1 0 0 0 OA 文政武鑑 4巻

出版者
千鐘房須原屋茂兵衛
巻号頁・発行日
vol.[5], 1823
著者
三反畑 修 綿田 辰吾 佐竹 健治 深尾 良夫 杉岡 裕子 伊藤 亜妃 塩原 肇
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

2015年5月2日に鳥島の近海で発生したM5.7の地震は,震央から約100km北方の八丈島では60cmの津波が観測されるなど,地震の規模から想定されたよりも大きな津波を引き起こした「津波地震」であったと言える.Global CMT解の震源は,伊豆・小笠原海溝に沿った火山体である須美寿カルデラ付近の地下浅部に定まっている.この地域では規模・震源メカニズムの類した地震が,1984年,1996年,2006年に観測され,同様に津波を発生させている(Satake and Gusman, 2015, SSJ).1984年の地震に関して,Satake and Kanamori (1991, JGR) は長波近似を用いた津波伝播シミュレーションにより,円形の隆起の津波波源モデルを提案した.震源メカニズムは地下浅部でマグマ貫入に伴う水圧破砕(Kanamori et al., 1993)や,カルデラの環状断層(Ekström, 1994, EPSL)の火山活動に伴うCLVD型の地震モデルが推定されている.2015年の鳥島地震による津波は,海洋研究開発機構が設置した10の海底水圧計から成る観測点アレーによって観測された.水圧計アレーでの観測波形は,波束の到達時間が長周期ほど遅くなる分散波としての特徴を示しており,特に位相波面の到来方向が観測点と震源を結ぶ方向から,低周波の位相波面ほど大きく外れるという特異な傾向が確認された(深尾ほか,本大会).本研究では,津波を分散性の線形重力波として扱い,周波数ごとの位相波面およびエネルギー波束の波線追跡をおこなった.まず,線形重力波の理論式と平滑化した水深データを用いて,各周波数での二次元位相速度場・群速度場を反復計算により帰納的に計算した.位相速度・群速度の両速度場を用いることで,周波数ごとの位相波面およびエネルギー波束の伝播時間の測定が可能になる.そして,球面上の地震波表面波の波線方程式(Sobel and Seggern, 1978, BSSA; Jobert and Jobert, 1983, GRLなど)と同様な方程式について数値積分を行い,須美寿カルデラを波源とする各周波数の波線を追跡した.周波数に依存する波線追跡の結果,低周波の波ほど水深の影響を受けて波線が大きく曲がる様子が確認された.特に,波源から北東へ射出した波線が北側に大きく曲がり,周波数が低いほど波面の進行方向が変化する傾向が見られた.この結果は,水圧計アレーに入射する位相波面の到来方向が周波数に依存して変化するという観測結果と調和的である.また,波線追跡に基づくエネルギー波束(群速度)の到達時間は,水圧計アレーの各周波数帯における波束の最大振幅の到達時間によく一致した.さらに,周波数帯によらず波源の北方向で波線が集中する様子が確認された.この結果は,北側の広い方向に放射された波が地形変化による速度勾配によりエネルギーが集中することで,八丈島での振幅が大きくなった可能性を示唆している.本手法による周波数に依存する波線追跡により,長波近似がよく成り立つ長周期の波動だけでなく,分散効果により後続波として到達する高周波の波についても同様に波線を追跡し,津波伝播の特徴をより詳細まで捉えることができる.例えば,周波数帯ごとの津波の伝播経路上の特徴的な地形が波形に与える影響を考察することや,高周波の後続波を含むエネルギー波束の到達時間を,少ない計算量で推定することが可能になる.
著者
福島 俊一 藤巻 遼平 岡野原 大輔 杉山 将
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.543-554, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
30
被引用文献数
3

機械学習技術を用いることで,過去の事例・観測データからの学習に基づく,モノやコトの判別・分類,予測,異常検知等の知的な判断をコンピューターで実現可能になる。ビッグデータの活用と相まって,さまざまな問題解決に機械学習技術の適用が広がっている。本稿では,問題解決への適用という視点から重要と考える技術的チャレンジの方向性として,(1)学習結果の解釈性の確保,(2)機械学習から意思決定まで通した解法の実現,(3)深層学習の高速化・高効率化,(4)機械学習型システム開発方法論の確立,という4点について述べる。
著者
北岡 元
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.583-588, 2017-11-01 (Released:2017-11-01)
参考文献数
6

インターネットという情報の巨大な伝送装置を得,おびただしい量の情報に囲まれることになった現代。実体をもつものの価値や実在するもの同士の交流のありようにも,これまで世界が経験したことのない変化が訪れている。本連載では哲学,デジタル・デバイド,サイバーフィジカルなどの諸観点からこのテーマをとらえることを試みたい。「情報」の本質を再定義し,情報を送ることや受けることの意味,情報を伝える「言葉」の役割や受け手としてのリテラシーについて再考する。第6回は,インフォメーションからインテリジェンスをつくり出すための「分析」に的を絞り,分析が失敗する原因にも着眼しながら,広がりゆくインテリジェンス研究の実際を追う。
著者
石井 由香理
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.106-123, 2012-06-30 (Released:2013-11-22)
参考文献数
29
被引用文献数
3 3

本稿では, 性別に違和感を覚えた経験をもつ3人のインタビュー対象者の語りから, かれらの自己像について, 共通する特徴を考察した. 現在, カテゴリーとの差異のなかに自己像を見出している3人の語りに共通するのは, マスメディアなどを通じて性的越境者についての情報を得, かつ, 一度はそれらに積極的に同一化しようとしている点である. しかしその後, 当事者団体や, それらの人々と接触していくうちに, かれらはカテゴリーに同一化するのではなく, 個人のなかに独自のものとしてイメージされる, アクチュアル・アイデンティティを自己像として肯定的に認めてゆく. カテゴリーに伴うイメージやストーリーを学習し, それを意識しつつも, 今度は, それに対する差異によって自らを表象するようになるのである. また, こうした対象者たちのありようは, かれらの身体をも巻き込んだものである. どのような治療や施術をどこまで受けるのかということは, より選択的なこととしてとらえられるようになる. くわえて, セクシュアル・マイノリティ相互の出会いは集合的なアイデンティティの共有を促すばかりでなく, 自己像を個人ごとに独自なもの, 唯一のものとして認知させるような作用を個々人にもたらしていると考えられる. また, かれらの自己像は, 不変的なものではなく, 新たな欲望が生じる可能性, 状況が変化する可能性に開かれている.
著者
Putranto Heri Dwi 楠田 哲士 稲垣 佳代 熊谷 岳 石井(田村) 理恵 氏家 陽子 土井 守
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.569-571, 2007-05-25
参考文献数
9
被引用文献数
2

アムールトラ雌2頭と雄1頭から糞を採取し,凍結乾燥後にメタノールでステロイドホルモンを抽出し,ETA法により糞中含量を測定した.雌のエストラジオール-17βと雄のテストステロン値は,年間を通しで顕著に変動した.雌2個体のエストラジオール-17βはそれぞれ26.4±8.0と28.0±14.2日間隔で上昇した.しかし,プロジェステロンは単独飼育した雌では変動せず,雄と同居させた雌では交尾後増加し,妊娠した1例で最終交尾から106日後に出産するまで高い値が維持されていた.

1 0 0 0 OA [源氏物語]

著者
[紫式部] [著]
出版者
巻号頁・発行日
vol.[24], 1600
著者
Kevin M. Carroll Kimitake Sato George K. Beckham Travis Triplett N. Cameron V. Griggs Michael H. Stone
出版者
Active Aging Research Center
雑誌
Journal of Trainology (ISSN:21865264)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.9-12, 2017-01-26 (Released:2017-04-25)
参考文献数
16
被引用文献数
6

Objectives: The purpose of this study was to examine the relationship of velocities in the back squat between one repetition maximum (1RM) and submaximally loaded repetition maximum (RM) conditions, specifically in regard to what has been described as the minimal velocity threshold (MVT). The MVT describes a minimum concentric velocity that an individual must reach or surpass in order to successfully complete a repetition. Design: To test the presence of a MVT, participants were tested for 1RM and RM back squat ability. The mean concentric veloci ties (MCV) of the last successful repetition of each condition were then compared. Methods: Fourteen male participants familiar with the back squat volunteered to participate in the current study (age = 25.0 y ± 2.6, height = 178.9 cm ± 8.1, body mass = 88.2 kg ± 15.8). The mean concentric velocity (MCV) during the last successful repetition from each testing condition was considered for the comparison. Results: Results indicated a non-significant negative relationship of MCV between the 1RM and RM conditions (r = -0.135), no statistical difference between testing conditions (p = 0.266), with a small-to-moderate effect size (d = 0.468). Conclusions: The results of this study suggest that MVT should be further investigated to enhance its use in the practical setting. Additionally, coaches considering using a velocity-based approach for testing athletes should use data from either 1RM or RM conditions, but not both interchangeably. Coaches should be cautious when considering group averages or comparing velocity data between athletes, which may not be appropriate based on our results.
著者
Won Dong-Sun Park Chul In Young-Joo PARK Hee-Myung
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.551-553, 2004-05-25
参考文献数
9
被引用文献数
7

3ヵ月齢のメスのシベリアトラが,後肢運動失調を主訴として建国大学獣医学教育病院に来院した.患畜は離乳後牛肉のみを給餌されており,カルシウム剤やビタミン剤は与えられていなかった.その症状は運動失調と,触診による後躯の疼痛であった.さらに,歩行異常,体動嫌悪,また神経学的検査により反射運動低下がみられた.レントゲンのラテラル像およびV-D像で腰仙骨の骨軟化性変化が観察された.PTHレベルは,猫のそれと比較して,上昇が認められた.以上の所見から本症例は栄養性二次性上皮小体機能亢進症と診断された.患畜の症状はビタミンDおよびカルシウム投与後,改善された.すなわち本症例は,カルシウムとリンの音量が不均衡な肉食で飼育された野生動物に発生した栄養性上皮小体機能亢進症である.
著者
TEE Hyang PAKHRIN Bidur BAE Il-Hong SHIN Nam-Shik LEE Su-In YOO Han-Sang KIM Dae-Yong
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.69, no.8, pp.851-852, 2007-08-25
参考文献数
10
被引用文献数
8

Staphylococcus intermediusが分離された腎孟腎炎が4歳,雌のシベリアトラ(Panthera tigris altaica)に診断された.剖検では,左腎孟が大量の化膿性滲出液により拡張していた.顕微鏡的には,腎孟と髄質での病変は,主に多量の変性好中球が混在した壊死巣,少量のリンパ球,形質細胞やマクロファージから構成されていた.細菌学検査では,Sraphylococcus intermediusの存在が確認された.これは野生のネコ科動物でのStahpyococcus inermediusによる腎孟腎炎の初めての報告である.
著者
安田 和弘 樋口 貴広 今中 國泰
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.803-806, 2009-12-20
参考文献数
13

〔目的〕本研究の目的は,身体状況の顕在化を促す運動が,その後の姿勢制御課題に与える影響を検討することであった。〔対象〕実験参加者は,健常成人10名であった(平均年齢25.6±6.29歳)〔方法〕両脚立位課題(低難易度条件;実験1),片脚立位課題(中難易度条件;実験2),片脚立位不安定板課題(高難易度条件;実験3)の3種類の姿勢制御課題にて効果を検証した。椅子坐位の閉眼にて四肢,体幹の自動介助運動に意識を向けることで身体状況を顕在化し,介入の前後に身体動揺を測定した。〔結果〕片脚立位課題と片脚不安定板課題では姿勢動揺が減少したが,両脚立位課題では変化が見られなかった。〔結語〕一連の結果から,課題前の身体状況の顕在化を促す運動は,難易度の高い姿勢制御課題の姿勢動揺を減少させ得る可能性が示唆された。<br>
著者
福田 真嗣
出版者
JAPAN BIFIDUS FOUNDATION
雑誌
腸内細菌学雑誌 (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.145-155, 2015

メタボロゲノミクス(Metabologenomics)とは,代謝物質を網羅的に解析するメタボロミクス(Metabolomics)と,腸内細菌叢遺伝子を網羅的に解析するメタゲノミクス(Metagenomics)とを組み合わせた研究アプローチである.われわれの腸管内には多種多様な腸内細菌が生息しており,それら腸内細菌叢が宿主腸管細胞と相互作用することで異種生物で構成される複雑な腸内生態系,すなわち腸内エコシステムを形成している.腸内エコシステムの恒常性を維持することがヒトの健康維持・増進に大きく寄与していることが近年明らかになりつつあるが,逆に腸内細菌叢のバランスが崩れることで腸内エコシステムが大きく乱れると,大腸がんや炎症性腸疾患といった腸管関連疾患のみならず,自己免疫疾患や代謝疾患といった全身性の疾患につながることも報告されている.したがって,腸内細菌叢を異種生物で構成される一つの臓器として捉え,その機能を理解し制御することが,疾患予防・健康維持における新たなストラテジーとして重要と考えられる.近年,特に腸内細菌叢のメタゲノム解析やメタトランスクリプトーム解析により,個々人の腸内細菌叢遺伝子地図や推定される遺伝子機能に関する研究は盛んに行われている.しかし,腸内細菌叢による宿主への直接的な作用を理解する上で重要なカギを握るのは,腸内細菌叢から産生される種々の代謝物質と考えられる.本稿では,腸内細菌叢由来代謝物質が宿主の健康状態にどのように影響しているのかについて,メタボロミクスによる全容理解に向けた近年の取り組みについて紹介するとともに,腸内細菌叢変動とも組み合わせたメタボロゲノミクスの有用性についても議論する.<br>

1 0 0 0 OA 藝海珠塵

著者
清呉省蘭輯
出版者
呉氏聽彝堂刊
巻号頁・発行日
vol.石集第11册, 1000
著者
大矢 雅彦
出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.18-23, 2001-08-10 (Released:2011-07-19)
参考文献数
13
著者
白石 正
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.224-229, 2016 (Released:2016-10-05)
参考文献数
24

消毒薬はいつ頃から使用され,どのような経緯で現在の感染防止に役立っているか,その変遷を歴史から考察した.1840年代にクロール石灰による手指衛生を始めとし,その後,石炭酸,昇汞の使用へと変わっていった.1870年後半に感染症は微生物が原因であることが判明して以来,消毒薬の重要性が広く認識されるようになる.1900年代には合成技術の進歩から多くの消毒薬が合成され,現在でも使用されている消毒薬が登場する.消毒薬は異なっても接触感染防止を唱えたSemmelweis IPやLister Jの意思は現在でも引き継がれている.本稿においては,手指衛生,環境消毒および器具消毒の方法についてその変遷を記述する.
著者
梅原 博行
出版者
一般社団法人 表面技術協会
雑誌
表面技術 (ISSN:09151869)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.42-42, 2006 (Released:2006-07-28)
参考文献数
19
被引用文献数
6 5