著者
Nahid Fatelna Martin Moser Goutanl Chakraborty 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク
巻号頁・発行日
vol.95, no.267, pp.91-96, 1995-09-29

ベクトル空間モデルは,情報フィルタリングにおいてよく使われている情報獲得モデルである.このモデルでは,ドキュメントとユーザのプロファイルの両方が単語のベクトルとして表現されている.このアプローチの問題点は,ドキュメント中の各単語のベクトルとみなしているため,単語の文脈を考慮していないことである.すなわちこのアプローチでは,異なった概念領域にある多量のドキュメントが選択されてしまうことになる.この問題の解決策として,本稿では任意のドキュメントあるいはテキストが句単語のベクトルの集合でより詳細に表現可能であることを述べる.句と単語の両方を考慮することにより,ドキュメントの内容の概略が与えられる.さらに,システムが句を認識するための新しいアプローチを述べる.本稿で提案したテキスト表現がユーザのプロファイルの生成に使われるとき,より正確にユーザの興味を反映することを示す.このことは領域特有の情報フィルタリングに有効となる.
著者
佐藤 寛修 阿部 清彦 大山 実 大井 尚一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.507, pp.15-20, 2006-01-05
被引用文献数
7

筆者らは, 自然光下でビデオカメラ1台とパソコンのみによる, 重度肢体不自由者向けの視線入力システムについて研究している.その応用として, コミュニケーション支援を目的に, 12個で構成される複数の指標群を切り換えることにより文字を直接選択する方式の, かな漢字変換が可能な文字入力システムの開発についてすでに報告している.このシステムを拡張して, ファイル操作や各種アプリケーション操作などWindowsの汎用的な操作機能をもつ視線入力システムを開発した.本システムは日本語文字入力を含むWindowsのすべての操作が視線のみで可能であり, 汎用的なコンピュータ操作支援システムとして完成させることができた.
著者
阿部 裕行 伊藤 一成 Durst Martin J.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.150, pp.133-137, 2006-07-07

放送コンテンツの視聴は,認知症者にとって精神安定作用があるという報告がある.また外国人には,文化や風習を知る上での貴重な素材である.しかし,字幕や手話表示は彼らの内容理解支援という点から言えば,十分ではない.この分野では,ピクトグラム(絵文字)を活用した事例が数多く報告されている.そこで,ピクトグラムを用いた動画像の内容理解支援の方式について検討する.
著者
西口 正之 井上 晃 前田 祐児 松本 淳 田中 直也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.424, pp.27-34, 1998-11-20
被引用文献数
5

本稿では、MPEG-4標準化に提案中の低ビットレート音声符号化方式Harmonic Vector eXcitation Coding(HVXC)について、その構成を説明する。HVXCは2.0kbpsおよび4.0kbpsの固定ビットレートモードと、2.0kbps以下の可変ビットレートモードを有している。符号化アルゴリズムとして、有声音部分においてはLPC残差のハーモニックコーディングを、無声音部分においてはCELP方式を用いることで低ビットレートでも良好な音声品質を得ている。主な特徴として、4.0kbpsのビットストリームのサブセットを用いて2.0kbpsで復号するビットレートスケラビリティー機能、音韻やピッチを変えずに再生スピードをコントロールする機能などがある。98年8月のMPEGの公式主観評価試験の結果、2.0kbps HVXCの音質は4.8kbpsのFS1016 CELPの音質よりも優れていることが確認された。HVXC音声符号化方式は1998年10月にMPEG-4 Final Draft International Standard(FDIS)に選定された。
著者
Uno Toru He Yiwei Adachi Saburo
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.97, no.49, pp.69-74, 1997-05-22

Berenger's Perfectly Matched Layer (PML) absorbing boundary condition (ABC) has been found very effective for the truncating the unbounded spatial domain in the finite difference time domain (FDTD) computation. The PML ABC was originally introduced for a free space spatial domain and later extended to a lossy medium using the stretched coordinates. In this paper, we propose a novel PML ABC for a dispersive medium in an ordinary Cartesian coordinate. It will be also shown that the PML for the lossy medium can be easily derived from our formulation.
著者
秋元 良仁 亀山 渉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.195, pp.59-66, 2006-07-21

近年の情報技術の進展に伴い,利用できるコンテンツの量は飛躍的に増大している.また,これら膨大なコンテンツにいつでもどこでもアクセスできるユビキタスな環境も整いつつある.このような状況では,メタデータを用いて多種多様なコンテンツから利用者の要求に応じて意味のある情報を横断的に紡ぎ出す技術が求められる.そこで,本稿ではまずメタデータの現状と問題点を整理する.それをもとに,必要に応じて柔軟にメタデータスキーマを構築できる「ファジー・スキーマ」という概念を提案する.更に,複数の博物館の資料情報管理用メタデータスキーマを例に,ファジー・スキーマの言語設計の指針を示す.
著者
石橋 圭介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.378, pp.49-54, 2007-12-06
被引用文献数
3

本稿では,広域インターネットトラヒックの測定,特に空間的トラヒック特性の測定,分析について述べる.ここで空間的トラヒック特性とは,トラヒック交流に代表されるネットワークトポロジ,地理的,アドレス空間中のトラヒック転送状況に関する特性である.従来のトラヒック特性分析がリンク帯域やバッファ設計およびネットワーク品質管理などの面から主に時系列トラヒック特性の分析に注力されていたのに対し,近年,トラヒックエンジニアリング,やネットワーク構成設計,もしくはネットワークの広域障害や異常トラヒックの検出・分析の観点から空間的トラヒック特性測定にも着目が集まりつつある.本稿では,広域インターネットトラヒックの測定手法,及び空間的トラヒック特性の分析に関する研究動向を紹介する.空間的トラヒック分析の応用として,特に異常トラヒック検出について,我々の研究グループにおける取り組みも含め,紹介する.
著者
飯田 幸雄 高田 政明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.231, pp.145-150, 2006-08-29

FDTD法において,損失のある金属を含む問題を解析する場合に,導体損失のモデル化法は大切である.ここでは,表皮抵抗法,表面インピーダンス境界条件,等価回路を用いた広帯域導体境界処理法について述べると共に,計算の安定性について議論している.損失のある導体境界の処理法を詳しく述べている.ステップ数の多い計算に対しても安定で実用的な方法を2つ示している.
著者
小林 亜樹 吉田 俊之 酒井 善則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.306, pp.19-24, 1998-09-25
参考文献数
3

コンピュータ上で画像を扱うことが一般化する中、画像データベース上での検索要求が高まっている。われわれは、比較画像の提示と類似度高低による選択入力という、利用者が容易に操作可能なインタラクションを通じて画像検索を行う方式を提案してきた。本稿では、特徴量空間における目標画像との距離分布(類似度分布)にマハラノビス距離を想定し、このパラメータを推定する手法について述べる。本方式による画像検索は、順位付けした検索結果提示、および特徴量間にある一定の相関までも表現可能といった特徴がある。まず、特徴量と特徴量空間について説明した後、本方式における画像検索の概要と、各パラメータの推定原理について述べる。その後、実際の検索システムに応用するにあたり、インタラクティブな操作に必要な比較画像についての条件やパラメータの推定手順を提案する。最後に、想定類似度分布にパラメータ推定手順を適用したシミュレーション結果を示し、本手順の機能を確認する。
著者
藤木 卓 相原 玲二 前田 香織 柳生 大輔 西山 敏明 渡辺 健次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.703, pp.147-152, 2005-02-26
参考文献数
8
被引用文献数
3

教育的な効果の高い遠隔授業の実現を目指して, JGNII回線を使いHD動画を用いた中学校における遠隔授業を実践し, システム評価及び主観評価を行った. その結果, 次の点が明らかになった. 授業としては, 学習者にとって疲労感のある内容であったが, 興味深く, なるほどと思える授業が実践できた. HD動画伝送による授業の主観評価では, 画像・音声は4段階で3.5以上の高い評価を示す. 長崎-広島間であれば, HD動画伝送システムを用いることで安定した画像・音声による授業環境の構築が可能である.
著者
森 靖 小林 浩 上野 洋一郎 森谷 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.355, pp.67-71, 2006-11-09
被引用文献数
1 1

発展途上国などの情報弱者地域への導入が期待されているflying S-CSMA/v-MCA方式は,衝突回避手続きに伴うRTT浪費問題を根本的に解決し,広域化を可能にするものである.方式開発にあたっては,これまで長短パケット数比を固定した静的なトラフィックを印加し,スループット特性や遅延特性などをシミュレーションにより評価してきた.ところで,近年急速に普及が進んでいるVoIPやストリーミングなどのリアルタイム系サービスに対応するには,QoS制御の導入が必須である.これに伴って,印加トラフィックを現在のサービス利用状況を反映したものに見直す必要が出てきた.大学キャンパス内で発生しているトラフィックを計測し,利用されているサービスやその利用頻度およびトラフィックパターンなどのモデル化を行い,トラフィックが動的に変動するシミュレーション環境を整備した.
著者
小林 香 片山 勁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.19, pp.29-32, 2002-04-11

ICMPプロトコルを利用した2端末間のパケットの片道及び往復伝送遅延時間の揺らぎの計測結果に,単一ノードモデルとしてネットワークをとらえた時の通信品質を評価する.またN段のM/G/1待ち行列システムとしてのネットワークの評価を検討し,問題点を明確にする.
著者
砂山 渡 谷内田 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.146-154, 2001-02-01
被引用文献数
12

近年, インターネットの普及に伴って文書の電子化が進んでいる.しかし, 我々がそれら文書のすべてに目を通すことは, 肉体的にも時間的にも困難である.それゆえ各文書の内容を端的に表する要約が, 必要な文書の取捨のために有効となる.そこで本論文では独自の方法によって重要文抽出を行う展望台システムを提案する.このシステムは, 文章の全体を見通した上で文章を特徴づけるキーワードを発見する.特徴キーワードは文章の主題と密接にかかわりのある単語として抽出されるため, 有効な重要文抽出に役立てられる.
著者
紙谷 一啓 工藤 峰一 野中 秀俊 外山 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.152, pp.41-46, 2007-07-12

近年の情報機器や情報技術の発展に伴い,日常生活の様々な場面において生活の質を向上させる適切なサービスが望まれている.着席という動作は一日の活動に対して大きな割合を占めるととかち,着席時のユーザの振舞い情報をサービスに繋げることは有望である.そこで,椅子に圧力センサを設置し,着席中に座面にかかる圧力の分布から姿勢を識別する方法について検討する.
著者
安井 信一 大見 忠弘 二ツ木 高志 米川 直道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.1-8, 1993-04-22

次世代の半導体デバイスの高性能化実現のためには、ウエハ表面を極限までウルトラクリーンにすることが必要不可欠である。特に、ウエハに与えるダメージが少なく、低温で処理が可能であることから、現在でもウェットプロセスが広く採用されている。RCA洗浄において、有機物分子除去に用いられている硫酸過酸化水素洗浄(SPM)は、薬品を使用することや処理が高温であることから、廃液処理、操作性に問題がある。一方、オゾン添加超純水洗浄は、常温処理であり、さらに低濃度オゾンを使用していることから、廃液処理が必要とならない。オゾン超純水を使った有機物除去は、洗浄プロセスの低温化だけでなく、操作性の向上、廃液処理のクローズドシステムの実現も可能にする。
著者
佐野 雅規 八木 伸行 片山 紀生 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.229, pp.89-96, 2006-09-01
被引用文献数
2

本稿では,大量に蓄積されたニュース番組から,映像(画像)付きクイズを自動生成する手法について提案する.クイズの形式には多種多様なものが存在するが,本稿で対象とするのは,映像とそれに関連する説明文とのマッチングを問うクイズである.このようなクイズを生成するためには,映像または説明文同士の「似て非なる」関係を見つけ出す必要がある.また,通常の文字だけのクイズと違い,映像がクイズとして適切である必要があり,どのような画像も利用できる訳ではない.本稿では,これら映像クイズを自動生成する際の問題点を整理し,表層的な解析だけで生成する手法を提案する.また,その実験結果についても報告する.
著者
寺 朱美 杉山 公造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.508, pp.43-48, 2006-01-06
被引用文献数
1

日本語学習者の読解上の問題点を知るために、外国人の5つのグループ、比較するための日本語母語話者グループ、あわせて6グループの日本語と英語テキストの読解における眼球運動を計測した。視線データから読解時の被験者の視線移動の場所について調べたところ、中間圏、非漢字圏グループは1〜2文字前方への移動を、漢字圏グループは3〜4文字前方への移動を多用する傾向がみられた。また、日本語圏グループは飛ばし読みと戻り読みを多用する傾向が見られた。本稿ではこれらの結果について報告する。
著者
岩野 賢二 宮崎 仁誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.622-627, 2007-08-01
被引用文献数
3

社会的背景として,少子高齢化社会が進行する中で,世界各国で医療費の増大を抑制することが急務となっている.当社ではその課題に対して,治療から予防へのパラダイムシフトを行う情報通信技術の検討を進めている.具体的な取組みとして,在宅ヘルスケア支援システムを開発し,米国を中心に事業化を行っている.また医療サービス,医療センサ,IT,電気の各分野を代表する企業とともにContinua Health Allianceの設立を行っている.ここでは家庭における遠隔医療業界の動向を中心に紹介する.