著者
深谷 亮 山村 毅 工藤 博章 松本 哲也 竹内 義則 大西 昇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.661-672, 2004-02-01
被引用文献数
16

本研究では,他人の文章を真似して作成された文章を発見するための文章間類似度の計算法を提案する.真似した文章の多くは,もとの文章に含まれる文と類似した文から構成され,類義語・同義語へ言い換えることなどにより表層的な表現を変化させる.そこで,本手法では各文章を構成される文単位で照合し,表層的な表現の変化に対応するため単語の頻度と概念辞書を用いる.本手法による類似度により,同一テーマで記述された文章と真似して書かれた文章とを明確に区別することができることを示す.
著者
瓜生 大輔 生井 みづき 徳久 悟 柏樹 良 稲見 昌彦 稲蔭 正彦 奥出 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.281, pp.47-52, 2009-11-05

本論文では慶應義塾大学「ユビキタス・コンテンツ製作支援システムの研究」チームが開発した統合開発環境xtelとデザイン思考を応用した「Smart Kitchen Utensil」の開発手法を提案する。Smart Kitchen Utensilとはセンサー・アクチュエータ等が内蔵された調理器具で、実際に材料を入れ、火にかけるなどの調理を行うことが可能である。今回、この調理器具の一例として私たちが開発した「panavi」システムを挙げる。panaviはセンサー・アクチュエータおよび無線通信機能を内蔵したフライパンを中心とする調理スキル向上を支援するシステムである。このシステムの開発では実際に開発の初期段階からxtelプラットフォームを用いプロトタイプを製作し、9月に行われた「ユビキタスコンテンツショーケース2009」というイベントで展示を行った。本論文では、この期間の開発過程をケーススタディとして紹介する。
著者
吉池 佑太 岡田 美智男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.743-751, 2009-11-01
被引用文献数
2

私たちは足もとにある「石ころ」に向かってコミュニケーションをとろうとはしない.なぜなら,「石ころ」をコミュニケーション可能な相手として"みなして"いないからである.私たちが「コミュニケーション可能な他者」として期待しているのは,同型な身体をもった他者である.同型な身体というのは,物理的に同型な身体をもっているということ以上に,他者を含む環境(物理的・社会的環境)と同型な関係をもっているということである.本研究では,人とロボットとの同型性について「実体」と「関係」という観点から特徴付けを行う.そして,Dennettの「志向姿勢」の議論を踏まえつつも,新たに「関係としての同型性」という観点を加えることで,「ソーシャルな存在」を見出すための要件について整理する.また,その帰属傾向を検証するためのプラットホーム(Sociable PC)と,Sociable PCを用いた評価実験について述べる.実験結果から得られた知見をもとに「ソーシャルな存在」を帰属させるデザイン可能性について議論する.
著者
高橋 謙輔 栗原 聡 廣津 登志夫 菅原 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.1851-1860, 2009-11-01
被引用文献数
2

本論文では,センサの位置情報についての事前知識を用いずに,反応情報のみからセンサ間の隣接関係の推定法を提案する.コンピュータ機器やセンサデバイスの発展とともに様々なセンサネットワークアプリケーションが提案されてきた.これらのアプリケーションにおいて人間の行動に基づいたトポロジー情報は,人間の行動を支援するために必須のものである.しかし,大量のセンサを使用するアプリケーションにとってこの情報を手動で設定し,維持するのは簡単でない.提案手法ではAnt Colony Optimization(ACO)を用いて精度の高いトポロジーの自動推定を行う.本手法では取得したセンサデータの信頼性を推定し,ACOに適用することによって高精度化を実現する.最後に,独立した三つの環境で収集したセンサデータを用いて提案手法を評価し,従来の手法と比べすべての環境について推定誤差率がかなり向上したことを示す.
著者
木下 修平 並木 滋 清水 尚彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.247, pp.49-54, 2006-09-08

本稿では1チップのFPGA上で実現したIBMPC互換システムの開発について述べる。本開発はコンピュータシステム開発の実践教育の一環として行い、2006年がIBM PCの25周年にあたるため、IBM PC互換システムを教育の題材とした。開発は高位のHDL(Hardware Discription Language)であるSFL(Structured Function description Language)を用いてすべてのハードウェアの論理設計を行った。実装ボードはALTERA社のCyclone FPGAを搭載するUP3ボードである。必要なサブシステムをFPGAにすべて実装したため、外部バスは存在しない。周辺回路を全て含んだロジックセルは9894であった。また論理合成結果より、CPUは49.09MHz、SDRAMは128.78MHzで動作可能であり、それぞれ48MHz、100MHzで動作させた。OSはFreeDOSを用いており、IBM PC互換のBIOSは我々が開発した。
著者
沼尾 啓 田中 尚貴 岡崎 哲夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.27-32, 2008-07-10

介護者の負担を軽減することを狙いとした携帯電話を用いた介護支援システムについて報告する。本システムは、携帯電話で寝たきりの被介護者の状態を遠隔で確認するとともに、遠隔で電動ベッドを制御して被介護者の姿勢を変える、室温、照明、カーテンの開閉などの制御を実現する。遠隔操作の動作確認を行うために模型の電動ベッドを作成するとともに、これを用いて映像に関する基礎的評価実験を行った。その結果、現状の携帯電話の通信速度・品質でも被介護者の状態を映像で確認することが可能であること、寝起きと寝返りの動作を遠隔から確認・制御するには異なる2つのカメラアングルが必要であることを明らかにした。
著者
湯元 美樹 田村 隆弘 佐藤 威友 長谷川 英機
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.631, pp.15-19, 2004-01-23

ヘキサゴナル二分決定グラフ(BDD)論理アーキテクチャの大規模集積回路への応用を考え、分子線エピタキシー(MBE)法により形成された選択成長(SG)埋め込み量子細線(QWR)を用いて量子BDD節点デバイスを実現する手法を提案し、デバイスの試作・評価を行った。MBE選択成長により形成したGaAs系量子細線デバイスにプロセスを施すことにより、ショットキーラップゲート(WPG)で細線内のポテンシャル制御を行うSG QWR枝スイッチの作製に成功した。SG QWR枝スイッチのゲート制御特性をシュブニコフ・ド・ハース(SdH)振動測定を用いて評価し、その動作がエッチング細線型QWR枝スイッチと類似することを明らかにした。作製したSG QWR枝スイッチは、低温において明瞭な量子化コンダクタンスを実現し、コンダクタンスステップ傾きの温度依存性を調べた。2個のSG QWR枝スイッチを有するY字型のBDD節点デバイスを試作し、明確なパススイッチング動作を実現した。
著者
藤野 庄三 本吉 彦 谷 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.10, pp.1669-1676, 2009-10-01

単一ユーザに帰属する端末機能を,ネットワークで相互接続された複数の通信機器の集合体で実現する形態を,本論文ではPersonal Network(PN)と呼ぶ.このPNは,FMC(Fixed and Mobile Convergence)やユビキタスサービスにおいて,適材適所の通信環境を提供する手段として大きな可能性を有する技術である.本論文では,PN内の周辺端末の正当性を保証した端末認証方式や従来のSIPを用いた経路制御方式の通信相手への端末情報流出のデメリットを解決したNAPTベースの経路制御方式,ユーザが利用中のコンテンツに対し最適の再生端末を選択するため,周辺端末の表示,音声再生,アプリ実行等の能力情報を携帯端末が収集し,実現可否を判定する端末能力管理方式を特徴とするパーソナルネットワーク収容システムについて提案する.
著者
福原 忠行 山口 明 樫木 勘四郎 鈴木 利則 竹内 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.155, pp.151-158, 2009-07-22
被引用文献数
5

本稿では無線LANを対象として、無線の混雑度を測定する手法を提案する。まず、無線の混雑度を示す指標として、無線が使用された時間率である無線占有率を定義する。この占有率では、無線LANのCSMA/CAが動作する上で必要不可欠となる待ち時間も考慮している。パケットロスが存在する場合でも、信頼性の高い無線占有率の測定が可能であることを示す。さらに、提案手法を実装したプロトタイプシステムを開発した。本システムでは1秒毎に無線占有率を計算し、送信レートの変化に対して遅滞なく機能することを確認した。
著者
小島 一允 樫原 茂 横山 輝明 奥田 剛 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.140-149, 2009-01-01

ユビキタス環境では,ユーザのコンテクストに応じた有用な情報やサービスを提供することが求められている.コンテクストはユーザの周囲の情報から構成される.現在,無線センサネットワークを用いることで,そうしたコンテクストを構成するセンシングデータを収集することが可能である.しかし,現在の無線センサーネットワークでは,収集したセンシングデータとユーザの対応関係を明らかにするために,追加の位置検知機構が必要とな乱本論文では,WSN上で追加の位置検知機構を必要とせずに,ユーザの周囲のセンシングデータを取得する手法を提案する.提案手法では,ユーザとともに移動する端末が最近傍のセンサノードを検知し,そこからユーザの周囲のセンシングデータを直接取得する方法を提案する.また,ZigBeeセンサノード上に本提案手法を実装し,そのプロトタイプを用いて実環境において有効性の評価を行う.
著者
梶谷 洋司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.548, pp.61-66, 2007-03-01
被引用文献数
8

平面配線領域を信号ピンを点とするグラフでシミュレートし、点に仮想ポテンシャルを与えて電界を生成し、付随する等ポテンシャル線をポテンシャル勾配を表す枝で制御して配線経路として使う新しい配線パラダイムを提供する。本文の前半では、このモデルをグラフ理論的に解明する。後半ではこのグラフが配線を一意に決める枠組みを提案する。等ポテンシャル線は「存在する、切れない、交わらない」ので配線は等ポテンシャル線の選択作業である。また配線の切断や制限が考察の対象である奇体な配線アルゴリズムである。無限の配線多様性を備えたField-Unprogrammable-Pin-Array(FUPA)と呼べるアーキテクチャーである。また配線の本質的困難と考えられている配線順序依存性から脱却している。
著者
高木 孝幸 早稲田 篤志 双紙 正和 宮地 充子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.597, pp.185-190, 2007-03-09

量子秘密分散法とは量子暗号技術を用いて秘密情報を複数の意味のない分散情報に分割して管理する方式である. Feng-Li YanとTing Gaoは2005年にエンタングルメント状態を用いずに共通の古典情報を2つのグループのそれぞれが秘密分散(満場一致法)の状態で共有できる量子秘密分散プロトコルを提案した.量子暗号の実現に向けての問題のひとつとして,量子状態の保存が困難であるというものがある.量子状態の保存が可能な量子メモリの存在を仮定するとYanらの提案したプロトコルは最大の効率を発揮できるのだが,量子メモリを仮定しないときにはプロトコルの効率が落ちてしまう.本論文では,この点を改善した量子秘密分散プロトコルを提案する.また,提案した方式に対するいくつかの攻撃に対しての安全性の評価を行う.
著者
神場 知成 古関 義幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.354-359, 1999-04-25
被引用文献数
7

各人の興味などに合わせて情報を加工して提供するパーソナライゼーション技術について, 事例をもとに解説する. この技術は, World Wide Web (WWW)の発展により玉石混合の大量情報にアクセスできるようになった中で, 個人が情報の山に埋もれることなく役立つ情報を簡単に手に入れるための手段として最近注目を集めている. 本稿では, パーソナライゼーションを行うために必要な, ユーザ情報の取得, ユーザ興味の推定, 情報の加工と提示などの要素技術のほか, プライバシー保護のための活動, パーソナライゼーションとマーケティングとの関係についても述べる.
著者
杉山 一成 波多野 賢治 吉川 正俊 植村 俊亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.87, no.11, pp.975-990, 2004-11-01
被引用文献数
10

Web検索エンジンは,WWW(World Wide Web)上の情報を検索するための有用な手段である.しかし,同じ検索語が異なるユーザによって入力されたとしても,だれが検索語を入力したかにかかわらず,同じ結果を提示するという問題点を抱えている.一般に,各ユーザは自分の検索語に対して,異なる検索要求をもつと考えられる.したがって,その異なる検索要求をもつユーザに検索結果を適応させるべきであると考えられる.そこで本論文では,ユーザに負担をかけることなく各ユーザの検索要求に応じて検索結果を適応させる手法を提案し,その有効性について確かめる.実験の結果,修正した協調フィルタリングに基づいてユーザプロファイルを構築することによって,ユーザの嗜好に適応するきめの細かい検索システムを実現することができた.
著者
江村 恒一 安木 慎 宮崎 誠也 久保山 哲二 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.473, pp.61-66, 2007-01-16
被引用文献数
3

Weblogなどの新たなコミュニケーションツールの普及により,個人が容易に情報発信する消費者発信型メディア(CGM: Consumer Generated Media)が急激に増加しており,既存のマスメディアからのパラダイムシフトを引き起こしている.さらに,携帯端末から投稿するMobile Weblog(モブログ)の登場により,時間と場所に制約されない情報発信が可能となっている.しかしながら,大量な情報を受発信できるようになったことで,必要な情報を取り出したり,相手に本当に伝えたい気持ちを表現することが困難となっている.このため,電子メールやWeblogなどの日常的に用いるテキストを対象に書き手の感情を抽出する研究が行われているが,感情を表現した語に基づいて抽出するため,感情語を含ないテキストから感情を抽出するために適した特徴量を扱えないなどの課題がある.本稿では,文末に付与する絵文字が感情を表すという仮定に基づき,SVMを用いて学習,感情モデルを構築し,書き手の感情を抽出する方式を提案する.
著者
大岸 智彦 阿野 茂浩 長谷川 亨 加藤 聰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.134, pp.1-6, 2007-07-05

顧客にインターネット接続を提供するプロバイダは,自身のネットワークの安定運用を図るだけでなく,顧客から現在・過去の接続障害の原因を問われた場合に,適切な回答を行うことが求められる.しかしながら,多くの障害申告に対し,ネットワーク状態の調査結果を適切に準備することは,運用者にとって多大な業務となる.これは外部プロバイダから得られるネットワーク状態に関する情報が,公開されたBGPデータ等に限られていることに起因する.本稿では,データベースの利用により,ネットワーク状態の迅速な検索を行う経路検索システムについて提案する.本稿では,システムの設計,実装および性能評価結果について述べる.
著者
益子 貴史 徳田 恵一 小林 隆夫 今井 聖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.79, no.12, pp.2184-2190, 1996-12-25
被引用文献数
100

隠れマルコフモデル(HMM)からの動的特徴を用いた音声スペクトルパラメータ生成アルゴリズムに基づく規則音声合成システムの新たな枠組みを提案している.本システムで用いるパラメータ生成アルゴリズムでは,HMMで学習した静的,動的特徴の統計情報に従って連続的に遷移するスペクトル系列を生成することができる.規則音声合成にこのアルゴリズムを適用することにより,滑らかで自然性の高い音声を合成できると考えられる.本論文ではこのHMMに基づく規則音声合成システムの枠組みを示し,韻律生成部を除く合成システムを構築した.生成されたスペクトルパラメータを用いて合成した音声の主観評価実験により動的特徴の有効性を示すと共に,合成単位である音素HMMの構成について,音素環境依存性など,いくつかの検討を行っている.
著者
下防 浩通 中島 弘之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06

カオス通信は、情報信号をカオス信号に変換して送信し、カオス同期を用いて情報信号を復元し、受信する秘匿通信方法である。カオス通信の代表的なもののひとつにカオスマスキングがある。カオスマスキングは情報信号をカオス信号に加えて送信する方法である[1]。ここでは、伝送路が1本の1信号方式を扱う。1信号カオスマスキングは簡便な手法であるが、情報信号自身が同期に対してノイズとして慟くという問題点がある。そこで、情報信号を予測し、その信号を取り除いて同期を取ることにより、受信側の復元信号の品質を向上させる手法を提案する。