著者
熊坂 賢次
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.75-97, 1977-09

3. レジャー領域の確定 (1) レジャー不要社会 (2) 偏レジャー出現社会 (3) レジャー抑圧社会 (4) レジヤー開花社会In what sense do we consider leisure as a social problem for the mass in contemporary society? In an attempt to answer it, four categories of leisure society are constructed and examined. Leisure society is a concept applied to the whole society from the viewpoint of leisure activities. It contains four typologies : (1) Leisure non-necessary society, where leisure is not needed as a part of social life system because the work of the society contains the components of play (consummatory act) as well as instrumentality. (2) Distorted two-facet leisure society, where leisure is possessed by the upper class only while the lower class is specialized to a little more instrumentalized works. (3) Leisure suppressed society, where lesure is completely suppressed in order to achieve the societal goal, ie., modernization. (4) Leisure prospering society, where the mass get leisure and its chances owing to the social justification and economic affluence. After examining them, the diagram on leisure industry vs passive mass is drawn as today's social problem. Now, we must seek for the possibilities to transcend this diagram from a value-relational standpoint. They are following : (1) voluntarity of play, (2) mass having aristocratic orientation, (3) leisure as an impetus of social solidarity, (4) recurrence to commune on denying leisure activities dialectically. These four possibilities, as well as the diagram, are sociologically important components to determine "the domain of leisure" in contemporary society, Hence is the need for the sociology of leisure to achive a new and meaningful "leisure society".
著者
Amante Maragtas S. V.
出版者
慶應義塾大学
雑誌
Keio business review (ISSN:04534557)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.13-32, 1996

Festschrift for Prof. Yoko SanoSeveral Japanese human resource practices have achieved popularity in the Philippines, even in non-Japanese-owned firms. These include: kaizen (continuous improvement), the 5-S rule in the workplace - seiso, seiton, seiri, seiketsu, shitsuke, roughly rend
著者
厚地 淳 田村 要造 鈴木 由紀 安田 公美 相原 義弘 田村 要造 鈴木 由紀 安田 公美 相原 義弘
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

ネヴァンリンナ理論は、有理形関数の除外点の個数を評価するなどの有理形関数の値分布の研究に使われる基本的な理論である。古典的なネヴァンリンナ理論が確率論を使って記述できることは研究代表者などの研究により知られている。本研究は、この確率論との関係をより深く研究することにより、一般のケーラー多様体上で定義されている有理形関数に対するネヴァンリンナ型理論を構築する。さらにそれを応用して、ケーラー多様体上の有理形関数の値分布、特に除外点の個数の評価への応用を研究した。
著者
金谷 繁明
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

大脳皮質抑制性神経細胞は主に腹側終脳の基底核原基にて誕生し、接線方向移動(tangential migration)をして大脳皮質に到達する。基底核原基のうち、内側基底核原基(MGE)、尾側基底核原基(CGE)が大脳皮質抑制性神経細胞の主なソースであり、主にMGE細胞はLhx6、CGE細胞はCOUP-TFIIを発現する。近年、マウスモデルを用いた研究により、間脳の一部である視索前野(POa)からも抑制性神経細胞が由来することが報告されている(Gelman et al., 2009)。POaは遺伝子発現様式により背側POaと腹側POaに分けられるが、腹側POaに発現するDbx1転写因子に由来する抑制性神経細胞が、5層に由来する多くの抑制性神経細胞がDbx1由来であることが示され、それらは胎生11日目付近で産生されることが示された(Gelman et al., 2011)。しかしPOaに由来する大脳皮質抑制性神経細胞が移動中にどのような分子を発現し、どのような移動様式や移動メカニズムを取るかはほとんど知られていない。我々はMGEとCGEの両方のマーカーである(Lhx6、COUP-TFII)を発現する細胞群(M-CGE細胞)がPOaに由来していることを突き止めたことから、POa内でのM-CGE細胞の由来を詳細に解析した。局所遺伝子導入法にて腹側POaにのみ遺伝子導入をして腹側POa由来細胞を解析したところ、この領域から由来する細胞のほとんどがLhx6/COUP-TFII二重陽性であることを突き止めた。さらに背側POa由来の細胞ではLhx6/COUP-TFII二重陽性の割合が少ないことから、腹側POaがM-CGE細胞の主なソースと考えられた。
著者
鈴木 孝治 小松 広和
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、元来、最も高感度な分析の一つと位置付けられる質量分析(MS)の感度をさらに増大させると同時に、より確実な定量分析法とするため、LC-MS向きの最適なラベル化試薬を多数開発した。こようなラベル化試薬(MSプローブ)はすでにいくつかを開発していた。しかしながら、本来、MSプローブはもっとポテンシャルがあり、その応用展開はもっと広いはずべきものであり、基礎研究に戻り、さまざまな物質の質量分析に有用なMSプローブの設計を、応用を見据えて検討した。主なMSプローブに関する研究は、以下のようである。1)低分子(イオン)測定用MSプローブの開発研究金属イオン分析用質量分析試薬として、多価重金属カチオン用の配位分子の構造とMS用ラベル化試薬としての性能の相関を詳しく調べた。この場合、KHM1〜10は再合成し、KHM11-36は新たに設計した。また、ヘテロ分子構造のジュエルペンダントリガンドや、フルオロイオノフォア(KMG/KCM分子など)の質量スペクトルを検討して、クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、チアクラウンエーテル、その他非環状のヘテロ原子を含むポリエーテルなどの金属配位に富む10種を超える金属カチオン用の質量分析試薬を開発した。さらに、対イオンとして存在するアニオン測定用MSプローブKHM11〜15も検討した。2)高分子(主としてタンパク質)測定用MSプローブの開発研究高分子用のLC-MS用ラベル化試薬として、光解裂型MSプローブを合成し、分子構造と質量スペクトルの関係を詳細に検討した。この場合CREST研究で開発したエステル型分子のMSプローブではなく、エーテル型分子のMSプローブを新たに合成した。これは前者では光解裂により、アニオン性のカルボン酸型になってしまうが、後者の新プローブでは,その問題を解決でき、その結果感度の増加が図れた。このプローブは、光解裂後、ESI-MSで測定できるほか、MALDI法でも十分な再現性や定量性がみられた。このMSプローブは、さまざまな高分子化合物の分析に適するラベル化試薬であり、質量スペクトルを活用して生体、環境などのあらゆる物質情報を入手するのに効率のよい手段を提供するものである。
著者
内山 映子 秋山 美紀 花井 荘太郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

ITを活用したコミュニケーション支援ツールの利用が、介護サービス提供者と認知症患者の家族との間のコミュニケーションを増加させ、ひいては家族のストレス軽減に寄与するか、また介護サービス提供者のコミュニケーションに要する手間を従来方式以上に増加させないかを実証により検討した。その結果、コミュニケーションが増加した事例からは、ストレスの軽減に有効な可能性が示された。また日々の業務の中でITツールを利用する際にサービス提供者が要する所要時間は、読み書き含めて1件あたり平均7. 5分で、紙媒体と比べても業務上の過大な負担とはならないことが示された。
著者
依間 隆也 今栄 貞吉
出版者
慶應義塾大学
雑誌
体育研究所紀要 (ISSN:02866951)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.25-34, 1978-12

緒言I. 体重による判定II. 体格指数による判定III. 皮下脂肪厚による判定結語.
著者
小泉 仰
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1-21, 1967-03

第五十集記念号Amane Nishi's practical logic seems to represent the typical way of thinking in which the late-nineteenth-century Japanese beaurocrats and thinkers had dealt with the economic, political and strategic pro-blems they encountered after the Meiji Restoration. Furthermore, it seems to me that his practical logic shows a still living one in our present-day ordinary life. In this sense, it is very interesting for us to clarify his practical logic. I have tried in this paper to describe how Nishi developed his practical logic, and discuss how he applied it to various fields such as political, economic and strategic fields. By doing so, I trace J. S. Mill's, H. Spencer's and I. ant's influences upon Nishi's thought also.
著者
桐本 東太 村松 弘一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は古代中国における地理情報(Geographic Information)の作成と管理についての解明を試みるものである。戦国秦期の天水放馬灘秦墓出土の木製地図を分析の対象としてとりあげた。地図は西漢水流域を示していたと仮説を立て、当該地区の早期秦文化遺跡との関係、河川の分岐と距離の関係などを検討した。また、『山海経』『水経注』『穆天子伝』などの古代文献の検討から古代地理書の作成過程について研究した。
著者
李 悳薫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.39-67, 1993-08-25

戦後日本の自動車産業の発展と産業政策の関係は保護者から育成者そして後見者とかわったことがわかる。しかし,論者によっては通産省と業界とはそれほど二人三脚ではなかったし,アウトサイダーとして成長したという論説もあるが,やはり後発国日本としては通産省が産業政策という名で業界の利益のため働いたことは否定できない。小論では産業政策を自動車産業の発展と結び付けてその流れと企業側の対応を占領期・復興期・高度成長期・石油危機以後・80年代以後にわけて考察することにする。
著者
谷口 善仁
出版者
慶應義塾大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

TILLING法による遺伝子変異個体の作製は、数千個体よりなるランダムミュータジェネシスした変異ライブラリーから、目的の遺伝子に変異が導入されている個体を選別するという手順を経る。小型脊椎動物で手軽に扱えるモデル動物として注目を集めているメダカやゼブラフィッシュでは、すでにこの手法により数百種類の遺伝子破壊体が作られている。現在は、数千個体すべてについて目的遺伝子を直接塩基配列決定ないし温度融解曲線を使用する方法で変異探索を行っているが、変異の頻度が低いために効率が極めて悪い。そのために、変異をキャプチャーできるMuトランスポゾンをビオチンタギングし、変異を濃縮する方法を試みた。Muトランスポザーゼが結合するDNA断片を合成し、その末端にビオチンを結合させた。不要部位を後に切断除去するために制限酵素部位を導入した変異型DNAは、大腸菌で発現させたMuトランスポザーゼと結合し、タンパク-DNA複合体を形成した。すでにTILLING法で作製し報告済みのp53変異体と野生型のメダカよりそれぞれ変異部位を含むDNA断片をPCR増幅し、熱変性、アニールによりヘテロデュプレクスを形成させてMuトランスポザーゼ-DNA複合体を反応させたところ、転移反応が観察された。DNAを回収し、塩基配列を決定したところ、目的の部位以外にも転移するなど、感度、特異性ともに十分満足のいく結果が得られなかった。そのため、Muトランスポザーゼによる転移反応から、ビオチン化したオリゴヌクレオチドをT4リガーゼによりアダプターライゲーションする方法に変更した。Muで確立した手法によりp53ヘテロデュプレクスからDNA断片を回収して塩基配列を決定したところ、変異を含む断片が効果的に沈降されていることが確認された。現在イルミナGAIIxを用いた大規模シーケンスにより、変異部位の単離同定を進めているところである。
著者
西川 俊作
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-16, 1981-04-28
著者
本嶋 学
出版者
慶應義塾大学
雑誌
慶應義塾大学大学院社会学研究科紀要 (ISSN:0912456X)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.1-9, 1998-12-15

論文1. はじめに2. 「メタファー研究」の現状3. Lakoffたちの認知意味論的メタフアー理論4. 社会問題ディスコースのメタファーの諸相5. おわりに
著者
濱 日出夫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

(1)博物館の戦争展示と戦争の集合的記憶の関わりを考察するための理論的枠組みの検討を行なった(成果報告書「序「歴史の社会学」の可能性」「1記憶のトポグラフィー」『2社会変動のミクロロジー」参照)。アルヴァックス、ベンヤミン、シュッツらの業績の検討を通して、(1)記憶とは過去の出来事の再現であるのではなく、現在の視点から行なわれる過去の再構成であること、(2)過去の再構成が行なわれるさいに、物質や空間が重要な役割を果たしていることについての理論的見通しを得た。(2)この理論的見通しをもって、(1)土浦市、(2)米国ワシントンD.C.、(3)広島市、(4)カンボジア・プノンペンにおいて、博物館の戦争展示と戦争の集合的記憶の関わりに関する調査を行なった(成果報告書「3歴史と集合的記憶」「4他者の場所」「5ヒロシマを歩く」「7モニュメントとしての写真」参照)。その結果、(1)土浦市においては土浦まちかど蔵の飛行船グラーフ・ツェッペリン号の飛来に関する展示が予科練の記憶を、(2)米国ではスミソニアン航空宇宙博物館に展示されたエノラ・ゲイの機体が原爆の記憶を、(3)広島市内のさまざまな資料館や記念碑、またさまざまな追悼行事が原爆の記憶を、(4)カンボジアにおいてはトゥール・スレン博物館の写真の展示がポルポト政権による虐殺の記憶を、それぞれ形成し再生産するうえで果たしている役割が確認された。(3)とくに土浦市・広島市における調査によって、戦争の記憶が単一のものではなく、地域の内部でいくつにも分裂し、たがいに対抗し合い、「記憶のアリーナ」を形成していることを明らかにした。
著者
町田 一 山口 まり子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.102, pp.15-36, 1997-12

Although we speak of fictitious person or things in books, films, or in our imagination very frequently and without any hesitation, the status of the names of fictitious things or things which do not exist has been quite ambiguous and problematic in logic. In this small paper, we would like to consider whether the sentences which include these names are susceptible of truth or false, by mentioning Abelard, who insists that the existence of a name is inseparably connected with the existence of a thing which is signified by the name (or at least, an evidence of the thing's existence), and J.S. Mill, who insists that the existence of a name does not necessarily demand the actual existence of a thing which is denoted by the name.
著者
竹下 覚
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

1.近紫外励起用赤色発光Yvo_<4<:Bi^<3+>,Eu^<3+>ナノ蛍光体Yvo_<4>:Bi^<3+>,Eu^<3+>ナノ蛍光体を用いた太陽電池用波長変換材料を作製し、作製条件の最適化を行ったのち、シミュレーションと実験の比較を行った。その結果、より高効率な波長変換を実現するためには、波長変換層による反射」損失をさらに抑制する必要があることを明らかにした。また、実用化に向けた耐久性評価のため、ナノ蛍光体・ポリマー複合膜の長期耐光性試験を実施したところ、発光強度の特異な時間変動現象を発見した。この現象の起源について追究し、ナノ蛍光体が光触媒とよく似た作用によってポリマーを光分解していることを明らかにした。2.近紫外励起用緑色発光Zn_<2>GeO_<4>:Mn^<2+>ナノ蛍光体ソルボサーマル法によって作製したZn_<2>GeO4:Mn^<2+>ナノ蛍光体において、Mn^<2+>イオンの分布状態が発光特性に与える影響を調べるため、反応機構および粒子生成プロセスを解析した。その結果、Mn^<2+>イオンが粒子表面に偏析し、Mn2+間のエネルギー移動に起因する蛍光強度の低下(濃度消光)が生じていることを明らかにした。3.近紫外励起用赤色発光アパタイトナノ蛍光体近紫外励起用赤色発光ナノ蛍光体の応用の幅を広げるため、Yvo_<4>:Bi^<3+>,Eu^<3+>ナノ蛍光体よりも高い生体親和性を有するEu^<3+>ドープアパタイトに着目した。フランスCIRIMAT Instituteに3ヶ月間滞在し、当該分野の専門家であるDr.Christophe Drouetのもとで研究を行った。Eu^<3+>ドープアパタイトナノ粒子の合成法はすでに確立されているが、分散安定性が低く、強く凝集したナノ粒子が得られるという問題を抱えている。そこで、ナノ粒子の凝集・分散を制御する手法を探究し、親水性高分子鎖を有する配位子で表面修飾することで、分散安定性の高いナノ粒子が得られることを明らかにした。
著者
岡田 謙一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

近年,世界的に様々な分野においてデジタルデータの圧縮技術や伝送技術の進歩により,情報のデジタル化が進んでいる.放送業界においてもデジタル化が進展しており,放送の主流はアナログ放送からデジタル放送へと移行しつつある.一方,大学内の情報環境においては数百Mbpsの高速LAN環境やPCの普及などデジタル情報を取得するための通信基盤が整っている.実際に,大学ホームページでの学内行事などさまざまな情報を取得できるだけでなく,Web上での履修申告というのが主流になっている.しかし,大学内放送ではアナログの音声放送のみであり,しかも授業の妨げになるという理由からあまり頻繁に利用されていないのが現状である.そこで,本研究では次世代のデジタル校内放送を想定した情報配信プラットフォームを提案する.この次世代の校内放送では音声放送のみならず,現在の掲示板に貼られている情報,学事課や図書館からの配布情報などさまざまなコンテンツを対象とすることを想定する.また,コンテンツの形式においても静止画のみならず,動画の作成技術の進歩に伴い動画形式のコンテンツも増加することが予測されるため動画も対象とする.このような想定環境において,以下のような特徴を持つ提案を行った.(1)通信の信頼性を確保できるユニキャストの利点、そしてデータ受信者数が増加してもデータ配信のコストがそれほど変化しないため,クライアント数が非常に多い場合に通信品質を落とすことなく情報配信ができるブロードキャストの利点の双方を生かした通信方式,(2)ユーザ全員が放送することができる自由な放送を可能にすること,(3)放送場所,放送対象,放送チャンネル,放送重要度,有効期間という属性を付加することによる柔軟な放送,(4)静止画の再生時間,繰り返し放送間隔を設定し,コンテンツの属性である放送重要度と有効期間から決定される放送スケジュール.
著者
前野 隆司 昆陽 雅司
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

粗さ感・摩擦感・硬軟感を含む複数の触覚因子を統合したマスタ・スレーブ型触感伝達システムを開発した.このシステムでは,スレーブ側の触覚センサで,状態をリアルタイムに推定し,マスタ側に伝達する.その結果,複数の布素材やエンボス紙をほぼ識別できること,因子数を増やすほど識別率が向上することを確認した.また,触覚遠隔伝達のニーズ調査を行った結果,一般には触りにくいものを触るというニーズが大きいことを明らかにした.
著者
橋本 健史 岡田 泰昌
出版者
慶應義塾大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2003

【目的】:下肢組織をin vitroで保存するための条件を発見し、電気刺激実験系を確立することを本研究の目的とした。【対象と方法】対象は、幼若ラット群(9日齢)5例、若齢ラット群(16日齢)5例、成熟ラット群(生後3ヶ月以上)3例とした。麻酔下に開胸および開腹を行い、大動脈経由で人工的に下肢を灌流・維持できるようにした。自発呼吸活動をモニターした。標本を22℃〜36℃の様々な温度条件下で、至適灌流条件を検索するとともに、灌流液を室内気平衡条件下と高酸素平衡条件下とした場合の標本生存性を比較検討した。成熟ラット群については、腸骨動脈内へカテーテルを挿入し、下肢のみの人工的灌流を行うとともに、至適灌流条件についての検討も行った。吸引電極を用いて足部の各種の遠心性末梢神経の電気刺激を行うことによりin vitroにおいて様々な足運動を再現させることを試みた。【結果】幼若ラット群、若齢ラット群では、適当な条件下では長時間にわたって神経活動を維持・確認しえた。灌流温度としては28-32℃が適していると思われた。また、灌流液組成としては、ブドウ糖30mM,塩化ナトリウム126mM,塩化カリウム5mM、重炭酸ナトリウム26mM、硫酸マグネシウム2mM、塩化カルシウム2mM,燐酸二水素ナトリワム1mMとしそれを、それを酸素95%,二酸化炭素5%で平衡させた条件(pH=7.4)で、満足しうる標本維持結果を得ることができた。【結論】今回の結果から、28-32℃の灌流温度と一定の灌流液組成および至適pH=7.4で摘出下肢組織標本を経動脈的に灌流・維持することにより、神経の電気刺激にも十分、反応するin vitro実験系を確立することができた。これらの成果は、第30回日本足の外科学会と第3回国際足の外科学会で発表予定である。