著者
佐藤 隆春 中条 武司 和田 穣隆 鈴木 桂子
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.Supplement, pp.S53-S69, 2012-08-15 (Released:2013-02-21)
参考文献数
63
被引用文献数
1 6

室生火砕流堆積物は1960年代以降,大規模な珪長質火山活動の噴出物としてとらえられてきた (志井田ほか, 1960など).ここ十数年の間に,火山地質,地質構造,古地磁気方位,化学組成,構成鉱物の特徴など,多面的な研究が進められてきた.これらのデータの多くから室生火砕流堆積物は,熊野酸性火成岩類や中奥 (なかおく) 火砕岩岩脈群などと共通する特徴を示し,紀伊半島中軸部〜東部に形成されたカルデラ火山群が給源火山であることが明らかになった.室生火砕流堆積物の遠方相に対比される石仏凝灰岩層は給源カルデラ群北端から50 km以上流走したと推定される.本巡検では高温で大規模な火砕流堆積物(high-grade ignimbrite)の岩相と縁辺部における岩相を中心に観察し,大規模火砕流噴火の推移を体感してもらいたい.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.631, pp.256-258, 2007-04

2006年5月,福井県にある単身者向け賃貸マンションの一室で,火災報知器の警報が響き渡った。通報を受けて駆け付けた消防隊員が,窓ガラスを割って部屋に入ったところ,留守中の部屋の電気コンロ上から火の手が上がっているのを発見。すぐに消火に当たったため,幸い電気コンロの周囲を焦がしただけのボヤで済んだ。

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著者
東京市市史編纂係 編
出版者
裳華房
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1907
著者
岡崎 敏昌 塩野 知志 安孫子 正美 佐藤 徹
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.589-593, 2013-07-15 (Released:2013-07-29)
参考文献数
22

症例は78歳男性.2004年8月前立腺癌経過観察中のCTで前縦隔腫瘍を指摘された.胸部X線で右肺門部に突出する腫瘤影,CTで前縦隔に60×28 mmの石灰化を伴う腫瘤を認め,超音波ガイド下針生検を施行した.胸腺腫との診断が得られ,胸腺摘出術を施行した.術後病理は胸腺腫WHO type ABで正岡II期であった.2008年7月から右前胸部に3 cmの硬い無痛性腫瘤が出現した.CTでは前胸壁に45×15 mmの腫瘤であった.胸腺腫の胸壁再発を疑い腫瘍摘出術を施行し,術中迅速で胸腺腫再発と診断した.術後断端陽性であったため放射線治療60 Gyを追加した.現在明らかな再発を認めていない.針生検による穿刺経路播種をきたした胸腺腫の1例を経験したので報告する.
著者
白井 忠功
出版者
立正大学
雑誌
立正大学文学部論叢 (ISSN:0485215X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.36-52, 1967-11-25
著者
清田 雅史 米崎 史郎 香山 薫 古田 彰 中島 将行
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.255-263, 2008 (Released:2009-01-06)
参考文献数
24
被引用文献数
1

伊豆三津シーパラダイスにおいて飼育され1988年から2005年までに死亡した,ラッコ22個体の外部形態の計測値を解析した.年齢と体長から推定した成長式は,雄が雌より速く成長して大型になる傾向を示し,体サイズの性的二型が確認された.飼育下における雌雄の成長速度は,自然界の良好な栄養条件において記録された値と同等以上であった.体各部位の体長に対する相対成長に一般線形モデルをあてはめ,相対成長のパターンと雌雄差をモデル選択により分析した.雄には優成長を示す部位はなく,体の大型化以外に二次性徴は認められなかった.一般に頭,口,前肢は劣成長を示し,後肢や尾部は等成長を示した.頭部や前肢の相対成長パターンは,本種の早成性仔獣の水中生活への適応に関係している可能性が考えられる.
著者
藤高 和輝 Fujitaka Kazuki フジタカ カズキ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科 社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.163-180, 2013-03-31 (Released:2013-03-31)

ジュディス・バトラーがスピノザの熱心な読者であるということはあまり知られていない。しかし、スピノザは彼女にとってきわめて重要な思想家である。実際、彼女は『ジェンダーをほどく』(2004)で「スピノザのコナトゥス概念は私の作品の核心でありつづけている(198 頁)」と述べている。本論はこの言葉の意味を明らかにしようとするものである。バトラーがスピノザの『エチカ』に最初に出会ったのは思春期に遡る。その後、彼女はイェール大学の博士課程でヘーゲルを通して間接的にスピノザと再会する。この二番目の出会いは、彼女の学位論文『欲望の主体』(1987)を生み出すことになる。最後に、このスピノザからヘーゲルへの移行によって、彼女は「社会存在論」を確立することができた。バトラーの著作におけるスピノザのコナトゥス概念に着目することで、私はこれらの運動を明らかにするだろう。そして、このような考察を通して、バトラーの思想においてコナトゥス概念が持つ意味も明らかになるだろう。 It is not well known that Judith Butler is an avid reader of Spinoza. However, Spinoza is a very important philosopher for her. Indeed, she said in Undoing Gender (2004) “the Spinozan conatus remains at the core of my own work (p.198).” This paper tries to elucidate the meaning of this sentence. Butler rst encountered Spinoza’s Ethics during her adolescence. Afterwards, she indirectly met Spinoza again through Hegel during her doctoral studies at Yale University. This second encounter led to the production of her dissertation, Subjects of Desire (1987). Finally, by this journey from Spinoza to Hegel, she could establish “social ontology.” I will make these movements clear by paying attention to the Spinozan conatus in Butler’s works and we can understand what is meant by conatus in Butler’s thought.
著者
小泉 令三
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.203-217, 2016-03-30 (Released:2016-08-12)
参考文献数
56
被引用文献数
7

わが国でも,すべての子どもを対象とした予防教育として,社会性と情動の学習(SEL)に関する研究が進展しつつある。本研究では,そのための学習プログラム(SELプログラム)の学校での実施と持続に焦点を絞り,検討を行った。まず,(1) 社会性と情動の学習および関連する概念を説明した後,(2) SELの実施と持続に関する欧米の研究にみられる諸概念を概説した。そこでは,大きくエビデンス(科学的根拠)の立証と学校等での実施と持続に分けて説明した。その後,これらの動向をふまえて,(3) わが国における今後の取り組みとして,まず学習プログラムのエビデンスの立証について,わが国の教育事情をふまえた妥当性の検討とプロセス評価の必要性を述べた。最後に (4) アンカーポイント(構造化の基点)概念を適用して,わが国での実施と持続への取り組みのための手続きや着眼点の整理を行った。具体的には,教師―子どもシステム,単一の学校システム,中学校ブロックシステム,そして教育委員会レベルのシステムごとに,SELプログラムの実施と持続が促進されるようなアンカーポイントを示し,積極的に利用する方策(アンカーポイント植え込み法)を提案した。
著者
Vitor Mitsuo FUKUSHIGUE HAMA Wei WU Mutsunori YAGIURA
出版者
The Japan Society of Mechanical Engineers
雑誌
Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing (ISSN:18813054)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.JAMDSM0072, 2018 (Released:2018-07-20)
参考文献数
29

The overall planning process undertaken by a bus company is traditionally composed of five sub-processes: timetabling, vehicle scheduling, maintenance scheduling, crew scheduling, and crew rostering. Solving the full optimization problem is believed to be computationally intractable, and therefore in practice the five sub-processes are usually optimized in sequence. In this paper, we present a model that integrates the problems of vehicle scheduling and maintenance scheduling. The objective is to minimize the differences in mileage between buses, the total distance traveled, and the daily differences in the number of maintenance tasks. We propose a heuristic algorithm using the framework of greedy randomized adaptive search procedure (GRASP), and we improve the neighborhood search procedure by using an ordered list of possible trips. We compare the neighborhood search procedure with and without this mechanism and show that the ordered list reduces the number of neighbors to be checked by more than 95%, and it reduces the time to obtain solutions of the same or better quality by an average of 70%. Through computational experiments on instances generated from real-world data, we show that the proposed algorithm finds solutions that are as good as or better than those obtained by a commercial solver in less than 5% of the time required by the latter.
著者
高橋 道宏 多喜田 保志 市川 宏伸 榎本 哲郎 岡田 俊 齊藤 万比古 澤田 将幸 丹羽 真一 根來 秀樹 松本 英夫 田中 康雄
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.23-34, 2011-01-15

抄録 海外で広く使用され,30項目の質問から構成されるConners成人期ADHD評価尺度screening version(CAARS®-SV)の日本語版を作成し,成人期ADHD患者18名および健康被験者21名を対象に信頼性・妥当性を検討した。各要約スコアの級内相関係数の点推定値はいずれも0.90以上であり,また因子分析の結果,ADHDの主症状である不注意と多動性-衝動性を表す因子構造が特定された。内部一貫性,健康成人との判別能力ともに良好であり,他のADHD評価尺度CGI-ADHD-SおよびADHD RS-Ⅳ-Jとの高い相関が認められた。以上により,CAARS-SV日本語版の信頼性および妥当性が確認された。
著者
岡田 斉
出版者
文教大学
雑誌
人間科学研究 = Bulletin of Human Science (ISSN:03882152)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.37-45, 2013-03-01

The purpose of the present study was to explore the frequency of pain in dreams. Three hundred and fifty-four undergraduates, ranging in age from 19 to 32 years, were surveyed using a 13-item questionnaire that asked about the frequency of pain in dreams and a 26-item questionnaire on the frequency of dream recall (Okada, 2000, 2001). Factor analysis of the pain experience indicated that pain in dreams fell into two categories - feeling pain congruent with one's state and not feeling pain congruent with one's state. Feeling pain correlated with the frequency of smell, taste, and touch in dreams, but not feeling pain did not.
著者
伊藤 暢宏 大輪 芳裕 堀越 伊知郎 黒川 剛 鈴村 和義 野浪 敏明
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.645-648, 2004

症例は64歳, 男性。留置所内において, 自殺目的で腹部に箸を突き立て, 壁にぶつかり受傷し, 当院に搬送された。来院時, 意識状態良好で, バイタルサインも安定しており, 腹部は平坦, 貧血を認めなかった。箸は膀部より刺入, 固定されていた。腹部CT検査にて, 箸は1下大静脈を貫通後, 腰部椎体にまで達していたが, 明らかな腹腔内出血, 遊離ガス像は認めなかった。箸刺創による下大静脈損傷と診断し, 緊急手術を施行した。箸は, Treitz靱帯より約30cm肛門側の空腸と, 総腸骨静脈合流部より約2cm頭側の下大静脈を貫通し, 椎体に刺さっていた。下大静脈貫通部を縫合止血後, 空腸貫通部も一次的に縫合閉鎖をした。他の損傷は認めなかった。術後経過良好で, 第16病日目に退院した。腹部刺創では, 受傷状態のまま搬送することが肝要であり, 全身状態が安定していれば, 損傷部位の診断にCT検査は有用である。
著者
大澤 正嗣
出版者
山梨県森林総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

ヤノナミガタチビタマムシの生活史と環境を利用した被害軽減について研究を行った。本害虫の生活史を詳細に知るため、野外調査を実施し、産卵から成虫になるまでの時期と期間を明らかにした。本害虫の寄生によりケヤキは初夏に早期落葉を起こす。その落葉の中に本害虫の終齢幼虫が入っており、この早期落葉から本害虫が羽化、脱出するまでに9~14日かかる。落葉期間はおよそ25日であり、この間に2~3回落葉を集め除去することで、本害虫を取り除くことができることを明らかにした。また、本害虫の個体数は早期落葉時期に雨が多いと減少することとそのメカニズムを明らかにした。このことは本害虫の被害予測に役立つと思われる。

2 0 0 0 OA 酪農提要

著者
ユーアット 著
出版者
前田喜代松
巻号頁・発行日
1886