著者
丸山 健一 小林 誠 山田 博文 中野 康明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.9, pp.1435-1443, 1999-09-25
被引用文献数
1

本研究の目的は筆記体で書かれた手書き英単語を認識することである.以前の研究では,文字認識部にある一つの手法を用い,その結果を用いて単語認識を行っていた.本研究では複数の文字認識を用い,そこから得られた結果を組み合わせることにより,単語認識率の向上をねらった.手書き英単語認識に適用した実験の結果,提案した手法による単語認識率は単独の認識アルゴリズムを用いたときよりも認識率が向上した.
著者
白 光一 二上 武生 宮本 義昭 野川 載藏 田辺 南香 山口 幸子 林 直樹 向井 博 飛田 將宏 安納 武史 山内 智晶 管 祥紅 胡 進 曾 紀才
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.31, pp.65-71, 2000-05-02

本稿ではデータベースシステムに基づいて開発した自動車売買のための情報提供誌「カーセンサー」の制作システム「CSRシステム」について述べる。カーセンサー誌は大容量なマルチメディア情報から構成された複雑な媒体となる。それの制作は多数の制作者により多数の端末での共同・協調作業であり、長い複合トランザクションである。本稿では、カーセンサー誌を考察し、その媒体のデータモデル及びそれの制作モデルを提案する。「CSRシステム」はこのモデルに基づいてリレーションナルデータベースサーバとWindows DTP端末で構築した。当システムを導入することにより、カーセンサー誌の制作効率は従来より倍以上向上し、制作コストも大幅に削減することができた。
著者
小池 隆司 佐藤 直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.44, pp.85-92, 2007-05-11
被引用文献数
1

本稿では,ユーザとプロバイダが協力してスパムメールをフィルタリングする方法を検討している.具体的には,従来利用されているグレイリスティングとベイジアンフィルタリングを組み合わせた手法を提案した.提案手法によれば,グレイリスティングにより,スパムメールによるネットワーク輻輳を回避でき,また,受信者コストを低減できる.また,ユーザがメール内容をチェックし、スパム/非スパムを判定し,その結果をグレイリスティングにフィードバックするため,秘密の保護という電気通信事業法の規定に適合しつつ,スパムメールフィルタリングが実施できる,という特徴を有する.提案方法を実現するためのシステム構成を検討するとともに,実環境での実験例により,スパムメール低減効果を確認した.
著者
淡野 公一 石塚 興彦 唐 政
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.1244-1255, 1996-07-25
被引用文献数
2

以前に提案されている電流モードCM0Sアナログデファジー回路は, M0Sトランジスタのプロセスパラメータの絶対値の変動に対して低感度であり, 多入力化の容易な回路であった. しかしながら, この回路は, 同一入力電流の向きが異なる, 入力バイアス電流が必要なため消費電力の増加を招く等の問題があつた. 前者に関しては, 入力電流の向きを変えるには, 一般にカレントミラーが用いられる. このカレントミラーは, チャネル長変調効果の影響を受けるためデファジー回路の入力以前に誤差を生じてしまう, 本論文では, 最初にデファジー回路を構成するための4象限動作可能な電流モードCMOSアナログ乗算器を提案する. 提案する乗算器は,従来の回路と同様にプロセスパラメータの絶対値の変動に対して低感度であり, 更に, 前述の問題を改良した回路構成となっている. 次に, 提案する乗算器を用いて多入力化が容易なデファジー回路を設計する. 提案するデファジー回路は, バイアスブロックの共通化によって低消費電力化に有利な回路構成となっている. これらの回路は, PSpiceを用いて詳細に解析される. 最後に, 提案するデファジー回路の評価を行い, その有効性について検討する.
著者
林坂 弘一郎 三道 弘明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.12, pp.1819-1829, 1999-12-25
被引用文献数
5

受注開発されたソフトウェアが,信頼性受け入れ検査に合格し顧客に納入された後,開発段階におけるテストで検出,修正できなかったフォールトが原因となってソフトウェア障害を発生させることがある.このような場合,開発業者が直接フォールトを修正するか,あるいは保守代理業者が開発業者の代わりに保守を行っている.しかし,このような保守は,(1)その経費がソフトウェア開発費用に含まれている,(2)保守契約を結んでいない場合にはその都度有料で実施される,(3)保守契約を結んでいる場合には無料で行われる,のいずれかである.本研究では,保守サービスを契約しない場合の価格や,保守サービス契約に要する価格に対する適切な設定方法を明らかにすることを目的とし,ソフトウェアの信頼性理論とゲーム理論に基づいたソフトウェア保守サービス契約に関するモデルを提案する.
著者
田中 清史 松本 尚 平木 敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.98, no.233, pp.31-38, 1998-08-04

並列/分散システムにおいて、汎用かつ容易なプログラミング環境を提供するために共有メモリが必須である。本稿では階層コヒーレンス管理および一般化されたコンバイニングのサポートにより効率の良い分散共有メモリを軽いハードウェアで実装する方式を述べる。我々の方式においてディレクトリに必要なメモリ容量はクラスタ数の対数オーダーである。このことから、超並列システムを構築する場合に各メモリブロックについて1ワード程度用意すれば十分であり、ディレクトリのアクセスコストも低い。並列計算機プロトタイプお茶の水5号上に軽いハードウェアDSMおよび一般化されたコンバイニングを簡単なハードウェアで実装した。実際のプログラムを実行してお茶の水5号の性能を測定した結果、我々の方式が並列化の効果を得ることが示された。
著者
吉田 誠 大池 太郎 照沼 幸一 飯島 淳 佐々木 芳高
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.189, pp.17-24, 1999-07-16
被引用文献数
2

10Gbpsi以上の記録密度の磁気ディスクドライブを達成するには、ライトヘッドに対しては、サブミクロンのトラック幅で高周波域での書き込み能力に優れたヘッド特性が要求されます。インダクティブ/スピンバルブ磁気ヘッドにとっても以前のヘッドと比べると大きな挑戦領域になって来ているのが現実です。そこで、本報告では、高周波域で優れたライト特性をもつ新しい構造のStitched poleヘッドのライト特性をConventionalヘッドと比較して述べます。
著者
尾形 利文 牧野 秀夫 石井 郁夫 中静 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.375, pp.57-62, 1995-11-18
被引用文献数
1

屋内を単独で移動する視覚障害者に対し、屋内位置案内装置の開発を目的とした位置情報取得方法の検討と案内装置の開発を行った。具体的には、位置情報検出・提供システムとして非可視型バーコード、CCDカメラ、パーソナルコンピュータ及び音声合成装置を用いた。工学部建物内で行った動作実験では、形状を工夫した横型バーコードを使用することにより、移動速度800mm/sにおいてバーコード長240mm以上であれば位置情報を正確に取得することが可能であることが確認された。
著者
小野内 雅文 斉藤 康祐 藤島 実 鳳 紘一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム
巻号頁・発行日
vol.102, no.611, pp.67-72, 2003-01-22
被引用文献数
1

問題の規模に応じて指数関数的に処理時間を要した整数問題(NP問題)を、量子力学の重ねあわせを利用した量子コンピュータは高速に解けるため、近年注目を集めている。しかし、量子現象を直接用いる量子コンピュータでは、ハードウェアを用いる周囲の環境の影響を受け、実用的な規模のアーキテクチャを構築することが困難である。そこで、量子コンピュータと同等の演算能力を持ち、実用的なアルゴリズムを実行可能なアーキテクチャを実現すべく、FPGA内部で大規模な並列演算を行う量子計算エミュレータを試作した。その結果、NP問題である充足可能性問題(SAT問題)を解くために必要な時間は、従来のコンピュータと比較し数百分の1となった。これにより、集積回路の並列性を利用し、量子コンピュータの計算能力に匹敵するプロセッサの可能性を示すことができた。
著者
佐藤 亮 小野 晋太郎 永塚 遼 川崎 洋 池内 克史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.88, pp.1-6, 2009-06-11
被引用文献数
1

実写画像ベースのImage-Based Rendering(IBR)を用いて,広域な都市空間を再現するシステムについて提案する.これを実現するために,入力として大量の全方位画像データを固有空間法を用いて効率よく圧縮する手法と,より良いレンダリング結果を得るための障害物除去手法を併せて提案する.障害物の除去は,圧縮の際に障害物のあった箇所をサンプリングに含めないことにより圧縮率の向上にも寄与する.また,GPUを用いた実時間での自由視点レンダリング手法を実装し,その効果を描画時間の評価により確認した.さらに,これらの手法をドライビングシミュレータシステム上に実装した.
著者
鎌田 圭 朝川 智 峯松 信明 牧野 武彦 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.165, pp.73-78, 2007-07-19
被引用文献数
1

音声コミュニケーションは,音声の生成,収録,伝送,再生,聴取の何れの過程においても非言語的特徴が不可避的に混入するが,これを表現する次元をおよそ保有しない音響的普遍構造が提案されている.この構造的表象を用いて,発音矯正の必要度を学習者別に推定可能であることが実験的に示されている.本稿では,この推定方法が教育的に妥当であるかを,英語音声学を専門とする音声学者による学習者発音の母音図表記を通して検討する.また,この推定方法について,改善可能な点を示し,より妥当な推定方法を検討する.
著者
中田 大輔 アブドゥール ラーマン シャハリン ファズリ 白鳥 悠太 葛西 誠也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.438, pp.63-68, 2009-02-19

ナノワイヤ3分岐接合デバイスは,低温から室温までの広い温度領域において特異な非線形特性を示し,論理回路や高周波回路への応用が期待されている.回路応用においては,メカニズムの理解と目的に応じた特性制御が必要である.本稿ではショットキーラップゲートを備えたGaAsナノワイヤ3分岐接合のデバイスの試作とその詳細評価を行い,ショットキーラップゲートやナノワイヤ長が非線形特性および動作速度に与える効果を調べ,非線形特性メカニズムや特性制御について検討を行った.
著者
藤山 直之 幡野 喜子 杉山 和宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.314, pp.33-36, 2005-09-28
被引用文献数
1

デジタルカメラの普及に伴い, 撮像画像の手ぶれ補正処理の必要性が高まっている.本稿では, 静止画手ぶれ補正に対して画像修復アルゴリズムの適用を検討した.画像修復アルゴリズムは, 劣化画像の修復問題であることから, CCD平面における像の振れを, インパルス応答関数として捉えることで, 手振れ補正処理を行うことができる.しかし, 有限領域の離散データに対してアルゴリズムを適用するだけでは, 所望の解を導くことはできない.そこで, 定義された劣化画像の領域よりも外側に, 数学的画像モデルに適合するようなデータを埋め込むことで, 所望の解が導けることを数値実験により示した.
著者
佐藤 宏介 土居 元紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.340-345, 1999-04-25
参考文献数
26
被引用文献数
16

複数ユーザに対応する情報システムでは, すべての利用ごとに適切な本人確認がなされなければならない. 現状のパスワードや暗証番号の確認は, 詐取が容易で, 本人自身が忘れてしまうこともあり, 決して利用したいものではない. そこで, 持ち歩かなくてもよく, 面倒な記憶もしなくてもすむ, 気の利いた本人確認の方法として, バイオメトリック認証が新展開を迎えている. 指紋, 網膜血管, 虹彩, 顔など身体の特徴部分の照合から, サインや身振りなど特定の習慣動作の照合まで, 近年のマルチメディア技術とパターン認識技術の統合により実現できるようになってきた.
著者
松下 弘幸 岩田 圭介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ
巻号頁・発行日
vol.98, no.470, pp.39-43, 1998-12-14
参考文献数
8

1997年12月16日にテレビ東京系列で放送されたテレビアニメ「ポケットモンスター」第38話を見ていた700人近くの視聴者が、コンピューターの中を描いた赤と青の速い点滅が続くシーンを見て、光感受性発作を起こした。英国における同様のケースの原因調査のために行われた研究を考察し、光感受性発作やパターン過敏性発作の可能性を低減させるためのアニメ番組製作ガイドラインについて述べる。
著者
冨岡 亮太 鈴木 大慈 杉山 将
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.182, pp.43-48, 2009-08-24
被引用文献数
2

スパース正則化は凸最適化を通して変数選択や多様な情報源の統合を実現するための系統的な枠組みとして近年注目されている。多くのスパース正則化法は滑らかでない最適化問題として定式化されるため、このような問題を効率的に解く方法が求められている。本論文では、一般の凸な損失関数と広いクラスの正則化関数に対する最適化手法をproximal minimizationの枠組みから導出し、理論的な性質を議論し、既存の手法との関係を解説する。講演では実際のパターン認識やCVの問題を題材として、非常に多くの素性やカーネルが与えられたもとでいかに効率よくこれらを選択し学習することができるかデモンストレーションを行う。
著者
清水 雅史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.93, no.465, pp.39-44, 1994-02-18
被引用文献数
1

本稿ではMMICを用いた位相器は4bit程度のものが多いことに注目し、離散的な最適化方法であるジェネティックアルゴリズムを使ったパラメータチューニング法を提案した。各素子の振幅、位相を4bitの分解能として8素子の直線配置の1次元アレイを想定し、ビームを所定の角度に向けるステアリングと、サイドローブを抑制する励振分布を提案方法により導出し、解析的に導かれた結果と比較した。
著者
浜口 斉周 道家 守 金子 浩之 井上 誠喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.217, pp.95-98, 2008-09-18

TVML (TV program Making Language)とTVML Playerのインタラクティブ再生機能を用いて,キーボードでCG(コンピュータグラフィックス)キャラクタをリアルタイム動作させる"アドリブシステム"を開発した.アドリブシステムはリアルタイムで制御されるため,番組出演者と臨機応変に掛け合いをさせることができる.また,スクリプトベースなので制作現場で直接動作・演出を編集・加工することができる.さらに,声優の声を入力としてリアルタイムにCGキャラクタのリップシンクが可能である.ノートパソコン1台で動作するためコンパクトで,番組制作現場で使いやすいシステムとなっている.