著者
木村 優輝 嘉名 光市 蕭 閎偉
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.975-982, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
14
被引用文献数
4

観光地化が進む都市では、来訪者の増加によって、近隣の人々による利用が低下している地域がある。本研究では、大阪市道頓堀・戎橋筋周辺の街路において追跡調査を行い、街路上の歩行者の行動を把握した。それにより得られた結果を用いてクラスター分析を行うことで、対象地の街路を歩行者の行動の観点から9タイプ、歩行者の属性の観点から6タイプに類型化することができた。これらの街路類型を街路の空間特性と比較することによって、歩行者行動に影響を与える要素を把握することができた。結論として、観光地化が進む都市において、近隣の人々と旅行者が快適に共存し、調和のとれた歩行環境を実現するためには、地区内における歩行者を、地区全体で上手く分担することが求められると考えられる。
著者
小池 博 太田 壮哉 長谷川 直樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1138-1144, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
29
被引用文献数
1

既往研究において、中心市街地活性化を目的とし、商店街の利用度の低い住民等に対して商店街と関わる機会を提供するイベントのことを「非日常的行事」と定義し、福岡県飯塚市にキャンパスを有する3大学の学生へ飯塚市中心市街地商店街に対する意識(愛着,イメージ,満足度等)に関するアンケート調査を実施している。その結果を分析した結果、商店街への「関わり(大切だと思う/なにかしたいと思う)」を商店街側から促すような施策(「非日常的行事」)は商店街の満足度を下げることに繋がる可能性があることが判明した。本論文では、既往研究1)において課題として上げられていたその他の要因、特に、愛着の醸成に対して影響を持つと考えられる商店街からの居住地の距離が商店街に対する満足度に与える影響について分析を行った。その結果、(1)商店街への「選好」因子の満足度への正の影響度は、遠くに住む学生ほど大きくなる傾向、(2)商店街への「自分の居場所」因子の満足度への正の影響度は、近くに住む学生ほど大きくなる傾向、(3)商店街への「関わり」因子の満足度への負の影響度は、近くに住む学生ほど大きくなる傾向の3つの傾向が看取できた。
著者
持齋 康弘 堀 繁 仲間 浩一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.7-12, 1995-10-25 (Released:2018-12-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1

AFTER THE WORLD WAR II, NATIONAL PARKWAY IN THE U.S.A. HAD BEEN A MODEL OF ROADS LOCATED IN SCENIC AREAS IN JAPAN. HOWEVER, IT COULD NOT WORK OUT WELL. THIS STUDY AIMS TO CLARIFY TRANSITION OF CONCEPT ON PLANNING AND DESIGNING OF ROADS IN SCENIC AREAS IN JAPAN. IN LATE 1950'S, SOME ROADS WERE CONSTRUCTED WITH CONCEPT OF NATIONAL PARKWAY IN JAPAN. HOWEVER, THEY WERE LACK OF CONCEPT OF INTRODUCING REGIONAL HISTORY AND CULTURE WITH "STOP", LANDSCAPING ALONG ROADS, OR LAND-USE CONTROL. INSTEAD WE ATTEMPTED TO DEVELOP ATTRACTION OF ROADS IN SCENIC AREAS MAINLY IN ENJOYING PROMINENT NATURAL ENVIRONMENT AND GRAND SPECTACLE. THAT ESSENTIALLY CAUSED DESTRUCTION OF NATURAL ENVIRONMENT, AND SOCIAL DENIAL OF FURTHER CONSTRUCTION.
著者
飯田 晶子 野口 翠 大澤 啓志 石川 幹子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45.1, pp.45-50, 2010-04-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究は、パラオ共和国バベルダオブ島を対象として、「構造」、「機能」、「変化」の三つの視点から、流域内を基盤とした集落の持続的土地利用について分析と考察を行った。その結果、第一に、「変化」の視点では、1920年代と2006年の集落分布の比較から、現存集落は37、消失集落は28、新規集落は8つあり、少なくとも約一世紀に渡り存続する集落を抽出することができた。第二に、「構造」の視点では、集落の立地環境は、谷型で川とマングローブ林の双方に近接し、海域と陸域双方への近接性が高いものが最も多く、かつ、このタイプでは、小流域の空間単位が、集落の領域の形成や分布に影響を及ぼしていることがわかった。第三に、「機能」の視点からは、集落周辺での細かな環境の変化を反映したモザイク状の土地利用の水平的分布、およびアグロフォレスト内の階層的で安定した土地利用形態が見られ、それらが、土地利用の持続性を支える重要な要因であると考察できた。
著者
伊藤 香織
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.1268-1275, 2017-10-25 (Released:2017-10-25)
参考文献数
29
被引用文献数
12 2

質の高い都市環境はシビックプライドを高めると言われているが,その仕組みは明らかになっていない.また,日本の都市に対するシビックプライドのありようは,イギリスをはじめとしてシビックプライドが重視されてきた地域とは異なる部分があると考えられる.そこで,本研究では,シビックプライドの多面性,特に日本の都市・市民のシビックプライドの構成を明らかにすることを第一の目的とし,都市環境の評価とシビックプライドとの関係を明らかにすることを第二の目的とする.まず,シビックプライドの概念を整理してシビックプライド尺度を作成し,事例として今治市の都市環境に関する市民アンケート調査を行い,シビックプライドの構成及び,都市環境の評価がシビックプライドに及ぼす影響構造を明らかにする.分析の結果,今治市の事例では,シビックプライドには「アイデンティティ」「参画」「愛着」「持続願望」の因子があることがわかった.また,中心市街地の評価が参画と持続願望に影響し,高評価有名地の評価が愛着に影響する他,回答者属性では居住年数がアイデンティティと愛着に影響していることなどがわかった.
著者
鈴木 茜 矢吹 剣一 後藤 智香子 新 雄太 吉村 有司 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.926-932, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
20

今日、人々の「居場所」は、フィジカル空間のみならずサイバー空間にも存在すると言えるが、サイバー空間を含め人々がどのような「居場所」を持っているのかは、明らかになっていない。本研究では、サイバー空間およびフィジカル空間に形成される人々の「居場所」の様相を、「居場所」の特性と心理的側面に着目して明らかにすることを目的とする。本研究では、サイバー空間/フィジカル空間、個人的/社会的で4つに分類した「居場所」のタイプおよび空間・場の種類によって、「居場所」の心理的機能が異なることがわかった。さらに、調査結果に基づき、サイバー空間とフィジカル空間で「居場所」における違いをもたらす8つの視点を提案している。
著者
村上 修一 轟 慎一
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.341-346, 2018-03-08 (Released:2022-06-08)
参考文献数
23

かつて内湖の存在した15ヶ所において,内湖の輪郭の内外で土地利用の異なる状況,内湖の輪郭と水路とが合致するという状況,道路網の向きが輪郭の内外で異なるという状況,内湖の輪郭と合致する地面の段差という状況に,内湖の痕跡の可能性が推測される。それらが痕跡であるかどうか真偽を確かめるために,水路や標高の設定,土地利用・水路・道路の配置,湖岸の改変,周辺との一体的整備の有無といった干拓事業の内容を把握するとともに,地面の段差が生じ得る整備事業の有無の確認,および,干拓前から今日に至るまでの,内湖周辺や干拓地内部の土地利用や水域の変化を解明することが,今後の課題である。
著者
泉山 塁威 駒橋 拓 江坂 巧 宇於崎 勝也
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.122-126, 2023-06-09 (Released:2023-06-09)
参考文献数
9

本研究では、再開発事業完了後に公共公益施設が導入された地区に焦点を当てます。本研究では、導入が実施された地区、導入の傾向、床所有の種類を明らかにすることを目的とした。また、自治体が公共公益施設の整備によって空き床をどのようにサポートしているのかについても考察を行った。第2章~第3章では、自治体による再開発ビル支援の実態と理由を検討し、再開発ビル支援に影響を与える要因を抽出した。第5章では、ユーティリティ施設の導入を検討する際の留意点について述べている。
著者
佐藤 遼 城所 哲夫 瀬田 史彦
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.945-950, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
11
被引用文献数
9 1

本研究の目的は、大都市圏から地方への移住に「関心がある」層と移住が「可能である」層との間の、理想の地方移住後の生活イメージに関する選好パターンの違いを明らかにすることである。本研究では特に、移住先地域での暮らし方・働き方の質に関するイメージに着目した。まず、アンケート調査により地方へ「移住可能」である層を定義した。次に、因子分析により理想の地方での暮らし方・働き方のイメージに対する選好パターンを分析した。そして、ロジスティック回帰モデルを構築し、イメージへの選好パターンと「移住可能であるか」どうかとの関係性を分析した。結果、地方でのやりがいのある仕事のイメージを好む人ほど、地方移住して生活していけると考えている傾向があることがわかった。
著者
中村 隆司
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1324-1329, 2015 (Released:2015-11-05)
参考文献数
9
被引用文献数
10 3

我が国は、大都市圏でも高齢化を迎え鉄道利用者は減少する可能性があり,今後の課題となることが予想される.さらに,公共交通機関利用促進による野環境負荷の低減に加え従来から形成されている鉄道駅周辺市街地の維持再生が今後の都市整備の鍵になるという観点からもTODに注目する.その上で,東京大都市圏を対象に,鉄道駅周辺土地利用について着目し,鉄道駅周辺の土地利用形態と駅乗降客数の変化との関係について分析した。その結果、全体として高齢化が進むと乗降客数が減少する傾向にあるが、高齢化が進行しても乗降客数が増加した駅もあることを明らかにした.また、東京大都市圏では,カルソープの提起する都市型TODの土地利用に近い土地利用構成を周辺に持つ駅が45.3%と半数近くに上りこの観点ではTOD先進国とされることが裏付けられること、駅周辺において住宅用地、商業・業務用地、公共公益施設用地などが混在した、複合的な土地利用を実現している駅では駅乗降客数が維持増加の傾向にあること等を明らかにした.
著者
伊比 大河 岡崎 篤行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.460-463, 2023-03-10 (Released:2023-03-10)
参考文献数
5

日本の近世都市研究は、その歴史と文化を把握するために行われている。 しかし、近世の港町に関する研究は、城下町に比べて少ない。また、 日本海沿岸に位置する近世のいくつかの港町が、城下町の出港地として建設されたことは一般には知られていない。 そのため、本研究の目的は太平洋沿岸地域に位置する近世港町の形成過程と都市形態を明らかにすることである。
著者
佐鳥 蒼太朗 中島 直人 永野 真義 宮城 俊作
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.983-990, 2021-10-25 (Released:2021-10-25)
参考文献数
45

軍港都市の都市計画や都市形成に関して、従来は専ら海軍の存在・役割やその画一的なグリッドプランが注目・強調されてきたが、近年では主体性を発揮する地域の姿や空間の多様性が見出されつつある。こうした状況を踏まえ、本研究では、軍港都市呉における市街地形成過程そのものが分節的な性質を有していたことを確認したうえで、その性質を発現要因とともに体系的、構造的に整理することを目的とする。具体的には、地図資料により都市形成の空間的な実態を把握したのちに、文献資料により個別の開発事業やその背景を調査し、呉の都市建設期における市街地形成の地理的・空間的な展開とその背景を日本海軍の策定した呉の都市建設計画との関連性に着目しながら整理した。その結果、呉の市街地形成過程の分節性は、①事業手法の選択性、②建設過程の段階性、➂街区形状の適応性という3つの要素に整理できること、こうした分節性の発現要因は建設計画・制度と地域の社会的条件に大別できることが明らかになった。
著者
水島 あかね 玉田 浩之
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
日本都市計画学会関西支部研究発表会講演概要集 (ISSN:1348592X)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-4, 2018 (Released:2018-07-25)
参考文献数
9

神戸市垂水区の塩屋には、1933年より、神戸在住英国人実業家アーネスト・ウィリアム・ジェームスが開発された通称ジェームス山と呼ばれる外国人居住地がある。本研究はジェームスが構想していたジェームス山の拡張計画の一端を明らかにすることを目的としている。 ジェームスの構想は高丸全てを開発するという壮大なものだった。その背景には、ジェームスがかねてから述べていた「外遊客誘致のための裏山の開発」の実現という強い思いがあったと考えられる。残念ながら、志半ばでジェームスはこの世を去るが、生きていたら更に私財を投げ打って土地を購入していたことが想像できる。その後、ジェームスの構想を引き継いだ井植によって、新たな住宅地が開発されることになった。
著者
大沢 昌玄 岸井 隆幸
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.711-716, 2013-10-25 (Released:2013-10-25)
参考文献数
19
被引用文献数
1

災害復興土地区画整理事業は、復興という公的性格が強いことから、公共団体もしくは行政庁により事業が実施されてきたが、過去においては民間的性格とも言われる組合施行での事業実施も確認された。本研究は、組合施行による災害復興土地区画整理事業の実施を検討する基礎的研究として、災害復興土地区画整理事業の施行者別の実施実態を踏まえた上で、(1)災害復興土地区画整理事業施行者について法制度の観点から位置づけを確認し、(2)組合施行による災害復興の位置づけの解明を行う。さらに(3)本研究で明らかとなった組合施行による復興の第1号と考えられる1925年の日暮里大火復興土地区画整理事業の実施内容を示した上で、組合施行による災害復興土地区画整理事業の特徴を明らかにする。その結果、震災復興の旧特別都市計画法では、法案審議過程で組合施行が追加されたが、組合施行は行われなかったことが判明した。戦災復興では、組合施行が行われていた。旧都市計画法においては、組合施行が行われていたが事業費や実施体制において公共団体の強力な支援のもと事業が行われ、公共団体による業務代行方式の組合施行であった。
著者
若林 時郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.1-6, 1986-10-25 (Released:2020-09-01)
参考文献数
10

Four master plans made by the Japan Housing Corporation are much changed. Some of major factors which made them changed were actual conditions of the site; the boundary of developing area, the attainment of land acquisition and the method of development. In Tsukuba, 80% of 1800ha, of the land acquired was used for the research and educational institutions, the land acquisition was so important that the boundary and the method were arranged for the purpose of its attainment. Master plan must be transformed according to these evolving factors, but act on them guiding to log-ranged goal of the development.
著者
黒田 乃生 小野 良平
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.38.3, pp.679-684, 2003-10-25 (Released:2017-10-01)
参考文献数
25
被引用文献数
1

観光地の成立過程において、潜在的な資源が記号化され、「観光の対象」として意味を付与されるためには、観光経済の発展における内的・外的作用が必要である。この記号化の作用は「観光計画」の重要な一面であるといえる。一般および村が白川村を「観光地」として認識したのは1970年代である。一方、認識される観光資源が史跡から合掌造りの建物へと変化する時期は一般にくらべて村が遅く、白川村が当初一般社会からの認識に呼応する形で資源の認識が進んだことが明らかである。その後、村は内的作用によって資源を新たに作り出していったものの、それが来訪者から消費対象として認識される記号となるには至らなかった。観光とは地域にとってそこに投影される「まなざし」の中でどのような自己認識を行なうのかという相互関係の中にあり続けること、という視点が計画の立場にも必要である。
著者
齊藤 充弘 佐藤 凌真
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.197-203, 2022-09-09 (Released:2022-09-09)
参考文献数
8

本研究は,若者の流出がより深刻である福島県いわき市を対象として,中高生のまちに対する意識と日常生活行動の実態を明らかにすることを目的とするものである。アンケート調査の実施と分析の結果,中高生は日常の買い物をする場や休憩をしたりボール遊びをしたりすることができる公園や運動施設などが身近に不足していると評価している。買い物については主要な拠点の中高生は自地区内で,周辺拠点の中高生は近隣の主要拠点で行動していること,遊びの主な行動先は都心拠点と広域拠点が中心となっており,高校生は公共交通機関が繋がる拠点のほうを利用していることがわかった。また,「ずっと住み続けたい」という評価は就業者と比較すると回答割合が低く,条件次第で住み続けたいという回答割合が高いため,不足していると評価する施設等の整備が居住地区内や公共交通機関でアクセスできる地区に必要である。さらに,「ずっと住み続けたい」という居住意向が高いほど「住みやすい」と評価しており,「住みやすい」というまちの評価が高いほど市内の施設を利用する傾向にあるため,地区単位での身近な生活環境整備を積み重ねていく必要がある。
著者
村尾 修 北澤 岳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.964-971, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
29

本研究では,白鬚東地区防災拠点における40年間の経過を整理し,防災拠点は,周辺市街地の変化など,環境に合わせて防災機能が変更されてきたが,現在も重要な防災拠点として位置づけられていることが分かった.防災団地では防災意識の高い住民が多く,現在も様々な防災活動に取り組んでいるが,団地の高齢化が進む現在,災害時に団地住民のみで避難者を支援することは困難であり,災害時に防災拠点の機能を十分に発揮できるかは定かではない.今後は,新たに入居した住民や近隣住民などに,建設当初から住む団地住民の防災意識をどのように継承してくかが課題となっている.白鬚東地区防災拠点という地域の財産を活かし,地域の災害対応力を向上させるためには,周辺地区の現状を把握したうえで周辺地区との連携を強化し,地域住民とともに防災拠点を支えていくことが重要であると考える.
著者
佐藤 和生 岡崎 篤行
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.447-448, 2023-03-10 (Released:2023-03-10)
参考文献数
2

歴史的建造物である町屋は、地域特有の町並みを形成する重要な史料である。中でも、町屋の棟向きは町並みの特徴を表す要素であり、集落単位で変化する場合があるため、広域的かつ網羅的な調査を行わなければならない。しかし、近年町屋は減少しているため、速やかに調査を行い、各地域の棟向きの特徴を把握する必要がある。そこで、本研究では千葉県を対象としてインターネット地図機能を用いた網羅的な調査を行うことで、千葉県の町屋群の残存概況と棟向き及びその他の外観特性を把握する。
著者
松浦 健治郎 二之湯 裕久 巌佐 朋広 浦山 益郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 第42回学術研究論文発表会 (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
pp.75, 2007 (Released:2007-11-06)

本研究は、近世城下町を基盤とする府県庁所在都市30を対象として、戦前の府県市庁舎が敷地内に保存された場合に、1)城下町基盤を活用した都市デザインが影響を及ぼしているのか、2)新庁舎をどのように増築しているのか、を明らかにするものである。 明らかとなったのは、1)「建築空間」の保存については、建築的条件(罹災が無いこと・耐火造・建築年が昭和以降)と立地的条件(敷地面積)が主要な要因となっていること、2)「都市空間」の保存については、都市デザイン的条件(主要街路のアイキャッチ・堀沿い等)が主要な要因であること、3)庁舎を保存するための工夫として、「新庁舎の高層化」・「重要な部分の保存」・「新庁舎を郊外に移転」の3つの手法が確認されたことである。