著者
戸瀬 信之
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

1(特異約なフーリ工積分作用素)線形双曲型偏微分方程式の解の(超局所)特異性の伝播の研究においては、解の特異性の分岐、conical refractionなど様々な現象が解析されてきた。特に、結晶光学に現れるconical rehactionの現象は、自然界に現れる自然なものとして多くの視点から研究が進められてきた。1985年ころから、conical refractionの研究に、余接束をその包合的な多様体に沿って爆裂して解析を行なう第2超局所解析(second microlization)を用いて分析を行なうことが試みられ、P. Laubin(LIEGE大)や私の研究により一定の結果を得る事ができた。第2超局所解析は、包合的な多様体上の超局所特異性を、余接束をその包合的な特性多様体にそって爆裂した空間上で解析を行なうものであるが、上で述べた研究で中途半端になっているものがある。超局所解析では、量子化接触変換、フーリ工積分作用素によつて、擬微分方程式が単純特性的な点において簡単な標準形にうつることが示されているが、第2超局所解析ではこの方向の研究が不十分である。すなわち、変換理論自体はあるのであるが、マイクロ函数の第2超局所特異性を分解した層を部分層として含む第2マイクロ函数の層の枠組みで構成されたものである。この研究では、解の構成に変換理論が使えるように、マイクロ函数の第2超局所特異性を分解した層の枠組みで変換理論を構成するための様々な準備を行なつた。2(第2超局所特異性の基礎的な研究)第2超局所解析で自然に現れる第2超函数の層は、正則包合的な多様体上に制限した佐藤のマイクロ函数の層を含む。この第2超函数の層を退化した偏微分方程式の境界値問題に応用した。
著者
倉田 敬子 上田 修一 村主 朋英 松林 麻実子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

1 電子ジャーナルの現状と研究者の利用(1)既存学術雑誌の電子化の進展状況を継続的に調査することで、電子ジャーナルの黎明期の特徴がわかった。(2)STM分野の日本の研究者への質問紙調査により、電子ジャーナルの利用が急激に普及してきたことが判明した。ただし、利用者の多くがPDF版をプリントアウトしており、EJの新規な特徴を利用したものではなかった。これらの結果は日本および海外の査読つき学会誌に原著論文として掲載された。2 オープンアクセスの現状(1)オープンアクセスに関わる特に海外の政府、学会、出版社、大学等の動向の把握につとめ、Open Access Japanで主要な情報の提供を行った。(2)米国NIHによるPublic Access Policyの発布、実施を受け、医学分野におけるオープンアクセス進展状況調査に着手した。今回は、この施策の影響以前の2005年刊行論文のOA割合(26%)と特徴を明らかにした。(3)機関リポジトリ、オープンアクセスジャーナルの現状についても調査を行い、各時点でのデータを収集した。3 研究者の情報入手、電子メディア利用行動、オープンアクセスへの対処医学分野の研究者が雑誌論文を入手、利用する状況を調査した。最近読んだ論文の約7割が電子ジャーナルであり、PubMedから入手する論文が8割を超えていた。欧米における他の調査結果と異なり、サーチエンジンの利用は多くなかった。オープンアクセスの理念の認知度は34%と低かったが、無料での雑誌論文の利用は、PubMed Centralおよびオープンアクセス雑誌を通してかなりなされていることが判明した。
著者
鎌原 勇太
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

最終年度である本年度は、新たな民主主義指標を作成するという研究課題に基づき、研究実施計画三年目に沿って、民主主義指標を作成した。1.昨年度に引き続き、民主主義の構成要素についてデータ収集を行った。本研究の民主主義指標を構成する要素の一つである予算審議日数は、これまで体系的に収集されてこなかった独自のものであり、資料的に非常に価値のあるものであると考えられる。また、収集したデータを合成した民主主義指標を作成し、国際比較を行った結果、既存の指標では区別できなかった民主主義国間の民主主義の程度の違いを明らかした。さらに、本指標を用いて、民主主義と経済成長との間の関係について暫定的な計量分析を行った結果、それらの間には負の関係があることが明らかとなった。2.研究発表:平成21年度に行った既存の民主主義指標のレビューに関して、「民主主義指標の現状と課題」と題した論文として刊行した。また、民主主義指標め利用に関して方法論的に考察した研究を日韓学術交流シンポジウムで報告した。そして、公共選択論をテーマとする研究誌『公共選択の研究』に、「民主主義指標と『プラグマティック・アプローチ』」として刊行した。さらに、本研究で作成した民主主義指標に関する研究成果の一部については、アメリカで行われたMidwest Political Science Associationの研究大会や日本政治学会の研究大会、そして国際シンポジウムで報告した。3.本研究の研究成果と意義:(1)従来の研究が見逃してきた民主主義の新たな構成要素の発見、(2)民主主義指標の方法論の発展、(3)新たな民主主義指標の作成、(4)民主主義の効果測定、が挙げられ、本研究分野に大きく寄与したと考えられる。
著者
松本 晴子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田文學
巻号頁・発行日
vol.77, no.53, pp.210-211, 1998-05-01
著者
砂原 秀樹 藤川 和利 和泉 順子 森島 直人 垣内 正年 島田 秀輝
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

インターネット上にあふれる情報を収集し処理・公開していくシステムとしてセンサネットワークがあるが, これを安全で安心して利用できるようにするためには、大量の情報源からの情報となる。本研究では、多数のセンサが接続されたインターネット基盤において安定したセキュアの取り扱い、信頼性の確保、攻撃からの保護を実現する基盤技術の開発と運用技術の確立が重要なネットワークを構築・連用する、特に相互監視によって故障・侵略センサノードを自律的に検出し切り離す仕組みと、DDoS等のトラフィックを検出し排除する仕組みの研究開発を目的としている。平成20年度に実施した研究成果としては、センサノード同士が相互に監視し合うことで相手の状態を確認し、相手が出力ずる情報の正当性の検証を行った。これは平成19年度に開発した基盤技術を用い実証実験基盤上の実環境において検証した。サンプリングによって収集したトラフィック情報を解析する事で攻撃トラフィックを検知し、それらの攻撃をミットワークから排除する技術の開発においては、前年度までに開発したセンサのステルス機能と組み合わせることでより強固なセンサネットワーク管理技術の実用化を目指した。また、平成19年度に行った想定される脅威等の分析と対策を用いた実証実験において、ノードの配置手順や登録点准、監視体制等を検討した自律的なセンサネットワークの運用管理技術を検討した。これらの実検証および検討に関しては、国際会議および国内研究会等で研究成果発表を行っている
著者
小沢 慎治 斎藤 英雄
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

本研究はインタラクティブな放送を実現するために、サッカー中継を例に取り上げ、視聴者の意図に適合した視点からの映像を自動的に生成するシステムを開発する事をめざしている。サッカーなど広域にて行われるスポーツにおいてはひとつのカメラですべての動きを撮影することはむずかしく、役割の異なる複数のカメラで撮影して、シーンに適切な映像に切り替えて放送されており、画像処理に基づく自動化が望まれている。視聴者の好みに基づいて視点を選択したいという要求に応える、インタラクティブな映像生成システムを実現することを目的としたもので以下に成果を述べる。多視点撮影環境の構築 複数の解析用の固定カメラはサッカーフィールド全体を取り囲むように設置し、放送用カメラは経験により適切な位置に固定して設置し、試合を撮影するシステムを構築した。サッカーの多視点画像列からの選手およびボールの検出と追跡 フレーム毎のボールの検出にはテンプレートマッチング、フィールド上の選手の検出には背景差分に基づいた抽出手法を用い、フレーム間の追跡を行って軌跡を求めるアルゴリズムを確立した。1台のカメラの画像からボールおよび選手の軌跡の抽出手法は充分な成果をあげている。オクルージョンによる誤りの回避アルゴリズムの開発 1台のカメラの画像処理でオクルージョンが発生した場合には複数のカメラからの画像情報および3次元情報を統合して協調的にボールおよび選手の位置を推測しロバストな追跡を行う手法を開発した。最適視点の決定 ボールおよび選手の追跡情報を評価対象としてそのシーンに最適な視点の放送用カメラを選択する手法を開発した。プレーの判別アルゴリズムの開発 ボールの近傍の選手を検出して、ボールの位置速度情報および選手の動きからパス、シュート、タックルなどのプレーを判別するシステムを構築した。
著者
山岸 敬幸 内田 敬子 山岸 千尋 土橋 隆俊 古道 一樹 牧野 伸司 湯浅 慎介
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

心臓流出路の発生には、おもに二次心臓領域と心臓神経堤由来の2種類の心臓前駆細胞の働きが必須であるが、これらの細胞の相互作用によって正常な流出路が形成される機序はいまだ明確でない。私たちは、二次心臓領域に発現し、心臓神経堤細胞の遊走に関与する神経血管誘導因子・Sema3Cの発現制御機構を明らかにすることにより、流出路発生における両細胞間相互作用に関与する分子機構を解明した。Sema3CのenhancerにlacZ遺伝子を連結・導入したtransgenicマウスの解析とChIP およびluciferase assayを組み合わせ、Sema3Cの上流直接活性化因子としてFoxc1/c2を、上流抑制因子としてTbx1を特定した。遺伝子改変マウスの解析によって、Tbx1の発現低下によりSema3Cが神経堤細胞に異所性に発現し、その遊走を障害することが示唆された。さらに両細胞間相互作用を担う候補タンパクの検討により、Tbx1のSema3C抑制機構は、心臓神経堤細胞において分泌因子Fgf8を介することが推定された。
著者
松尾 光一 山口 徹 高田 康成 戸山 芳昭
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、発生過程と骨折治癒過程における内軟骨性骨化の起動メカニズムを解明した。発生過程の軟骨形成は正常で、骨折時の炎症性メディエーターの産生が低下しているトランスジェニックマウスを解析したところ、骨折線の融合不全を起こしていた。徐放性のPGE2ペレットを骨折線近傍に投与したところ、軟骨形成が回復し、骨折融合が促進された。すなわち、骨形成プログラムの起動メカニズムが発生過程と修復過程とで異なることが明らかになった。
著者
清水 唯一朗
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では戦前日本の二大政党制下における政官関係の研究をベースに、現代日本で現出しつつある戦前日本の二大政党制下における政官関係との比較分析を行った。特に2009年の政権交代以降進行しつつある政治主導と公務員制度改革について、政権交代と政界再編、官僚の政治任用と党派化の問題から現代に有効な知見を得ることができた。それらの成果については『法学研究』などの学会誌をはじめ『朝日新聞』『WEDGE』など一般紙に発表し、現在、書籍としてまとめるべく作業を進めている。
著者
石川 透 佐藤 道生 佐々木 孝浩 寺澤 行忠
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

平成20・21・22年度の3年度に渡り、ニューヨーク公共図書館スペンサーコレクションでの調査研究を行った。その際、反町茂雄氏『ニューヨーク公立図書館スペンサーコレクション蔵日本絵入本及絵本目録』(昭和53年、弘文荘刊、以下、「反町目録」と略称する)を使用し、それが刊行された時点での全貌を把握した上で、研究代表者と連携研究者の4人が、それぞれの専門分野の担当となり、実際の調査の中心となった。その分担は、石川透が物語・説話関係、佐々木孝浩が歌仙関係、寺澤行忠が和歌関係、佐藤道生が漢籍関係ということになった。反町目録に掲載されている作品数は相当数に及び、内容も様々である。それぞれの作品を4人の担当者で分け、下調べをした上で、スペンサーコレクションにおいて、調査・撮影を行うのである。この調査過程において、「反町目録」に掲載されていない収蔵品の存在も明らかになり、より多くの所蔵本を調査することができたのである。この研究の報告会としては、在米のコレクションについての報告会を兼ねた、奈良絵本・絵巻国際会議を、平成20年度にはワシントン・フリア美術館においてワシントン大会を、平成22年度にはニューヨーク・メトロポリタン美術館においてニューヨーク大会を開催した。本来ならば、ニューヨーク公共図書館で開催できればよかったのであるが、残念ながらニューヨーク公共図書館には、コレクションの内容を検討するスタッフが存在せず、最も近い施設でスタッフの存在するメトロポリタン美術館やフリア美術館を使用したのである。これらの集会については、別途紹介予定であるが、盛会の内に、有意義に終えることができた。
著者
宮下 克也
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.119, pp.233-256, 2008-03

特集文化人類学の現代的課題II特集文化人類学の現代的課題II第1部 空間の表象投稿論文I. はじめにII. 字・公民館 1. 沖縄県A町C字 2. 「中心」としての字公民館III. 場所の記憶の覚醒 1. 字誌づくり 2. 青年会の再結成 3. 道ジュネーによる記憶の覚醒・再創造 4. 屋取集落と新興住宅地 5. 意識を覚醒する音 6. 没場所性と始原志向IV. 結語In order to address the needs of a low birthrate and an aging population, we need to reconstruct communities that are declining. The purpose of this paper is to analyze, through concepts, such as memory, space and placeless which is coined by Edward Relph, the process of reconstruction of a community in the suburb of Naha City in Okinawa, where there are longtime residents and newcomers. At first, I will analyze on the community the effect of Azashi-making which means the residents compiling historical data into a book by themselves. Secondly, I will treat the young men's association. The association, which temporarily had suspended its activities, started again a few years ago. They revived an old custom, Eisa, which is the dance devoted to their ancestors. The revival involved both longtime residents and newcomers in the reconstruction of a community. They evoked the community's memories by Azashi-making and the revival of Eisa and began to have a special attachment to their community. Put simply, to reconstruct communities, they instilled their memory into the place which has been mixed by both longtime residents and newcomers.
著者
土光 智子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究は2ヵ年で首都圏近郊に位置しながら大型野生ほ乳類が生息する富士丹沢地域において、ツキノワグマ(Ursus thibetanus)を対象種にエコロジカルネットワークの策定を提案することを目標とした。具体的には、1.丹沢地域のツキノワグマのニアリアルタイム衛星追跡実験、2.移動経路・障害物などの解析およびエコロジカルネットワークの策定と評価、3.WebGIS技術を応用した地域政策立案システムの構築という3つの段階に準じて研究を進めた。第1段階においては、昨年度と同様に、2010年10月に丹沢清川村にてツキノワグマの雌個体1頭へ衛星追跡装置であるGPS付ARGOSを装着し、本研究課題では計2頭のクマの追跡ができた。また、自動撮影カメラによって、最低でも4頭のツキノワグマを判別できた。第2段階では、今年度は、昨年度に得られた追跡データを解析し、ツキノワグマによる沢の頻繁な使用と車両規制がある道路の横断が観察された。生態的回廊の最適な位置を空間的に把握するため、最小コスト経路分析という空間分析手法を用いて高解像度な縮尺(100mメッシュ)でモデリングし、1582km^2のコアエリア、182km^2の生態的回廊、618km^2の緩衝帯から成るエコロジカルネットワークを提案した。一方、既往研究の追跡(14頭)の結果を踏まえて、ツキノワグマの生息確率予測モデル開発により、地域個体群ごとの生息頭数を推定し、ギャップ分析に基づき、当地区におけるクマの生息パッチと潜在的生態的回廊を特定した。この内容は、査読付原著論文として国際誌に発表した。当地区のクマの総個体数から、富士丹沢地域個体群は絶滅が危惧されることが明らかになり、エコロジカルネットワークによりこの2つの地域個体群が内的に繋がったとしても、適切な個体数規模が維持されることは極めて難しいと結論づけられた。
著者
海津 忠雄
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.291-312, 1990-12

文学部創設百周年記念論文集ITreatiseJacob Burckhardts Werk Baukunst der Renaissance in Italienerschien erstmals 1867 als Fortsetzung der Serie Geschichte der Baukunst, die mit dem dritten Band durch den Tod des Verfassers, des Berliner Kunsthistorikers Franz Kugler (1808-1858), unterbrochen war. Im Vorwort zu dieser Ausgabe sagt Burckhardt: Das Werk lasset sich nur in systematischer Anordnung so behandeln, dasse die planvoll bewussete Entwicklung der Kunst durch anderhalb Jahrhunderte hindurch zu einem neuen, konsequenten Stil dem Leser klar gemacht wurde. Seine Beschreibung auf systematische Anordnung verzichtet auf fortlaufenden Text und tritt in einzelnen Paragraphen, die nach Hauptsatzen und Darlegungen geteilt sind, nur die das Ganze der Kunst beherrschenden Triebkrafte in den Vordergrund. Unter §30 ist der Kunsttheoretiker der Fruhrenaissance, Leon Battista Alberti, behandelt: Alberti beruft sich daher nicht auf Triebkrafte, die im Einzelnen ausgedruckt sein musseten, sondern auf das Bild, welches der Bau gewahrt und das Auge, das dieses Bild betrachtet und geniesset. In der Darlegung sagt Burckhardt, dasse Alberti in seiner Jugendschrift della pitturasogar die Bauformen von einer praexistierenden Malerei ableitet; dies heisset die starkste Aussage fur den malerischen Standpunkt der Fruhrenaissance gegenuber den Bauformen. Unter §33 bedenkt Bunckhardt sich wiederum die malerische Architektur: Die Komposition nach Verhaltnissen und fur das Auge ist die Seele der Renaissance. Heinrich Wolfflin tadelt Burckhardts Wortverstand dafur, die Renaissance einen malerischen Stil zu nennen. Wolfflins Auffassung nach ist die Architektur ebenso selbstandig, abgeschlossen, fest-bleibend und tastbar wie der menschliche Leib; der architektonische Raum kann nur wieder mit korperlichen Organen aufgefasset werden. Das klassische Bauwerk ist das, was man gewissermassen mit dem Leib erlebt. Die Stilwandelung der neueren Baukunst verlauft von der Wirklichkeit fur den Korper zur Wirklichkeit fur das Auge. Also erkennt Wolfflin im Gegensatz zu Burckhardt die malerische Architektur nicht in der Zeit der Renaissance, sondern erst im Barock.
著者
岩田 若子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.87, pp.203-218, 1988

はじめに1. Lebensführung概念の2つの側面 : 生活様式と生活態度の相互連関II. ライフスタイル論の展開とその概念規定 : 生活システム論の視点からむすびIn this paper, the concept of life-style will be redefined and reformulated through examining Max Weber's "Lebensfuhrung". This article is composed of two parts. In the first, it is clarified that his "Lebensfuhrung" has two aspects: maintaining the social structure (Japanese version of it, "seikatsu-yoshiki") and changing it (Japanese version of it, "seikatsu-taido"), and that they are mutually related. Secondly it is traced how the theory of lif-style has been developped, and the life-style is redefined from the viewpoint of life-system. The life-style is a patterned ethos, motivated by his own "life-needs" and directed by his own "life-value", according to which an actor or agent should choose "life-relationship" and "life-resources". As his life-style is collectively shared, it becomes a factor of social change. When the life-styles in the "life-world" are incorporated into the present social system, then a social transformation process initiated by the actor or agent of life-style will be terminated.
著者
安藤 洋介
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

1.新規リチウムイオン応答性変色蛍光色素の設計および合成とセンサーデバイス化昨年度合成を完了した新規リチウムイオン応答性変色蛍光色素を、シランカップリング剤を介してガラス基板に固定化することで、リチウムイオンセンシングデバイスを作製し、評価を行った。このデバイスは、水溶液中において、リチウムイオン濃度変化に応じて2つの蛍光極大波長における強度レシオ応答を示し、レシオメトリック測定によって10^<-4>~10^<-1>mol/Lの濃度範囲で再現性の高いリチウムイオン濃度の定量を達成した。さらに、水溶液のpHや妨害イオン種の影響を受けないこと、連続測定可能な高い耐久性も確認された。また、ヒト血清中の既知リチウムイオン濃度の定量測定結果より、タンパクやその他の血清成分の影響を受けないことが確認され、実用応用可能な性能を有することが示された。これらの成果は、公刊学術論文(Analyst,次頁参照)に発表された。本研究により、医療計測ニーズに合う、実用応用可能な高耐久性・高感度・簡便なリチウムイオンセンサーのモデルが確立された。2.新規pH応答性蛍光量子ドットの創製高輝度・高安定イオン応答性変色蛍光ナノ粒子モデルとして、pH応答性量子ドット(無機ナノ粒子蛍光体)の創製に取り組んだ。このモデルは、直径数nmの量子ドット表面にpH応答性を有する有機蛍光色素を修飾する。実験結果より、シリカ薄層でコーティングされた量子ドット表面に色素が修飾されたことを蛍光スペクトル測定によって確認した。この修飾方法の検討結果と、昨年度行った量子ドットの基板への固定化の成果から、pH応答性量子ドットの作製および基板への固定化による、高耐久性・高感度pHセンシングデバイスの作製に向けた基礎的知見が得られた。
著者
阿部 定範
出版者
慶應義塾大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1998

新鮮手術材料を用いた検討では、新鮮胃癌細胞を対象とした時のカットオフ濃度である30μg/mlにおける抑制率(IR_<30>)は0.18〜63.5%に分布し平均±標準偏差は35.2±15.3%あった。同一患者から採取された胃癌細胞および脾細胞に対する脂肪親和性陽イオン/Delocalized lipophilic cations(DLCs)の抑制効果は、腫瘍細胞に対しては明らかな濃度依存的な抗腫瘍効果を示したが、脾細胞に対しては有意な細胞障害性は示さなかった。すなわち、DLCsは同一宿主に由来する腫瘍細胞と正常細胞に対しても選択的な毒性を持つことが示唆された。ヌードマウス可移植性ヒト癌株に関する検討では、大腸癌株Co-4におけるDLCsの抗腫瘍効果は7.5mg/kg/日が、14日間腹腔内に投与された群においては対照群と同様な腫瘍増殖が示されたのに対し、浸透圧マイクロポンプを用いて同量が持続皮下投与された群では相対腫瘍重量T/C値の最小値が59.0%と境界的な抗腫瘍効果が認められた。この結果から、DLCsの同等量投与においては持続投与の方が間欠的投与よりも抗腫瘍効果が高いと考えられた。また、CRL1420、St-4、およびCo-4の3株に対して浸透圧マイクロポンプを用いた20mg/kg/日、7日間の持続皮下投与を行った結果、実験期間中の相対平均腫瘍重量T/C量の最小値が42%以下となり有効と判定された。本投与量におけるマウスの衰弱死亡は認められず、体重減少も20%以下であり、本投与法における最大耐容量と考えられた。実際にHT29に対しては40mg/kg、LST174Tに対しては30mg/kgの浸透圧マイクロポンプを用いた連日投与を行ったが、マウスの衰弱死亡が確認され、本投与方法における最大耐容量は20mg/kg/日、7日間の持続皮下投与であると考えられた。
著者
鈴木 俊夫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.129-144, 2001-02-25

日本政府は,第一次世界大戦の勃発により膨大な貿易黒字を手にすることができた。当時の日本経済には,1913年以前のように貿易赤字を決済するために正貨を確保する必要性が,もはや存在しなかった。だが1923年に至ると,日本政府は関東大震災からの復興資金の調達のために,ロンドンやニューヨークにおいて外債発行活動を再開せざるをえない状況に追い込まれた。戦間期のロンドン金融市場は第一次世界大戦前の「自由な」市場とは著しく様相を異にしていた。本稿は,国際金融に君臨した第一次世界大戦前の時期と比較することにより,戦間期である1924年および1930年に発行された日本政府外債のバックグラウンドとなるロンドン金融市場-外債発行市場の特質を把握しようと意図するものである。
著者
堀江 伸行
出版者
慶應義塾大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

現在のインプラント治療では、1歯に対して1歯以上埋入することが基本とされている。しかし、高齢化社会の到来にともない、インプラント希望患者の高齢化で骨移植や多数歯埋入の手術に対しては全身的にも経済的にも困難な場合が多い。本研究ではインプラント義歯において、義歯床を介してインプラントと天然歯を連結することが可能であるかを模型実験によって裏づけことを目的に行った。その結果研究期間内には予備実験のみしか行えなかったが今後この方法での実験とあわせてコンピューターによる解析で証明できる可能性が示唆された。
著者
井上 浩義 甲斐原 梢 甲斐原 梢
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究課題では、放射線治療・核医学検査において排出される放射性ヨウ素および放射性テクネチウムが水中において陰イオン性を呈することを利用して、(1)携帯型尿濾過器の開発、および(2)隔膜電気浸透法を用いる放射性廃水濃縮処理システムの開発を目的とした。この目的のために、陰イオン交換濾紙膜を5種類および両性イオン交換濾紙膜を1種類新たに開発・製造した。当該イオン交換濾紙膜およびバイポーラー膜を用いて効率的な医療用放射性廃水の処理を可能とした。