著者
キー ソァポァン 石川 佳治 北川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.171, pp.143-148, 2005-07-06

本稿では, 時系列的な文書の新規性を考慮するインクリメンタルなクラスタリング手法について述べる.実験による評価により, インクリメンタルなクラスタリング手法が非インクリメンタル手法に比べ効率的であることを示す.加えて, 有効性に関する評価についても触れる.
著者
熊谷 有香 吉田 奏子 三輪 譲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.98, no.611, pp.23-30, 1999-02-19
被引用文献数
3

本論文では、日本語音声教育のための日本語アクセント型判定法を提案する。アクセント型の判定では、相対アクセント位置および対数基本周波数の傾きの2つの特徴を用いる。アナウンサーの音声について、97%の割合でアクセント型を正しく判定した。よって本判定アルゴリズムは有効であるといえる。また、留学生のアクセントの正答率は69%であったが、間違った発音に対しては異なるアクセント型に判定された。よって日本語アクセント発音学習に役立てることができるといえる。
著者
佐々木 啓友 吉田 利信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.603, pp.9-15, 2002-01-17

名詞2語からなる複合名詞がどのような場合にアクセント合成をするかを、新聞記事読み上げ音声コーパスを用いて解析した。複合名詞を構成する単語間の意味的結合関係を、係り受け解析から推定する方法、単語間の類似度から推定する方法、コーパスからの共起情報によって推定する方法を検討した。
著者
内山 英昭 斎藤 英雄 セルヴィエル ミリアム モロ ギヨム
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.88, pp.113-118, 2009-06-11
被引用文献数
1

本稿では,交差点マーク付き地図と交差点データベースを用いた地理データマッチングに基づくGISデータのAR提示システムを提案する.本システムでは,交差点マーク付き地図を撮影すると,その地図に関連するGISデータをディスプレイを通してAR提示する.地理データとして交差点を使用し,点検索手法のLLAHによって画像中とデータベース中の交差点の対応付けを行うことで地図の識別を行う.また,任意の方向から撮影した画像に対して交差点の対応付けを可能にするため,LLAHにトラッキングを導入する.実験では,LLAHによる交差点の対応付けによって実時間地理データマッチングが可能であることを示す.また,LLAHにトラッキングを導入することで自由なカメラの動きに応じたAR提示が可能になることを示す.
著者
西川 知宏 間下 以大 清川 清 竹村 治雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.379, pp.11-16, 2009-01-08
被引用文献数
3

本稿では,移動中の連続した学習を支援するウェアラブル学習システムにおける利用者のスケジュール予測手法について述べる.本研究では利用者の動作および位置を認識するために大腿部の加速度とGPS測位結果を利用する.加速度データからはパワースペクトルを算出し,サポートベクターマシンを用いて利用者の動作を推定する.GPS測位結果からは利用者の現在位置および移動速度を導き出す.その後あらかじめ登録したランドスケープの位置情報や各鉄道駅の時刻表などを利用し利用者のスケジュールを予測する.実験の結果,時刻表を用いることでよい精度のスケジュール予測を行えると確認したが,一方で時刻表を用いることのできない徒歩時のスケジュール予測精度に問題があることも判明した.
著者
菊川 哲也 北村 喜文 三枝 知史 大野 翼 櫻井 智史 山口 徳郎 岸野 文郎 國田 豊 磯貝 愛 木全 英明 大谷 佳光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.75, pp.25-30, 2009-06-01

我々は,単一の固定されたディスプレイで,利用者のインタラクティブな視点移動による運動視差を与えることができ,3人以上の利用者全てに対して,フリッカとひずみがない適切な立体画像を表示できる多人数共有型立体表示装置IllusionHoleを提案し,検討を進めている.この考えに基づいて,2台の短焦点プロジェクタと円偏光板を用いたパッシブな立体視により,4側面にプロジェクタボックスなどの邪魔な張出しがないIllusionHoleを試作した.これにより,利用者はディスプレイの全ての辺を等価に利用して立体画像を観察することができる.本稿では,この装置の設計について検討した結果について報告する.
著者
中澤 仁 由良 淳一 岩本 健嗣 横山 浩之 徳田 英幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.399, pp.149-154, 2009-01-15

無線センサノードを,ユビキタスサービスにおける様々な用途に広く利用するためには,多くの無線センサノードと協調的に動作しながら情報を交換する機能を,人々がいつも持ち歩いている携帯デバイスにおいて動作させることが重要である.本稿では,携帯電話上でユビキタスセンサネットワークアプリケーションを動作可能とするための技術として開発した,(1)センサ情報トランシーバ,(2)センサ情報収集ソフトウエア,および(3)Zigbee環境情報センサについて報告する.利用者は,センサ情報レシーバを携帯電話に装着し,所望のアプリケーションをダウンロード,インストールするだけで,周囲の無線センサノードを利用したユビキタスサービスを享受できる.従って本技術は,今後のセンサネットワークならびにユビキタスサービスの普及に資するものである.
著者
高畑 裕美 岡田 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.78, pp.61-66, 2009-06-04

本報告では,2.4GHz ISM(Industry Scientific and Medical)帯における電子レンジ雑音の干渉除去によるパケット同期捕捉改善効果を評価する.同じISM帯を利用するIEEE802.11g W-LAN(Wireless Local Area Network)は,ノートPCに標準的に搭載されるようになっており,家庭内やホットスポットにおけるブロードバンドアクセスとして広範に利用されている.しかし,ISM帯は他システムとの共用周波数であり,他システムからの干渉がシステム性能に大きく影響する.本報告では,電子レンジからの干渉除去手法によるパケット同期捕捉特性の改善効果について確認する.
著者
王 克 鎌原 淳三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.425, pp.163-166, 2009-01-28

CBIR(Content-Based Image Retrieval)という,画像の内容に基づく画像検索技術に関する研究が進んでいる.その内,色彩特徴が画像の最も重要な視覚特徴の1つとして内容に基づく画像検索技術に幅広く利用されている.本稿では画像に対し,中心に重点を置いて分割し,L^*a^*b^*表色系で分割された画像ごとに累積ヒストグラムを求め,類似度測度はユークリッド距離で計算するという手法を提案した.実験により,提案した手法は計算の複雑性が高くなったが,検索精度が高まったことがわかった.
著者
大野 裕史 内山 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.506, pp.53-56, 2007-01-19
被引用文献数
1

鳥類の向網膜神経核(ION)の向網膜ニューロン(IOニューロン)は,軸索突起を対側網膜に投射しており,網膜出力の注意による調節に関係していると示唆されている.我々は可動式金属電極をION埋め込み頭部無拘束ウズラのIOニューロンの活動を記録した.同時に高速度カメラ(100fps)と加速度センサを用いて頭部運動を記録し,頭部の運動や開眼開眼によるIOニューロンの活動の変化を観測した.その結果,IOニューロンの発火には光刺激に誘発される受動的な活動と特定の方向への頭部運動に先行する能動的な活動が存在することがわかった。受動的な活動によって受容野をマップすることができる.能動的な活動は,その受容野のある方向へ嘴を向けるような頭部サッカードの0-200ms前に起こる.これらの結果に基づき,IOニューロンの機能的意義について考察する.
著者
井原 雅行 小林 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.663, pp.1-6, 2004-02-13

チャットなどのテキストベースのコミュニケーションでは,対面コミュニケーションの場合と比較して,円滑な意思疎通を行うことが難しい.本研究では,意思疎通の補強手段の一つとして,人間の価値観の類似に関するデータを抽出して共有することを目指している.人間が感じる価値観の類似や相違は,対話インタラクションにおける同意や不同意の繰り返しに起因すると考え,価値観の類似度を抽出するために,発言の冒頭部分に現われる同意,不同意の語句を活用する.一つの言語表現に対して人間が感じる同意や不同意の強度は一般的に異なる.この強度の違いを考慮した上で価値観の類似度を正しく抽出し,意思疎通の補強方法をデザインすることが望ましい.本報告では,アンケートにより収集した約百個の語句に関し,同意や不同意の強度,および日常的によく使う表現か否か,によって,被験者による評価のばらつきを分析した結果を報告する.
著者
上田 紀之 中西 泰人 真鍋 陸太郎 本江 正茂 松川 昌平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.39, pp.71-76, 2003-05-02
被引用文献数
6

コミュニティ内での情報提供や支援が円滑に行うことができるという点から,WebGISに注目し,活用する情報コミュニティが出現している.しかし,現在のWebGISは必ずしも使い勝手の良いシステムとはいえない.本研究では,「時空間ポエマー」と「カキコまっぷ」の両システムを統合するという形でGPSカメラケータイを用いたWebGISを構築し,現在のWebGISが抱えている様々な問題の解決を試みた.
著者
三宅 純平 竹内 翔大 川波 弘道 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.422, pp.1-6, 2009-01-22
被引用文献数
2

本論文では,ユーザの手動登録に依存しない流行語・新語などに対する自動読み付与の手法を提案する.音声認識の大きな課題として,未知語処理が挙げられる.特に,流行語・新語は正しい読みが得られず,未知語として扱われることが多い.近年,流行語などの読み訂正処理として,「はてな」のようなキーワードと読みがペアで登録されている集合知サイトを利用した読み付与による音声認識辞書の修正が提案されている.しかしながら,集合知サイトに基づく読み付与は,匿名ユーザの手動による登録に強く依存しているため,迅速な読みの登録やその読みの正しさが保証されないという問題がある.そこで,括弧表現に基づくWebテキストマイニングによる読みの自動抽出及び,その読みの信頼度計算を行なうことで,ユーザによる登録に非依存な自動読み付与の手法の提案を行なう.評価実験では,従来手法である「はてな」を用いた読み付与と提案手法との読み付与との性能比較を行い,提案手法は従来手法と同等またはそれ以上の性能を得ることができた.特に一般性が著しく改善された.
著者
石田 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.363, pp.231-233, 2008-12-11

本論文では,言語サービスのアクセシビリティとユーザビリティを向上させるために,サービス指向の集合知形成を目指した「言語グリッド」を紹介する.言語グリッドはエンドユーザが,自らの異文化コラボレーション活動のために,新しい言語サービスを生成するためのインターネット上の基盤である.
著者
黒田 嘉宏 金守 恒志 滝内 秀和 田ノ岡 征雄 黒田 知宏 大城 理
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.385, pp.495-498, 2009-01-12

術中ナビゲーションにおいて,術野の映像情報を損なわずにバーチャル画像を重畳することが重要課題である.本研究では,バーチャル画像内の物体構造理解と内視鏡画像内の表面情報理解を両立する,内視鏡位置に基づく動的な透過度制御法を提案する.あらかじめ設定された対象物体と内視鏡との距離に応じて内視鏡画像の局所領域における透過度分布パターンを動的に変化させ,その背後に存在するバーチャル画像を可視化する.腹腔鏡下腎摘除術を対象として,実験ファントムを用いた基礎評価を行った結果について報告する.
著者
中西 大祐 永長 知孝 高橋 大介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS
巻号頁・発行日
vol.108, no.471, pp.59-64, 2009-03-02
被引用文献数
5

本稿では,都市景観内スポット情報とWeb上の住所情報を用いたポジショニングシステムの検討が行われている.まず,既存のポジショニングシステムの精度の確認をするために,携帯電話に搭載されているGPS機能を用いて,都市部において測位実験が行われている.次に,システムの提案が行われている.利用者は携帯電話のWebブラウザを用いて,専用フォームからサーバ側に周辺の建物に関する情報とGPS等から取得した位置情報を送信し,その情報をもとに実行されたWeb検索結果から位置情報を得ることができる.提案方式について評価するため,GPS実験の位置情報と測定地点のスポット名情報を用いたシステムの動作実験が行われ,GPS単独使用時より測位精度の向上が見られることが示されている.最後に,提案システムの考察が行われ,使用するスポットの選択,Webサイトの構造と測位誤差の関係について述べられている.
著者
大蔵 君治 大西 洋司 川口 真司 大平 雅雄 飯田 元 松本 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.275, pp.41-46, 2007-10-15

オープンソースソフトウェア(OSS)開発において,プロジェクトのアクティビティ(開発の活発度)は成果物の品質に影響を及ぼす重要な要因の一つである.OSS開発では,一般的に詳細な開発ドキュメントを作成することは少ないため,開発ツールのログデータを用いた分析手法が多く用いられてきた.しかしながら,開発ツールはプロジェクトによって多種多様なものが使用されるため,異なるプロジェクトに対して同じ分析手法を用いることは困難である.本稿では,多くのOSSプロジェクトにおいて開発に用いられるメーリングリスト(ML)に着目し,開発者の共起性からOSSプロジェクトのアクティビティを予測する手法を提案する.我々は,実際のOSSプロジェクトに対して提案手法の適用実験を行い,開発者の共起性がプロジェクトのアクティビティに影響を与えることを確認した.
著者
河本 健作 北村 泰彦 Tijerino Yuri
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.429, pp.67-72, 2008-01-14

Wikiとは,ネットワーク上の不特定多数の人間同士がブラウザを介して協調しながら編集活動を行うこと,Webサイトを共同で制作するためのシステムである.エージェントがWiki上の情報を理解し,Wiki上の編集活動に参加することができれば,整合性のとれたコンテンツの作成,Web情報とWiki情報の統合など,従来のWikiでは不可能であった効果が期待できる.本論文では,Semantic Webを共通の情報表現として,エージェントと人間の協調を実現した新たなWikiシステムを提案する.
著者
横田 正恵 横田 康成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.501, pp.81-86, 2007-01-19

Filling-inが発生することにより,視覚系では効率的な情報獲得・処理が実現されていると考えられる.その発生機構を解明するために,これまでに視野周辺部で発生するfilling-inを対象に,呈示する動画像に対するfilling-inの発生特性が調べられている.こうした実験では,filling-inの起こりやすさの尺度として,filling-inが起こるまでの時間(filling-in時間)が採用されている.これまでの著者らの研究から,filling-in時間は被験者の固視の状態に影響を受けることが示唆されている.しかし,これまでに眼球運動をモニタリングしながらfilling-in時間を計測した例はなく,眼球運動とfilling-inの起こりやすさとの関連は,明らかになっていない.本研究では,被験者の固視を容易に保つ環状filling-in対象を用い,時空間周波数が異なる複数の動的テキスチャに対しfilling-in時間を記録した.このとき,EOG法により,同時に被験者の眼球運動を記録した,Filling-in時間と眼球運動の関係を解析したところ,視線変位とfilling-in時間との間に弱い相関が認められた.