著者
北村 泰彦 河本 健作 川崎 琢磨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.325, pp.51-56, 2008-11-20

情報通信技術は現代社会に深く浸透しているが,利便性の一方で,その障害によって大きな社会問題を引き起こすこともある.このような問題に対処する一つの枠組は,人工物と人間利用者がうまく共存できる共生コンピューティングであると考えている.本稿では共生コンピューティングへの一つのアプローチとして,人工物であるエージェントと人間利用者が協調して,Webコンテンツを作り上げるSemantic Wikiを取り上げる.Semantic Wikiのプロトタイプとして開発したKawa Wikiと,コンテンツの整合性維持の機能ついて議論する.
著者
二宮 利江 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.88, pp.27-31, 2008-06-07

分散認知を含む社会的分散活動における知識創造プロセスの記述方法として、オブジェクト指向ペトリネットを用いることを提案した。特に教育活動を記述するために、Learning Design Information Modelとの整合性を図り、2つの特徴的なモデルを記述した。このモデルから、知識創造プロセスがデッドロックに陥るパターンを事前予測し、その回避対策をモデルに基づく実践で検証した。実践結果より、構造化された知識の獲得を目的とした活動においては、学習目標に関連した情報を埋め込んだ人工媒介物が、活動の推進を促すことを示した。
著者
渡辺 晃一郎 竹内 達史 井上 智雄 岡田 謙一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.91, no.12, pp.2755-2764, 2008-12-01
被引用文献数
3

近年,協調作業・協調学習支援の分野において,対面環境における支援に関する研究が行われてきている.また一方で,テーブルトップインタフェースやタンジブルインタフェースといった実世界指向のインタフェースに関する研究も行われている.そこで我々は,テーブルトップ環境においてディジタルデータや実物体を効率良く扱えるようにするため,電子情報と実物体の両方の操作者を識別できる環境を構築した.複数のユーザが参加するような対面環境において,電子情報だけでなく,それぞれの実物体がもつ情報に関しても操作しているユーザに合わせた表示ができるようになり,情報の共有がしやすくなる.また,各ユーザの作業を区別することができるので,それぞれのユーザの操作履歴を取得・活用することができ,ユーザ同士が作業・意識の共有をしながら協調作業を進めることができる.本論文においては岩石学を学習するアプリケーションを実装するとともにいくつかの機能を実現し,評価実験を行うことで本システムの有用性を確認した.
著者
山口 修 福井 和広 前田 賢一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.97, no.113, pp.17-24, 1997-06-20
被引用文献数
24

本稿では, 動画像を利用した顔認識システムについて報告する. 本研究では, 登録から認識までの時間経過が短い場合を対象として, 顔向きや表情変化といった変動を吸収する顔認識の方法について考察する. 変動を吸収するために, 単一の画像だけで認識するのではなく, 時系列画像を用いた認識を行なう. 入力画像列をK-L展開によって部分空間として表現し, 登録パターンの部分空間との2つの部分空間の間の角度を類似度とする「相互部分空間法」を適用した. 相互部分空間法の有効性を調べるために, 画像中から高速に正規化顔画像パターンを切り出すシステムを用いて, 大量の実験データを収集し, 認識実験を行った. その結果について報告する.
著者
工藤 天志 花田 良子 棟安 実治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.461, pp.19-24, 2009-02-26

近年,Webを大規模な画像データベースとみなした種々の画像検索システムが開発されている.本研究は画像をキーとして,画像の統計的な特徴量をもとに類似画像集合をWebで検索し,同時にその類似画像に付随するテキスト情報をユーザに提示することで,対象画像のより詳細な情報を得るシステムを開発することを目的とする.ここでは画像検索システムの開発にあたり,その基本的な機能である自動画像分類のための特徴量の検証を行う.
著者
三宅 弘志 黄瀬 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.484, pp.211-216, 2009-03-06

リンク機能は,インターネットを代表とする電脳世界でしばしば用いられる機能である.実世界に存在するリンク機能について考えてみると,バーコードやRFID等,物体を手掛かりとして情報を得る技術は存在する.しかし,これらの技術を利用しても情報の登録に手間がかかるため,個人が気軽に使用できるとは言えない.そこで本稿では,個人ユーザが手軽に利用できる,リンク機能を実世界に拡張するシステムを提案する.本システムには,本稿で述べる考察の結果から得られる条件を満たす物体認識技術を用いる.そして既存技術では実現されていない受動的な情報獲得に対応するために,複数物体の認識,物体の位置の推定,処理の高速化を行う.個人ユーザがこのシステムを利用する様々な場合を想定した実験を行い,本システムの有用性を確認した.
著者
門 洋一 張 兵 リム アズマン オスマン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.252, pp.13-16, 2008-10-15
被引用文献数
1

デジタルサイネージは、公共の場に置かれたディスプレイにおいて、その場にいる人に向けて適応的に提示する情報内容を更新することにより、より効果的に情報提供、宣伝広告、顧客誘導等を行おうとするものである。本稿では、デジタルサイネージの一つの実現方法として、携帯電話との連携性を高めることが有効であると考え、広く普及しているカメラ付き携帯電話を活用し、携帯電話でディスプレイ画面にタッチしてディスプレイ画面のブラウジングやディスプレイ画面に提示する情報の携帯電話への取り込みなどを実現する零次元コードシステムを提案する。
著者
本道 貴行 黄瀬 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.484, pp.171-176, 2009-03-06
被引用文献数
5

SIFT(Scale-Invariant Feature Transform)などの局所特徴量を用いて,大規模特定物体認識を行う場合には,データベースに保持しておく局所特徴量(特徴ベクトル)の数が増大する.そのため,メモリ容量の削減が課題となる.本稿では,局所特徴量のベクトル量子化の手法と,取捨選択の方法によって,メモリ容量の削減を試みる.実験の結果,ベクトル量子化では,好ましい結果は得られなかった.一方,局所特徴量の取捨選択では,スケール耐性を犠牲にすることにはなるものの,入力画像のスケールがおおよそ決まっていれば,無削減のデータベースの1/10程度にしても,認識率はほとんど変化しないことが分かった.
著者
草地 良規 鈴木 章 荒川 賢一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.290, pp.137-144, 2004-09-03
被引用文献数
1

アピアランスベースの物体認識においては,対象の隠蔽,照明光の全反射,複雑な背景などによって,観測パターンの特徴が欠損し,かつ雑音が付加され,識別率が低下するという課題がある.本研究では,学習パターンに不定次元を付与することで,特徴欠損/雑音付加の伴う画像を表現し,そのパターン分布を主成分によりモデル化する.そのモデルと人力画像を部分空開法により比較することで識別する.部分空開法における共分散行列は,学習パターンのみを用いて求めることができる.実物体を用いた検証実験を行い,提案手法の妥当性を確認した.
著者
筒井 雄一郎 橋本 正明 廣田 豊彦 片峯 恵一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.502, pp.25-31, 2001-12-06

ソフトウェアの生産性や信頼性の観点から、ドメインの専門家が要求仕様を直接記述できる仕様記述言語の開発と、その仕様記述からプログラムを自動生成することが望まれている。著者らは、ドメインに特化した仕様記述言語の開発を行ってきた。さらに、システム開発を効率化するために、ドメイン特化仕様記述言語からオブジェクト指向プログラムを自動生成するジェネレータの研究と開発を行っている。その一つとして、動的な仕様からオブジェクト指向プログラムを自動生成するため研究を行っており、その中で自動生成における生成パターンを考案した。この生成パターンは、動的な仕様と対応したプログラムを生成するためのテンプレートであり、このテンプレートに基づいたジェネレータの開発を行っている。