著者
Masaki IWAKURA Tetsuro KAWAGUCHI Kohkichi HOSODA Yuji SHIBATA Hideki KOMATSU Akira YANAGISAWA Eiji KOHMURA
出版者
The Japan Neurosurgical Society
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.172-175, 2005 (Released:2005-03-22)
参考文献数
14
被引用文献数
20 22

A 28-year-old man attempted to kill himself with a knife stab into the parietal area. Neuroimaging showed no vascular impairment except slow venous flow around the knife due to tamponading. After obtaining informed consent, the knife was removed through a craniotomy without new brain injury. Postoperative neurological findings showed no deficit. Follow-up angiography revealed no vascular impairment. No infection occurred. Brain stab wounds cause numerous complications, such as intracranial hemorrhage, injury of important vessels, and infections. Minimal blade movement during removal and precautions to prevent massive hemorrhage are essential.
著者
廣田 新平 柴 喜崇 荻野 裕 高瀬 幸 畠山 莉絵
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.EcOF2106, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 近年,要介護者数は増加し,家族が介護を行う割合も高くなっている(荒井,2002).特にパーキンソン病(以下,PD)は60歳代での発症率が高く(Adams,2009),直接,死因となる疾患でないため,長期介護が必要となり,在宅介護での家族の介護負担が大きな問題になっている. 介護負担に関連する要素の一つである睡眠障害はうつ(兼坂,2007),蓄積疲労感(山田,1999)とも関連しており,主介護者の睡眠障害は長期間の介護を行う上で重要視すべき問題である.実際に,睡眠障害はPD患者だけでなく,主介護者でもみられ,主介護者とPD患者の睡眠障害には関連があることが報告されている(Pal,2004).本研究の目的は3年間のPD患者の症状変化が主介護者の睡眠障害に与える影響を明らかにすることとした.【方法】 特発性PD患者14名(Modified Hoehn & Yahr StageIII~V)と同居中の主介護者を対象に調査した.調査項目は睡眠障害の指標としてPittsburgh Sleep Quality Index(PSQI)(/21点),PDの重症度はUnified Parkinson`s Disease Rating Scale(UPDRS)(/202点),うつ病の評価はGeriatric Depression Scale15(GDS15)(/15点)を用い,その他,年齢,性別,介護サービス(訪問リハ,通所介護事業,通所リハ)の合計利用時間などの基本情報の調査も行った.なお,PSQIは6点以上で睡眠障害ありと判断される(Doi,2000).PSQI,GDS15は主介護者,患者を対象とし,調査を行った.1年目をベースラインとし,3年後に同項目の追跡調査を実施し,ベースライン調査時の値と追跡調査時の値の3年間の差を変化量とし算出した.また,PSQI,UPDRSに関しては下位項目の変化量を算出し検討した.それぞれの変化量の相関はSpearmanの順位相関係数,変化の相違はWillcoxon検定にて検討した.なお,有意水準は5%とした.【説明と同意】 参加者には本研究内容を口頭及び書面にて十分説明を行い,自署により同意を得た.【結果】 睡眠障害ありであったものは,全体対象者14名中,ベースライン調査時の主介護者6名(42.9%),PD患者9名(64.3%),追跡調査時の主介護者11名(78.6%),PD患者10名(71.4%)であった.ベースライン調査時,追跡調査時で主介護者のPSQI合計点,下位項目に有意な悪化はみられなかった.一方,PD患者でもベースライン調査時,追跡調査時でPSQI合計点,下位項目に有意な悪化はみられなかったが,下位項目[睡眠剤の使用]のみに悪化傾向がみられた(P=0.07). 主介護者のPSQI合計点の変化量とPD患者PSQI合計点の変化量の間に中等度の有意な相関がみられ(r=0.56,P=0.04),PD患者のUPDRSの変化量とPD患者のPSQIの変化量,PD患者のUPDRSの変化量と主介護者のPSQIの変化量の間には相関はみられなかった.一方で主介護者のPSQIとPD患者のGDS15の変化量の間に中等度の有意な相関がみられた(r=0.61,P=0.02). 3年間の変化量でみるとUPDRS合計点は15.4±20.8(点)と有意に悪化したが,GDS15は主介護者₋0.07±2.6(点),PD患者₋0.5±3.7(点)と,悪化はみられなかった.一週間の介護サービス時間は変化量3.1±5.6(時間)であり,有意に増加していた.【考察】 PD患者だけでなく,主介護者にも睡眠障害は多くみられた.主介護者とPD患者のPSQIの変化量に相関がみられ,PD患者自身の睡眠障害の変化が主介護者の睡眠障害に影響を及ぼすことが示唆された.また,主介護者の睡眠障害はPD患者のうつ症状の悪化に影響をうけることが示されたが,PDの総合的な症状の悪化による影響は見られなかった.PD患者のUPDRSとPSQIの変化量に相関はなく,睡眠剤の使用・介護サービス時間の増加から,PD患者は症状に伴う,睡眠障害の悪化を睡眠剤,介護サービスの利用で対処していると考えられる.また,主介護者は睡眠障害があるにも関わらず,睡眠導入剤などの医学的介入を行っていないことが推測された.【理学療法学研究としての意義】 本研究により,主介護者はPD患者と同様に睡眠障害があるが,PD患者に比べ睡眠障害への対処が十分でないことが示唆された.しかし,主介護者の睡眠障害はPD患者の睡眠障害,うつ症状の悪化に影響を受けるため,PD患者の睡眠障害やうつ病の症状の軽減を図ることで,主介護者の睡眠障害は軽減すると考えられ,主介護者の睡眠に対してもPD患者の睡眠障害,うつ症状を軽減することが重要であることが明らかになった.
著者
山本 正宣
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.144-153, 2009-03-01 (Released:2018-01-31)

システム安全工学について,まずシステムを定義し,その安全性について一般的事項を記述する.システムの安全性を構築するための手順,システムの危険源分析手法のチェックリスト方式,FMEA,HAZOP,FTA及びETA,並びに安全性設計のハードウェア,ソフトウェア,伝送系及び計算機を使用する場合の設計手法,評価手法について解説する.さらに鉄道信号システムを事例とした安全性の構築と評価の概要を記述する.
著者
高辻 正基 金子 忠男
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.529-539, 1977-05-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
40
被引用文献数
1
著者
国分六之助 編
出版者
史談会
巻号頁・発行日
1892
著者
三島才二 編
出版者
聚芳閣
巻号頁・発行日
vol.第1巻, 1925

1 0 0 0 OA 訳註大日本史

著者
徳川光圀 撰
出版者
建国記念事業協会・彰考舎
巻号頁・発行日
vol.二, 1943
著者
土屋 純一 城戸 久
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
建築學會論文集 (ISSN:03871169)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.213-222, 1938 (Released:2017-12-04)

近江彦根城の沿革を考究し、城郭規模の特異點を指摘し、構造外觀の現状を考察し重視すべき點を論述し、建設年代を檢討して我國城郭建築史上の位置に就て述べた。即ち築城の最初は慶長8年佐和山城を現在地に移城せるものであり、後元和8年に到つて規模完備するを得たるを考察し,その繩張は全般的に平山城であるが、なほ山城としての郭配置の形態を多分に保有する點に注意すべきを述べた。天守は3層3重にして附櫓及多門櫓を附加し、初層以上望樓を形成する。本天守は舊大津城天守を移設せるものと傅えられる處を檢討して、少なくも外觀の構成、構架法及唐破風等の細部手法に於て慶長8年築造當時の天守建築の手法より遡り得ると認められるものがあつて、天正13年大津城築城の當時の俤を多分に留めて居ることを考察した。從つて全般的には安土築城以後より慶長初期にかけての我國城郭建築の形態手法を考察する上に於ての最重要遺構であるを結論とし、なほ附論として天守以外の遺構たる西丸三重櫓、太鼓櫓門、天秤櫓門、二丸多門櫓の建設年代に就ての私見を附加し、終りに天守實測圖寫眞の一部を示し附圖とした。

1 0 0 0 峻徳公略傳

著者
岡本由喜三郎 小出植男著
出版者
蜂須賀家
巻号頁・発行日
1919
著者
神應 知道 片岡 祐一 花島 資 中谷 研斗 佐藤 照子 土屋 志保 内藤 亜樹 中村 優 三浦 芳典 浅利 靖
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.835-842, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
28
被引用文献数
2

【目的】多職種運用 ICU栄養管理プロトコール導入効果の検討。【方法】ICU滞在2週間以上の患者でプロトコール導入前と導入後の2群間で栄養管理の結果を後方視的に検討。【結果】導入前(127人)に比べ導入後(103人)では,3週目のプレアルブミン(16.9mg/dL,20.7 mg/dL,p=0.013),4週目のアルブミン(3.3g/dL,3.6g/dL,p=0.025),経腸栄養投与開始日(3.9±4.2日,1.8±0.4日,p=0.038),ICU入室48時間以内の経腸栄養投与率(35.4%,53.4%,p=0.008)が有意に改善した。ICU滞在日数(22.6±11.5日,20.8±7.3日,p=0.15),ICU死亡率(16.5%,8.7%,p=0.059)は改善傾向を認めた。さらに ,48時間以内の早期経腸栄養達成に関する多変量解析では ,プロトコール導入はオッズ比2.16と独立した因子であった。【結論】多職種運用 ICU栄養管理プロトコールは,48時間以内の早期経腸栄養を達成でき,臨床栄養内容を有意に改善させた。

1 0 0 0 OA 万世江戸町鏡

出版者
巻号頁・発行日
1835
著者
土井 佳代 佐藤 修二
出版者
Japanese Society of Mycotoxicology
雑誌
マイコトキシン (ISSN:02851466)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.48, pp.25-27, 1999-01-31 (Released:2010-06-17)
参考文献数
4

10年程前に「味付けアワビ」等と称した調理加工食品が原因とされる食中毒様事例が散見され,神奈川県でも数例の事例に遭遇した.事例はいずれもアワビに似たチリ産ラパス貝によるものだった.ラパス貝はチリからペルーの南米太平洋岸に生息する草食性の巻き貝の一種で,スキソレガイ超科スカシガイ属(原始腹足目)に属し,学名はFissurella maxima Sorbeyで,即時型アレルギーや,Hemocyanineによる抗原性が報告されている.食品加工用原料としてチリよりボイルされたむき身が輸入され,それを調理加工したものが販売されている.中毒様事例の原因解明にあたり実施した試験等について報告する.