著者
スピンドラー ジェラルド 早川 勝
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.2440-2431, 2010-03

翻訳(Translation)2004年のSE規則は、当初の構想と異なり、枠組み法であって、基本的な骨組みを定めるにすぎず、その肉付けは、EU加盟国の国内法によるため、極端な場合は、加盟国数に相応したSEが存在することになる。当初慎重であったドイツ・オーストリアでは、少しずつSEを創設してきているが、超国家性という特色を生かすというよりも、ヨーロッパブランドという側面を重視している。訳:早川勝
著者
木下 康光
出版者
同志社大学
雑誌
言語文化 (ISSN:13441418)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.171-189, 2010-12

研究ノート(Note)『ヘンゼルとグレーテル』の物語は構造的に見れば、困窮ー旅立ち-闘いと勝利ー財宝をもっての帰還というメインストーリーを持った一つの竜退治型英雄譚の特徴を具えている。その際、主人公(=英雄)のヘンゼルはオデュッセウスのごとき狡知を発揮するのに対し、退治されるべき竜と等価の魔女はオデュッセウスに欺かれるキュクロープスのごとき愚かな鬼/欺かれる悪魔の一類型となっている。Das Märchen "Hänsel und Gretel" (KHM 15) kann man als eine Art von Drachentäter-Märchen ansehen. Hänsel und Gretel gehen nämlich als Helden zur anderen Welt ( Hexenwald ), vernichten dann mittels Trick die Hexe ( = Teufel / Drache ) und kehren mit großen Schätzen heim. Sie erinnern an kleine aber mutige und listige Helden wie Odysseus oder das tapfere Schneider im KHM 20. Da kann man das Motiv " dummer bzw. betrogener Teufel " wiederfinden.
著者
諫早 勇一
出版者
同志社大学
雑誌
同志社外国文学研究 (ISSN:02862832)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.79-66, 1998-01-25

ペテルブルグで発刊されている雑誌ЗВЕЗДА(星)がナボコフ特集号を組むと知ったのは,ナボコフ・フォーラム(正式名称NABOKV-L, The Electronic Nabokov Discussion Forum)の1996年10月24日付けの記事によってだった。そこで主宰者のD. B. Johnson氏は,雑誌の編集長アンドレイ・アリエフ氏から得た情報として,The St. Petersburg magazine ZVEZDA is putting out a special Nabokov numberという計画をいち早く紹介し,さらにThe issue contains new Russian scholarship on various aspects of Nabokov as well as poems and essays by leading Russian writers, plus translations of Nabokov material available in English.と述べて,その内容に期待を抱かせた。結局,この特集号はЗВЕЗДΛの1996年11月号として刊行されたが,幸い私はこの号を同志社大学言語文化教育研究センター助教授のイリーナ・メリニコワ先生のご好意で入手することができた。そして,実際その内容は期待を裏切らないものだった。かつて欧米の研究者主導によって,ナボコフの英語小説の研究を中心に展開されてきたナボコフ研究は,現在亡命者を中心とするスラビストたちの積極的な参加によって,新たな展望を開きつつある。この特集号は,ロシア在住の研究者のみならず,世界各国に広がったロシア系の研究者たちの参加をえて実現した,ロシアの側(ある意味で,ロシア文学の側)から今日のナボコフ研究に投じられた巨石とも言えよう。以下,この号の内容を紹介しながら,その今日的意味を考察してみたい。
著者
メストメッカー エルンスト-ヨアヒム 早川 勝[訳]
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.1426-1404, 2011-07

万人の万人に対する競争(Bellum omnium contra omnes)? -自然状態における競争について 放牧地で時を過ごす羊の平穏は、比較的な自己愛と競争を欠いているひとの社会に関してカントが述べた比喩である。どうもうな狼の食欲は、市民社会における安全と安寧の自由をあきらめさせる自然状態におけるひとに対するホッブスが述べた比喩である。これらの見解は、自由と平等に関する正反対の原則を教える。カントにとっては、個人の自由は、対立する自由であって、この自由は、法の支配の下での平等な自由と共存することができる。これに対して、トーマス・ホッブスの明らかに反対の立場では、デヴィッド・ヒュームの法と社会の研究およびアダム・スミスの法と経済学の研究を意識しかつ考慮に入れた法と社会の諸原則が展開される。ホッブスは、法と経済を動かす力としての幸福に関するかれの功利主義の解釈と同じ様に、法実証主義に関するベンサムの基本的な説明を採り入れた。それは、法と幸福主義との同一視であり、競争と競争法に関するひとつの重要な論争に導く。つまり、個々人の競争的行為に対する貢献を結果として生じる幸福のプラスまたはマイナスの成果と同一視できるかという問題である。この論争は、ドイツでは、カルテルの禁止かまたはカルテルに対する濫用規制なのかという二者択一の問題を支配した。それに対して、米国では、成果に関する評価審査が有効競争理論のひとつの論点であった。つまり、この論争は、福利のマイナスの成果について特別な立証(specific proof of negative welfare effects)がなされない場合には、伝統的な反トラスト法違反を弁明することができないと主張する反トラストシカゴ学派によってもたらされた。欧州では、それは、もちろん、競争ルールに関する解釈についてより経済的なアプローチをするEU委員会の解釈によって、消費者に対する福利審査(consumer welfare test)の実行可能性に関する論争について終止符が打たれた。それは、デヴィッド・ヒュームの理論の伝統を引き継ぎながら、特別な競争行為の福利に関する成果審査では解明できない理由を説明する制度複合現象理論を展開したF.A.フォン・ハイエクの理論である。筆者は、本稿では、競争ルールが、契約の自由、個人の財産権に関する私法制度の一部であるとして、また、競争を発見手続きとして解している。競争の自由に関する個人の権利は、競争過程における公益とそれに対して適用できるルールを形成するのである。
著者
鹿野 嘉昭
出版者
同志社大学
雑誌
經濟學論叢 (ISSN:03873021)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.583-603, 2003-03
著者
中本 新一
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.171-181, 2007-07

わが国における15歳以上の国民1人当たりの酒類消費量は、7.38ℓ(純アルコール換算値)近辺であり、世界では国別順位は20位台後半である。日本人には酒に弱い者が多いが、しかし、過飲者が約3,400万、多量飲酒者が約860万であるといわれている。また、アルコール関連問題による国家的損失が、単年度で6兆6千億円だとする研究もあった。さて、日本では個人の責任で上手に飲む「適正飲酒」政策がとられてきたが、そのことは厚生労働省の政策意図が反映されている『健康日本21推進のためのアルコール保健指導マニュアル』で明らかである。わが国のアルコール政策の難点は、個人に問題を投げ返し、酒類販売・広告などの国家的規制が非常に不足していることにある。自販機の存在や飲む場面を放映するテレビCMから、そのことは了解できるだろう。筆者は、わが国のアルコール政策は転換されなければならないと考えている。この視点を深めるためにスウェーデンとアメリカのアルコール政策を研究していく。前者は世界でもっとも酒害の小さい国であり、後者は多彩な政策に力を投入している。まず、アメリカ。禁酒法(1920-1933)の廃止後、AAとアルコール医療が誕生した。1970年にはヒューズ法が制定され、アルコール依存症への対策が総合的に追求された。そして、法定飲酒可能年齢21歳、「国立アルコール乱用・依存症研究所」、血中アルコール濃度0.8パーミル、警告ラベルなどが生みだされた。スウェーデンでもかつては酒害が深刻であった。そこで、1920年から割当て配給制が施行され、1956年以降、酒類の製造、販売に専売制が導入された。2つの外国を比較すると、アメリカは営業の自由ならびに飲酒と自己決定の自由に大きな価値を置いている。スウェーデンでは酒害を小さくすることを目的にして、入手規制、接近規制、購買欲求抑制という3領域で総量抑止が図られている。
著者
兪 祖成
出版者
同志社大学
雑誌
同志社政策科学研究 (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.47-59, 2014-09

論説(Article)19世紀末期から、「滅私奉公」をイデオロギーとする革命政党と政治的集団主義の台頭を契機に、中国の伝統的な「公」観念は劇的に再編され、多様化・重層化していた「公」の世界は「一元化」、つまり「国家的公共性」へと集約されていった。紆余曲折を経て1949年に政権の奪取に成功した中国共産党は執政党になった直後、「国家的公共性」の基盤としての「国家権力」を構築し、「市民的公共性」の物質的基盤である市場経済を排除し、さらに「市民的公共性」の物理的基盤としての「公共空間」を解体するに至った。このような「国家的公共性」の形成に伴い、憲法上の結社の自由が形骸化され、そして整理・整頓を目的とする社団政策が強行されたことによって、1949年までに存在し続けた様々な社団は改造、取締、解散の憂き目に遭った一方で、新政権の維持や社団を通じた民衆掌握のため、「官製社団」が次々と作られた。さらに、新政権のもとで存続できた社団にしても、新設された「官製社団」にしても、すべて党の下部組織 (党組という)によって完全に支配されることとなった。かくして、文化大革命期間を除けば、1949年から1977年までの中国における非営利部門は、党・政府の意図を受けて公共サービスを提供していた反面、アドボカシー、価値の擁護、ソーシャル・キャピタルの醸成という社会的機能を果たすことがほぼ出来なくなった。一言でまとめるならば、「国家的公共性」の形成に伴って、1949年から1977年までの中国における社団を中心とする非営利部門は、結果として党・政府に従属せしめられたのである。
著者
瀧田 輝己 田口 聡志 太田 康広 福川 裕徳 上枝 正幸 武田 史子 椎葉 淳 矢澤 憲一 奥田 真也 原田 保秀
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、我が国でも重要な課題といえる内部統制報告制度およびその監査制度の意義ないし制度的な効果について、理論研究、規範研究、実証研究、および実験研究という4つの研究方法からアプローチすることを目的とするものである。そして、具体的な検討対象である内部統制監査制度の意義や効果を各方法論から多面的に分析していくだけでなく、各研究方法の根底にある基本的な立場を明らかにし、究極的には、監査研究における各研究方法の相互理解ないしコラボレーションの可能性を模索していくことを目指すものであった。3年間のプロジェクトの結果、多面的な方法論から、ワークショップ開催、学会発表、論文執筆をおこなうことができた。
出版者
同志社大学
巻号頁・発行日
2014

従来の近代「文学史」では、明治後期に流行した紀行文が閑却されてきた。本論文では、明治30年代から40年代を代表する紀行文作家の一人、小島烏水の紀行文および紀行文論の分析を行った。彼が紀行文に求めるものが「歴史」から「科学」的知識と正しさ、そして自然の「真実」を観察する姿勢へと変化したことを明らかにし、同時代の紀行文との距離、小説をめぐる言説との影響関係なども視野に入れつつ、明治後期に起きた紀行文流行の内実を考察した。
著者
千田 忠男
出版者
同志社大学
雑誌
評論・社会科学 (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
vol.77, pp.1-17, 2005-10

論文(Article)
著者
大園 享司
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

南西諸島の亜熱帯から本州の暖温帯に至る常緑広葉樹林において、落葉の漂白に関わる菌類の多様性、漂白部の化学組成およびその落葉分解にともなう変化、そして落葉漂白菌類の地理的分布を実証した。沖縄本島北部の亜熱帯林における継続観察により8属の菌類が漂白に関与しており、落葉中のリグニンの選択的除去が炭素と窒素のターンオーバーを促進していることを示した。石垣島から佐渡島に至る20地点では計62種の菌類が漂白に関与しており、落葉上の漂白面積率は年平均気温の低下にともなって減少した。以上により、リグニン分解に関与する菌類の多様性と機能の点から、本邦亜熱帯林の土壌分解系について新規性の高い成果が得られた。
著者
大原 信一
出版者
同志社大学
雑誌
同志社外国文学研究 (ISSN:02862832)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.62-85, 1992-12-15

研究ノート(Note)
著者
倉見 智亮 土田 道夫
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.58, no.7, pp.2943-2963, 2007-03

本稿は、就業規則・競業避止義務等契約に定められている秘密保持義務・競業避止義務の有効性及び当該義務違反の有無、並びに在職中における従業員の引抜き・集団退職の相当性が争われた判例(アイメックス事件)について評釈したものである。本稿では、以下に関連する近年の裁判例・学説の整理・分析を通じて、本判決を考察した。1、在職中・退職後の秘密保持義務の有効性及び当該義務違反の有無 2、退職後の競業避止義務の有効性(代償措置、背信性、合理的限定解釈) 3、競業避止義務違反の有無(在職中における従業員の引抜き・集団退職) 4、従業員の引抜き・集団退職と損害との因果関係
著者
田島 悠来
出版者
同志社大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、日本全国の特定の地域(場所)に根ざした活動を行う「ご当地アイドル」について、フィールド調査を実施し、持続的かつ実効性の高い地域振興のあり方を探った。具体的には、いくつかの資料によって選出した「ご当地アイドル」のうち、継続的な活動を実施しているグループを対象にして、インタビュー調査および関連性のあるイベントでの参与観察を通じて、活動拠点となる地域側にいかなる効果があると言えるのかを考察した。以上の結果、「ご当地アイドル」のパフォーマンスは、若い世代が主体となった地域振興の可能性を提示していること、持続性のために地域外部の資本や技術を補完的に導入する必要があることが明らかとなった。