した。Sr(DPM)_2とTi(i-OC_3H_7)_4を原料とし酸素をECRプラズマで励起することにより、450℃という低温で膜厚40nm、誘電率150のSrTiO_3膜を作製した。またO_2にCl_2を10%程度混合することにより150nm/minのエッチング速度で0.2μmサイズのRuO_2電極が作製できることを見出した。高さ500nmのRuO_2/TiNスタック電極上のSrTiO_3膜のステップカバレッジは50%と良好で、3次元構造をした電極の側面を利用すれば1Gbit DRAM相当のサイズでも25fF/cellが達成できることがわかった。
著者
佐藤 庄衛 世木 寛之 尾上 和穂 今井 亨 田中 秀樹 安藤 彰男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.136, pp.9-15, 2000-06-15
被引用文献数
4

ニュース番組に対する自動字幕放送の字幕付与率向上を目的とした適応音響モデル作成法を提案する.提案手法では, 大規模学習音声データベースから適応データを選択する方法として, GMMを用いた2段階クラスタリングを行い, クラスタごとに適応音響モデルを作成する.本手法を用いて, 4つのニュース番組1日分の認識実験を行った結果, クラスタ数を12としたときに最大の効果が得られ, 本手法を用いないベースラインに比べ, 33%のWER削減率, 25%のデコード所要時間削減率が得られた.また, 音響モデルの決定に使用する入力音声を文頭の0.4秒に制限してもモデル選択精度が変わらなかった.この場合, 認識に使用する音響モデルの決定に必要となる時間を考慮した全体の所要時間でも18%の削減率が得られた.
著者
佐藤 正樹 中條 渉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.806-810, 2006-09-01
参考文献数
5
被引用文献数
1

本稿では,静止通信衛星を利用して,被災地のヘリコプター撮影映像等を,災害対策本部に直接伝送する新しいシステムを紹介する.衛星を用いた広域中継により,災害の影響を受けずに撮影映像等を遠隔地まで伝達できる特長があり,災害初動時の情報収集に有効と考えられる.MPEG-4規格での動画データ伝送機能や,被撮影地(被災地)位置を三次元地図を用いて高精度に特定する機能などを示す.
著者
永井 克幸 北形 元 菅沼 拓夫 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.275, pp.113-117, 2004-08-27

災害時において,携帯電話やインターネットを用いて知人の安否確認を行うシステムが提案されている.しかし,大規模災害時には有線インフラを用いた通信に結核などの支障が生じ,これらのシステムを用いて知人の安否確認をすることが困難になる.本稿では,被災地で被災者が無線アドホックネットワーク(MANET)を構築することによって有線インフラを使用せず,迅速に知人の安否確認を行うシステムを提案する.
著者
畑 雅恭 田 学軍 山田 義和 馬場 清英 内匠 逸 矢橋 清二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.493, pp.13-18, 1998-12-18

地震の電磁波前兆のメカニズムを解明するためには, 放射域を標定し, 放射電磁波レベルの距離特性を解明することが重要である.多観測点からの方位標定の結果, 大規模な放射域が予想を超えて海溝周辺の海洋面であること, このほか地域的, 局地的な放射の3つに大別されることもわかってきた[1][2].また, 放射域の標定により, 距離放射特性も明らかになった.さらに, 放射電磁波のみならず全く別のメカニズムによって発生する前兆を相互確認することが出来れば, 地震前兆現象の解明と予知の信頼度は著しく向上する.今回群発地震の多発する伊東市において, ガイガーミューラ計数管を用いて高エネルギー粒子の計測を昨年5月より開始し, 本年4月21日より発生した群発地震に先行する1個月半の間に, 予想を超える放射レベルの上昇と, 特有な発生様態の高エネルギー粒子の出現を観測した.また, これらの高エネルギー粒子の出現は地下の脱ガスによると推定される垂直磁界の放射レベルの上昇とも対応している.これら全く異なる2つの種類の前兆現象の出現は, 地震に関連した前駆的な地殻活動が, 従来の範囲を超えた広いメカニズムに関連していることを示す.超高圧・高密度下における量子電磁力学的な現象の存在をも, 地球化学, 電気化学, 機械電気変換に加えて考慮する必要がありそうである.
著者
加来 俊彦 栗田 多喜夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.423, pp.33-38, 2001-11-08
参考文献数
8

一般写真からの顔抽出では画像中の大部分を占める顔以外の領域での誤抽出を削減する必要がある。テンプレートマッチング等のように顔の各点において均等な重みで識別器を構成すると、頬やおでこなどの面積の広い部分は影響が大きく、目や鼻などの小領域の影響は小さくなり、誤抽出が起こる。そこで本論文では、顔の各点で"顔らしさ"を求め、顔の抽出に有効な特徴点を選択し、それらを統合して誤抽出を抑制する方法を提案する。切り出した画像の各点での"顔らしさ"は、各点の周辺領域の輝度値から線形判別分析により構成した特徴量に基づいて定義した。
著者
納富 幹人 小澤 史朗 全 炳東
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.5, pp.872-879, 1998-05-25
参考文献数
12
被引用文献数
25

多様かつ広域にわたる実世界空間から情報を獲得するためには, 移動体観測による柔軟な観測機構が必須である.我々は, 車両・航空機などの移動体からの観測によって, 広域実世界情報を獲得する技術の開発を目指している.ここではその一環として, 車両からの画像観測による都市空間構築に関して報告する.都市空間モデルは, 都市工学, 交通工学, 教育, アミューズメントなどの広い分野で活用され得る重要な情報基盤であるが, その獲得にはばく大なコストが必要であり, 手入力に依存する部分が多く, 用途や対象物を限定せざるを得ないのが現状である.この研究では, 道路を走行する車両からの動画像解析による, 都市景観のモデル化手法を提案する.この手法は動きステレオによる奥行計測を基本とする.建築物などの対象物体は, 観測経路である道路からの奥行と表面模様(テクスチャ)によって表現され, 帯状の距離画像として構造化される.合成されたアニメーション画像に対する実験では, 奥行の誤差は4.4%から8.13%であった.また走行車両から得た実画像に対する実験も行い, この手法に対する評価を行った.
著者
守谷 誠太郎 永長 知孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.556, pp.59-64, 2008-03-19
参考文献数
9

本稿では,緊急地震速報を利用した車両向け早期地震警告システムの検討が行われている.まず,電文情報に現在位置の座標と地盤情報を付加したシミュレーションが行われている.その結果,緊急地震速報に位置情報と地盤情報を追加することで各地域の車両向けのより詳細な警告が出来ることが示されている.次に,システムの提案と配信方法の検討が行われている.配信方法は,タイムラグは考慮する必要があるが,品質が高く移動体にも利用可能な地上デジタルテレビ放送の利用が有効であると示されている.また,DSRCを組み合わせることで,単体より高い信頼性を確保することが可能になると考えられる.最後に,車載アプリケーションのプロトタイプが試作されていて,模擬警報の動作確認が行われている.
著者
伴 浩美 伴 太牧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.244, pp.27-30, 2008-10-10
参考文献数
3
被引用文献数
1

2006年のOECDによるPISA(Programme for International Student Assessment)調査の結果から,日本の教育システムが読解力や記述式問題に弱いということがわかり,2008年3月告示の学習指導要領の改訂にも影響を及ぼした.本研究では,2008年1月17日「幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」(中央教育審議会答申),2008年3月「中学校学習指導要領」,2008年4月18日「教育振興基本計画について」(中央教育審議会答申)に関し,「言語活動」「活用」と「情報モラル」といった重要語句の出現頻度の調査を行い,新学習指導要領の特徴分析を試みた.
著者
秋山 励 高田 英裕 山中 唯生 大熊 晴之 末次 康江 金岡 敏弘 熊木 哲 石原 和哉 花見 充雄 松村 哲哉 渡邊 哲哉 味岡 佳英 松田 吉雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. FTS, フォールトトレラントシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.476, pp.31-36, 2001-11-22

64MビットDRAM内蔵オンチップMPEG-2エンコーダLSIを開発した.大規模・高速なLSIをインプリメントするために, マルチクロックの階層的スキュー管理, クロストークノイズを考慮したタイミング検証, デカップリングキャパシタによる電源のIRドロップ対策を実施した.その結果, 162MHz動作ブロックにおいて, クロストークノイズを考慮した検証で目標性能の263MHz@1.5Vを満足させると共に, IRドロップを166mVに抑えることを可能とした.
著者
深沢 徹 西岡 泰弘 大嶺 裕幸 浦崎 修治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.6, pp.941-952, 2002-06-01
被引用文献数
11

本論文では,携帯端末におけるフリップの内部に平行2線とダイポールアンテナを配置したモデルに対し,フリップを開いた状態では逆相励振,閉じた状態では同相励振を行う方法を提案する.フリップ開時には電力が平行2線を伝達するため,その長さの分だけアンテナの放射部を人体から遠ざけることが可能になり,人体による性能劣化の小さなアンテナが実現できる.また,フリップ閉時には平行2線とダイポールから構成される逆Lアンテナが形成され,該アンテナにより誘起される筐体上の電流からの放射を利用することで帯域を広げることが可能となる.本論文ではまず初めに,上記アンテナのフリップ開時,閉時における放射インピーダンス整合の設計法について述べる.次に,フリップ閉時における帯域幅について検討を行い,逆相励振の場合に比べ,同相励振することで帯域幅が3倍以上広がることを示す.次に,放射特性についてミュレーションを行い,従来のモノポールアンテナより高い利得が得られることを示す.更に測定値と計算値を比較し,計算の妥当性を確認する.
著者
石原 和哉 花見 充雄 Scotzniovsky Stefan 松村 哲哉 竹内 伸一 大熊 晴之 西垣 幸司 鈴木 弘一 風山 雅裕 吉田 豊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路
巻号頁・発行日
vol.98, no.244, pp.29-35, 1998-08-20
参考文献数
6

HDTVへの対応が可能な高画質対応MPEG2動き検出LSI(ME3)を開発した。ME3は、54MHz動作時に165GOPS(giga operations per second)の演算能力を有し、1チップで全探索法式かつ広範囲探索を実現する。更に複数チップ構成により、HDTV応用に対応可能な探索範囲をも実現する。ME3は, 0.35μmCMOSプロセスで試作し、1.9Mトランジスタを8.5×8.5mm^2のチップサイズに集積した。本LSIによりピクチャに応じた最適動きベクトルの検出が可能となり、低いコストかつ高画質なMPEG2画像符号化装置が実現できる。
著者
灰原 正 須川 智規 家田 浩司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術
巻号頁・発行日
vol.98, no.266, pp.17-23, 1998-09-11

各種のマルチメディアサービスを提供するために、出来るだけ早急に、低コストで光ファイバ通信網を構築することが重要な研究開発課題となっている。我が国では、次世代通信網パイロットモデル実験(京阪奈地区)やマルチメディア通信共同利用実験等が実施された。このような状況下で、我が国の通信事業に関連する各種機関では、今後の研究開発のキーワードとして「光と情報家電」(光ファイバを用いた通信ネットワークの構築ならびに家電製品のインテリジェント化と相互接続性の確保)を念頭に21世紀のインフラをイメージした標準化を検討している。本発表では、我が国におけるユーザ系通信インフラへの光ファイバの適用性に関して、その技術動向を述べる。
著者
大塚 昌孝 中原 新太郎 小西 善彦 千葉 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.96, no.36, pp.15-20, 1996-05-17
参考文献数
6
被引用文献数
5

軽量・安価な移動体衛星通信用アンテナとして, フィルム基板と平面樹脂板を用いて無給電素子付き円形マイクロストリップアンテナを構成した平面アレーアンテナを提案する. アンテナ中心にロータリジョイントを配置し,また天頂角θが30°≦θ≦65゜のカバレージエリアで所望の利得9dBiを実現し,かつサイドローブをできるだけ低減するために,素子配列として,アンテナ中央に素子アンテナのない8素子の方形配列を採用した.L帯で試作したアンテナではカバレージエリア内の最低利得9dBi以上,衛星軌道面のサイドロープレベル-7dB以下の特性を得ている.
著者
森 稔 澤木 美奈子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.713, pp.25-40, 2002-03-08
被引用文献数
4

本稿では,変形や画質劣化が生じた低品質な文字に対する認識手法及びその応用について紹介する.また,性能評価に用いられるデータベース及び評価手法についても述べる.
著者
加藤 直樹 山本 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PE, 電子通信用電源技術
巻号頁・発行日
vol.95, no.193, pp.1-7, 1995-07-28

商用電源のバックアップ用電源として蓄電池は広く使用されており、その簡易な劣化評価法を確立することは停電時に必要な電力を確保する上で重要である。本論文では、トリクル充電法で使用されるNi-Cd電池を対象に、まず主要な劣化モードが短絡と電解液枯れにあることを明らかにする。次に電解液枯れにおいては、内部インピーダンスの対数と電池容量との間に直線関係があることを示し、この場合の定量的な関係が、電解液量のみを減少させた電池の特性から短時間で容易に得られることから、内部インピーダンス測定による電池容量推定はNi-Cd電池の簡易な劣化評価法として有効であることを述べる。
著者
村瀬 正敏 吉田 誠 関谷 和幸 山本 克彦 山下 隆司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-09-18

NTTでは停電時における通信サービスの確保のため大量のシール鉛蓄電池を使用しており、定期的にその状態を把握しておくことが重要であるが、これまで簡単で有効な方法がなかった、。今回、蓄電池を含めた停電バックアップ時の給電回路の正常性を確認し、蓄電池の劣化状態を比較的短時間で把握する試験機能を開発したので報告する.