1 0 0 0 OA 鈴木棠三先生

雑誌
白梅学園短期大学紀要
巻号頁・発行日
vol.23, pp.136-137, 1987
著者
鶴谷 千春
出版者
The Phonetic Society of Japan
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.102-110, 2007-04-30 (Released:2017-08-31)

本研究は,幼児の音素習得の順序に影響を与えている言語に固有の要因を調査することを目的とした。各言語によって,音素の習得順序には差異があることが知られており,出現頻度やその言語における音韻的役割などが,その原因として挙げられる。日本人幼児の言語習得において,後部歯茎摩擦音/破擦音の習得は,言語一般に考えられているよりも早いことが知られているため,[∫][t∫][s]に注目し,母親の子供への話しかけの中での出現頻度と,その音素の現れる環境を調べた。その結果,母親の発話の中では幼児に対して使う幼児語表現の多さから,異なり語数は少ないものの,後部歯茎摩擦音/破擦音の延べ出現数が高くなっていることがわかった。
著者
宮口 誠矢
出版者
日本教育政策学会
雑誌
日本教育政策学会年報 (ISSN:24349461)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.25-38, 2020

Homeschooling in a broad sense implies not only educational opportunities where parents solely provide formal education for their children who do not go to school at all. In the United States, homeschools and schools are involved in various ways. The article aimed to review such homeschooling systems in the U.S. and to suggest the issues to be explored. There are some systems or programs, such as dual enrollment and assistance programs, to offer some public support for homeschools run by parents. Schools or public agencies, in some cases, run homeschools by themselves. Through examining these homeschools, I find two theoretical types of homeschooling: one as"exit"from schools, and the other as"extension"of schools. Both types of homeschools require consideration of measures to evaluate input or outcome. In addition, the"exit"type of homeschools raises the issues of what actors other than schools can properly provide compulsory education and of what tasks these providers undertake. When more than one person or institution provide compulsory education for a child, it should be made clear how they are collectively accountable for education. Finally, I offered some policy recommendations for the revision of compulsory education system in Japan.
著者
高橋 聖和 栗田 典之
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
Journal of Computer Aided Chemistry (ISSN:13458647)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.178-189, 2006 (Released:2006-11-23)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

アデノシン三リン酸(ATP)は、高エネルギー結合を持つ分子として、生体内での様々な機構に必要なエネルギー源として広く利用されている。本研究では、ATPが有する特徴を明らかにする目的で、ATP、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン一リン酸(AMP)、及びグアノシン三リン酸(GTP)の安定構造と電子状態を、密度汎関数法に基づく高精度分子軌道計算により解析した。さらに、これらの分子とMg2+の複合体の安定構造と電子状態を解析し、ATPとMg2+の結合が最も強く、Mg-ATP複合体が加水分解しやすいことを明らかにした。
著者
勝浦 眞仁
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2-3, pp.167-178, 2020 (Released:2021-08-04)
参考文献数
23

本研究の目的は,障害のある子どもをもつ親の内面で,障害を巡って揺れ動いている心性の両面を描き出すとともに,それを支える保育環境を明らかにすることである。自閉症で知的障害のある幼児をもつ両親に,園でのエピソードを提示し,父と母それぞれが,園での姿をどのように受け止めたのかを語りから迫ることを試みた。 その結果,「障害児の親」であるとともに,障害の有無にかかわらず「この子の親」であるという,親ならではの心性に揺れ動いていることを見出した。そして,園に「我が子がいる意味」を実感することが,親にとって大きな支えとなることを明らかにした。さらに,その実感が生まれる要因となる保育環境についても言及した。
著者
小松 孝徳 鈴木 健太郎 植田 一博 開 一夫 岡 夏樹
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.121-138, 2003-03-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
21
被引用文献数
3

The effects of the speaker's adjustment of the teaching strategy and the use of paralanguage information of speech to acquire its meaning were clarified by means of experiment: In the experiments, two subjects played a game of Pong: one of the subjects (operator) could not understand linguistically what the other one (teacher) was saying. The results of these experiments revealed the following. First, the teacher's high-pitched voice drew attention of the operator's current action. Second, the process of meaning acquisition can be regarded as reinforcement learning based on a multi-reward system (i.e., a positive reward for correct actions and a negative reward for incorrect actions, given in the form of the teacher's high-pitched voice). Finally, mutual adaptation between the subjects was observed, that is, the subjects learned to respond appropriately to each other's behavior. It is concluded that the above three phenomena are important to the process of meaning acquisition and can be viewed as the basic requirements to enable the acquisition of meaning of unknown speech, and to construct an adaptive sound interface, which can provide a natural interaction enviromnet for its user.
著者
藤田 智成
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.47, no.SIG12(ACS15), pp.411-419, 2006-09-15

Linux Target Framework(tgt)は,ストレージターゲットドライバのための新しいフレームワークである.tgtが提供するストレージプロトコルに非依存なAPIを利用することで,SCSI,AOE,NBD等の様々なSANプロトコルのターゲットドライバを簡素化することができる.ストレージプロトコルに依存する機能は,各プロトコルライブラリによって提供される.tgtは,信頼性向上,および,開発・保守を容易にするため,ストレージプロトコルの処理等,主要な機能をユーザ空間に実装している.商用環境を模擬した実験で,tgtはカーネル内部に実装されたストレージターゲットドライバと同等の性能を達成した.
著者
伊藤 恭子 高橋 愛里 斎藤 たか子 宮 政明 溜井 紀子 武藤 重明 安藤 哲郎 筒井 貴朗 小川 哲也 永野 伸郎
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.585-592, 2019 (Released:2019-10-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

【目的】シナカルセトをエボカルセトへ切り替え, 血清値, 併用薬剤, 上部消化管 (GI) 症状に対する影響を実臨床下で検討した. 【方法】シナカルセト処方中の血液透析患者147人を, エボカルセトの1mgに一斉に切り替え, 8か月後まで観察した. また, GI症状および服薬アドヒアランスに関するアンケートを実施した. 【結果】切り替えにより, 血清PTHの上昇が認められたが, 血清補正Caの上昇は一過性であり, 速やかに投与前値に復した. 直前のシナカルセト投与量と1か月後のPTHおよびCaの変化量との間に正相関が認められた. また, PTH変化量はCa変化量と正相関し, Caの上昇は骨由来であることが示唆された. 併用薬剤の有意な変化は認められなかったが, 消化管運動改善薬を中止できる症例が散見された. アンケートの結果, GI症状のある患者は切り替え後で減少し, 服薬遵守率は上昇した. 【結語】エボカルセトは, シナカルセトに替わる有用なカルシミメティクスである.
著者
加登 豊
出版者
日本管理会計学会
雑誌
管理会計学 : ⽇本管理会計学会誌 : 経営管理のための総合雑誌 (ISSN:09187863)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.3-20, 2022-03-30 (Released:2022-03-30)
参考文献数
44

本稿は,2021年度日本管理会計学会全国大会(主催校:長崎県立大学佐世保校(リモート開催))の特別企画報告「再び「管理会計のレゾンデートル」について」(2021年8月27日(木))の概要を,それに先行して公表した二編の論文(加登2020, 2021)やここ数年の学会報告も踏まえて取りまとめたものである.管理会計の存在意義の確認が研究遂行上,不可欠であることを強調した後に,管理会計の研究・教育の高度化を達成し,加えて,経営実践での有用性を獲得するために取り組むことが望まれるアクションを示す.具体的には,経営者・経営幹部・他領域の研究者との「対話」を促進すること,管理会計の魅力を広く喧伝すること,管理会計教育の一層の高度化を果たすことなどがある.
著者
加登 豊
出版者
公益財団法人 牧誠財団
雑誌
メルコ管理会計研究 (ISSN:18827225)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.3-18, 2021 (Released:2022-03-08)
参考文献数
101
被引用文献数
1

「管理会計とは何か」「管理会計の本質はなにか」「管理会計に期待される機能は」という根源的な問いに答えることなく,あるいは,これらに対する回答は自明であるという前提のもとで現在の管理会計研究は進められている。かつて,管理会計研究の主要テーマであった管理会計の存在意義の検討は,いつの間にか行われなくなった。そのこともあって,昨今の管理会計研究は,管理会計の経営実践への有用性という視点から見れば羅針盤を失って漂流する難破船,あるいは,荒地に勝手気ままに育つ根無し草の様相を呈している。そのような管理会計研究は,経営者や上位管理者からも,また,他の経営学の研究者からも一瞥もされない。それにもかかわらず,研究者にはこのような現状を憂うる気配すらない。 本論文では,管理会計の存在理由を再確認した後に,なぜ管理会計の意義は忘れられがちになるのかを説明する。そして,管理会計の有用性を経営実践の場で正しく認識してもらうための方策やこのトピックスに関する検討事項を明らかにする。
著者
鈴木 健吾
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.91, no.5, pp.266-270, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)
参考文献数
8

我々は,宇宙機への応用を目指した新しい方式の水素センサを,JAXAと共同で開発している.宇宙機向けの水素センサには,酸素が共存しない環境や真空中でも微量の水素を検知することが求められる.開発したセンサは,酸化物イオン・電子混合伝導体である酸化セリウム(セリア)を感応材料に用いた基板型で,500℃に加熱して動作させる.不定比性の酸化物であるセリアは,加熱状態で酸素分圧に応じて酸素を吸蔵・放出する性質がある.一方,水素共存下では,水素はセリア表面に解離吸着し電荷が移動することで電子伝導性(抵抗値)が変化する.つまりセンサの抵抗値は,全圧にはよらず酸素/水素分圧比に依存する.このセリア表面での平衡反応をクレーガー=ビンク表記法で表し,ガス分圧とキャリヤ濃度の関係からセリア表面のガス吸着の状態を考察した.さらにin-situ XAFS観察により,水素吸着前後のセリアの価数変化はわずかであることを確認し,これらの結果から検知メカニズムを明らかにした.
著者
武久 堅 Tsuyoshi Takehisa
雑誌
人文論究 (ISSN:02866773)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.1-18, 1964-07-10
著者
吉田 康太 藤野 毅
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4J3GS204, 2020 (Released:2020-06-19)

深層学習(DNN)システムにおけるセキュリティ課題として,バックドア攻撃が知られている.画像認識におけるバックドア攻撃では,攻撃者はDNNモデルの学習データセットに,特定位置へのドット付与などの目立たない加工を施し,加工前とは異なるターゲットラベルを設定した少量の異常データ(ポイズンデータ)を混入させる.このデータセットを用いて学習したDNNモデル(バックドアモデル)は,正常な入力に対しては正常に推論を行うが,ポイズンデータと同様の加工が施された入力に対しては,推論結果がターゲットラベルに誘導されてしまう.本稿では,DNNモデルユーザ(防御者)がラベルのないクリーンなデータを収集できるタスクを想定し,蒸留を用いたバックドア攻撃への対策を提案する.バックドアモデルを教師とし,クリーンデータを用いて蒸留することで,ポイズンデータの影響を排除した生徒モデルが得られる.更に,バックドアモデルと生徒モデルそれぞれで学習データセットを分類した時の推論結果の差分から,学習データ5万件の中に100件のみ含まれるポイズンデータの候補を約550件まで絞り込むことができる.
著者
小林 哲
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.29-40, 2021-06-30 (Released:2021-06-30)
参考文献数
28

地方は,長期に渡り構造的問題を抱えており,それを解決する方法として注目されているのが,交流人口を糧とする地域ブランディング手法に基づく地域経済の活性化である。しかし,現在,新型コロナウイルス感染症の蔓延により,その政策が実行できずにいる。そこで,本稿では,コロナ禍での地域ブランディング政策を,①交流人口を維持するための政策,②交流人口に代わる市場の開拓,③交流人口以外を糧とする地域ブランディング政策の可能性の3つの視点から考察する。なお,コロナ禍での政策には,構造的問題の解決という長期的視点(線)と,コロナ禍という特殊状況への対応という短期的視点(点)の両方が必要となる。本稿では,この両方の視点を踏まえて,コロナ禍での地域ブランディングの在り方を明らかにする。
著者
中川 宗人
出版者
関東社会学会
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.33, pp.192-203, 2020-07-31 (Released:2021-08-24)
参考文献数
26

Through the analysis of textbooks, this paper reveals the structure of research topics on the sociology of work in postwar Japan. The analysis revealed the following points. (1) The number of textbooks in the sociology of work has decreased compared to sociology textbooks in other fields. (2) Until 1970, the structure of topics was centered on organizational theory; since the 1990s, this structure has become fragmented. These findings correlate the view of previous studies that the sociology of work in Japan has stagnated. In addition, this demonstrates the need for a “sociology of the sociology of work.”
著者
宮 一志 田仲 千秋 田中 朋美
出版者
富山大学人間発達科学部発達教育学科発達福祉コース
雑誌
とやま発達福祉学年報 (ISSN:21850801)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.23-27, 2016-07-28

発達障害が疑われる小児のうち就学年齢以降で受診する例では認知機能・能力の偏りが軽度であるにも関わらず、二次障害を合併していることが多いとされている。本研究では2010年4月から2015年9月までに富山大学附属病院を受診し、発達・知的障害と診断された6歳から15歳までの小児において、受診時の年齢により(小学校低学年群、小学校高学年群、中学生群の3群)、二次障害の発生頻度に差が見られるか、x二乗検定により解析した。その結果、年齢群と受診時の二次障害の有無では有意差が見られた( X 2(2, N=95)=12, p<0.01)。残差分析により小学校低学年での受診では二次障害の合併が少ないことが示唆された。発達障害児が二次障害を起こさないためには教育・保健・福祉・医療の連携協力を進め、個々の子どもたちの特性や能力を早期に把握して、個々に応じた支援・教育を行っていく必要があると思われた。