著者
日渡 裕也 若原 俊彦 庵 博文 鄭 自力 柴田 宗久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.463, pp.7-12, 2007-01-11

本論文では,ユーザのWebページ閲覧履歴からユーザが興味や関心を持つ分野を特定し,その分野における興味の度合いを定義してその強さを定量化するとともに,コミュニティ内のユーザ間で類似の興味や関心を持つユーザ同士の情報共有やコミュニケーションを支援するコミュニティシステムを提案する.本システムは,ユーザの興味分野を階層的に分類し,ユーザが閲覧したページがどの分野に属するかをベイズ推論によって判定し,ユーザの興味の強さを計算する.また,Webページを閲覧した結果,その後のユーザの行動(コメントを送ったり,ブックマークを付加したり,トラックバックしたりする)をも考慮してユーザの興味度を算出する.さらに,これに基づいてポップアップウインドウの表示方法を変更したり,ランキングを表示したり,興味度数などを表示しユーザ間のコミュニケーション支援に役立てる.上記の考えに基づき,プロトタイプシステムを構築し実験を行なった結果,",社会","国際","政治"など8分野にユーザの興味を分類し,70%以上の精度で興味度を判定出来ることを確認した.
著者
山崎 尭之 大坐畠 智 川島 幸之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.525, pp.397-400, 2008-02-28

本稿ではピュアP2Pファイル共有ネットワークのファイル流通を制御する手法として,流通を制限したいファイルを公開しているピアに対して,継続的に通信の接続を試行する制御ピアを利用することで,ファイルを公開しているピアからのほかのピアへのファイルの拡散を防止する手法を提案する.提案方式によってファイル流通制御を行う制御ピアを実装し,実際のWinnyネットワークにおいて実験を行い,効果を確認した.
著者
内山 文博 宮崎 明雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.145, pp.79-84, 2005-06-20
参考文献数
7

本稿では, 画像への電子透かし方式として, リフティングウェーブレット変換を用いた電子透かし方式を提案する.提案方式を用いることにより, 透かし情報を検出した後, 透かし入り画像を透かし情報とオリジナル画像とに完全に分離することができる.これにより, 透かし情報とオリジナルコンテンツへの完全分離が望まれる医用画像や電子文書, コンピュータプログラムやデータのようなコンテンツに対する電子透かしが実現できる.
著者
竹内 郁雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.513-522, 2001-06-01

記号処理言語Lispの本質を現代の視点で見直し, コンピュータシステムに携わる人々が今後どのような技術課題に取り組むべきかについてLispにからめた形で論ずる.プログラミング言語の取捨選択は未来永劫(ごう)固定的なものではない.これまで長い間雌伏してきたLispに今大きな跳躍の機会がきていることを, やや楽観的な技術的観点で主張する.
著者
上嶋 宏 三浦 孝夫 塩谷 勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.137-144, 2004-02-01
被引用文献数
2

本論文では,同義語,多義語を用い,単語のもつ意味のあいまい性を考慮した文書分類を提案する.本論文での文書分類は,シソーラスと単語がもつ複数の意味の使用頻度を用いる.これらを考慮することにより単語のもつ意味のあいまい性を排除し,分類精度を向上させる.本論文ではワードネットを用いて実験を行い,82%を超える高い分類正解率を得たことを示す.
著者
種田 良子 横山 輝明 樫原 茂 奥田 剛 門林 雄基 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.650, pp.7-12, 2006-03-03

近年,企業や大学などのイントラネット上では,グループウェアを用いた文書共有が行われている.しかし,共有される電子文書の量は増加の一途を辿っており,ユーザの検索負荷の増加を招いている.この問題を改善するためにさまざまな検索手法が提案されているが,キーワードによる検索は,キーワードが使用される分野や登場する文脈において異なる意味を持つ.そのため,このようなキーワードの多義性により生じる不要な検索結果を減らすことが重要となる.そこで,本研究では,キーワードの多義性による不必要な検索結果を削減し検索精度を向上させるための手法として,ユーザクラスタリングを用いた検索システム,DOCUSEUCを提案する.提案システムでは,ユーザの所有している文書に基づいてユーザ間の類似性を算出し,ユーザのクラスタリングを行う.そして,ユーザは検索時に自分の所属するクラスタから検索を行うことで,検索結果から非目的文書を削減することができる.本論文では,実際のシステム構築を述べ,有効性の評価を報告する.
著者
篠原 誠 降旗 建治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.269, pp.31-36, 2007-10-12

本報告では,外耳道内における,音圧,伝達関数,音響インピーダンス,を計測するため,2マイクロホン法による音響計測システムについて検討している.開発した超小型インテンシティプローブマイクロホンは,3つのマイクロホン間距離が6.3mm,10.4mm,16.7mmおよびプローブの直径が4mmであり,外耳道内の3点における音圧を同時に測定できる.外耳道入口と外耳道内(入口から10.4mm,16.7mmの位置)における音圧を測定した結果に基づき,まず各マイクロホン間の音圧差から伝達関数,伝達関数から鼓膜位置のインピーダンスが計測できること,次に鼓膜位置のインピーダンスから鼓膜位置の音圧を推定できることがわかった.結論として,開発した超小型インテンシティプローブマイクロホンにより,外耳道内の2点で測定した音圧は外耳道内の物理量の測定に適しており,外耳道入口で測定した音圧は耳の形状等による個人差を示す可能性が示唆された.
著者
Abdelmoula Bekkali Matsumoto Mitsuji
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.2, pp."S-111"-"S-112", 2007-03-07

Radio Frequency Identification (RFID) system has emerged as a new technology for ubiquitous computing in recent years, while in the near future everything will be tagged with RFID. Tagged object tracking can have a wide diverse variety of applications including scientific, military, and public safety. In this paper we propose a tracking algorithm for objects attached by RFID tag with no additional hardware and costs. We investigate the use of Kalman filter for tracking to improve the precision and landmarks to improve the accuracy. Results obtained after conducting extensive simulations demonstrate the validity and suitability of the researched algorithm and its ability to provide very high performance level in terms of accuracy and robustness.
著者
山根 茂 菅生 康子 松本 有央 岡田 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.452, pp.37-40, 2003-11-13

顔は口や目などの部品の配置もさまざま、輪郭や色もいろいろで、さらに表情などの情報を合わせもつ。このように多様で複合した情報が脳内でどのように表現されているかを知ることは、脳の認知や記憶機能のメカニズムを明らかにするうえで大切である。画像の認知や記憶に深く関連している側頭葉と言われる脳の場所では、単一神経細胞においても神経細胞集団においても、おおまかな分類情報から詳細な情報へと階層的に情報が表現されていることがわかった。このダイナミックな分類情報の表現は、連想記憶モデルの振る舞いと酷似していることがわかり、その連想記憶モデルが脳の長期記憶システムとして存在する可能性が大きい。この連想記憶モデルを核に自動的に似ている画像を分類するシステムについて最後に触れる。
著者
鈴木 健男 川口 大輔 田村 武志 岸本 頼紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.507, pp.43-48, 2007-01-19

現在のWBT(Web Based Training)は講師と学習者間,あるいは学習者同士のコミュニケーションが極めて少ない.WBTは,コンテンツが講師(サーバ)側から学習者(クライアント)側へ一方通行的に配信されている.これは,現在のWBTがサーバ・クライアント型であることが原因の一つである.これを解決するために,我々は,誰でもコンテンツの発信者となることができるP2P型のe-Learningを開発した.本論文では,最初に,今までのWBTの問題点を述べ,次に実際に開発したP2Pによるコミュニティベースのe-Learningソフトウエアの設計と実装について述べる.
著者
大山 景詞 和泉 憲明 太原 育夫 橋田 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.429, pp.31-36, 2008-01-14

本稿では,ユーザが抱えるタスクやスケジュールの管理と連動した,サービスの選択・合成を行う機構を提案する.提案する機構では,制約処理系CBTOに基づいたモデル設計と処理により,スケジュール管理におけるコンテンツモデルを制約により一元管理し,コンテンツ作成の証明木構成過程に応じてサービスを連携させる.制約に基づいたモデルを構築することにより,軽量なモデル管理と,逐次的な処理によるユーザとシステムの双方向的な調整を実現することができる.本稿ではシステム実装により事例に基づいた動作検証を行い,考察を行う.
著者
中島 耕太 佐藤 充 後藤 正徳 久門 耕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.287, pp.1-6, 2006-10-06

大容量のデータ転送を伴うXen仮想マシンモニタの仮想マシン移動処理に10Gb Ethernet-NIC UZURAのRDMA転送を適用し,評価した.仮想マシン移動処理の高速化のためには,ネットワークハードウェアの高速化やプロトコル処理オフロードだけでなく,転送処理を制御するアプリケーション処理の最適化が必要である.そこで,RDMA転送の適用に際し,実際の仮想マシン移動における転送処理時間を解析し,アプリケーション処理の最適化について検討を行った.そして,検討した高速化を実際に適用し,評価した.その結果,10Gb Ethernetを用いても,通常のTCP/IP通信を用いた場合(98.4MB/s)やRDMA転送を単純に適用した場合(200MB/s)では,Gigabit Ethernetを用いた場合(82.9MB/s)に対して十分な高速化が実現できないのに村し,アプリケーション処理の最適化を適用した場合では405MB/sとなり,4.89倍の性能向上を実現した.
著者
井上 友介 菅原 真司 石橋 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.393, pp.57-62, 2009-01-15
被引用文献数
2

近年,ピュア型P2P(Peer-to-Peer)ネットワークにおける様々な複製配置手法の研究が行われているが,ハイブリッド型P2Pのようなデータ所持ピアを容易に検索できる環境における複製配置手法の研究は必ずしも十分には行われていない.ハイブリッド型P2Pでは,データの検索に要するネットワークコストは小さいため,ストレージ資源を抑制することが重要となる.このような観点から,筆者らはこれまでに,効率的な複製配置手法を提案してきたが,各ノードのストレージ容量に制限を設けていなかったため,特定のノードに複製が集中するといった問題があった.そこで本報告では,ノードのストレージ容量に制限を与えたモデルにおける複製配置手法を提案し,その有効性について論じる.
著者
清田 寛信 鈴木 優 川越 恭二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.393, pp.69-74, 2009-01-15

本稿では,非構造型P2Pネットワークにおいて,特定の利用者問合せに特化した索引の付加による多次元検索を効率化する手法について提案を行う.P2Pネットワークではコンテンツを検索する際,網羅性と検索速度がトレードオフの関係にあるという問題がある.例えば,コンテンツに多くの属性を持たせた多次元検索の場合,新しく追加されたコンテンツを利用者が要求したとき,この問題は特に顕著となる.そこで,本稿では新しく追加されたコンテンツやアクセスの多いコンテンツを示す度合いである熱度の概念を導入し,この熱度を考慮した索引配置手法を提案する.具体的には,コンテンツの持つ多次元の属性に熱度を加えた(n+1)次元索引手法を基本手法とし,さらに,コンテンツの熱度の高さを基にレベル分けを行い需要の高いコンテンツを優先して構造化する方式,およびコンテンツの熱度をビット列として索引に付加する方式を提案する.
著者
芦澤 宏樹 茅野 康臣 岩沼 宏治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理
巻号頁・発行日
vol.94, no.374, pp.63-68, 1994-11-25
被引用文献数
1

Stickelにより開発させたPTTPは一階論理コンパイラであり、証明すぼき一階論理式が与えられると、その上のトップダウン型の演繹を模倣する高速なPrologプログラムを出力する。本研究では、より高速な定理証明システムの構築を目指して、分散処理型のPrologコードを生成する一階論理コンパイラを構築する。生成コードは、LANで結合されたWS群の上で実行される。オーバーヘッドを軽減するため、分散処理の基的形態は極めて単純なものを採用している。幾つかの問題について性能評価実験を行なった結果、線形台数効果の確認等、良好な結果を得たので報告する。
著者
高仲 徹 竹根 浩一 深井 英五
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.404, pp.35-36, 2007-12-13

近年、電波や赤外光の代わりに可視光を利用した無線通信システムが注目を集めている。可視光通信の場合、視覚によって通信範囲を容易に認識でき、電波のように機械の誤動作や人体への影響などがない。また、照明のLED (Light Emitting Diode)化が進めば照明インフラを通信インフラとして利用できる。今回、LED照明の駆動部と受光端末を試作し、音声伝送の実験を行ったので報告する。
著者
大薮 赳 福田 豊 尾家 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.461, pp.139-144, 2007-01-11

通信容量の増強や設置の容易さなどの利点から,複数のアクセスポイント(AP, Access Point)を相互に無線で接続して構築する無線LANメッシュネットワークが注目されている.しかし,現在用いられている既存方式では各端末(STA, Station)は受信電波強度(RSSI, Received Signal Strength Indicator)のみに基づいて接続先のAPを決定するため,無線資源の利用効率や公平性が低下するという問題が生じる.我々はこのようなAP選択問題について,自STAのスループットを最大化するようにAPを選択する方式を提案し,シングルホップ無線LAN環境で無線資源を有効かつ公平に利用できることを明らかにした[1][2].さらに,チェーントポロジの無線LANメッシュネットワークに対しても,AP間のPER(Packet Error Rate)を考慮するよう提案手法を拡張し,その有効性を明らかにしている[3].そこで本稿では,より一般的なトポロジの無線LANメッシュネットワークにおいて,端末が自律的にAPを選択する手法を提案し,その効果をシミュレーションにより明らかにする.
著者
廣田 豊彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.540, pp.55-60, 2008-03-03
被引用文献数
1

著者は2004年度から、九州産業大学情報科学部において、システム開発演習を実施してきた。その経験からさまざまな情報システム開発教育の問題点が明らかになった。それらの問題点を3つの観点で整理した。第1にシステム開発の観点で、学生にどのようなシステムをどのように開発させるかが重要である。第2にプロジェクト演習の観点で、学生に適切にプロジェクトを実施させることは容易ではない。第3にプロジェクト管理の観点で、演習の進行を把握し、制御することは、教員と学生の双方の課題である。2007年度はこれらの問題点の解決を目指して、パーソナルソフトウェアプロセスやアーンドバリューマネジメントの導入など、さまざまな試みを実施した。