著者
孟 琦 熊丸 陽奈 今村 美穂 中尾 隆人 小幡 明雄 菅原 悦子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.214-220, 2014 (Released:2014-09-05)
参考文献数
28
被引用文献数
4

調理加熱前後の生醤油と火入れ醤油から,香気濃縮物を調製した。香気濃縮物のGC-O分析により生醤油では火入れ醤油より甘く香ばしい香気成分が多く感知でき,スモーク様の香気成分は少ないこと,生醤油は調理加熱により感知できる香気成分が加熱前より増加することが判明した。AEDA分析により,生醤油で最も高いFDf成分は甘いカラメル様のHEMFと花様の2-phenylethanolであり,火入れ醤油ではHEMFと燻製様の4VGであることが判明した。さらに,調理加熱後も生醤油ではHEMFの寄与が最も高く,火入れ醤油ではHEMFの寄与度が低下した。甘く香ばしい香りを持つ生醤油は,調理加熱後も火入れ醤油と比較してより複雑な香りになることが明らかになった。さらに,官能評価により,調理加熱した生醤油の甘く香ばしい香りは調理加熱した火入れ醤油より有意に強いことが確認され,この香りの特徴は「豚肉のしょうが焼き」において好まれる傾向があることが判明した。
著者
神保 雅人 藤井 寛
出版者
東京経営短期大学
雑誌
東京経営短期大学紀要 (ISSN:09194436)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.31-40, 1999-03-31

インターネット接続もクライアント数が増加すると,回線の高速化だけでは対応し切れなくなる。本稿では,その解決策としての2系統のインターネット接続について考察する。接続の仕方には様々な方法があり得るが,実例として,東京経営短期大学のLAN環境に最適な方法について論ずる。
著者
志村 保彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.96, no.12, pp.814-822, 2001-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

しょうゆの基本技術として, 本醸造しょうゆを中心に「原料処理から製品」に至るまでを2回にわたって93巻1, 2号に解説してもらった。今回は最終工程である精製加工技術について解説して戴いた。今回, しょうゆの基本技術の (その3) をもって全工程を網羅したことになる。その1, 2, 3を併せて活用戴きたい。
著者
萩野 達也
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1_16-1_32, 1990

<p>カテゴリー理論的関数型言語は,カテゴリー理論に基づいた関数型プログラミング言語で,カテゴリー理論的に随伴関手を使ってデータ型を定義し,その上でプログラムを書くことができる.この言語では元々定義されたデータ型が存在せず,すべて随伴関手の機能を使って定義される.定義可能なデータ型には,終対象,始対象,積,和,関数型,自然数,有限リスト,無限リスト等がある.また,この言語は,制御構造も元々は定義されておらず,データ型の定義と共にそのデータ型に関する基本演算および制御構造が定義される.そして,プログラムの実行のための計算規則は,カテゴリー理論によって,単純な統一されたものとなっている.</p>
著者
斉藤 一三 林 滋生
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.181-184, 1973 (Released:2016-09-05)
被引用文献数
5 4

The morphological characteristics in the terminal part of abdomen of Periplaneta fuliginosa (Serville) were studied from the newly emerged first instar nymph through the whole developing stages until adults. Except the first instar nymphs which were obtained escaping from the oothecae the specimens used for the present observations were collected by the bait traps set in a building. The morphological changes which took places during the course of developing could be traced into two directions, that is, one to female adult and another to male adult. The presence and the developing of a notch at the middle of hind margin of the ninth abdominal sternite as well as the styli growing on the ninth sternite, and the striking development of the seventh sternite were noticed in the specimens developing to females. With the specimens growing to males no notch was observed at the margin of the ninth sternite and either the eighth, the ninth sternites or the styli remained unreduced while developing. These characteristic features enabled the sexing of cockroach through the whole developing stages.
著者
三木 美代子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.26, 1954-02-15

みな樣方のお勤めになられる病院の内に,ストレプトマイシンの使用後の空びんを,大切に保存なされる所もあるかは存じませんが,数多い所では,無益にお捨てになる所もあると存じます。当院もその一例にもれません。 その無益に捨てますストマイの空びんを,一寸拾い上げてみて頂きたいのでございます。そう大して時間はかゝりません。空びんの口に挾みを入れてゴム栓をはずしてはがしたゴム栓を,私は血沈用のゴムの代用品に使いました。皆樣方の内には,すでにお気付きでそのようにお使いの所もおありでしようが,もしお知りにならない方は,どうぞ一度試して下さいませ。
著者
坂上 裕都 高間 康史
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第28回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.245-248, 2012 (Released:2013-07-25)

稿では,すれちがい通信を用いた,大域ネットワークに依存しない情報共有システムを提案する.災害が発生した際の避難行動時における情報共有では大域ネットワークに依存しないこと,および明示的操作をなるべく必要としないことが要求されると考える.提案手法ではAndroid端末のBluetooth機能を用いてすれちがい通信を実現し,他端末へ送信する情報の自動選択手法を備える.本稿では,実装したプロトタイプシステム及び情報自動選択手法の特性についてのシミュレーション結果を示す.
著者
石井 光廣 加藤 正人
出版者
千葉県水産研究センター
巻号頁・発行日
no.4, pp.7-15, 2005 (Released:2011-03-05)

1)東京湾に発生する貧酸素水塊の分布(底層の溶存酸素量分布)と底びき網によるスズキの漁獲位置について水塊分布とスズキ漁獲位置との対応関係について検討した。2)春季-秋季に発生する貧酸素水塊の規模にともないスズキは東京湾の富津岬以南に移動すると考えた。3)夏季湾内に残っていたスズキは、貧酸素水塊を避けるように分布し、とくに貧酸素水塊と貧酸素水塊外の境界付近で多く分布することがある。
著者
濱田 敦
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.91-114, 1950
著者
細野 敏夫
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. A (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.99, no.10, pp.494-500, 1979-10-20 (Released:2008-06-30)
参考文献数
7
被引用文献数
4 3
著者
清水 康敬 山本 朋弘 堀田 龍也 小泉 力一 横山 隆光
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.293-303, 2008-12-20 (Released:2016-08-05)
参考文献数
4
被引用文献数
6

授業でのICT活用による学力向上を実証するために,全国の教員に依頼して,ICTを活用した授業と活用しない授業を実施した結果を報告してもらい,それらを総合的に分析評価した.まず,授業を実施した教員が決めた評価の観点に基づいて分析し,ICTを活用した授業を実施した教員は,ICT活用によって児童生徒の学力が向上すると実感していることを示した.また,授業後に,児童生徒の意識調査に関するアンケートを実施してもらい,因子分析を用いて因子を抽出し,因子ごとにICT活用の有無による差を調べたところ,授業にICTを活用した場合の方がいずれの因子においても有意に高い効果が得られることを示した.さらに,授業後に実施した児童生徒に対する同一の客観テストの結果を総合的に分析評価し,ICTを活用した授業の方が,活用しない授業よりテストの成績が有意に高いことを示した.
著者
小俣 訓子 高倉 義幸 窪田 健児 濵本 和孝 岸本 風汰 飯田 美穂 唄 大輔 高倉 義典
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0331, 2017 (Released:2017-04-24)

【はじめに】足関節の機能を評価する指標として足関節・後足部判定基準(JSSF scale)が日本足の外科学会で制定されている。これは疼痛,機能,アライメントの3大項目から成り,合計100点満点で構成されている。末期の変形性足関節症(OA)などにより日常生活動作(ADL)に支障を来す症例に対し,足関節固定術(固定術)や人工足関節全置換術(TAA)が行われる。現在までに固定術およびTAAの術前後や術式間において,JSSF scaleなどを用いて足関節の機能を定量的に評価した研究は極めて少ない。機能の改善には術前後における理学療法も重要であるため,当院ではこれらの手術例に対し,JSSF scaleの変化および機能向上の指標になる関節可動域(ROM)について,術前後あるいは術式間で比較検討したので考察を交えて報告する。【方法】対象は当院で2011年7月~2016年8月の期間に固定術あるいはTAAを行ったOAを中心とした49名49足(固定術20足,TAA29足)である。年齢35歳~89歳(平均70.02歳),男性15名,女性34名であった。術前の理学療法は患側の関節可動域運動(ROMex),足関節周囲筋の筋力向上運動を実施し,術後4週間のギプス固定期間中は足関節周囲筋の等尺性収縮運動,患部以外の運動,ギプス除去後は段階的に患側のROMex,さらに筋力向上運動を実施した。評価項目は,JSSF scaleと足関節のROMを術前と術後12か月で測定した。統計学的解析は,JSSF scaleの3大項目と合計点数,さらに足関節ROMについて術前後あるいは術式間でt検定を用いて比較検討した。有意水準は5%未満とした。【結果】固定術ならびにTAAの術前後において,JSSF scaleの3大項目のすべてで術後有意に改善が認められた(p< 0.05)。OAに対する手術療法の目的は除痛とアライメント矯正であり,前述の改善を認めたことは手術の目的を果たしていた。そして,術式間の比較ではJSSF scaleの3大項目すべてにおいて有意差は認められなかった。つまり,いずれの術式においてもJSSF scaleによる機能評価では有意に改善していたと考えた。ROMに関しては,固定術およびTAAともにすべての方向において術前後で有意差が認められなかった。これは術前のROMが維持できていると考えられ,術前からの理学療法の効果と考える。また,術式間でのROM比較では,術後の底屈および背屈で固定術群に対してTAA群で有意に改善が認められた。これはTAA群では関節置換によりROMがより向上した結果と考えられる。【結論】JSSF scaleとROMの比較により,固定術およびTAAともに術前に比して術後にROM低下は認められず,ADLとROMの改善には術前後における理学療法が重要であると考える。
著者
市橋 康佑 上田 雄也 松野 凌馬 中村 瑠美 神崎 至幸 林 申也 橋本 慎吾 丸山 孝樹 酒井 良忠
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0014, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】近年,人工足関節全置換術(TAA)は,重度な変形性足関節症や関節リウマチにより高度に破壊された足関節に対する治療法として,選択施行されている。TAAの長期予後として,優れた除痛効果と関節可動域(ROM)の温存ならび改善に優れると報告されている。しかし,TAA術前から術後早期に身体機能変化について検討したものは見当たらない。また,術後の最大歩行速度(MWS)の低下は,手段的日常生活動作の低下や転倒のリスク因子であると報告されている。しかし,TAA術後のMWSに関連する因子についての報告はない。そこで,本研究の目的は,TAA術前と術後3ヶ月の身体機能の変化を比較検討するとともに,術後のMWSに関連する因子について検討することとした。【方法】対象は,2014年4月~2015年7月の期間に当院整形外科にて,TAAを施行された13名13足(男性3名,女性10名,年齢75.6±6.0歳)とした。13足のうち,変形性足関節症が12足,関節リウマチが1足であった。測定項目として,以下の項目を術前と術後3ヶ月で測定した。(1)他動ROM:足関節背屈および底屈のROMを測定した。(2)疼痛:歩行時の足関節の痛みについてVisual analog scale(以下VAS)を用いて数値化した。(3)歩行速度:10m歩行路の歩行時間を測定し,MWS(m/分)を算出した。統計解析として,術前と術後3ヶ月の各測定項目についてPaired t-testを用いて比較した。また術後3ヶ月において,MWSと背屈ROM,底屈ROM,VASの関連についてPearsonの相関分析を用いて検討した。すべての統計解析にはJMPver11.0を用い,有意水準は5%とした。【結果】背屈ROMは術前3.5±4.3°から術後7.3±3.9と有意に改善したが,底屈ROMは31.5±8.3から30.7±10.0°と有意な変化を示さなかった。また,VASは69.8±18.6から37.0.±20.7,MWSは54.4±20.0m/分から69.6±18.4m/分と有意な改善を認めた。術後3ヶ月において,MWSと背屈ROM(r=0.71),底屈ROM(r=0.56),VAS(r=0.56)とそれぞれ有意な相関関係が認められた。【結論】TAA術後3ヶ月では,術前に比べ背屈ROM,歩行時のVAS,MWSに有意な改善を認めた。術後3ヶ月におけるMWSに関連する因子として,背屈ROM,底屈ROM,VASに関連があることが示唆された。