著者
田島 敬史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.202, pp.105-110, 1999-07-22

半構造データに対する検索を記述する場合, データの構造が不規則である点と, あらかじめ与えられたスキーマがない点が問題となる。これまでに提案されている半構造データのための検索言語では, これらの問題をワイルドカードを導入することで解決している。しかし, 全体のデータ構造がわからない状態で検索を記述する場合, ワイルドカードが思わぬデータにマッチし, 検索結果に不必要なデータまで含まれてしまうことがある。そこで本論文では, どのようなデータがより解として適当と思われるかの優先度を記述できる構文として、case構文、smallest matchingの構文、minimal matchingの構文の三つを持つ検索言語を提案する。これらの構文を用いることにより, 全体のデータ構造を知らない場合でも, 必要なデータとだけマッチする検索文をより容易に記述できる。
著者
村山 隆徳 満保 雅浩 岡本 栄司 植松 友彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ
巻号頁・発行日
vol.95, no.353, pp.9-14, 1995-11-16
被引用文献数
13

ソフトウェアプログラムの難読化技術は、リバースエンジニアリングが適用され難いプログラムの実現や、ソフトウェアのプロテクトプログラムの強化、暗号化・復号プログラムの安全性確保等にとって非常に重要である。小文では、解析され難いソフトウェアプログラムの定義に関する考察、及びプログラム内の命令コードの書き換え(replace)や並び変え(shuffle)を行なう自動難読化ツールa0/f1/f2について紹介する。
著者
シン ソル 橋本 弘太郎 谷川 智洋 岩井 俊雄 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.80, pp.71-75, 2007-05-28

The purpose of the system is to allow users to analyze features of their movement behavior using data obtained from the Suica card. People use the Suica card routinely in their daily lives, and often do not realize that it maintains information regarding their travel behavior. Thus our system allows users to visualize information about their own behavior, often allowing them to discover patterns which they may not have realized were present. The system visualized the movement behavior using an intuitive tree-based display. Also, the effect of the system is to encourage people to collect their lifelog actively. And, the system will be installed in a public place, allowing people to share and compare their movement patterns.
著者
福本 雅朗 平岩 明 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.460-470, 1996-02-25
被引用文献数
22

将来の携帯情報環境には,「装着」するタイプの携帯機器が適している. 腕時計や眼鏡のような超小型のコンピュータを常時身につけておくことによって, 日常生活のあらゆる場面において, 欲しい情報に即座にアクセスすることができる. 本報告では, 装着使用を前提とした入出力インタフェースのありかたについて考察し, その一例として, 加速度センサを用いた指輪型キーボードであるFingeRing (フィンガリング) を提案する. FingeRingは, 大腿部や机の上など, あらゆる場所で即座にタイピングが可能であり, 立位若しくは歩行中の入力も可能である. 更に, FingeRingに適用されるシンボル生成方式として, 順序打鍵併用型の和音入力方式を提案し, 打鍵評価実験によって, 使用すべき指の組合せを抽出した. 鍵盤楽器の経験者では, 本方式によって, 200個/分を超える速度で52種のシンボルを入力することが可能である.
著者
荒木 健治 高橋 祐治 桃内 佳雄 栃内 香次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.391-402, 1996-03-25
被引用文献数
19

我々は, 人間の言語および知識獲得能力の解明とその実現を目的として研究を行っている. このような研究はこれまでいくつか存在するが, 工学的に有効なシステムを完成するまでに至っていないのが現状である. また, 心理学の立場からの研究も存在するが, これらの研究は工学的にどう実現するかという問題は対象としていない. そこで, 本論文では, この言語および知識獲得能力を工学的に実現する一つの試みとして, 入力べた書き文とその漢字かな交じり文より帰納的に語の読みと表記を獲得し, その獲得状況および変換精度に基づく確実性の高い語より順に変換するという帰納的学習によるべた書き文のかな漢字変換手法を提案する. 本手法は辞書が空の状態からでも学習機能により語を獲得することができるので, 辞書を個人ごとに自動的に作成することが可能, 個人用辞書とすることにより辞書容量を少なくできる, 未登録語の自動登録が可能, 初期辞書作成の労力を回避できるという利点がある. 本論文では, 更に本手法に基づく実験システムを作成し, 異なる4分野の論文40編を用いて本手法の学習機能による適応性能を確認するための実験を行った. 実験の結果, 4分野すべてにおいて90%以上の精度が得られ, べた書き文のかな漢字変換における本手法の有効性が確認された.
著者
前川 泰之 白石 新
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.40, pp.17-22, 2000-05-05

大阪電気通信大学(寝屋川市)構内の衛星通信実験局で過去14年間連続測定を行ったCS-2、CS-3、およびN-STARビーコン波(19.45GHz、右旋偏波、仰角49.5°)を用いて、各種前線通過時の降雨減衰の累積時間と継続時間特性を調べた結果、4dB以下のしきい値では温暖・寒冷・閉塞前線、5dB以上のしきい値では停滞前線や夕立・台風による降雨時に発生する減衰がより大きな累積時間率を占めることが分かった。また、継続時間率分布は3〜10dB程度のしきい値に対し、寒冷前線、停滞前線、夕立・台風の順に大きくなり、しきい値が低い場合には温暖前線がしめる時間率が大きくなり、高くなると停滞前線南側の影響が大きくなることが示された。
著者
田辺 亮 山崎 隆浩 芦澤 芳夫 岡 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.322, pp.21-26, 2004-09-21

sub-100nm領域の極微細MOSFETにおいては,従来のDrift-Diffusion輸送モデルで完全に記述するのは難しく,モンテカルロ法による解析が注目されている.最近ではFinFET,TriGate FETなどNon-Planarデバイスが非常に注目されており,これらは従来の2次元シミュレーションでの解析は難しい.そこで,我々は富士通製モンテカルロ・シミュレータFALCONを3次元に拡張し,マルチゲートデバイスの検討を行った.第一原理擬ポテンシャルバンド計算プログラムと結合することにより,歪みSiの計算を行い,さらに,Bohmポテンシャルを用いる量子補正により量子効果の計算も同時に可能にした.
著者
源河 直也 横山 節雄 中村 直人 山田 朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.55, pp.21-26, 1995-05-20
被引用文献数
2

前回,東京学芸大学における教育環境とそれら資源を活用するための情報教育の必要性について述べた.それに基づき,筆者等は,WWWとそのブラウザーであるMosaicを用いた教材を開発したことについても述べた.本報告では,前回報告を行わなかった東京学芸大学教育情報科専攻のカリキュラム構成について述べ,次に,カリキュラムの導入段階の考え方について述べる.最後に,電子教科書を用いた情報科学概論と演習の構成を紹介する.
著者
宮本 貴朗 田村 武志 廣石 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.291, pp.1-5, 1997-09-26
被引用文献数
8

我々は、教育CALSの基本概念に基づき、良質な電子教科書が容易に作成できる開発支援システム (モデル) を作成した。はじめに、「良い教科書」といわれる教科書の構造・特徴を分析し、その構造・特徴をDTDにより定義した。これが電子教科書作成支援モデルである。教育対象知識をこのテンプレートに書き込むことにより容易に電子教科書を作成することができる。
著者
矢部 博明 西村 拓 向井 理朗 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.183, pp.23-30, 1999-07-15

動画系列とその意味する単語の記号列に基づくジェスチャ認識手法を提案する。まず、Incremental Path Methodと呼ぶ方式で、ジェスチャー動画像データからそのnetworkモデルの自動作成を行い、ネットワークのトポロジ解析によりジェスチャの部分共通性、特異性を抽出することで、ジェスチャ動画像の自動文節をする。ジェスチャ動画像系列に現れるジェスチャの順序と、その意味する単語記号の記号系列の順番が一致しているとき、テキストデータについても、同様に自動的に文節化する。それぞれのネットワークの間で部分的対応を取ることで、ジェスチャ動画像について自動的に意味付けを行う認識方法を提案する。さらに、本方式の有効性を検証するために、テキスト付き手話データを対象とした認識実験を行い、本手法の有効性を検証する。
著者
櫻井 光康 有木 康雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.96, no.364, pp.37-44, 1996-11-15
被引用文献数
29

オン・デマンドに基づくニュース・システム(ODN)を検討している。このシステムでは、希望する情報だけを取り出すことのできるニュースデータベースを構築しておく必要がある。そのためには、ニュースに対する索引付けや内容による分類を、人手ではなく自動化して行なう必要がある。ニュースは、内容を伝える音声、内容をまとめる文字、状況を伝える映像といったメディアで構成されているので、ニュース音声から索引付けや分類のためのキーワードを抽出する処理が必要不可欠となる。この点から今回、ニュース音声の記事分類と索引付けを行なった。記事分類では、単語スポッティングによりキャスターの音声からキーワード列とその存在確率を取り出す。キーワード毎に10分野の分類に対する寄与率を求めておき、この寄与率とキーワードの存在確率をもとに、確率的にニュース記事を分類する。本報告では、単語スポッティングの比較、キーワードの存在確率と寄与率の計算方法、索引付けの方法について述べる。
著者
宮崎 修次 小林 幹 江島 啓 出尾 美佳 高口 太朗 森野 佳生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.560, pp.37-42, 2008-03-20

Watts-Strogatzモデルの遷移行列の固有値統計を調べ,規則グラフとランダムグラフの領域でそれぞれ異なる特性が現れ,第一第二固有値間隔がリンク組換率の冪関数となり,スモールワールド性が規則グラフとランダムグラフを繋ぐある種の臨界状態であることを示す.また,mixiネットワークのある利用者から距離2で切断した部分ネットワーク上の酔歩による大偏差統計解析を行う.ノード毎に定義された特性量の分布の違いが動的構造関数に反映されることを示し,観測されたq相転移を遷移行列の対角ブロック構造を用いて説明する.最後に,異なる時刻の状態変数を独立した状態変数とみなすことで,森の射影演算子法に現れる記憶項を無視する時間相関関数計算法を説明する.この手法をフラクタル拡散係数が現れるカオス拡散モデルに適用し,厳密な結果とよく一致することを示す.
著者
戸田 誠之助
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.708, pp.15-24, 2002-03-05
被引用文献数
1

本稿では,グラフ同型性判定問題の計算量に関する研究動向を概説する.まず,この判定問題がNP困難ではないと予想させる二つの基本的な根拠を説明し,次に,グラフの様々なクラスに関する同型性判定問題の計算量について解説する.なお,本稿は文献[戸田,グラフ同型性判定問題の計算量,電子情報通信学科論文誌D-I,2002年2月掲載予定]から抜粋したものである.より詳しい内容については,この文献かまたは文献[戸田,グラフ同型性判定問題,日本大学文理学部叢書,冨山房,2001年11月]を参照されたい.
著者
田中 將義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス
巻号頁・発行日
vol.96, no.547, pp.35-42, 1997-02-28
被引用文献数
4

N-STARは,既存の静止衛星では,ほぼ最大級の大きさの通信衛星であり,CS-3の後継機として1995年8月に打ち上げられ,商用,実験等の運用に供されている.4つの周波数帯,5つのミッションの通信機器を搭載し,C-band, ka-band, ku-bandを用いた公衆網統合衛星システム, S-band移動体通信,ka-band高速広帯域等の新サービスを実現している.これらの実現に向けて,異周波数帯チャネル間接続,マルチポート増幅器を用いた移動通信用マルチビーム中継器,サテライトスイッチを有するKa帯マルチビーム中継器等の先端技術を開発した.本論文では,これらの新たに開発した通信機器の構成,機能,特徴,主要特性について述べた.
著者
ウッディンM. メスバ 山下 源 曹 ユン 安浦 寛人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.473, pp.101-106, 2000-11-23

本論文では, 動作記述中の各変数に有効ビット幅のアクセス頻度を用いて, システムのパフォーマンスとコストが最適となるデータパス幅を設計の早い段階で見積もる手法を提案する.この手法を用いることで, シミュレーションとデータパス幅の変更を繰り返すことなく, システムデータパス幅を決定することができる.実験では, MPEG2ビデオデコーダのコストとパフォーマンスを考慮してシステムのデータパス幅を決定し, プロセッサシステムのデータパス幅を最適化した.
著者
倉谷 和彦 増山 博之 笠原 正治 高橋 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.203, pp.87-92, 2008-09-04

近年,インターネットを利用した実時間通信サービスとして,Peer-to-Peer (P2P)技術に基づいたユーザ管理機構をもつSkypeが注目を集めている.Skypeではユーザノードから選ばれたスーパーノードによってユーザ情報の管理,呼設定,Network Address Translation (NAT)越えの中継がなされており,スーパーノードはユーザノード数に応じてその数を動的に増減させることで負荷の分散を図っている.本稿ではこの機構に着目し,スーパーノード利用型P2P実時間通信網の負荷分散性能を解析的に検証する.具体的には,一般ユーザの参加を非斉時ポアソン過程で表現したM(t)/M/∞待ち行列モデルでユーザノード数の状態確率を計算する.数値例より,ピアノード数が大規模に変動する環境下においても,スーパーノードに対する負荷を高めることなく実時間サービスを提供できることが明らかにされた.
著者
岩村 淳 横田 英史 内山 邦男 鎌田 富久 尾上 孝雄 松下 秀人 中山 貴司 門田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.3, pp.31-35, 1999-04-15

今日、組込みプロセッサは電子的に制御される製品、例えばテレビ、携帯電話、ビデオカメラ、炊飯器、ゲーム機、タマゴッチ、コピー機、プリンタ、PDA、HDD、自動車、等々パソコンのCPU部分は別としてあらゆる"システム"の頭脳として組み込まれ活用されています。では、0.1um前後の微細加工技術が利用可能になり、チップ当りのdRAM容量はギガビットで語られ、CPU性能はMIPS値に代わってGIPSあるいはBOPSで評価され、デジタルTV放送が本格化し、光ファイバー網が日本の過半を覆う、と言われている2005年頃にはどのような性能、特徴、スペックを持ったプロセッサが、どのような用途、製品に適用されているのでしょうか? ディスカッションに先立ち、各パネリストの皆さんには各々がイメージするその時点における組込みプロセッサ像を語っていただき、各自の専門分野から予見される問題点等につきコメントしていただきます。
著者
三浦 賢 菅原 真司 三木 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.56, pp.19-24, 2003-05-09

近年、インターネットの普及などにより、ネットワークを通じた、より高度なサービスが求められている。そのアプリケーションの一つとして、ネットワークゲームのような3次元仮想空間を共有するシステムの開発が盛んに行われているが、現在のシステムでは、大規模なサーバ群に対する設備投資、維持費などが提供者側のスケーラビリティを制限している。本稿では、peer-to-peerモデルを適用するためのアルゴリズムを提案し、それらの負荷特性を従来のclient-serverモデル仮想空間分割方式と比較し、有効性を検討した。その結果、グループ親分担型は各ユーザに負荷を公平に分散していることが分かった。
著者
木村 彰男 渡辺 孝志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.81, no.4, pp.726-734, 1998-04-25
被引用文献数
16

入力画像からある特定の図形を相似変換不変な形で検出する問題は, 画像認識における基本的な研究課題である.Ballardによって提案された一般化ハフ変換(GHT)は, この種の問題に対処するためのプロトタイプとして知られており, その耐ノイズ性, 処理の柔軟さ, アルゴリズムの簡明さ, といった点で優れた手法である.しかしGHTには, 輪郭点ごとに正確なこう配情報を必要とする, 処理時間がかかる, といった問題点もある.そこで本論文では, これらの問題点に対処可能な新しい手法として, 高速一般化ハフ変換(FGHT:Fast Generalized Hough Transform)を提案する.FGHTでは, チェック点の導入で投票そのものの信頼性を高め, より高精度な図形の検出を実現している.更に, 線分近似を併用することで, 従来手法に比べて大幅な処理速度の向上を実現している.提案手法の有効性を検証するために行った評価実験では, 良好な検出結果が得られた.
著者
平方 純一 高山 成彦 佐々木 晋 松本 通顕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ
巻号頁・発行日
vol.98, no.353, pp.35-40, 1998-10-22
被引用文献数
1

人間工学的手法によりスーパーTFTモニタの印象評価, CRTモニタとのドットサイズ比較, TN-TFTモニタとの視覚許容範囲の比較を行った。印象評価では広視野角特性により同サイズのTFTモニタに比べ好印象を獲得し, かつ画面サイズは実ドットサイズよりも大きい評価を得た。ドットサイズの比較において文字のポイント数とサイズを変え最適ドットを調べた結果, XGA表示でに17"CRTに相当するLCDは13.9"であった。視覚許容範囲を広くするためには, コントラスト比よりも明るさと色調変化の物理量が重要であり, これらの特性が優れるスーパーTFTモニタは文字, 図形, 自然画の各画像で視覚許容範囲に優位性を示した。