著者
川本 良太 宮崎 伸夫 茂呂 一永 岡崎 大和 田中 数彦 原 誠一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.289, pp.43-48, 2008-11-06

近年,ホームネットワーク分野においてコンテンツを共有するための規格であるDLNA対応の製品が普及してきている.また,センサネットワーク分野においては,低消費電力な無線通信規格であるZigBeeが注目されている.そこで我々は,これら2つの規格を連携することによってサービスの幅を拡大させるため,DLNA/UPnP-ZigBeeゲートウェイの研究開発を行っている.ゲートウェイではブロードキャストクエリにより全センサノードのセンサ情報を一斉に収集しているが,ノード数の増加に伴い,衝突の影響で応答のパケット到達率が低下する.本稿では,ゲートウェイを実装し,キャッシュの利用等によってパケットロスへの対策を講じた.また,オフィスビルのフロアを利用したセンサ情報収集実験による性能評価を行った.本実験により,パケット到達率の評価,及びキャッシュ機構の有効性を検証したので報告する.
著者
ザン ドー ヴァン 橿渕 健一 西山 大樹 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.159-164, 2009-02-24

センサノードの電力に限りがあるセンサネットワークにおいては,ネットワークの稼働時間をいかに延長するかが大きな課題である.稼働時間を長くするためには各センサの消費電力を考慮する必要があり,とりわけ通信に伴う電力消費を大きく左右するルーティングアルゴリズムについての検討が大変重要である.これまで,消費電力を考慮した様々なルーティングアルゴリズムが数多く提案されてきたが,いずれにおいてもホットスポット問題が十分に考慮されていない.ホットスポット問題とは,データを集約する役目を負うシンクノードの周辺領域(ホットスポット領域)において,トラフィックの集中に伴う電力消費が激しく,早期に電力が枯渇し,結果としてネットワークが分断されてデータの収集が不可能になる問題である.そこで,本研究ではホットスポット問題を考慮したルーティングアルゴリズムを提案し,これによりネットワーク稼動時間の改善が可能であることを明らかにする.
著者
山本 裕 木下 和彦 戸出 英樹 村上 孝三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.327-330, 2009-02-24

近年,ネットワークカメラと無線マルチホップ網を用いた監視システムが注目されている.この監視システムは既存のインフラに依存せず,簡便にシステムを構築することができる一方で,有線網に比べて,通信品質が安定しないという問題がある.そのため,輻輳や電波干渉などの影響による映像品質の低下を考慮しつつ,広範囲に多数配置されたネットワークカメラから効率的に映像を収集することが重要である.そこで,本稿では,映像の優先度と伝送経路の排反性を考慮したカメラ選択スケジューリングを提案し,その性能をシミュレーションによって評価する.
著者
中山 英久 角田 裕 太田 耕平 鈴木 明宏 西山 大樹 永富 良一 橋本 和夫 和泉 勇治 キニ グレン マンスフィールド 根元 義章 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.4, pp.1-6, 2009-04-09
被引用文献数
3

近年の健康志向の高まりを受け,各種トレーニングの運動効果が多くの人々の関心事となっている.本研究では,フィンランド発祥のエクササイズであるノルディックウォーキングの運動効果の検証を目的とし,ポータブルな屋外無線LANネットワークを用いて運動をリアルタイムにセンシングする,運動計測システムのプロトタイプを構築した.本システムは,無線端末と行動計測デバイスをセットとすることで,設置した無線ネットワーク内をユーザが自由に運動できるため,ネットワーク設備が不十分な屋外における運動でも各人の消費カロリー等を精密に計測できることが特徴である.プロトタイプシステムの有効性をノルディックウォーキングのイベントにおける実証実験を通じて検証し,多くの参加者から同時に運動のセンシングが可能であることを確認した.本稿では,運動計測システムの設計に関する課題を議論すると共に,実証実験の結果を報告する.
著者
小林 真輔 越塚 登 坂村 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.7, pp.595-603, 2008-07-01
被引用文献数
6

ユビキタスネットワークを実現するためのキーデバイスの一つにアクティブRFIDがある.本研究では,アクティブRFIDの基盤技術確立を目指し研究開発を行ってきた.ハードウェア,通信プロトコル,ミドルウェア,並びに,アクティブRFIDを管理するサーバ側のソフトウェアまでのトータルシステムを提案し実現している.アクティブRFIDの課題である,低消費電力,高多重通信を実現するためのブレークスルーとしてUWB(Ultra Wide Band)無線通信LSIを開発しそのLSIを搭載した世界最小1cm角のアクティブRFIDを実現した.また,アクティブ型,パッシブ型を含むRFIDや,バーコードなどの個別の識別子をそれぞれのものに割り当てて管理し情報提供するための上位のディレクトリサービスの開発を行った.更に,本研究の実証実験の例として,青果物の物流現場におけるアクティブRFIDタグの活用,高精度測位を実現したUWBアクティブタグを用いた倉庫管理システムについて述べ,場所情報を提供するためのタグの例として,実際の商業施設におけるシステムについて述べる.
著者
角田 忠信 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.423-428, 2009-02-24

アドホックネットワーク上でLBSを提供するシステムを構築するためには,ネットワーク中に存在する位置依存データを適切に発見・共有する手法を考案する必要がある.データの更新頻度が高い場合は,位置依存データの配信源(移動端末)付近にデータを局所的に配置する手法が有効であると考えられるが,ユーザのクエリをマッチするデータが存在する配信領域まで適切に転送させる必要がある.本稿で提案する手法では,R-Treeの階層構造とデータの構造を利用してルーティングテーブルを作成・配置し,GPSRを利用してテーブルに記述された目的領域までクエリを適切に転送させることにより,ユーザの要求する地点に近いデータを発見することを可能にする.ネットワークシミュレータで評価したところ,既存手法と比較して本手法は,わずかなメモリ消費,トラフィック負荷のオーバーヘッドで効率的にクエリにマッチするデータを発見することが可能になることを確認した.
著者
谷本 慧 石原 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.73-78, 2009-02-24
被引用文献数
2

筆者らは,近接する車両に搭載されたNetwork Mobility (NEMO)のMobile Router (MR)間で一時的なネットワーク(Alliance)を構築し,Alliance内の各MRが持つインターネットへのリンクを同時に利用して通信速度および接続の安定性の向上を実現するNEMO SHAKE (SHAring multipath procedure for a cluster networK Environment)を提案している.さらに,筆者らは実環境においてNEMO SHAKEを利用する際に安定したリンクを維持し,高いスループットを実現することを目的とした動的Alliance管理機構を提案している.この機構では,各MRの位置情報,Allianceを構成するMR間の通信状況を考慮して,Allianceの構築,解消を行う.本論文では,NEMO SHAKEの実車両実験による性能評価の結果を示す.2台の車両を走行させた実験により,車間距離の変化に伴い単一経路と複数経路の通信の移行が行われていることを確認した.
著者
寺田 真介 三好 匠 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.524, pp.299-302, 2008-02-28

アドホックネットワークにおいて,ノードの位置情報を利用して同報配信を行うジオキャストは,経路制御や情報配信時のトラヒック削減に有効である.従来のジオキャストルーチングプロトコルの多くは,単一のジオキャストエリアを宛先として情報配信を行っている.そのため,複数のジオキャストエリアに情報配信を行う場合,効率的な伝送経路を構築することができない.本稿では,複数のジオキャストエリアに対して共有フォワーディングゾーンを用いることで,ネットワークトラヒックを抑制するとともに効率的に情報を配信するための手法を提案する.
著者
林 卓磨 妙中 雄三 樫原 茂 奥田 剛 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.45-50, 2009-02-24

小型無線デバイスが互いに無線接続したモバイルメッシュネットワークの構築が望まれている.しかし,モバイルメッシュネットワークは端末が移動するため確実にデータ配送を行うことが課題である.これまで,無線メッシュネットワークにおいてデータの配送効率を向上させる手段として,Opportunistic Routingとネットワークコーディングを組み合わせたMOREが提案されている.しかし,MOREは固定の無線メッシュネットワークを対象としており,端末の移動は考慮していない.本論文では,モバイルメッシュネットワークにおいて,移動端末に対して確実かつ効率的にデータ配送を行うための通信方式の提案を行う.また,本提案方式の有効性を示すために,提案方式とMOREをシミュレータ上に実装し評価する.
著者
佐藤 正春 中原 謙太郎 入山 次郎 岩佐 繁之 森岡 由紀子 須黒 雅博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.168, pp.13-18, 2003-06-27

安定ラジカルの酸化還元反応を動作原理とする有機ラジカル電池は充放電反応の速度が大きく、高効率で、可逆性も良好であるという特徴を有している。このため、有機ラジカル電池は短時間で充電でき、高出力で、充放電サイクル寿命も長いという、二次電池としては理想的なものとなりうる可能性を有している。ここでは有機ラジカル電池の特徴を活かした用途として、サーバーやルーターなどの情報関連機器に内蔵可能な小型で高出力の電池への応用を検討した。その結果、安定ラジカル化合物、ポリテトラメチルピペリジノキシメタクリレートを正極活物質として、電極面積50×72mm、厚さ5.7mmで容量130mAh、限界出力13.3Wという高出力電池の試作に成功した。一般的なリチウムイオン電池と比べると、試作した有機ラジカル電池の容量密度は1/10以下であるが、限界出力密度は639W/Lと、約2倍に達した。この電池(4個直列)は小容量ではあるがデスクトップパソコンを短時間動作することが可能であり、電源非常時におけるデータ退避用補助電源として利用できることが明らかとなった。
著者
澤井 一義 吉田 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.11, pp.2054-2061, 2004-11-01
被引用文献数
2

近年,高齢社会を迎えて独居高齢者が増加している.そこで,独居高齢者の在宅健康管理を目的として,家屋内にセンサを設置し,長期間のモニタリングが実施されている.本論文は,日常生活における在宅高齢者の異常状態(体調不良でどこかにとどまっている場合,転倒や急激に体調が悪化して動けなくなった場合)を検出することを目的として,実際の高齢者宅に取り付けられた様々なセンサの動作時刻のデータから被験者(高齢者)の異常状態を検出するアルゴリズムの開発を行った.そのアルゴリズムとして,被験者に何らかの異常があった場合に長時間センサが反応しなくなると考えて,すべてのセンサの出力信号のORをとるという簡単な論理演算を用いたアルゴリズムを開発した.更に,センサの反応しない時間に対して,検出率にどう影響があるのかを検討した.その結果,センサの反応が2時間15分ない場合に異常と検出するのが妥当となった.
著者
石原 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.399, pp.59-62, 2009-01-15

ネットワークシミュレータに期待される処理内容は複雑さを増す一方であり,パラメータ空間も大きくなっている.こうしたシミュレーションを効率よく実行し,データ解析を行うためには,シミュレーションエンジンの高速化に加え,開発,シミュレーションのバッチ実行,データ解析に関する支援環境の整備が重要である.筆者は主に無線アドホックネットワークに関する研究のために,1998年頃よりns2,GloMoSim,Qualnet,OPNET,JiST/SWANSという複数のネットワークシミュレータを利用してきた.本稿では,大学研究室での学生とのネットワークシミュレータ利用の経験をもとに,ユーザの視点からシミュレータへの期待について述べる.
著者
浅野 裕紀 渡辺 貴文 上杉 繁 三輪 敬之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.60, pp.163-168, 2007-05-17

The goal of this research is to enhance a sense of existence of remote people and objects represented in a face-to-face display connection remote tabletop to local tabletop consistently with each other, which authors have proposed yet. Therefore, authors focus attention on effect of shadow which is non-separable from its entity, and devised a display system that local objects cast shadows on a local tabletop into a remote tabletop represented in the screen and remote objects cast shadows onto a local tabletop at the same moment as if people were around a common table. Consequently, the display system can express virtual shadows in two ways that a light source is installed at only one site and at both sites.