著者
安藤 努
出版者
医学書院
雑誌
理学療法ジャーナル (ISSN:09150552)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.1137, 2018-12-15

本書を手にし,数ページに目を通した後,時を忘れ一気に最後まで読んだ.というより読めたというほうが正しい.それは読み進むに連れ私のこれまでの「体幹」に対するモヤモヤとしたものを一気に解体し再編し,そして確信をもたらすマイルストーンとなったからである. 冒頭部「トルソ」で,体幹は静止と動きのアンビバレンスであり,その両価性の謎はゲシュタルトあるいは運動モルフォロギーであると述べ,魅力的なプロローグとして本書の核心部分へ誘う.
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
vol.6(6), no.66, 1964-06
著者
村尾 和俊
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚科 (ISSN:00214973)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.155-157, 2016-04-10

summary英国では,2014年に疣贅治療のガイドラインが発表された.疣贅にはさまざまな治療が行われているものの,有効性を示すエビデンスレベルの高い研究は多くはない.英国のガイドラインでは,最も推奨される疣贅治療はサリチル酸製剤であり,次いで凍結療法となっている.そして,これらが無効ならブレオマイシン局注や接触免疫療法,5-フルオロウラシルクリームなどを考慮する,ということになる.本稿では,この英国における疣贅治療のガイドラインについて概説した.
著者
川崎 敏生 荒川 芳輝 杉野 寿哉 光原 崇文 舟木 健史 菊池 隆幸 小柳 正臣 吉田 和道 国枝 武治 高橋 淳C 高木 康志 宮本 享
出版者
医学書院
雑誌
Neurological Surgery 脳神経外科 (ISSN:03012603)
巻号頁・発行日
vol.43, no.11, pp.1005-1010, 2015-11-10

Ⅰ.はじめに もやもや病は,両側内頚動脈終末部に慢性進行性の狭窄を生じ,代償的に脳底部に異常血管網が形成される原因不明の疾患である11).一方,川崎病は乳児および幼児において原因不明の系統的血管炎を主体とする疾患であり6),活動期に稀ながら脳梗塞を合併する4,7,12,15,17).川崎病活動期のもやもや病合併の報告はないが,川崎病罹患歴のあるもやもや病の報告がある1,3,8,9,13,14).今回,川崎病の既往があるもやもや病3例を経験したので,文献的考察を交えて報告する.
著者
三羽 兼義 萩原 三夫 高橋 堅太郞
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.3, no.12, pp.474-476, 1948-12-20

緒言 重篤なる瓦斯壞疽症,身體各部の化膿炎衝,或は廣汎なる火傷等に續發する全身中毒症状の發現に際して,私共1)は積極的に病竈部よりの主幹靜脈を結紮して甚だ滿足すべき結果を得,既に屡々報告して批判を乞ふた。 茲に報告する症例は,濃硫酸の爆發によつて殆ど全身に亙る腐蝕性熱傷を蒙り,最初から豫後不良を想はしめた症例である。果して受傷の翌朝から全身中毒症状が漸次甚しくなり。午後になつてからは,高熱と共に尿閉,意識溷濁,譫語等の重篤症状が相次で起り,脈壓遽かに衰え,橈骨動脈の搏動を辛うじて感ずる程度となつた。これに對し輸血,その他の強心法を試みるも殆ど見るべき效を奏しなくなつたので,腐蝕程度の最も高度である全下肢よりの毒素吸收を遮斷する目的を以て,兩側鼠蹊靱帶直下に於て大薔薇靜脈を含む股靜脈根部を完全結紮することによりて,奇蹟的に病勢を好轉せしめ得たものである。爾後の經過は極めて順調となり,生命の危險を脱したのみならず,創傷治癒の經過も亦極めて良好となつた。
著者
山田 一郞
出版者
医学書院
雑誌
臨床外科 (ISSN:03869857)
巻号頁・発行日
vol.7, no.8, pp.415-416, 1952-08-20

体表の80%以上の火傷で10日間の生存中種々の興味ある経過をとつた例を報告する. 症例.神○正○ 男子.花火師 40歳 昭和26年9月15日仕掛花火及び打上げ花火を自宅居間に於て点檢中誤つて之に引火して爆発し消火に務めた.当時衣服は丸首シャツと猿股のみの着用として全身に火傷を受けた.他に3歳女子(收容1時間後死亡)妻弟等6名も同時に火傷を受けた.火傷後数時間を経て来院したものである.
著者
中泉 行正
出版者
医学書院
雑誌
臨床眼科 (ISSN:03705579)
巻号頁・発行日
vol.19, no.8, pp.1057-1063, 1965-08-15

世にシーボルト事件として医師土生玄碩及天文方高橋作左衛門両氏に関する事件は有名なものである。たまたま医史学会長小川鼎三博士が見えられ、談シーボルト事件の二三の事に及び、呉秀三先生の名著「シーボルト先生其生涯及功業」という大冊を見ていた処、当所所蔵の前記土生、高橋両氏等の裁判の判決即当時の申渡書の記載が異なる点があり、又必ずしも全文をつたえていないという事に気付き、当所所蔵の天保元年(一八三〇)庚寅六月に下山要人氏により書かれた実秘録と題する申渡書文書と相違がある為にこれを充分に解読せんとしたが、仲々難解な為、医史学会同人中最も故実に通ずる羽倉敬尚翁をわずらわす事となり同氏の研究解読により次にかかぐる様になつた。これが本文の成立で呉先生の御本との比較等は末尾に付記しておいた。研学の方は本書を通読されると共に必ず呉先生の本をも併読される事をお願いする。
著者
岡田 慎一郎
出版者
医学書院
雑誌
助産雑誌 (ISSN:13478168)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.278-279, 2010-03-25

抱っこで肩を痛めてしまったお母さんから,「どうすれば肩を痛めないで抱っこができますか」と質問されました。そこで答えたのは「腕をもっと長く使いましょう」ということでした。そのお母さんはきょとんとしていました。腕の長さに限りはあるし,突然伸びるものでもないのですから当然でしょう。 実は,腕は思っている以上に「伸びる」のです。通常の腕の使い方では,腕本来の長さが使い切れていないことが多くあります。今回は腕本来の長さを十分に引き出し,肩や背中に負担がかかりにくい腕の使い方を紹介します。
著者
相田 潤 近藤 克則
出版者
医学書院
雑誌
保健師ジャーナル (ISSN:13488333)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.1038-1043, 2007-11-10

歯科疾患の社会への負担は,一般に思われているよりも大きい。おもな生活習慣病の国民医療費(2004年度)の金額1)をみると,悪性新生物や糖尿病の医療費はそれぞれ2兆3306億円,1兆1168億円に上る。しかしながら,歯科疾患の医療費(2兆5377億円)は,それらをも上回っている。がんや糖尿病と比較して生命に関わる重篤度は低いが,罹患率が非常に高いため社会にとっては大きな負担となっている。 この歯科疾患にも,社会経済的あるいは地域的な格差がある。そして,科学的根拠があり,健康格差の抑制効果が期待できる予防方法もすでに確立している。 そこで今回は「『健康格差社会』への処方箋―番外編」として,「歯科疾患における健康格差とその対策」を取り上げる。ここでは歯科疾患のなかでも,「う蝕(虫歯)」を中心に話を進めていく。その理由は,歯が抜ける原因を調べた最新の調査結果2)で,う蝕とその続発症による抜歯が43.6%と,歯周病の37.1%よりも多いからである。
著者
山本 圭一郎 伊吹 友秀
出版者
医学書院
雑誌
臨床婦人科産科 (ISSN:03869865)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.471-475, 2017-05-10

●ヒト受精胚を対象とするゲノム編集技術利用には,基礎研究,治療を目的とする臨床応用,エンハンスメント的な臨床応用の各段階で倫理的な課題がありうる. ●基礎研究の段階では,ゲノム編集研究に用いるヒト受精胚の入手のあり方,余剰胚利用の是非,ヒト受精胚への人為的操作などが倫理的課題となる. ●治療およびエンハンスメントの段階においては,安全性や有効性,責任の所在,優生思想ないし優生学,諸々の格差や差別の助長,世代や地域を越えた不可逆的な影響などに関する倫理的課題がありうると予想される.
著者
笹川 正二 古谷 達孝 佐藤 允康 花井 定彦 小田切 久夫 石原 文之 千木良 吉睦 鳥居 ユキ
出版者
医学書院
雑誌
臨床皮膚泌尿器科 (ISSN:21886156)
巻号頁・発行日
vol.13, no.12, pp.1287-1291, 1959-11-01

ハイドロコーチゾン軟膏が急性及び慢性湿疹,小児湿疹,アトピー性皮膚炎,接触皮膚炎等に優れた効果を示すことは周知の事実で,現在盛んに使われているが,これら疾患は何れも掻痒がはげしく,掻破により二次的化膿菌感染を伴い易く,殊に夏期は発汗と相侯つて膿痂疹性湿疹の状態を見ることは屡々である。又一方貨幣状湿疹,感染性湿疹様皮膚炎,耳後間擦疹,自家感作性皮膚炎乃至播種状細菌疹等は湿疹或はその類症でありながらブドー状球菌又は連鎖状球菌がその発生に原因的役割を演ずると解され,これら何れの場合にもハイドロコーチゾンの抗炎症作用の他に殺菌剤として抗生物質を加えることによつて治療の完壁が期待されるところである。かかる目的にかなつたものとして今回興和化学より強力レスタミンコーチゾンコーワ軟膏が新たにつくられ,提供され東大分院皮膚科外来患者に使用したので,その治療成績について報告する。 本軟膏の組成はその1g中に 酢酸ハイドロコーチゾン 10.0mg
著者
土屋 ふとし 滝沢 明利 岩崎 晧
出版者
医学書院
雑誌
臨床泌尿器科 (ISSN:03852393)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.299-300, 2011-04-05

Q 精巣外傷の症例。出血はかなりの程度だったようだが,今は止まっている。保存的に様子をみてよいか。 [1]概 説 精巣外傷のうち最も多いのは挫傷である。受傷原因としては,喧嘩,スポーツ外傷,交通事故,落下事故などがある。 精索血管(精巣動脈,蔓状静脈叢など),陰囊に分布する血管が損傷することにより陰囊内出血をきたす。陰囊皮膚は薄く伸縮性があるため血腫,浮腫により大きく腫脹する。また出血が下腹部,陰茎,肛門にまで及んで変色を伴う場合もある。鈍的な精巣外傷は通常,局所の激しい疼痛,吐き気,嘔吐,下腹部痛などを伴いショック症状をきたす場合もある。 大きな外力が働いたり,恥骨,大腿骨に強く押しつけられた場合に,精巣白膜が損傷して,精巣実質が脱出した精巣破裂に至る。精巣の鈍的外傷の約48%に破裂が起こるとされ1),破裂後3日以内が手術のゴールデンタイムとする報告は多い。受傷後3日以内に手術を行うと精巣温存率は90%であるが,3日を過ぎると45%に激減するとの報告がある2)。 精巣破裂の診断に関して,超音波検査は簡便で損傷の概要をつかむには適している。精巣の輪郭の不整像,白膜の連続性の消失,実質内の低エコー領域の存在などを観察する。超音波検査の精巣破裂に対する診断の感度は64%,特異度は75%とする報告がある3)。MRI検査はT2強調画像もしくは造影T1強調画像が白膜の描出に優れている。MRI検査は超音波検査よりも高い診断率で再現性も高いが,検査時間が長く診断までの時間を要する。 血腫が存在すると画像的診断が難しくなり,精巣破裂は80%で血腫を伴うことから4),血腫の存在のみでも早期の手術が好ましいとの意見もある5)。血腫の大きさにより手術適応を決めるという意見もあるが,エビデンスはまだない。 血腫を伴う精巣破裂を保存的治療で経過観察することにより,感染,壊死,精巣の萎縮,精子形成能や内分泌機能の低下などの危険性が指摘されている。保存的治療により経過観察が可能であった報告例も散見されるが,いずれもretrospectiveなものにすぎず,その適応については決まったものはない。
著者
倉恒 弘彦
出版者
医学書院
雑誌
BRAIN and NERVE-神経研究の進歩 (ISSN:18816096)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.11-18, 2018-01-01

本稿では,プライマリ・ケアを担っている医療機関において利用されることを目的に厚生労働科学研究班より2016年3月に改訂された筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)臨床診断基準を紹介するとともに,ME/CFS診療が行われている代表的な医療機関において現在実施されている治療法やその予後についても解説する。
著者
志村 哲祥 田中 倫子 岬 昇平 杉浦 航 大野 浩太郎 林田 泰斗 駒田 陽子 高江洲 義和 古井 祐司 井上 猛
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.783-791, 2018-07-15

抄録 2015年から義務化され運用されているストレスチェックでは,標準的な問診票では「仕事のストレス要因」「周囲のサポート」「心身のストレス反応」を測定し,これに基づいて産業医面談の対象となる「高ストレス者」を抽出している。一方で,ヒトの心身に影響を与えるのは職業上の要因だけでなく,特に睡眠は,さまざまな経路を介して心身の健康に影響を与えることが知られており,業務以外のストレス要因として重要である。本研究で,睡眠とストレスチェックの各指標の関連を分析したところ,睡眠は心身のストレス反応に対して強い影響を与えており,仕事のストレスと同等かそれ以上である可能性も示唆された。
著者
平井 豊博 佐藤 晋 三嶋 理晃
出版者
医学書院
雑誌
呼吸と循環 (ISSN:04523458)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.1241-1244, 2003-12
被引用文献数
2

2 0 0 0 代償月経

著者
玉田 太朗
出版者
医学書院
雑誌
臨床婦人科産科 (ISSN:03869865)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.892-893, 1973-11-10

I.症状 思春期あるいは性成熟期の女性にみられる,子宮以外の場所からの周期的な出血と定義できるが,これは月経出血とほぼ同時におこるもののほかに,月経出血をともなわないが周期的に1ヵ月に1回くらいの割合でおこる性器外出血の意味に用いられていることもある。 しかし診断上のまぎらわしさをさけるためには前者のみを代償月経とよぶべきであろう。
著者
神馬 征峰
出版者
医学書院
雑誌
公衆衛生 (ISSN:03685187)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.853-858, 2016-11-15

密輸業者ナスレディンの秘密 ナスレディンの稼業は密輸業.毎日夕方になるとロバに乗って税関所を通る.税関検査官はナスレディンがまた悪さをしていると思い,吊り籠の中をくまなく調べる.しかしみつかるのはいつも藁だけ.何年も何年も繰り返し調べても,何もでてこない.ナスレディンといえば,どんどん金持ちになっていく.何か密輸しているのに違いないのだ. やがてナスレディンも年をとり,密輸から足を洗う.そんなある日のこと,たまたま退職した例の税関検査官とばったり出会ってしまった.
著者
三ツ橋 雄之
出版者
医学書院
雑誌
臨床検査 (ISSN:04851420)
巻号頁・発行日
vol.57, no.11, pp.1246-1247, 2013-10-30

1.大型血小板とは 大型血小板とは正常な血小板よりも大きい血小板であり,正常の血小板が直径2~3μm程度に観察されるのに対して,4μm以上を呈するものである.塗抹標本上では赤血球との比較で大きさを評価し,赤血球の直径の約半分に相当する4μmから赤血球大(約8μm)までのものを大血小板,赤血球サイズを超えるものを巨大血小板(giant platelet)と呼ぶことが多い. 大血小板や巨大血小板はいくつかの先天性の疾患や後天性の病態で出現することがあり,診断の端緒となることがあるが,健常人でも少数の大血小板や巨大血小板がみられることがあるため,血小板減少の有無,血小板形態の変化,出血などの臨床症状や他の検査値異常の有無などの所見を合わせた総合的な評価が必要である.
著者
長洲 光太郎
出版者
医学書院
雑誌
medicina (ISSN:00257699)
巻号頁・発行日
vol.8, no.9, pp.1422-1424, 1971-08-10

病人の要求に答えられるか こういう種類の本を読むのはわたしたち医者にとってむしろ苦痛であるだろう.触れたくない創をかきまわすのであるから.しかし毎日「死んでゆく患者」をみているわたしたちこそ,この種の本を読む必要があり,またその意味を正しく理解できるのではあるまいか.